マリインスキー・バレエ 「白鳥の湖」 (8/6)
体調もなんとか戻ってきてせっせと通ってます・マリインスキー公演。全然メモを残さないのもナンなので、取敢えず今夜観てきた「白鳥の湖」についてちょこっとだけ。

☆☆☆

本日の主役はヴィクトリア・テリョーシキナ。いやもう、それはそれは実に立派な、「マリインスキーの」白鳥姫でした。この劇場でこの作品の主役を踊ることの重みとプレッシャーは並大抵ではないと想像するけれど、選ばれた者にふさわしい、誇り高く、一瞬たりともおろそかにしない気概と集中力がひしひしと伝わってくるパフォーマンス(役を大事に大事に踊っているのがわかる)。まだあまり彼女特有の個性というのは感じられなかったけど(そのせいか感動には至らなかった)、それは今後に期待、でしょうか。

テリョーシキナって身長は特に高くはなさそうだけど、手足が異常に長いのよね。で、指も長いみたいで、彼女のポール・ド・ブラは独特だった。くねくねとうねるような長い腕(と指)が鳥の羽ばたきというよりツル科の植物みたいに見える瞬間があって(!)、なんともなまめかしい。驚いたのは、ロパートキナほどではないけど、白鳥湖のシーンでテリョーシキナもかなりのスローテンポで踊っていたこと。(で、お二方に是非ともお願いしたいことが。アダージョはいいとして、コーダであそこまでテンポを落とすのはあまりにも流れに合わないので、いかがなものかと・・・元に戻していただきたいんですが。)

ジークフリートはABTからのゲスト、デヴィッド・ホールバーグでした。一幕の登場シーンではスター性が感じられず、なんかちょっともさっとした立ち居振る舞いで、肩透かし。振付がまだ身体に入ってないのか、ソロvのフィニッシュで音がかなり余ってしまうという失態を犯していました。踊りもまあ悪くはないけど、特別なものは感じられず、なぜわざわざ彼をレンタルしたのか理解に苦しむ。(セルゲーエフとか、踊れないのかなあ?)あ、彼、パートナリングは危なげなくこなしていたので、そこは評価します。(もっともテリョーシキナ王女のダンスはリフト以外は支え手なんて必要ない、ぐらい磐石でしたが・・・)

ドゥミ・ソロイストとコール・ドはとてもよかった。特に白鳥たち・・・今どきこんなに見た目も踊りも統率のとれた、美しい白鳥乙女たちを見られる機会は他ではないだろう、と胸が熱くなりました(無形文化財に指定するべき!)。初日の公演ではドゥミ・ソロイストに細かなミスがあって、今ひとつ締まりがないというか、あまりマリインスキーの白鳥でこんなミスは見たことないなあ・・・と驚かされるシーンがあったけれど、今夜は皆しっかり踊ってました。

そうそう、オケも、やっと少し落ち着いてきたか・・・と胸を撫で下ろす出来だった。一週目の、白鳥とフォーキン・プロの初日は、オケが指揮者に不信任案叩きつけてるのか(何もこの場でやらなくても・・・)ってぐらい酷かったからなあ。先週のドンQが一番まともで、"ああミンクスならできるのね(やっぱり簡単なのかしら)"なんて皮肉っていたのですが。トンネルの先にほのかに光がみえてきたかな・・・

・・・というわけで、ロパートキナが主役を踊るときのスペシャル感はなかったものの、白鳥の湖はマリインスキーに限る!という私の近年の信条を、見事に裏書きしてくれる公演でした。
2011-08-07 09:40 | マリインスキー・バレエ | Comment(6)
Comment
Naoko さん

体調が戻られたようで安堵しております。
夏風邪は長引きますから、しばらくはご自愛ください。

マリインスキー・バレエのロンドン公演レポ、お待ちしておりました。
テリョーシキナはもう立派な看板プリマ・バレリーナですよね。
ただ、白鳥の湖でスペシャル感が出せるプリマって、ほとんどいないですねえ、私の経験上。
やはりこの演目は見た回数が群を抜いて多い訳ですが、本当に感動的で印象に強く残っているのは5本の指に満たない程度でしょうか。
ロパートキナの白鳥も既に5度くらい見ているのですが、私の中でのベスト・パフォーマンスは2000年あたりにNHKホールでゼレンスキーと踊ったアダージオ(抜粋のみ)ですね。この時はある音楽祭のガラ・コンサートの1演目として踊られたのですが、この10分程度の抜粋を観ただけでチケット代を払った甲斐があった、心から納得したものです。

