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ロイヤル・バレエ 「ラ・バヤデール」 (1/28)
水曜のバヤデール・"トリプル・デビュー"公演見てきました。感想は・・・、

"あ~ 面白かった~~~!"

ロイヤルもねー、たまにはほんと、こういうフレッシュな布陣で見せていただきたいもんだ・・・とつくづく感じましたです。メイン・ロールの三人が三人とも初役・しかもファースト・ソロイストとソロイストの混成チーム(プリンシパル皆無)ということで、見る前はちょっとドキドキものだったけど、いやはや恐れ入りました。お三方とも見事な出来で、ほんとにこれがデビュー公演ですか??って目を疑いたくなるぐらい。

舞台に最初に登場するのはソロル(セルゲイ・ポルーニン/ソロイスト)。ポルーニンは今期で入団ニシーズン目の19歳、三人の中で最も若いダンサー。・・・のわりには、立ち居振る舞いが堂々としていて、ごく自然に舞台の真ん中に存在しているところ、お~なかなかだなぁと感心。(ところでこの日はポルーニンの応援団とおぼしき若者グループがアンフィの後ろの方に陣取っていて、彼が登場するや一際派手な拍手と口笛で迎えてました。)

続いてチェ・ユフィさん(ファースト・ソロイスト)。舞台に姿を現したニキヤ、大僧正がベールを取ると一際美しい寺院の舞姫。やや哀愁を帯びた音楽で慎ましくも厳かなソロを踊る・・・この場面、大事ですよね。ここで観客に"このダンサーは違う"と強烈に印象づけて・惹きつけなきゃいけない。ユフィさんはプリマ・オーラで一気に引き寄せるという強さはまだなかったけれど、見ているうちにじわじわと効いてくるアピール力は十分。古典全幕の真ん中を踊る"華"はありそう・・・と確認できて、ほっ。(実は、見る前の唯一の不安がこれだったのです。)

ニキヤとソロルの逢引のシーン。二人とも素直で屈託がなく、ひたすら若々しい表情が微笑ましい。終わりの方でニキヤがソロルの腕に飛び込んでそのまま肩の上(たしか)にリフトする振付があり、ここはタイミングが合わずに失敗したけど、あとは特段問題なし。この二人は背の釣合いもとれていて絵的にもなかなかお似合いでした。

ユフィさんは淋しげな表情よりもにこやかに微笑んでいる方が彼女の甘やかな雰囲気に合っているので(というか自分が好きなだけですが・・・)、恋する乙女の表情で踊るこのシーンが全幕中でもっとも好きだったかも。まだ若干少女の面影を残しつつも(これはザ・レッスンを見たときも感じたけど)そこはかとなくお色気があって、キリリとした気品も備えていて、独特の魅力に溢れている(=周囲とは一線を画している)。踊りは、といえば・・・最も印象に残っているのは、彼女のダンスの流麗さ。動きがまろやかでフェミニンなラインを描いて、得も言えず優美。

(一幕のユフィさんを見ながら、何度かスケートの荒川静香さんを思い出してしまった私・・・。お二人には、切れ長の目と気品に満ちた舞姿・・・という共通点があるからかな。トリノ・オリンピックのTV中継で、荒川さんのあの運命の演技が終わった瞬間、それまで言葉少なだったBBCのアナウンサーが一言、"How...graceful....!!"と感嘆の声をあげたのを今でもよく憶えてる。確かに、ああとしかリアクションしようのない、優雅で気品ある舞姿でしたよね・・・ユフィさんの踊りを見ながら、私も、"How graceful..."と呟くこと度々でした。)

