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ロイヤル・バレエ 2006/07シーズン開幕
パリに続きロンドンでもバレエ・シーズン開幕!一昨日(10/5)、20世紀の振付家3人のモダン・バレエ作品で構成されたミックス・ビルでロイヤル・バレエの新シーズンが開幕しました。

ストラヴィンスキー・ヴァイオリン・コンチェルト(振付: ジョージ・バランシン/音楽: イゴール・ストラヴィンスキー 1972年NYCB初演)

ダーシー・バッセル、エドワード・ワトソン、リヤーン・ベンジャミン、ヨハン・コボー

ヴォランタリーズ(振付: グレン・テトレー/音楽: フランシス・プーランク 1973年シュツットガルト・バレエ初演)

アリーナ・コジョカル、フェデリコ・ボネッリ、サラ・ラム、ティアゴ・ソアレス、ルパート・ペネファーザー

シンフォニエッタ(振付: イリ・キリアン/音楽: レオシュ・ヤナーチェク 1978年NDT初演)

ローラ・モレーラ、イザベル・マクミーカン、リカルド・セルヴェラ、スティーヴン・マクレー、ホセ・マーティン 

バランシンの「ヴァイオリン・コンチェルト」、ロイヤルでの上演はこの夜が12回目だったようなのだけど、以前見たことがあったかどうか?ちょっと思い出せない。この作品といえば、何と言ってもNYCBの映像を初めて見たときの印象が強烈で・・・NYCB最盛時のメンバーによるパフォーマンスだったせいもあると思うけど、スリリングでユーモラスで洒落ていて・・・一目で好きになってしまった。あの映像でカリン・フォン・アロルディンゲンとバート・クックの踊っていたパートをバッセルとワトソンが、ケイ・マッツオとピーター・マーティンスのパートをベンジャミンとコボーが踊った。

アンサンブルによる導入部(トッカータ)とコーダ(カプリッチョ)にはさまれた二つのpdd(アリアI&II)が見所で、最初のペアはどちらかというとラブ・ゲーム風?ところどころユーモラスな遊び心のある振付。ダーシーは若干おとなしめだった・・・大柄な身体を活かしたダイナミックな踊りを期待したんだけど、いつもの大胆さは影をひそめていた。(ひょっとしてワトソンとの背の釣り合いのせいだったかも?彼は特別上背のある方ではないので、ダーシーのパートナーとしてはぎりぎりかな・・・というところ)ワトソンは動きは悪くないけど、いかんせんドラマティックな表現にこだわりすぎて?パを引き伸ばしすぎていた印象が(特に上体の動き)。二番目のpddはラブ・デュエット、映像で見たときはクールな(きわめてバレエ的な)エロティシズムを感じたのだけど、ベンジャミン&コボーはわりとあっさりめ。二人とも顔の表情は思いっきりドラマティックでほとんどマクミランの世界なんだけど、ケミストリーがいまいち。4人のリードの中で最も動きが冴えていたのはベンジャミン。ここのところネオ・クラシック系で新境地を切り開いたか?と思わせる充実した舞台を見せてくれているけど、ここでも彼女のシャープな動きが目をひいた。

それにしてもこの作品、素人目にも踊るのはさぞ大変だろうなあ・・・と想像に難くない。ストラヴィンスキーのテンポとかアクセントって本当に独特。それに輪をかけてバランシンの振付もユニークでキビしそう。これを踊り込んだら相当のトレーニング効果があるかも・・・ダンサーたちにとってはいいチャレンジになるでしょうね。

ロイヤル管のコンサートマスター、ヴァスコ・ヴァシレフによるヴァイオリン・ソロはなかなかスリリングで美しかった。カーテンコールでは今回の再演を指揮したアロルディンゲンとクックも舞台に登場しました。

グレン・テトレーの「ヴォランタリーズ」はプーランクのオルガン・弦楽とティンパニのための協奏曲に振付けた、こちらもプロットのない抽象バレエ。プーランクのこの曲は多分初めて聴いたような・・・厳かな教会音楽を想わせるオルガン・ソロで始まり、その後不協和音あり、性急な展開あり・・・と若干神経症的でこれもなかなかユニークな音楽。振付の方は音楽ほど面白くない・・・というか至ってオーソドックスなクラシックのパが多用され律儀というのか生真面目なつくり。ヴァイオリン・コンチェルトのようなひらめきがないし、重複した動きが続いて後半はちょっと飽きた。男性も女性もユニタード着用のせいか身体のラインの美しいダンサーがリード(コジョカル・ボネッリのペアとラム・ソアレス・ペネファーザーのトリオ)に配されていたが、皆初役だと思われるけど非常に完成度が高かった。わかりやすい振付とドラマチックな(聴きようによっては)音楽にダンサー達の好演が加わって、この夜観客の反応が最もよかった作品。

ちなみに米国人振付家グレン・テトレーは今年80歳のお誕生日を迎えられたということで、記念年の今シーズン後半にロイヤルは「月に憑かれたピエロ」を再演します(こちらは演劇的かつかなりアヴァンギャルドな作品)。

