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松竹大歌舞伎 「十二夜」 (3/25)
昨夜バービカンで鑑賞しました。

うん、面白かったです。ここのところ、見るダンス公演というものハズしてばかりだったので(大コケのシルヴィー&ルパージュ・ショーとか、素人演出の陳腐極まりないRB・イサドラとか)、久々にプロ集団による洗練された舞台を見られた・・・という満足感にみたされつつ劇場を後にすることができました。

ただ、期待が大きすぎたのか、作品自体の魅力は今ひとつ・・・十分楽しめたのだけど、ややスッキリしないというかもやっとしたものを感じたのも事実。

私は歌舞伎にも蜷川氏にも疎いんだけど、過去に一度だけ蜷川氏演出の芝居を見る機会があって、かなり前にナショナル・シアターでかかっていた「ペリクリーズ」。これがも~滅法面白い舞台で、あのときの興奮は今でも憶えてる。芝居の面白さもさることながら、一番印象に残ってるのは視覚効果の素晴らしさだったりするんだけど・・・徹底したサービス精神に貫かれた"目くらまし演出"とでもいうか、シアター・マジックという言葉を身をもって体験させていただいた、そんな舞台だったのです。

今回の「十二夜」もヴィジュアル・エフェクトはなかなかのもの。鏡を効果的に使ったり、セットも数種類用意されていて頻繁に換えていたし、ライティングもよかった。面白かったのが音楽で、伝統的な歌舞伎の音楽に加えてところどころルネッサンス期(?)の音楽がチェンバロで奏でられる。

で、肝心の芝居の方は、役者に不足なし・彼等の演技は十分楽しんだのだけど、演出は100%納得できるものではなかったような・・・上手く言えないんだけど、歌舞伎役者によるシェークスピアの芝居を見ているのか、シェークスピアの芝居を歌舞伎風演出・味付けしたものを見ているのか・・・そのどっちでもないような、で、どちらかというと私が見たかったのは、シェークスピアの芝居を翻案して"完全に"歌舞伎作品に仕立て上げたもの、だったのかなあと思ったり。(もしかして制作者にそういう意図があったのだとしたら、受け手の自分の知識・感度不足で伝わってこなかったのか・・・。)もしくは、歌舞伎をパロディー化した演出でも面白いかも。(ちなみに、私は「十二夜」を原作で読んだこともなければこれ以前に芝居で見たこともありません。まったく思い入れとかナシ)

つまり、もっと歌舞伎に(強引にでも)引き寄せちゃったものを見たかったような気がする・・・そのためには原作のプロットとか登場人物とか多少変えちゃっても。実際には、この舞台はかなり原作に忠実に創ってあるのではないかと思われます。字幕には原作にある台詞(が使われている場合は)と日本語の台詞の翻訳が両方表示されていたのだけど、この翻訳がかなり端折ってあって、これで日本語を解さない人にちゃんと伝わるのか?とちょっとハラハラしてしまった。(で、休憩時間に隣席の常連風のオジさんに、「楽しんでます?台詞が全部訳されていないようだけど、意味伝わってますか?」と聞いてみたら、「たしかに役者が沢山喋ってるわりに字幕は全然変わってないなぁ・・・とちょっと気になったけど、大丈夫。多分ここに来てるイギリス人は原作を知ってるからフォローできるよ」とのお答え。なるほど、そうかと一安心。でも、原作を知らない人にはかなり辛いってことよね・・・それに、翻訳は台詞の骨子を伝えるだけで、日本語の言葉のニュアンスまでは到底伝えられないので、やはり日本語を解さない人たちには不利かと・・・。勿論それを言い出したら、結局文化的背景まで知らなきゃ楽しめない・云々ってことにもなってしまうが。)

さて時間もないことだし、ムリヤリ役者陣に話を移します。

まずは主役(二役)の尾上菊之助。ヴァイオラに扮した登場シーンでは、"お人形みたい・・・"と嘆息してしまいました。浮世離れした、繊細な美しさ。菊之助さんは専らシザーリオ役(男の役者が、"女でありながら男になりすます役"を演じるという、このややこしさ!)で舞台上にいるわけですが、女形を演じているときが断然光っていたなあ。そして、一幕が終わって、「うーん なんか、もっと歌舞伎・歌舞伎したもの見たいよお」とつぶやいた私としては、二幕の冒頭のシザーリオによる舞踊シーンに狂喜!せめて、あと一場面でいいから舞のシーンを挿入して頂きたかったな・・・。父君の尾上菊五郎氏も二役を演じておいででしたが、street-wiseな道化役・フェステがよかったです。