そして、三人目は小林ひかるさん(ソロイスト)のガムザッティですが、これがも~ハマってました。目鼻立ちのはっきりしたお顔にエキゾチックなメークが似合って、ゴールドを多用した豪奢な衣装も違和感なく着こなし、見事にアジアン・ビューティーになりきっていて。踊りがこれまた、失礼ながら、ここまで魅せてくださるとは・・・という天晴れなパフォーマンス。見せ方を心得てるというのか、アカデミックな技巧を連発するガムザッティの振付のツボをしっかりおさえた、メリハリのあるダンスで、特に顔のつけ方が上手というのかな、これが非常に効果的だった。演技面では非常に大人というか、ロイヤル・バレエ濃度(!)の高い表現を見せてくれて、目力もなかなか凄かった。振付も演技も彼女の中でしっかり消化されたものをアウトプットしているという印象で(それで説得力がある)、あまりに完成度が高くて少々頭が混乱してしまった。彼女はロイヤルの前にはオランダ国立に所属していたけど、そのときにガムザッティを踊っていたのかな・・・それともロイヤルでもずっとアンダーで入ってたのかな・・・とか。ともかくも、この夜のデビュタントのうち踊りも演技も最も安定していたのは、小林さんだったかも。(これはすごいことだと思うんですよ・・・小林さんはプロのダンサーとしてのキャリアは他の二人よりも長いけれど、ロイヤルでは古典全幕の大役が今回初めてなだけでなく、これまでメインのソロ・ロールを踊る機会もあまりなかったと記憶しているので・・・。)

二幕・影の王国。この夜サポート面ではさすがに未熟さが目立ったポルーニンが、ソロ・ヴァリで弾けた踊りを見せてくれて、場内大歓声。ジャンプの高さとポーズの美しさは特筆に価します・・・私的には、若いんだからもっと大胆でもいいのに・・・なんて思いながら見てましたが。ユフィさんはこの場面では終始伏目がちの・何かに堪えているような表情で、繊細な踊りを披露。ベテランでも手こずること少なくないベールのシーンも綺麗にまとめていたし、しかし、何といっても白眉はコーダ。舞台奥からシェネで斜め一直線に突き進んでくるところ、一瞬、すわ・ボリショイか!?と錯覚するほどの、ロイヤルにあるまじき猛スピード。その直後アラベスクしたまま舞台奥に後退していくところも、美しい姿勢を保ったままずんずん後ろに下がっていって、あんなに舞台の奥まで戻っていくダンサーは初めて見たような。このときも表情は抑制されたまま変わらず、見た目の静けさと大胆な踊りのギャップがスリリングで、「ダンス力」という意味では、この夜最高の"Wow!"モーメント。

三幕・ソロルとガムザッティの結婚式と寺院崩壊。ここでは、前回も印象的だったガムザッティのソロが、やはり面白かった。小林さんはモレーラほど個性の強さは打ち出していなかったけれど、しなやかな腕の動きと哀感のある表現がよかったです。この場面、毒蛇に咬まれて死んだニキヤの亡霊が現れ、ソロルを散々悩ましたあげく・結婚の誓いをたてた瞬間寺院が崩壊する・・・マカロワ版のニキヤはかなり情念の深い・コワい女性といえないこともないと思うのだけど、ユフィさんは影の王国のときとほぼ同じ、淡々とした表情。私的にはもう少しヴァリエーションがあってもよいのでは・・・と感じたりもしたけど、これは彼女自身の解釈なのでしょうね(死んだあとのニキヤは完全に霊的存在として表現している?)。前回のアッツオーニは、優しげな表情でソロルを誘惑するようなニキヤの表情がなんとも魅惑的、かつ凄みがあったんですよね・・・(こういう優しい人の方がコワいのよね・・・と納得させられたりして。)

幕が降りると嵐のような拍手と歓声。ユフィさんと小林さんにはファンからと思われる立派な花束が3,4個ずつ(もっと?)贈られていました。

CAST

Nikiya: Yuhui Choe
Solor: Sergei Polunin
Gamzatti: Hikaru Kobayashi
The High Brahmin: Eric Underwood
Rajah: Gary Avis
Trois Bayaderes: Samantha Raine, Cindy Jordain, Helen Crawford
The Bronze Idol: Brian Maloney
2009-02-01 11:44 | ロイヤル・バレエ | Comment(3)
Comment
わくわくさせられる配役ですね!
ポルーニンは半年前の日本公演でアーティストなのにソリストの役を踊ってしかもその場のだれよりも目をひく存在だったのを思い出しました。
ユフィさんと荒川さんの芸質の相似点も興味深く思いました。どちらも控えめな中から滲み出るエレガンスが特色ですよね。荒川さんは(氷をバックにしているせいかもしれませんが^^;)その輝きがより硬質なダイヤモンドか水晶のようなのに対してユフィさんにはシルクの光沢を感じます。
小林ひかるさんはあまり印象に残っていなかったのですが、素晴らしいガムザッティだったのですね。これを機会に更に主要な役を踊るチャンスが増えますように・・・。