ミックス・ビルのトリはここ数年よくかかるキリアンの初期の作品、「シンフォニエッタ」。トランペット10本ぐらい使った派手なファンファーレで幕が開くと男性ダンサーたちのダイナミックなジュテの連続、全体に空間を充分に使った若々しい振付だけど、いかんせん「前世紀初頭のオリンピック大会・開会式!」風の音楽に比較的忠実に創られたように見える動きのせいか、アスレチック色過剰でちょっと苦手な作品なのだった。第一楽章のしょっぱなに飛び出してくる男性ダンサーはソロイストながら最近登用されまくっている期待の若手スティーヴン・マクレー。超絶技巧で魅せる典型的なキャラクテール系のダンサーで、踊りは上手いのだけど体型があまりにキャラクターしているのがちとつらかったかな(小柄でガッチリ型)。このパートを端然と美しく、かつダイナミックに踊ったイヴァン・プトロフが恋しくなってしまった。(プトロフ君、開幕には間に合わず11月の眠りで復帰することになっているのよね・・・)

この夜のもう一人の主役は指揮を務めたロイヤル・オペラの音楽監督、アントニオ・パッパーノ。彼が振るロイヤル管はストリングスが美しく、まずまず聴かせてくれました。パッパーノさん、シンフォニエッタのカーテンコールで舞台に上がってとっても嬉しそうにニコニコと歓声に応えていました。彼っていつもご機嫌よさそうで感じのいい人なのよねえ 好きだわー。(このミックス・ビルは全回彼が振る予定になっている・・・モダンのミックス・プロは普段客席が一杯になることが少ないのだけど、少なくとも初日のこの夜はほぼ9割近く埋まっていたのよね。マエストロ登板の効果もあるのかも?)

ここ数シーズン各演目の初日はどうもハズレが多い・・・と批評家・ファンから愚痴られていたロイヤルだけど、この夜はプリンシパルもアンサンブルもフォーカスの定まった、引き締まった舞台を見せてくれて、まずまずの滑り出しと言っていいのでは。(日本人ダンサーの方々も頑張っていました・・・小林ひかる・蔵健太が二演目、平野亮一が一演目に登場。)

↓ballet.coのギャラリーに写真がアップされています

http://www.ballet.co.uk/gallery/jr_rb_stravinsky_voluntaries_sinfonietta_1006
2006-10-08 07:03 | ロイヤル・バレエ | Comment(5)
Comment
こんばんわ。僕も、今晩観てきました。Naoko Sさんがご覧になったファースト・キャストは13日に観てくるつもりです。本当に、音がよかったですよね。これなら、今月末から始まる「眠り」もパッパーノに振ってもらいたいです。今週、パッパーノはオペラ、バレエと連日振っていますが、まだ若いから大丈夫でしょう。
 リンクを貼られてている写真の中にありますが、「ヴォランタリーズ」のセカンド・キャストに客演している、シュットゥットガルト・バレエ団のJason Reillyの左乳首のピアスが気になってしまって。珍しく、ヌニェスの踊りが安定、且つ高水準だったのですが、このピアスが気になってしまって集中できませんでした。
守屋 2006/10/08(日) 07:23:28) 編集

ロイヤル初日の様子、どうもありがとうございました。写真で見るとどうも地味だなあ、という印象が強かったのですが、なかなか良い舞台だったのですね♪

ダーシーのお相手役にワトソンくん、私もちょっと彼はダーシーには小さいんじゃないかなあ…、と思っていましたがやはり(^_^;)
はなはな 2006/10/08(日) 12:01:12) 編集

守屋さん

パッパーノ氏は今年47歳、仕事盛りの年齢ですね。ご高齢の御大マエストロにはないフットワークの軽さが彼の魅力だなあと常々感じているのですが、ほんとにもっとバレエ公演でも振ってくださらないかしら。以前一度だけ?バレエで指揮されていましたが、あれはシンフォニエッタでしたっけ??

写真を見て、ジェイソン・ライリーって誰??と疑問だったのですがシュツットガルトからの助っ人だったんですか。これはやはり振付家の人選なんでしょうね。でもあのパートにわざわざ外から人を呼ぶ必要があったとは私には思えませんけど・・・。(ところで面白い・というか意外に思ったのが、守屋さんが「珍しく、ヌニェスの踊りが安定、且つ高水準」と書かれていたこと。私の目には、彼女は「安定度」ではロイヤルのプリンシパルの中でもピカ一なんですが・・・もっとも昨シーズンはあまり見ていないんですけど。)

セカンドキャストで気になるのはV.コンチェルトのアンサネッリです。今回見る予定はないのですが、「本場」仕込みの彼女のV.コンチェルト、見てみたかったなあ。

はなはなさん

いや、ほんとにびっくりするくらい出来はよかったです。シーズン開幕プロにぶつけるにはややリスキーな演目選択だったかに見えますが、見事に期待に応えていたと思いますよ。

ダーシーで印象に残っているのは踊りよりもカーテンコールの時の様子だったりして・・・。にこやかに歓声に応える笑顔がすっかりプリンセスの表情で微笑ましかったです。
Naoko S 2006/10/08(日) 23:38:09) 編集

不幸なめぐり合わせとでも申しましょうか、ヌニェスがメインを踊る1幕物を何度か見ているんですが、必ず彼女、僕が観ているときに限って足を滑らせたり、つまずいたり、両手をついてしまったシーンにも巡り会いました。
 今シーズンは、彼女の全幕を見てみるつもりです。
守屋 2006/10/09(月) 00:36:36) 編集

守屋さん

>>必ず彼女、僕が観ているときに限って足を滑らせたり、つまずいたり、両手をついてしまったシーンにも巡り会いました。

ひや~ それはそれは。ロイヤル随一のテクニシャンの彼女でもそんなことがあるんですねえ・・・名誉回復のために是非とも次回守屋さんがご覧になる時にはいい舞台を見せてくれるといいのですが。
Naoko S 2006/10/09(月) 02:31:45) 編集

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