ま~しかしこの夜のMVPは、なんといってもこの方、市川亀治郎!上手い、巧い、ほんとに芸達者。織笛姫の側仕えで機知に富んだ麻阿(マリア)を実に生き生きと、どんぴしゃのコミック・タイミングで演じていました。ただ舞台の端に立ってじっと横目で女主人を見つめているだけでもただならぬ気配を発していて、そうかと思うと運動神経がいいのか動きは極めて軽妙で。役柄のせいもあるかもしれないけど、彼(彼女)の演技には観客がぴくぴくと反応してるのが肌で感じられた。(私の目には、この夜の亀治郎さんは歌舞伎役者でなくて、ただ"役者"だったような・・・なにか、この方の演技には歌舞伎を"踏み外して"しまったものが感じられてそれがスリリングだったな。歌舞伎のパロディーでは勿論なくて、でも、純然たる歌舞伎の舞台でないなら、この行き方も面白いなあ・・・と、その個性と大胆さに、ドキドキ。)

最終場面、菊之助演じる双子の兄妹がいよいよ二人同時に舞台に登場するところはどうやって処理するのかな~と注目していたら、菊之助のダブルにはお面(仮面)をつけさせていて、これは上手い!と感心。(それとも、これひょっとして歌舞伎の常套手段?)晴れて二組(三組?)のカップルが誕生してハッピーエンドで幕が降りると、暖かい拍手が。週中だったせいかカーテンコールは2,3回でお開きになったけど、観客の反応はまずまずよかったです。(蜷川さんが登場したら拍手が一際大きくなった。)週末の公演はもっと盛り上がるのではないかな。

☆今回の公演のキャスト、プログラムを買わなかったのではっきりわからないのですが、おそらくこちらのサイトにある布陣と同じと思われます:

http://www.kabuki-bito.jp/juniya/
2009-03-27 11:30 | その他のバレエ・ダンス公演 | Comment(5)
Comment
NaoKoさん、レポありがとうございます。私があまりに誇大に叫んでしまい、期待を大きくしてしまったかと、少し反省しています。確かに、歌舞伎よりなのか、蜷川さんのシェークスピアよりなのか?はちょっとどちらともつかないかもしれませんね。菊之助さんの女形は美しくお人形のようですよね。父上の道化、そして何しろ亀さんですよね、役者ですよね~芸達者ですよね。私だけかもしれませんが、菊之助さんとマチューが重なってしまうのですよ。ため息が出る美しさ。イギリスの方には菊さんの美しさはどのように写るのでしょうか?(マチュー、オネーギンもキャンセルですね、大丈夫かなあ)
ロイヤルですが、イサドラはあまり?ですか?マクミーカンがその舞台を最後に退団したと聞きました。残念ですね。バレエから離れて行くDancerが続いてしまうのは淋しいけれど仕方がないんでしょうか。話しを「十二夜」に戻しますと、6月の日本での舞台がまた楽しみになってきました。NaoKoさんありがとうございました。
まりあ 2009/03/27(金) 23:34:47) 編集

わぁ、Naokoさま、ご覧になったのですね!

蜷川氏の演出としてはかなり原作に忠実、歌舞伎の伝統に乗っ取った比較的ケレン味のないものなので、所謂蜷川ファンには物足りないかもしれませんが、全体にお楽しみいただけたようで一安心・・・
菊之助さんのあの品のある女形芸、この作品ではチラリとしか見られませんが、感じていただけましたでしょうか~
この方の控えめな中に静かな品と愛らしさの漂う赤姫は本当に大切にしていただきたい歌舞伎界の宝・・・
玉三郎さんとの京鹿子娘道成寺など、是非ご覧いただきたいですわv

