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マリインスキー・バレエ 「白鳥の湖」(8/7)
昨夜ロパートキナの白鳥観て来ました よかったです!

これは私にはあるまじき事態なんだけど、ロパートキナの白鳥を見てこんなにハッピーな・明朗な気分になれたことって初めてかも・・・(大抵魂抜かれて息絶え絶えか・拒絶にあって苦悶させられるかのどっちか・笑)

彼女の白鳥、最後に見たのはいつだったか・・・と記憶を辿ってみるに、2005年の夏。ってことは、なんと実に4年ぶり。

・・・4年!!そんなに長く見てなかったなんて・・・。この間一体何してたんだろうワタシってば・・時間を無駄にした~!と一幕終わって一瞬歯軋りしたくなったけど、実は前回鑑賞時はものすごーく複雑な気分にさせられて、"彼女の白鳥は当面見なくてもいいかも・・・あと何年かたってからでいいや"なんて思ったぐらいだったのよね。

前回(2005年)・前々回(2003年)ともに確かパートナーはコルスンツェフ。明らかに不調だった前々回はともかく、前回のロパートキナの白鳥湖のシーンにはやや寒いものを感じてしまったのだった。あまりに孤高が際立ちすぎて、完璧にuntouchableな存在と化していた彼女のオデット。まるで独り氷に閉ざされた世界の住人のようで、あのときの印象で今もはっきり憶えているのは、舞台上のロパートキナの姿がやたらこの絵と重なって見えて仕方なかったこと。

http://en.wikipedia.org/wiki/File:Caspar_David_Friedrich_006.jpg

さらに、この状態がすすむと次の段階ではロスコの孤独にまで至ってしまう、それはマズい・・・と一人焦っていたこと。(で、脱線話だけど、当時は何故全く関連性の感じられない二人の画家のことを同時に思い出したのか気になって、試しにググってみたら、ある米大学教授がこの二人に一定の共通項を認めて著書をものしていることを発見。早速図書館で本を借りて読んでみたりした。http://artscape.jp/dictionary/modern/1198664_1637.html こういうことを私にさせるダンサーは、彼女を置いて他にはいないなあ・・・。)

昨夜に話を戻すと、前回と何が違ってたかというと、まず踊りにも表現にものびやかさが感じられたこと。陳腐な言い方だけど、肩の力が抜けたというのかなあ この数年間で彼女は自由を得たんじゃないか・・・と妄想して嬉しくなってしまった。

簡単にいうとスケールが大きくなったということかなあ。パートナー・コルスンツェフとの間に(相変わらず)ごく普通の意味での男女間の愛情・エロスは感じられなかったけど、前回のようにパートナー(とある意味観客も)を完全に置き去りにして自分の世界に閉じこもっている風はまるでなく、信頼するパートナーに身を任せてアダージョを踊るロパートキナがえもいわれずエロティックな表情を見せることがあって、ゾクゾクさせられた(彼女は極めてバレエ的なエロティシズムを舞台に現出することのできる稀有のダンサー)。この二人のパートナーシップが確実に深化していることを目の当たりにして、すっかり嬉しくなってしまった。

あと、これも私的に嬉しかったのは(久々に見たせいもあるかもしれないが)、一幕ニ場の白鳥の出のシーンで舞台に姿を現したオデットの姿に、初めて彼女の白鳥を見たときに受けたのと同じ衝撃を感じられたこと。目にしていることが信じられない・奇跡を見ている思い。(しかし、この登場シーンで、毎度お約束~じゃありませんが、場内のモードが一瞬にして切り替わったことには客観的に見ておかしくなってしまったほど。ほんとカチッと音をたてて瞬時にモードが替わりましたからね・・・以後、彼女が登場するたびに劇場は水を打ったような静けさに包まれ・・・。あのカリスマはほんとに凄いです・・・)

白鳥湖のシーンのロパートキナはいつも"完璧"だけど、その完璧さがアダとなって見えることも過去には経験していて。ムーヴメントの一つ一つが丹念に磨き抜かれ・計算され尽していて、これがともすれば彼女の舞台から自然発生の妙とか不確実性や偶然から来るスリルを奪っていると見えないこともなかった。(前回見た時がまさにそんな印象だった。"至芸"を見せていただいてる、という有り難味はあったものの、心を揺さぶられることはない・・・というか。)

