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ディアギレフ・ガラ@ROH (6/7) 前半
ちょうど一週間前。全仏決勝、ロジャー・フェデラーがスタイリッシュに二時間弱で試合を決めてくれたお陰で、この夜ROHで行われたディアギレフ・ガラを無事見ることができました。(ファイナルの相手がラファだったら、試合時間が長引いて、きっと見られなかっただろうな・・・)

で、せっかくなので薄れつつある記憶を手繰り寄せつつ、一言メモだけでも残しておこうと・・・

"Tribute to Diaghilev"
Royal Opera House, 7th June 2009


オープニング: バレエ・リュスの映像が数分間流れる。広々とした屋外のオープン・スペースでアンサンブルがアルカイックな動きを繰り返すシーン(ハルサイ?)、男性ダンサーの勇壮な踊り(Polovtsian Dance?)等々。ごく短いこの映像を見ただけでも、尋常でない・溢れんばかりのエネルギーがひしひし伝わってくる。バレエ・リュスの衝撃、間近に接した人にはどれほど凄かったことか・・・

"Scheherazade" Ulyana Lopatkina, Igor Zelensky

耳慣れた音楽が流れてきて、幕があがると、薄暗い舞台に細長のダンサーのシルエットがぼんやり見えている。お~あれは、見紛うことなきロパートキナ!なんとトップ・バッターですか~。となると、奴隷は誰かなぁ ルジ、ゼレ、はたまたイワンチェンコ??と固唾を呑んで見守っていると・・・・左袖から飛び出してきたのは・・・ わっ・ゼレだ~~。

この二人のシェヘラザードって見たことあったっけ?と記憶を慌てて辿りながらも、目は舞台に釘付け。ふぅ~まあ~、なんて格調高いシェヘラザードでしょうか。二人とも動く彫刻のよう・・・品格がありすぎ・古典美にまさるせいか、エロティシズムはほとんど感じられず。ロパートキナはゼレがパートナーだからすっかり安心しきっているのか、心なしか表情が可愛らしいぐらいに見えて、なんとも微笑ましいこと。ゼレは昨秋見たときよりも更に身体を絞っていたような・・・かなり細く見えた。こういう役を踊っていても、しなやかさやセクシーさよりは古典ダンサーの風格と気品が立ち上ってくるところが、彼ならでは。

かれこれ10年以上前に初めてロパートキナのゾベイダを見た時に驚愕したのが、彼女の手の使い方、というか"指"の表現力。ロパートキナは背が高いだけでなく手・足など身体の各パーツが大きいでしょう これって古典バレリーナには必ずしも有利とはいえない資質だと思うのだけど、ゾベイダを踊る彼女が、長~~い腕だけでなく、これまた長~い指を蛇のようにくねらせて"語らせて"いたのに感嘆してしまったのだ。もうこの役も長年踊りこんで、すっかり彼女ならではのゾベイダを創り上げていますね・・・高貴で品格ある・彼女らしいゾベイダも勿論いいけれど、時には自分を完全に解放して・炎のごとく燃え上がるような、そんなパフォーマンスも見せて頂きたいなあ。(コズロフが相手じゃないとダメかなあ・・・)

この二人をトップに持ってきたのは大正解。いきなりロシア・バレエ界の至宝二人のクラス・アクトを見せつけられ、いやがおうにも雰囲気が盛り上がる。

"Daphnis and Chloë" Natsha Oughtred, Federico Bonelli

・・・と、大いに盛り上がったお祭り気分が、早くもトーンダウン(私的に)。もともとこのアシュトン振付作品、私にはぴんとこなくて・・・抜粋で見ると尚更。ナターシャ・オウトレッドはRBからBRBに移籍したダンサーで、多分当夜の出演は誰かの代役(アリーナ?)。ラブリーなダンサーだけど、これといってアピールせず・・・ボネッリはといえば、怪我から復帰したばかりの彼にこんなにリフトの多い作品を踊らせなくても・・・などと雑念に襲われる。

"Petrushka" Dmitri Gruzdyev

お仕置き部屋に閉じ込められたペトルーシュカが苦悩するシーンより。バレエ・リュス作品にビジュアル(美術・衣装)は欠かせない重要な要素だと思うのだけど、ペトルーシュカなんて特に、セット不在は痛いなあ・・・と。そんな不利な条件下でもかなり健闘していたんじゃないでしょうか・・・踊っていたのはドミトリー・グルジエフというENBのダンサー。(最初登場してきたとき、おっマチアスか??と思ってしまった。ピエロ・メークをしていたのだけど、顔立ち、特に目がマチアスに似て見えて・・・)

"La Chatte metamorphosée en femme" Alexandra Ansanelli

今シーズン限りでRBを退団・バレエ界からも引退するらしいアンサネッリが、有終の美を飾るべく、十八番の"猫女"を披露。前回のオペラハウスでのガラ公演で彼女が演じて大受けだった、ナンセンスでデカダンで・超お馬鹿だけど憎めないアシュトンの小品。バレエ・リュスとどういう関係があるのか・無いのかわからないけど、また見せてもらえてよかった。彼女が去ってしまったら、暫く上演されないだろうから・・・(今回は"おもちゃの鼠"の独り・カーテンコールがなかったのが残念!)