亀治郎さん、異彩を放っていらしたでしょう!?
関係ありませんがこの方はフランス語もご堪能でオペラ座公演での口上は一人ユーモアも交えて流暢な語りを効かせてくださいましたし、演劇に詳しく演出にとても興味を持っていらっしゃるご様子で・・・多才な役者さんです。
わたくしは匍匐前進のシーンで大受けしてしまいましたが、LONDONでも観客の受けが良かったと伺って嬉しいですわ(^^)
maria 2009/03/28(土) 05:20:54) 編集


まりあさん、とんでもないですよ~まりあさんに背中を押して頂いて見に行ってよかったと感謝しております。これだけクオリティの高い舞台を見せてもらって十分満足していますよ。

菊之助さんとマチューが・・・そうですか(笑)。菊之助さんの美しさはイギリス人にどのように映るか・・・是非聞いてみたいですね。(しかし、マチューの動向気になりますね・・・)

>>ロイヤルですが、イサドラはあまり?ですか?マクミーカンがその舞台を最後に退団したと聞きました。

マクミーカン、そうなんですよ!突然のことでびっくりしました。彼女のイサドラはballet.coではかなり好評でしたけど・・・年齢的にもちょうど転換期にきていたのでしょうか。(イサドラ、私はロッホで見ましたが、彼女の熱演もプロダクションのマズさは救えず、って感じでした。)

十二夜、6月の(凱旋?)公演どうぞ楽しんでくださいね~。


mariaさん、行って参りましたv

>>菊之助さんのあの品のある女形芸、この作品ではチラリとしか見られませんが、感じていただけましたでしょうか~

ハイ、しっかりと。できることならもっと舞姿を披露していただきたかった・・・と、それだけが心残りですわ。

「赤姫」という役を十八番にしていらっしゃるのですか?ううっ見てみたい・・・次回は是非、本物の歌舞伎公演で来倫していただきたいものです。

>>玉三郎さんとの京鹿子娘道成寺など

えっこのお二人の共演って・・・あるのですね。想像するだけで、ふぅわ~~うっとり~~。

そして亀治郎さん、そんな大変な才人でいらしたとは!でも納得です(タダ者でない雰囲気が滲み出てましたもの!)。

>>わたくしは匍匐前進のシーンで大受けしてしまいましたが、LONDONでも観客の受けが良かったと伺って嬉しいですわ(^^)

あ~あのシーン、場内大爆笑でした(すっごく上手ですよね~!)当夜一番ウケていた場面だったかも。彼はともかくノリがよくって、ご自身が楽しんで演じていらっしゃるのがビンビン客席に伝わってくるんですよね。あれは、言葉の壁も越えます(笑)。誰でもついつい反応しちゃいますよ~。
Naoko S 2009/03/28(土) 11:24:32) 編集

Naoko様、更なる詳細をありがとうございますv
匍匐前進シーン、わたくしとツボが同じとは・・・
LONDONの観客にも受けていたとは感涙です!

「赤姫」、スミマセン、言葉足らずでした~
所謂赤いキモノのお姫様の総称(といっても条件を満たすのは3姫だけなのですが)で、華やかな赤いキモノ、ビラビラの銀の簪の押しも押されぬお姫様です。
ちょっと天然、おっとりした浮世離れした感じと恋には一途で情熱的なところがある、品格を求められる役どころを指しますが、具体的には『本朝廿四孝』の八重垣姫、『金閣寺』の雪姫、『鎌倉三代記』の時姫を指すそうです・・・(^^)

本格的な歌舞伎でも是非ご覧いただきたいですわ~♪

maria 2009/03/30(月) 04:21:07) 編集


mariaさん、これはかたじけない・・・ミニ歌舞伎講座、ありがとうございましたv

赤姫というのは固有の役名ではなかったのですね(汗)。お陰さまで、次回耳にしたときには何のことだかピンとくる・・・はずです(ははは・・・)。

ご紹介くださった三作品はどれも観た事がなく興味津々です。次回帰省時には是非歌舞伎鑑賞としゃれこみたいものですが・・・。

(このトピック、もう少々だけお付き合いいただきたく・・・)
Naoko S 2009/03/30(月) 08:03:38) 編集

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