今回の彼女の「白鳥」がどんなものだったのか、相手ダンサーは誰だったのか、お聞かせくださると幸いです。

ヴィシニューワや他のダンサー、演目についても、お気づきの点をどんどん書いてくださいね(無理をしない程度に)。
Katia 2011/08/07(日) 21:44:04) 編集


Katiaさん

そうですね、白鳥の湖は鑑賞回数が多いからこそ要求水準も高くなりがちですね。私は今回マリインスキーの白鳥を二回観て、つくづく奥の深い作品だなあと感じ入りました・・・

早いもので明日からもう最終ウィークに突入です。ロンドン・プレミエのアンナ・カレーニナと、最後はバヤデール、体調の許す限り見てきたいと思ってます~。
Naoko S 2011/08/08(月) 05:49:22) 編集

レポ毎回楽しみに読ませていただいてます☆*:.。. o(≧▽≦)o .。.:*☆

そんな中テレビのニュースで、
ロンドンで暴動が起きていると放送されてます。・゜・(ノД`)・゜・。

大丈夫ですか!?(・_・;?
また、バレエ団やオペラハウスは無事ですか!?(・_・;?

心配です。・゜・(ノД`)・゜・。
やよい 2011/08/09(火) 11:51:41) 編集


やよいさん はじめまして(・・・かな?)。

そうなんです、London's burning !

渡英して15年になりますが、こんな事態は初めてでショックです(あまり驚いてはいないのですが・・・)。暴動が起きたのはロンドンの中でももともと治安の良くなかった地域なのですが、あっという間に他地域に広がって、今日は私の住む町の商店街でも騒ぎがあったとか・・・。

こんな状態なので今夜の公演はひょっとして中止かも?と夕方にオペラハウスに電話したところ予定通り上演します、と。で、アンナ・カレーニナの初日を見てきました。明日はロパートキナ@アンナなので、この騒ぎの煽りを喰って行けなくなったら困る!いい加減収束してほしいです・・・。(コヴェントガーデン周辺では特に不穏な動きはなかったようですが、商店は軒並み早終いしてました。ちなみに地下鉄は普通に動いてます。)
Naoko S 2011/08/10(水) 08:56:03) 編集

Naokoさま、お元気ですか?
夏風邪をひいてしまわれたのですね、お大事に・・・。
東京は連日の体温=気温の酷暑から2~3日前の雨から一転、すっかり涼しくなりました。

そして、マリインスキ―レポを落としてくださってありがとうございました^^

テリョーシキナ、彼女の踊りは誠実で、いつもとてもプロフェッショナルなダンサーとして完璧なパフォーマンスを見せようとする気概と踊る歓びを同時に感じさせてくれる、お気に入りのバレリーナ
です。
ではあるのですが、「白鳥」はその先にある、とでもいいましょうか、一種独得の幽玄の世界を表出出来る資質が求められる分、地に足のついた彼女の持ち味と合うのかな?と。。。

わたくしのBESTアクトはやっぱりロパートキナ。
彼女の白鳥を観てからはそれまで気軽に見てきたこの演目を、”合わない”ダンサーでは受け付けなくなってしまいました^^;
次点で、アニエス・ルテステュです。
maria 2011/08/22(月) 04:15:57) 編集


mariaさん こんにちは

レスがすっかり遅くなってごめんなさい。世間ではビジネスは夏枯れの季節だというのに、ここのところなぜか滅法忙しくて・・・全然余裕がありませんでした・・・(泣)

さて、mariaさんのテリョーシキナ評、うんうん、頷ける部分がありますわ。仰るとおり「地に足のついた」、とっても質実剛健なダンサーですよね、その分若干浮世離れ感に欠けるという印象が。なのでバヤデールだったら、彼女はニキヤより断然ガムザッティで見たいと思わされます。(千秋楽のキャストはロパートキナのニキヤvsテリョーシキナのガムザッティだったら最高だったのに・・・!と常連達と話してました。)

えっ、maria様、ロパートキナ出現以前は白鳥の湖は"気軽に"見られる演目だったのですか・・・余裕があったのですね。私は一番好きな演目で思い入れが強すぎるせいか観る時にはいつも力が入ってしまい困ります。mariaさんの次点はアニエスですか。私は・・・とふと考えて、次点が存在しないことに気づきました・・・(愕然)。
Naoko S 2011/08/28(日) 22:58:54) 編集

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