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ロパートキナの「ラ・バヤデール」 (8/13)
遅ればせながら土曜の夜のツアー千秋楽のバヤデール、とってもよかったです。終わってしまって、さびしい・・・

ロパートキナは、ただただ、う・つ・く・し・す・ぎ・・・ました。それはもう、有り得ない超越っぷり。あらためて、ニキヤ、当たり役の一つですね・・・。

一幕・寺院での登場シーン、ベールに隠されていた顔があらわになってあの夢見がちなダークな瞳がぱっと開いた時点で(毎度のごとく)、既にKO。聖なる火の前で祈りをこめるように厳かに踊るシーンは、あの哀切なメロディーに身体が同化したかの如く、最初から最後まで動きが見事に一本の線でつながっていて決して途切れない。このシーンに限らないけど、彼女の夢のように流れのいい、すべらかで淀みない動きの連鎖には、ただただうっとり。
 
ロパートキナの美しさの質というのは、他のどの優れたバレリーナと比べても全く違っていて・・・言い尽くされた形容だけど、スピリチュアルで純粋で超越志向があって・・・(ボキャ貧ご容赦。でもほんとこれ以外の言葉は見つからない・・・。)あまりに浮世離れしてるのよね。で、この演目だと特に、見ていて思わず手を合わせたくなるようなシーン多数(笑)。ラジャの宮殿でガムザッティの婚約を祝うダンスを披露するシーンなんて、最後にパートナー(ラジャの奴隷)にリフトされて高みから百合の花?をガムザッティの頭上に散らすロパートキナ@ニキヤがあまりに神々しくて、思わず、"ご利益あった~・今年あと残る4ヶ月はいいこと一杯ありそう!!"なんて反応しちゃったもの。

(でも女神様~なだけでなく、コルスンツェフ@ソロルとのpddのシーン、ガムザッティから呼び出されて何も知らずに宮殿に舞い戻ったシーンでは、とっても可愛い・純真無垢な表情をしていて、このギャップがまた堪らないのですわ・・・。←ファン馬鹿)

二幕の嘆きのダンスではあの長~~い手脚が、語る・語る。(このシーンで面白かったのは、舞台上手に座ったコルスンツェフがずーーっと彼女の踊りを見ていたこと。前夜のゼレンスキーは最初から顔をそむけて全く見ていなかった。コルスンツェフ、皆と同様ロパートキナが踊る姿を見たいのね~と勝手に解釈していた私。)花篭のダンスは前夜のヴィシと比べるとそれほどインパクト強くなかったな(ヴィシはここが凄くよかった)。大僧正のさしだす解毒剤を断るシーンでの演技は抑え目で、静かに運命を受け入れるというか・・・。最後、ニキヤが床に崩れ落ちる直前にソロルがすっ飛んできて彼女を抱きかかえたのだけど、そのタイミングが絶妙だった。(前夜のゼレンスキーはヴィシが完全に崩れ落ちたあとに駆けつけていた。)

あ、慌てて付け足しますと、当夜の(&前夜も)ガムザッティはアナスタシア・コレゴワでした。彼女には何の恨みもありませんが、この配役には大いに不満。コレゴワ、見事に可愛いお嬢さんタイプで踊りも決して悪くはないけど、如何せん存在感が・・・殆ど無し。これだと女の対決シーンがまるで盛り上がらない。なんか近年のマリインスキーってガムザッティに力入れてない印象があるんですが・・・心を入れ換えてほしいわ。(ボリショイとかパリオペだったらプリンシパルに踊らせる役なのに・・・)

影の王国。前夜に続き、群舞が素晴らしかった。前回見た時よりも邪念なく見られたというか、素直にきれいだなあ・・・と感じられた。群舞のパートが終わっても、拍手がなかなか鳴り止まない(二日ともそうだった)。三人のバヤデールのうち良かったのは、1st V.のアナスタシア・ニキティナと2nd V.のマリア・シリンキナ。お二人ともちょっと前から劇場が強力に売り込みをはかってる若手、という印象があるのだけど、今回のツアーではシリンキナは随所で起用されていて(ショピニアーナでは真ん中を踊ってたし)見る機会に恵まれたけど、ニキティナは少なくとも私が見られたのはこのヴァリエーションだけ・・・もっと色々見たかったな。ちょっとまだ粗いところがあるけれど、若いダンサーならではの覇気があって、勝気そうな踊りが気に入った。(二日目=最終日は特に気合が入った踊りで、その熱演に、フィニッシュする前に客席から拍手が沸き起こっていた。)一方のシリンキナは既にかなり洗練されていて、凛とした踊りと表情がいい。

