ナターリヤ・オーシポワ@ロイヤル・バレエ
昨夜、オーシポワの客演するロイヤルの白鳥を観てきました。が・・・・

・・・いや、もうすっかりバレエ不感症になってしまったのか??感想らしきことも特に出てこない公演で・・・。彼女のことだから、いい意味でこちらの想像を裏切ってくれるかも、何かちょっとフツーでないものを見せてくれるかもしれない・・・などと邪な期待を胸に出かけた観客には、特にどこもひっかかることなく(想定内・・)、フラットな印象しか残らなかった。以下、ランダムな備忘録。

- 冒頭、序曲のオケのスロー・テンポにぎょっとする。指揮者の趣味だろうか この後も(特に白鳥湖のシーン)あまり耳にしたことのない間延びしたテンポが多用されていた・・・

- 久々に見るダウエル版白鳥・・・ああ~やっぱり苦手だわ。特に衣装とデコーが嫌いすぎる・・・一幕のワルツとポロネーズの振付も、なんだかねえ・・・田舎くさい。Nobleさとか品の良さ皆無。視覚的に、舞台上にあれこれ詰め込まれすぎていて(バタバタと垢抜けない振付含め)、うるさくて仕方ない。

- そんな中に降り立った白鶴のごとき(ほとんど場違いな)存在が、エリザベス・マッゴーリアンの王妃。一時期少しふっくらとグラマラスな体型だったことがあったけど、またスリムに戻られて、相変わらずお美しい。長身のシルエットが映える構築的なドレスをお召しで、まるで動く彫像のよう・・・威厳と気品に満ちた佇まいにただただ感嘆。この夜舞台にその姿を認めるだけでありがたさを感じさせる千両役者は、この人だけだったのでは。

- トロワを踊ったのは、Itziar Mendizabal、小林ひかる、Dawid Trzensimiech。小林さんの踊りの軽いこと軽いこと、まるでシルフィードのようだった。勿論動きは正確だし、素敵だな~と見とれつつ、一方で、決して大見得を切ったりしないスタイル・控えめなエレガンスがきちんと観客に美徳として評価されているんだろうか・・・とふと心配になったりして。(この国も近年益々派手好きになってる気がするので・・・)

- 二幕、オーシポワの白鳥。王子との出会いの場面からすでに、顔の表情・身振りともに大きいこと・・・で、ひたすらオドロキ!の表現に徹していて、乙女らしい恥じらいとかまるで感じられない。オペグラで見ると、顔を真っ白にペイントしていて、あと一歩で歌舞伎役者状態・・・。彼女の辞書に「抑制」の文字はない、とは重々承知していたけど、あらためて、すべてにおいて過剰。アラベスクで上げた脚がどこまでも上がっていく、ポール・ド・ブラはやたらアクセントつけすぎ・・・で調和が取れていない。結果として、この白鳥湖のシーンで美しいと思える瞬間がほとんどなかった(!今も思い出せない・・・)。常に表現も踊りもmax、というのがこの人の行き方なのはよくわかったしそれ自体は賞賛に値するけど、こういう作品では致命傷になり得ますね。(一生懸命・命がけで踊ってます、っていうアピールが先にきちゃうのでは・・・)あと、ごく基本的なところで、気品とかたおやかさという美質には恵まれていらっしゃらないので、白鳥の「王女」には見えない。その他大勢から隔絶した存在でない、というのは個人的にポイント(ひじょーに)低いです。

- 白鳥湖のシーンでその他気になった点。まずは白鳥たちのチュチュ・・・あ~あ まだリニューアルしてないのかあ・・・。テラテラした生地の長めのスカートで先端が不ぞろいのカット。これ、かねてからグランジ・チュチュと名付けて忌み嫌ってるんですが、久々に見たらロンドン市長のモップ頭と重なって見えてしまって困った(ボリスがそこいら中に・・・ひえーっっ!!幕間にバレ友にこの話したら激・ウケてしまった)。どうしてあんなに醜い衣装をつけさせるんだか かわいそうに。四羽も二羽も頑張っていて、特に四羽はいい出来だったのに。