今回はこのロパートキナ特有の美意識が一にもニにも音楽のエッセンスを引き出すことに仕えているのだ、と痛感させられた。彼女の一つ一つの動きと所作にはすべて意味が込められていて、それが、なんと恐るべき魔力を秘めたスコアであることか・・・と音楽の力に思い至らせてくれたのです。これこそが彼女の真骨頂。(もっとも、これは必ずしもロパートキナ一人に拠っているのではなく、昨夜再見してつくづくセルゲーエフ版はチャイコフスキーの音楽の幻想的な美しさとドラマ性と官能性を理屈ぬきで・肌で感じさせてくれる、純粋に音楽を視覚化したヴァージョンではないか<それじゃーバランシンだ・笑>と感嘆しました。好きだなあ この白鳥・・・)

賛否両論の分かれるアダージョのシーンの彼女独特のスロー・テンポも、音楽を歪めるギリギリの線までいっちゃってるとは言え、あの長い長い腕が存分に羽ばたくには、あの長い長い脚が優雅な弧を描いて地上に降りてくるには、このテンポが必要なのだ・・・と納得させられた。ロパートキナは決して小柄とはいえないこのアンサンブルの中にあっても飛び抜けて大柄なわけだけど、輪郭線(シルエット)は誰よりも繊細で、本当に一人超自然的存在だった。

ロパートキナ@オディール、二幕の舞踏会のシーンでは実にのびのびと踊ってました。あまり得手ではないと思われる回転ものも破綻なく・音を外すことは一切なく、ひたすら優美にこなしていて、うっとり。登場のシーンではツンと冷たい表情なのが、踊りすすむにつれて解放されていったというかホットな表情に変わっていって、見ていて嬉しくなってしまった。

そして昨夜のロパートキナのオデット/オディールには一種の鷹揚さというか、女神の慈愛とも言うべき寛容さも感じられて、ふと彼女のリラを思い出してしまった(まったくも~~なんでリラ踊ってくれないのよ~~しくしく)。

最後に、パートナーのコルスンツェフについて一言。いや、彼は見るたび素晴らしいダンスール・ノーブルに成長していますが(エラそうですみません)、今回もよかった~。かつての地味男君のイメージをほとんど払拭したと言っていいのではないでしょうかね(彼ってちょっと目が斜視気味のところがセクシーだわ~♪なんて今更気づいたりして)。しなやかな猫科の(で、ある意味女性ダンサー達より優雅な!)男性ダンサーが多い今のマリインスキーにあっても、コルスンツェフのあの独特の柔らかさは魅力。あれほどの立派な体躯であれだけ優雅な舞を見せられた日には、もう~堪りませんね。二幕gpddのソロ・ヴァリは、男性舞踊手が踊るこんなに美しいクラシックバレエは久しく目にしていなかった・・・と感涙を誘うもの。(それでもこの見事なVにブラヴォーがかからなかったのは・・・観客に見る目がなさすぎなのか、やっぱり少々地味に映ったのか・・・??)

さて今夜はこれからテリョーシキナの白鳥です!何気に彼女の全幕を見るのは初めて(?)すっご~~く楽しみです~♪

Mariinsky Ballet "Swan Lake"
Friday 7th August 2009 @ ROH

Odette/Odile: Uliana Lopatkina
Prince Siegfried: Daniil Korsuntsev

The Princess Regent (Siegfried's mother): Elena Bazhenova
The Tutor: Petr Stasiunas
The Jester: Andrei Ivanov
Von Rothbart: Ilya Kuznetsov
The Prince's Friends: Yana Selina, Valeria Martinyuk, Maxim Zuzin
Two Swans: Irina Golub, Nadezhda Gonchar
Spanish: Valeria Ivanova, Anastasia Petushkova,
Alexander Sergeyev, Islom Baimuradov
Neapolitan: Anna Lavrinenko, Alexei Nedviga
Hugarian: Polina Rassadina, Karen Ionnisian
Mazurka: Svetlana Siplatova, Ksenia Dubrovina,
Elena Androsova, Natalia Dzevulskaya, Dmitri Pykhachev,
Sergei Salikov, Soslan Kulaev, Sergei Popov