"Giselle pdd from Act II" Mathilde Froustey, Mathias Heymann

パリオペから唯一出場のマチルド&マチアス。不思議な人選だなぁ きっと若い二人に似つかわしく・薔薇の精あたりを踊るんだろうなぁ、なんて思い込んでいたところが、蓋をあけてみると・・・なんとジゼル二幕のpdd!

幕が上がってこの二人の姿を認めたとき、ひえっ大丈夫かいな・・・と、瞬時に保護者モードにスイッチ(笑)。ジゼルはパリオペでは特別重要なレパートリーであるので、階級の低いダンサーは普通本公演では(全幕は)踊らせてもらえないはず。(マチアスはエトワールになったばかりだし、マチルドはまだスジェ。)多分それは地方・国外の公演でも同じはず・・・ということは、この二人にとっては日頃このpddすら滅多に(公の場で)踊る機会はないだろう。相当緊張していたはず。

マチルド、普段は見たことのない・神妙な顔つきで踊っていて(当り前か・・・)、新鮮。時折動きがスムースでなかったり、ポール・ド・ブラが変な形になってしまったり、と荒さも目立ったけれど、彼女の表現には確かに「パリオペのジゼル」を感じさせるものがあって、ちょっとぐっときた。このジゼルからもっとも強く受けた印象は、そのフェミニンな表現だったんですよね。(あの勝気でお転婆なマチルドも、紛れもなくパリのダンサーであった!)一方のマチアス、顔立ちはばりばりのキャラクテールだけど、踊りはほんとにノーブルですねえ・・・両足を空中で打ちつけて降りた後アラベスクするシーンの美しさが、目に焼きついてます。二人ともまだまだ荒削りながらもしっかりとパリ・オペラ座のlineage、伝統を受け継いだダンサー達なんだなぁ、と感じさせてくれて、嬉しくなった。(それと、久々に見て感動したのがあのパリオペ仕様のふわふわのロマンティック・チュチュ。デザインはごくごくシンプル、でも良質のオーガンジーを惜しみなく使ってるんだろうなぁ・・・と、ついタメ息。)

"Tamar" Irma Nioradze, Ilya Kuznetsov

この夜最も"unfortunate"な選択というか、ビミョーだった作品。初見だったため、out of contextだからつまらないのか、そもそもあまり大した作品じゃないのか、不明。主にニオラゼの着用していたあまり趣味のよろしくない衣装と、彼女特有のcampな表現のせいで、自分的にはイロモノ系に分類してしまいました・・・。

"Le Spectre de la Rose" Yevgenia Obraztsova, Dmitri Gudanov

夢見る少女そのもののオブラスツォーワ。中性的な雰囲気があって、繊細な表現のグダーノフの薔薇の精。前の作品がちょっと、アレだっただけに、一服の清涼剤のような。大変満足しました。

以上で前半終了~。<続く>

☆ ウエブ版コメルサント紙で若干舞台写真を見られます(なぜかパリオペ組のばかりですが・・・):

http://www.kommersant.ru/dark-gallery.aspx?PicsID=338323&stpid=21
2009-06-15 08:26 | その他のバレエ・ダンス公演 | Comment(7)
Comment
きゃあNaoKoさま、お待ちしておりました。公演評など、あちこち見ておりましたが、やはりNaoKoさまの公演評をお伺いしたかった~。シエラザード、ロパートキナ・ゼレンスキーの組み合わせで一度だけ観た事があります。遠い昔にたった一度日本で。この二人の特別感はたまらないですよね。ルジマトフの奴隷とはまた違う魅力ですよね。残念な事にゼレンスキーを日本で見る事は多分叶わないようです。
二人のシエラザードを想像しただけで平常心ではいられない私です。
まりあ 2009/06/15(月) 12:34:32) 編集


まりあさん、確かこの冬のマリインスキー来日公演でシェヘラザード上演するんですよね ゼレは出そうもないですか?(まぁ彼も本職?は芸術監督ですものね・・・)

まりあさんご贔屓のルジさんは結局当夜出演されませんでしたが、彼とポリーナ・セミョーノワに関しては、最初からプロモーターが勝手に名前を使ったのだろう・・・と友人と決めつけておりました(笑)。
Naoko S 2009/06/16(火) 08:20:41) 編集

Naokoさま、なんとも贅沢なGALAですね!
前半・後半に分かれたレポの充実振りにクラクラしながら拝読しています。
個々の演目についての感想はまた改めまして・・・
取り急ぎ、素晴らしいレポに感謝、です(^^)

話変わりまして、NBSからバレフェスGALAの抽選が当ったという葉書が来ました。(本人に限り、の会員優先抽選予約で・・・)
殿がオレリーとロミジュリを踊られる、ということでこれが最後!?と煽られてどうしても取りたいチケットでしたので感涙。
これで8月は2度のベジャール・ガラと合わせて、3回殿を拝見できるのかと今からドキドキしています!
maria 2009/06/18(木) 05:21:27) 編集

