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チューリッヒ・オペラ 「アグリッピーナ」(5/17)
ロイヤル・フェスティヴァル・ホールにて本日・日曜のマチネ公演を鑑賞(コンサート形式)。

いや~いい公演でした 面白かった。ヘンデル/バロック・オペラでこ~んなにコーフンするとは・・・!

何が良かったって、まずはオケ。もうもう圧倒的に素晴らしかったです・・・
This orchestra ROCKS!!

私は初めて聴きましたが、Orchstra La Scintillaという、チューリッヒ・オペラ管のサブ組織でピリオド・オペラを専門とするスペシャリスト集団のよう。40人に満たない編成で、テオルボという古楽器の奏者は日本人でした!(Toshinori Ozakiさんという方)

この公演、ブックしたとき私の唯一の目当てはタイトル・ロールを歌うヴェッセリーナ・カサロヴァだったのですが。思わぬ拾い物をした気分~。

一部前半(注:本公演では全三幕のオペラを二部構成にしていた)は、なかなか綺麗な音出すなーぐらいの印象だったのだけど、後半~二部にかけては、もはやオケが主役か??ってぐらい彼等のパワーが前面に押し出されてました。硬質でクリアだけど硬すぎず、清澄でありながらコテコテ官能的なヘンデル・オペラの魅力を堪能させてもらえました。特に(私を含む)観客がついついそそられて反応してしまったのが、ヘンデル(バロック・オペラ?)特有の、弦がジャンジャンジャン~!って掻き鳴らすときの演奏のドライヴ感!爽快でcoolで、すっかりハイになってしまいました。指揮者はマルク・ミンコウスキー、エネルギッシュかつ音楽を創ることをおおいに楽しんでいる指揮ぶりで、よかった。

で、歌手陣ですが。お目当てのカサロヴァ、アグリッピーナという悪女の役なので、これはハマるのでは・・・と想像していたんだけど、(これまた想定通り)ちょっとやりすぎ・・・っていうか、やはりカサロヴァはカサロヴァであった・・・というか。れいによって一人舞台上でのテンションが異常に、それはもう異常に、高い。登場直後、夫・クローディオが海戦で死亡したことを告げる使者の手紙を受け取る時の表情からして、既に完璧に入りこんじゃってる。で、冒頭からカサロヴァ節炸裂なのはいいんだけど、一部はこのまますすんでいって、表現がややワンパターン(ひたすら攻撃的)。歌唱については強弱のコントラストの付け方がこれまたややワンパターンでアップダウンが激しく、ところどころunevenで、結局どれも同じに聴こえるというか。もう少しヴァリエーションがあった方がいいんじゃないでしょーか?と感じてしまった。

あと、このオペラって一応seriaらしいのだけど、リブレットは他愛ないものだし、お遊び的な台詞も散りばめられてるし、軽さとユーモアが求められる場面が結構あったと思うのだけど、カサロヴァは常にシリアス。照明を半分落としただけのコンサート形式だけに(だから軽くていいというわけではないけど)、ちょっとそれが他の出演者から浮いてたなぁ・・・と。一部はそんな感じで、ファンの私でさえ素直に彼女の歌唱・演技を楽しめなかったので、"あ~あこれじゃあ批評家になんて書かれるか、わかったもんじゃないなぁ・・・"と心配になってしまった。

が、さすがカサロヴァ、二部でしっかり挽回してくれました。始まってすぐのアグリッピーナのアリア、雄雄しい音楽が彼女にぴったり。カリスマティックなパフォーマンスで、そうよこうでなくっちゃ!と心中ガッツポーズ。もっと良かったのが、後半、アグリッピーナの最後の(確か)アリア。これは静けさに満ちた音楽で、デリケートだけど弱々しくない・芯の通った歌唱に、一瞬心がどこかに飛んでしまう。・・・うーん、これだよね これにやられちゃうのだ。技術的に優れた歌手はあまたいても、時をとめてしまえるパフォーマーは、希少。

・・・というわけで、二部のカサロヴァには満足しました(ハート飛びまくりにはならなかったけど・・・)。他の歌手陣もまずまずよかった(クローディオ役のバリトンはあまり好きでなかったが)、で、大好きだったのが、サーヴァントの一人・ナルシソ役のカウンターテナー、ホセ・レモス。脇役でアリアは二曲しか披露してくれなかったのが残念至極。この方が一幕最初に歌った、耳元をくすぐられるような甘やかなアリアに、"おお~これぞヘンデル・オペラを聴く歓び~"と思わず頬がゆるんでしまった。

いや私はヘンデルのオペラ全然詳しくないんですけど、私的に彼のオペラの最たる美点は、なんといってもあの官能性。唐突ですが、このアグリッピーナにはpleasureって単語が何度もでてくるんですが(pleasure of loveとかね)、このpleasureってすべからくphysical pleasure・肉体的な快楽のことでしょう・・・と解釈してしまう。彼の書く愛のアリアって実際身体に気持ちいい~効果をもたらすんですよね。で、音楽自体がHそのものみたいな(下世話な表現でスミマセン)「セメーレ」なんて大好き~。こういうリスナーにとって歌の部門・本日の一番は、カウンター・テナーのあのアリア(ほんと気持ちよかったもの・・・)。彼の出番が少なかったのが返す返すも残念。

カーテンコールがまた楽しくて、客席からの熱烈な拍手が手拍子にかわると、舞台前面で手をつないで一列に並んでいた出演者たちがオケの演奏に合わせて踊りはじめて。ごく自然に・・・という感じだったけど、確かに心浮き立つあのヘンデル節にはついつい身体が動いちゃうよね。楽しかった~。(ちなみに最も盛んな拍手とブラヴォーを集めていたのは、当然のごとく、オケと指揮者でした。)

☆☆☆

Zurich Opera "Agrippina"

Royal Festival Hall, 17th May 2009

Music: George Friedric Handel
Libretto: Cardinal Vincenzo Grimani
Premiere: 26 December 1709, Teatro di S. Giovanni Grisostomo,
Venice

Conductor: Marc Minkowski
Orchstra La Scintilla

Agrippina: Vesselina Kasarova
Claudio: Laszlo Polgar
Nerone: Anna Bonitatibus
Poppea: Eva Liebau
Ottone: Marijana Mijanovic
Pallante: Ruben Drole
Narciso: Jose Lemos
Lesbo: Gabriel Bermudez
Giunone: Wiebke Lehmkuhl

2009-05-18 10:14 | オペラ | Comment(0)
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