Conductor: Boris Gruzin
Orchestra of the Mariinsky Theatre

【おまけ】ロパートキナの公式?サイトができましたね!これご本人のサイトなのかファンサイトなのかわかりませんが(現状ロシア語版しかない)、フォトのセクションが大変充実してます。どれもこれもひたすら美しいですが、「ジゼル」の写真が沢山あって嬉しい!(彼女のジゼル見たいよお~~)これは↓かなりお若い頃の写真と思われますが、白鳥の衣装で撮影された(特に最後の)写真は溜め息もの・・・

http://uliana-lopatkina.com/foto/study/index.html
2009-08-09 00:16 | マリインスキー・バレエ | Comment(8)
Comment
NaoKoさん、まずはロパートキナの白鳥が観れた事に拍手です。大作の観劇レポ、私も頷けるところがたくさんあります~。
お読みして、今は頭も胸もいっぱいになりました。ロパートキナの白鳥に対する最近の(と言っても私も3年前に観たきりですが)印象は一度クリアにして、冬の来日を楽しみに待つ気持ちになりました。 ロットバルトはクズネツォフが踊ったのですね。羨ましいですね。
前回は来日していないので、ぜひとも彼には来て欲しいなあ。
年月の経つのは早いもので、ロパートキナのデビューから早くも20年近くが…。今回は心して観なくては!(マリインスキー@ROHが特別なのは、ホントにです。まず、コールドの出来が違いますね。もちろんソリストも、びっくりしましたよ。
やはり、ロシアという国はアメリカ、イギリスに対しては国家の威信をかけて臨むのではないでしょうか…。)

ロパートキナのサイト、ご紹介頂いてありがとうございます。
「ジゼル」観てみたいですね。出来ればコズロフと!
まりあ 2009/08/09(日) 08:51:38) 編集


まりあさん、この冬のマリインスキー公演ご覧になるのですね。昨夜の公演を見終わったあと、"やっぱり来日公演行こうかなあ・・・"とスケジュール見に行ってしまいましたよ。ロパートキナだけでなくヴィシの白鳥も観られるというのが大きいですねえ 彼女の眠りも勿論ですが。眠りにロパートキナも登場なら即・帰国決定なんだけどなあ(笑)。

クズネツォフは私がロパートキナの白鳥を観るときは大抵ロットバルトで登場してますね。もっと他の役でも彼を見たい、といつもウズウズしてるんですが・・・

>>年月の経つのは早いもので、ロパートキナのデビューから早くも20年近くが…。

ひえ~~っ20年!

でも、そうですよね 彼女はこの10月で36歳・・・本当に、これからは一年一年が貴重ですね。私もできるだけ機会を捉えて彼女の舞台を見たいと思っております・・・

今夜テリョーシキナの白鳥を観てきました。期待が超大だったせいか感動するには至りませんでしたが、まずまず楽しめるパフォーマンスでしたよ。
Naoko S 2009/08/09(日) 10:32:26) 編集

Naoko Sさん、お久し振りです。

長い間更新がなかったので少し心配しておりましたが、お元気そうで安心しました。

ロパートキナの「白鳥の湖」@ROH、興味深く拝見させていただきました。私も今冬の来日公演が楽しみです。日本でも全幕公演は確か3年ぶりなんです。
私も彼女にリラの精を是非是非踊ってほしいと願っている一人です。3演目のうち「白鳥の湖」でしか踊ってくれないのはあまりにももったいないですもん。テリョーシキナとソーモワは全て踊るのに。

あと、ロパートキナのサイト情報も嬉しかったです。
これは体裁からしてオフィシャルであると確信しております。
私のPCではビデオがスムーズに再生されないのですが、「ダイヤモンド」などフルで見られるのは非常に貴重ですね。
「写真」も溜息ものばかりだし。

英語ヴァージョンが充実していくのを心待ちにしています。

その後の公演についても、是非レポしてくださいませ。
辛口も大いに結構です(笑)。
まちるで 2009/08/09(日) 10:45:28) 編集


まちるでさん こんにちは

ご心配おかけしてすみません~。言い訳ですが、短いイギリスの夏は社交イベントが集中していて忙しいんですよー(夏のセールも真っ盛りだったし!)。なにかよっぽど残しておきたいネタに遭遇しないと書く気が起きず・・・