- ひょっとしてロパートキナの(悪)影響なのかなあ なにしろこの幕は音楽のテンポが遅かった。特にコーダのオデットのソロ部分なんてロパートキナ以上に遅くて、流れが完全に断ち切れてしまい・・・見ている方はかなり欲求不満に。あのスロー・テンポはオーシポワの個性にも合っていなかったかと。

- 三幕の黒鳥のpddはよかったです。ここでは彼女の過剰さが二幕ほどは気にならないので・・・。メリハリの利いたソロのダンスに観客拍手喝采。グラン・フェッテは最初ダブル、後半はシングル、高速スピードを維持して回っていて魅せてくれましたが、やってくれたのはアコスタ。勢いで技をぶつける若手と対照的に、ベテランの味。余裕綽々でスムーズに形の美しいフェッテを披露、最後はゆ~~っくりと余裕で音楽に合わせてランディング、客席は、はっ!と一瞬置いてやんやの大喝采。(さいごのところ、ゼレを思い出しちゃったわ。)まあアコスタはもともとノーブル系のダンサーだけど、オーシポワと並ぶと彼のノーブルぶりがより引き立ったというか・・・。

- キャラクター・ダンスについて一言。それはそれは粋でプロフェッショナルなチャルダッシュを見せてくれたセルヴェラ、(超趣味の悪い衣装にも負けず)それはそれはキュートで弾けたナポリを見せてくれたユフィちゃん。Bravi!!

- 最終幕・・・見ていないので、ノー・コメント!(三幕が終わったあと、バレ友の連れの年配の方がスタンディングで疲れた・座りたい・・・と仰っているのをきいて、私の席をお譲りすることにして家路に着いたのでした。)
2012-10-15 07:33 | ロイヤル・バレエ | Comment(4)
Comment
こんにちは。オーシポワは観に行かれるだろうと思っていました。ロイヤルには、あのダウエル版から脱却してほしいです。飽き飽きです。優美のかけらも今では感じられません。

 僕は今シーズンはウィグモアがメインになりつつあるので、今度はどこでいつお目にかかれるのやらです。寒くなって来たので、暖かくお過ごしください。
守屋 2012/10/23(火) 00:56:08) 編集


守屋さん お久しぶりです。ほんと、ロイヤルの白鳥いいかげんリニューアルしてほしいですよね・・・。それにしても、オーシポワには批評家からもファンからも大絶賛の評が寄せられていて、すっかり引いてしまった私です。

今シーズンはウィグモアがメインなんですか~ 私はまったくご縁がないのでお目にかかれそうもないですが、守屋さんも風邪などにはくれぐれもお気をつけて、お元気でお過ごしくださいませ。(私の周囲ではぼちぼち流行りはじめてます・・・)
Naoko S 2012/10/23(火) 07:33:12) 編集

なんと・・・言葉もありません・・・
エリザベス・マクゴリアン様、ユフィちゃん、小林さん、と魅力的な名前がつらつらと見えて、ロイヤルの白鳥って(ワクワク)と読み始めて・・・

オシポワは・・・黒鳥のヴァリは容易に想像できますが、彼女が運命に操られている姿は・・・想像さえ出来ませんね^^;
ダウエル版ってそんなに趣味が悪いのですか。
グランジ・チュチュに笑ってしまいました。

マリインスキーの白鳥に もうすぐ会えるありがたみが一層増す記事でした。
maria 2012/11/11(日) 08:45:27) 編集


mariaさま こんにちは。

>>ダウエル版ってそんなに趣味が悪いのですか。
グランジ・チュチュに笑ってしまいました。

まあ所詮好みの問題ですからねえ・・・イギリス人バレエファンにはグランジ・チュチュが好き、という人も沢山いますから。

>>マリインスキーの白鳥に もうすぐ会えるありがたみが一層増す記事でした。

いやもうほんっとうに羨ましいです。マリインスキーの白鳥も勿論ですが、あんなにロパートキナ三昧できるのは世界広しといえど今シーズン、東京だけですよ!!残念ながら私はジョインできないので、mariaさんのレポを心待ちにしております・・・
Naoko S 2012/11/13(火) 08:30:26) 編集

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