バレエリュスに関してはあまりよく知らないのですが、プログラムを見たところ、上演されたほとんどの作品を過去フォーキンも手がけたことがあることから、このレパートリーとなったのようですね。TamarやDaphnisはいまひとつパッとしない作品だったり、Les SylphidesやSwanはミスキャストと思えましたが(好みの問題)、テーマのあるガラ公演はよいと思いました。Swanがいちばん盛り上がったのは地元ファンが単に騒いだだけ? POB代表のマチルダとマティアスが地味に感じたのがもったいです。印象に残ったのは、ロパートキナ(出演してくれてありがとう!)、アンサネッリ(あぁいうキャラがあるとは驚き。引退なんてもったいない)オブラスツォーワ(今後もっと見たいダンサー)、コウロスキー(バランシン作品はどうもNYCBのダンサーでないとダメな私)。

有料プログラムにはアリーナの名前がありましたが、無料キャスト表ではすでに変わってました。アリーナ降板のあと都さんという話もちょろっと出たと聞き及びました。フェデリコが相手なら都さんだったらよかったのに・・・と思った方かなりいたことでしょうねぇ。インターバルのとき、バーでやたらロシア語が聞こえてきたので相当な数のロシア人が見に行ってたと思います。

ロンドンではNaokoさんにお会いできて嬉しかったです。日本に戻った3日後はカサロバの「チェネレントラ」という大イベント。「十二夜」もあり忙しい日々です。詳しくはまた後日。
ミッツィーカスパー 2009/06/18(木) 16:41:32) 編集


mariaさん、なかなか面白いガラ公演でしたよ。

さて、日本の夏のガラといえば・・・バレフェス・ガラ!

殿のご出演が決まったというニュースを耳にして、しかもプレルジョカージョのR&Jというシブ~い演目(役デビュー!?)でご登場とは~~と、すんごく気になっていたのです。mariaさんにご覧になって頂けるとは~!心強いですわ・・・まだちょっと先の話ではありますが、何卒レポをどうぞ宜しく、お願いいたします・・・v


ミッツイカスパーさん、こちらこそお会いできて嬉しかったです。まずまず見応えのある公演でしたよね。(ミッッイカスパーさんと私、結構ツボが似ているかも・・・)

オペラハウス、ロシア系の公演となるとどっとロシア系のお客が増えるんですよね(なにせ、ロンドンはロシアの第三の都市らしいので・・・)。特にこの手のガラ公演だとその傾向が顕著のような気が・・・

おお、カサロヴァに十二夜、ご覧になったんですね。今度じっくりご感想など聞かせてくださいませv
Naoko S 2009/06/20(土) 10:05:30) 編集

ロパートキナとゼレンスキーがオープニングとはどれだけ豪華なGALAなんでしょうかしら・・・。
と、まずタメ息・・・。
この品格のある2人で「シェヘラザード」というのもまた味わい深いというかなんといいますか・・・(^^)
わたくしが見たことのある「シェヘラザード」はルジとマハリナ。
きっと同じ作品とは思えない味わいがあったことでしょう。
12月のマリインスキーのGALAではこの作品のロパートキナを観ることができそうですので、楽しみです。

「ジゼル」を踊らせてもらえるとは、マチルド、抜擢ですね。
確かにテクニックの必要な役どころを勝気な彼女がノーミスでしっかりと踊る、という印象で、叙情的な表現、というイメージがないですので・・・
健闘していたようで(神妙に?!)なによりですv

オブラスツォーワの薔薇の精はよかったでしょうね!

どうやら観る機会は訪れなさそうですが(;;)アンサネッリの「猫女」って気になります。
こういう演目はGALAならでは、なのでしょうが、東京では観られなさそう・・・。

maria 2009/06/22(月) 05:08:15) 編集


mariaさん、シェヘラザードは演じるダンサーによってまるで違う世界が繰り広げられるところが、面白いんですよね~。12月の東京でのガラ公演、ロパートキナのパートナーには誰が来るでしょうね??(せっかくのガラ、意外な人選?サプライズ・ゲスト?とかあるといいけど、可能性ないかなあ・・・)

マチルドxマチアスは健闘してましたよ。ballet.coではあまり評判良くなかったけど、前半では彼等が一番良かったと言ってた友人のダンスライターもいたし。(この人、マチルドをイザベルと勘違いしていて、マチルドはエトワールじゃなくまだスジェで・ジゼル全幕を踊ったことはないはず・・・と言ったら驚いてました。)

オブラスツォーワは見てると和むというかほっとしますね。前回マリインスキーで見た薔薇の精は少女役がギャル系のダンサーだったので、そのギャップがまた・・・。

アンサネッリの猫女、一見の価値ありますよ!・・・といっても彼女は引退してしまったからもう見る機会は巡ってこないわけですが・・・(残念)。この演目はダンサーを得ないと上演できないと思うので、ロンドンでも当分封印されてしまうかもしれません・・・。
Naoko S 2009/06/23(火) 06:45:54) 編集

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