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ロイヤル・オペラ 「ラ・ボエーム」 11/10
The Royal Opera "La Boheme" Friday 10 November 2006

Music: Giacomo Puccini
Conductor: Philippe Jordan
Director: John Copley
Associate Director: Richard Gregson
Designs: Julia Trevelyan Oman
Lighting: John Charlton after William Bundy

CAST
Rodolfo: Marcelo Alvarez
Mimì: Katie Van Kooten
Marcello: William Dazeley
Schaunard: Jared Holt
Colline: Alexander Vinogradov
Musetta: Nuccia Focile

The 557th performance at Royal Opera House


“The end of the innocence”

何の気負いもなく、ある種の習慣のように日常生活の延長で見られるオペラ作品というのがいくつかあって、ラ・ボエームはそのうちの一つ。音楽にもストーリーにもすっかり慣れ親しんでいて驚きはないはずなのに、それでも毎回同じ場面で涙して、毎回初めて見るような新鮮な喜びを与えてくれる、得がたい作品でもある。

その魅力の源泉は、なんといってもプッチーニのユニークかつ詩情豊かな音楽。ドラマティックかつリリカルなメロディだけでなく、(プッチーニ・オペラの特徴とも言えるが) とりわけボエームでは音のきらめき方が途方もなく素晴らしい。同時代のフランス印象主義を貪欲に取り込んだ音楽家のパレットは鮮やかな多色の絵の具で彩られていて、場の空気や登場人物の気分が変わるさまを色と陰影で自在に活写する。リアリズムに徹したロイヤルオペラのこのプロダクションではメインの舞台装置は貧弱で暗い屋根裏部屋なのだが、その分カラフルで陰影に富んだ音楽がより一層際立つ。

そしてこの音楽のきらめきは、若くて文無しで限りなく自由・・・というボヘミアンたちの束の間の青春の日々のきらめきそのもの・・・このオペラは、失われた青春の夢へのオマージュ。「哲学者」コリーネが死の床にあるミミを助けるため長年愛用した唯一の財産である外套を手放すシーンが象徴するように(「・・・今や楽しい時は去った/君に別れを告げるよ/さようなら 忠実な友よ・・・」)、ミミの死とともにボヘミアンたちの放埓で自由な青春時代は終わる。もう若いとは言えない自分のような観客にとって、彼等が失ったものはかつて自分が失ったもの・・・ ボエームの舞台を見るたび感じる痛みとノスタルジーは何度見ても褪せることなく、いつも自分の中に強い感情を引き起こす。

登場人物の中で私が一番好きなのは蓮っ葉で男たらしのムゼッタ。束縛を嫌う自立した女で、ボヘミアンたちの中では姉さん格。繊細でつましく「天使のような」(ムゼッタの台詞)ミミとの対比はすぐれてオペラ的に安易、しかし、効果は絶大。彼女が歌う2幕の有名なアリア(「私が町を歩くと/男達は皆振り返って/頭のてっぺんからつま先までなめるように見回す・・・」)は、女であることの悦楽そのものを音にしたというか、これほど女を感じさせてくれる音楽もそうそうない・・・で、私は大好き。聴くたびにムゼッタってほんとにいい女だなぁ・・・と、ますます彼女を好きになる。(ムゼッタ役のソプラノには艶やかで華のある、思いっきりナルシスティックな歌を聴かせてほしいのだけど、なかなか自分の理想には巡り合えず・・・今回のNuccia Focileは悪くはなかったけれど・・・)

残念ながら舞台上に魅力的な声を見出すことはできなかったけれど、コリーネ役のバリトン・アレクサンドル・ヴィノグラードフはなかなかよかった。主役二人は特に好みではなかった・・・ロイヤル・オペラ常連の人気テナー・マルチェロ・アルバレスは声量の凄さばかりが印象に残っていて。私的にはロドルフォ役のテナーにはもっと甘さと繊細さが欲しい・・・要はもっとリリカルであってほしい!(・・・で、帰宅してからYouTubeでカレーラスのロドルフォ映像を探して見てしまった・・・やっぱりこっちの方がいい~~!)オケはよかったと思います・・・こちらももう少し陰影のつけ方が繊細な方が好みではあるけれど。
2006-11-13 02:07 | オペラ | Comment(2)
Comment
リハーサル時だけ代役でムゼッタを歌ったアナ・リースが華があって全ての面でフォチレよりよかったです。
dognorah 2006/11/14(火) 05:13:30) 編集

dognorahさん こんばんは。

アナ・リース・・・って聞いたことあるような ないような。そんなに良かったならリハーサルだけなんて勿体無かったですね。教えて頂き感謝です。
Naoko S 2006/11/14(火) 07:13:40) 編集

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