マリインスキーの前回の日本公演は2006年でしたもんね。あのときは私はロパートキナ・ガラとAll starガラだけ見て白鳥パスしちゃったんですよねー。今回はどうしようかなぁ・・・迷い中です。

>>私のPCではビデオがスムーズに再生されないのですが、「ダイヤモンド」などフルで見られるのは非常に貴重ですね。

うちのpcもそうですよー。QuickTimeを再生しようとするとアプリケーション(IE)自体がフッ飛んでしまうという現象が続くので、もう諦めてしまいました。

ダイヤモンドといえば、以前マリインスキー劇場で商業映像として売り出すためにジュエルズ全編撮影してるはずだけど、その後全然音沙汰なしのような・・・あのプロジェクトは一体どうなったんだー?

公演レポですが、どれだけアップできるかわかりませんが(まだサボりモードなこともあり・笑)がんばります~。
Naoko S 2009/08/10(月) 01:56:19) 編集

Naokoさん
金曜日は声をかけてくださってありがとうございました!
久しぶりにお会いできて嬉しかったです。ロパートキナの
白鳥は、もう、、、言葉が出ない状態です。
Naokoさんが語ってくださっているので、うなずきながら、
そうなのか、そうなのか、とつぶやきながら熟読させて
いただきました。舞台の素晴らしさにも加えて、
オーケストラの演奏にも私は打たれました。
こんな高水準な演奏をバレエ公演で聴けるとは。
チャイコフスキーの書いた音楽の真髄に触れた思いです。
完全なるバレエと音楽の融合!こんな経験は二度と出来ない
のでは。。。と思ってしまいました。
ロミジュリは行かなかったのですが、このオケならさぞかし
素晴らしかったのでしょうねぇ。ああ残念。
とと 2009/08/10(月) 18:53:15) 編集


ととさん こんばんは

金曜は公演を楽しまれたようで何よりです~。

>>ロパートキナの白鳥は、もう、、、言葉が出ない状態です。

幕間にお会いしたときすっかり驚愕の表情だったととさんが印象的でした・・・(初めてロパートキナの白鳥を観ると大抵皆そうなるような・・・。バレエの舞台を見てるというより、生まれて初めて眼にする不思議な自然現象とかに近い体験ですよね あれは。)

おお~マリインスキー・オケ、聴く耳をお持ちのととさんのお眼鏡にかないましたか。私は、"いつものごとく・流してるなあ・・・なんて感じながら聴いてましたが(笑)。

私は残るところあと二回だけ、明日の(あ、もう今日だ)バランシン・プロと金曜の眠りで終わりです。またハウスでお会いできるかな??
Naoko S 2009/08/12(水) 08:28:09) 編集

Naokoさま、おはようございます。
ロパートキナの白鳥と言えば、わたくしも同じく孤高典雅独尊(ん?こんな6文字熟語はありませんが^^;)イメージを持っておりましたが、そうですか、そうですか・・・
11月末から始まるマリインスキーの公演が楽しみになって参りましたv
今日はバレフェスGALAで、Bプロの最終日には客席で殿をお見かけになったかたのお話なども耳にしており、期待が高まるばかりです。
LONDONも東京もバレエが熱いですね(^^)
maria 2009/08/13(木) 10:18:20) 編集


mariaさん、年末のマリインスキー日本公演私もすっかり気になり始めております・・・。東京ではいよいよフェスも佳境、ご本尊のお出ましですね!!(レポ楽しみにお待ちしております~~)

さて、昨夜こちらはバランシン・プロ、期待していたロパートキナの第二楽章@InCは・・・・

・・・・素晴らしかったです~~~!!!

近年ロイヤル・オペラハウスで目にした中で、最高のバレエの舞台でした。今も地に足が着いてません・・・失語症も併発していて(あの舞台を一体どう形容すればよいのか・・・)二重苦状態なのですが、少しだけ感想をupしようと思っております・・・
Naoko S 2009/08/14(金) 08:18:21) 編集

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