この、非現実の世界に住まうバヤデールたちの中にあっても、ロパートキナはまた別次元の存在であるかに見えた・・・。顔の表情はとても穏やかで、動きはあくまで優雅、絹のようにスムーズ。ソロVでは時にやや弱弱しくみえることがあったけど(前日のヴィシと比較すると。ソロVではむしろコルスンツェフが、大技を見せて喝采をさらっていた)、コーダの見せ場、舞台奥から対角線上に高速で回転してきて前線まで来たらア・テールのアラベスクで後退する・・・あのシーンがスピード、形ともに完璧だった。とくにアラベスクで舞台奥に下がっていくところ、かなり奥まで後退していて、ここ私的にツボのシーンなので、心中密かに興奮&嬉々として見てました。(しかし、あの怒涛の終わり方ねえ・・・バヤデールって、音楽がもうちょっと良ければなあ・・・惜しい!と、いつもの如くの感慨に襲われた。)

カーテンコールで、観客の熱烈な拍手とブラヴォーに得も言われず美しいレヴェランスで応えるロパートキナの姿をしっかり脳裏に焼き付けて劇場を後にしました。うん、とってもいいフィナーレでした。
2011-08-16 10:41 | マリインスキー・バレエ | Comment(4)
Comment
Naoko さん、ロパートキナの「ラ・バヤデール」、素晴らしかったようですね!

各シーンのロパートキナの表情や踊りが目に浮かぶようです。「ラ・バヤデール」は、今度の日本公演にも是非持って来てほしい演目です。もちろん、ロパートキナのニキヤは必須条件で。

マリインスキーがガムザッティに力点を置いていない点は、私も常々感じていたことでした。なぜなんでしょうねえ。
私がビデオで持っているキーロフ・バレエ時代の「ラ・バヤデール」では、コムレワがニキヤ、テレホワがガムザッティを踊っていて、それはそれは豪華な火花が散るような競演です。これを観てから、テレホワがガムザッティのデフォルトになってしまったので、誰が踊っても役不足に見えてしまうのです。特に近年のマリインスキーはなぜこの役にプリンシパルを充てないのでしょうね。大いに不満です。

「アンナ・カレーニナ」についても是非レポートをアップくださいませ。よろしくお願いします。
Katia 2011/08/19(金) 00:59:10) 編集


Katiaさん、マリインスキーのジャパンツアーは来年ですよね バヤデールも持っていくという話を聞きましたが・・・まだ正式発表されてないのかな?

テレホワのガムザッティですか~迫力ありそう。この役はキャラクターにバッチリ嵌るダンサーが踊って(演じて)くれないと、物足りないんですよねー。

アンナ・カレーニナ、なかなか面白く見られたのでちょっとメモを残しておこうとは思っているのですが・・・しばしお待ちを~。
Naoko S 2011/08/20(土) 06:51:13) 編集

Naokoさまの夏はマリインスキーの夏、だったのですね!
羨ましい・・・
東京はニコラ祭りになる予定が・・・くすん;;

うーん、ロパートキナのニキヤ、美しかったでしょうね!
あのベールを取った瞬間、周りが息を飲む場面に説得力があって、さぞかしドラマチックでありましたことでしょう・・・^^

ガムザッティといえば、パリオペではプラテル様、ロイヤルではダ―シ―・バッセルがニンに合っていた・・と即座に反応してしまうお役、ここはやはり王女様系の美女でニキヤ役に拮抗できるダンサーを当てていただきたいものですわね。

影の王国、マリインスキ―コールド陣の見せ場!ですね。
長い手脚、優雅な持ち味、美しい容姿、鉄板のテクニック・・・
想像するだに麗しい。

最後に良い作品を観られると、そのツアー全体の満足度が上がりますよね^^

アンナ・カレーニナ、興味あります。
お時間が出来ましたら、是非~v
maria 2011/08/22(月) 04:31:33) 編集


mariaさん


こちらも、レスがすっかり遅くなって申し訳ありません(汗)。

惜しくも流れてしまった二コラ・ガラ、是非とも仕切り直して実現させていただきたいですね。

さて、マリインスキーは次回の来日公演でバヤデールをもって行くようですから多分ロパートキナも登場するのではないでしょうか。どうぞお見逃しなく!

(来日公演といえば、アンナ・カレーニナも上演予定演目に入っているようでこれにはちょっとびっくりしましたが。日本公演では概して保守的な演目選択が多いですものね かなりの賭けになりそう?)
Naoko S 2011/08/28(日) 23:17:38) 編集

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