他にはラジャのギャリーが気になっています(^^)
maria 2009/02/02(月) 04:50:38) 編集

Naokoさん

お待ちしておりましたー!水曜日の熱い舞台がよみがえります。
本当に三人とも素晴らしい踊りで。。。終演後オーディトリアムを
出てすぐの階段でフェデリコ・ボネッリ氏に遭遇。今思うと、
小林ひかるさんのお母さまかな?と思われる女性とご一緒でした。
心の中で「おめでとう~!」と声をかけましたが(ほんとに
声をかけるほどの度胸があればなぁ)、奥様があんなに華々しい
デビューをされて、さぞかし嬉しかったことでしょうねぇ。

エイヴィス様の大僧正には巡り会えず残念でしたが、
エリック・アンダーウッドが思いの外立派な演技をみせて
くれて得をした気分でした!
とと 2009/02/02(月) 09:28:24) 編集


mariaさん こんにちは

>>ポルーニンは半年前の日本公演でアーティストなのにソリストの役を踊ってしかもその場のだれよりも目をひく存在だったのを思い出しました

お~そうでしたか!私はこれまでアンサンブルで踊るポルーニンを見て、たしかに目立つけどこちらのファンやクリティックが大騒ぎするほどでは・・・ってやや醒めてたんですけど(今もあまり変わりませんが・・・)、mariaさんの目にとまったということは、やはり逸材なのでしょうねえ。まぁまだ19歳という若さなので、これからおおいに楽しませてくれるであろう・・・と期待していますが。

>>荒川さんは(氷をバックにしているせいかもしれませんが^^;)その輝きがより硬質なダイヤモンドか水晶のようなのに対してユフィさんにはシルクの光沢を感じます。

う~ん 思わず唸ってしまいました。まさに、仰るとおりだと思います!

私は非常に大雑把な括りで東洋的なエレガンスをお二人に共通して見出していたのだと思いますが、mariaさんご指摘の通り、荒川さんの硬質な美に対してユフィさんはシルクの光沢のような柔らかな美・・・って、納得です(素晴らしい形容ですわ・・・)。

こちらのクリティックがユフィさんの演技面に関して、"Old Schoolに属する・ドラマティックな演技でなくむしろ踊りに語らせるタイプ"というような形容をしていて頷いてしまったのですが、"古風な"バレリーナの美質をもっていて、かつこれだけ品のある若いダンサーは今時希少ですから、将来が本当に楽しみですv

>>小林ひかるさんはあまり印象に残っていなかったのですが、素晴らしいガムザッティだったのですね。これを機会に更に主要な役を踊るチャンスが増えますように・・・。

本当に!今回ガムザッティを踊る小林さんを見て、彼女は断然ソロを踊って光るタイプだと思いました(勿論他にもそういうダンサーは沢山いるのでしょうけど・・・)。

>>他にはラジャのギャリーが気になっています(^^)

前回・今回ともギャリーのレポができてなくて、すみません・・・(汗)。マカロワ版のラジャは結構おとなしい存在というか、あまりギャリーの濃~い演技が生きる役ではないのですわ。でも、このトリプル・デビューの回には三人のソロの時食い入るように、真剣に見守っていましたよ。(特に婚約披露宴の場での「婿」のソロのとき・笑)


ととさん こんにちは。

ひょっとして、今日はととさんも自宅待機でしょうか?

>>終演後オーディトリアムを出てすぐの階段でフェデリコ・ボネッリ氏に遭遇。

私もです~(笑)。階段を降りていったら逆に下から上がってくるボネッリさんに遭遇しました。私も一瞬"おめでとう!"と声をかけようかと思ったのですが、お急ぎの様子、かつ両手に松葉杖状態でいらしたので、遠慮しました。(きっとあの後盛大なお祝いをされたのでしょうね~v)

>>エリック・アンダーウッドが思いの外立派な演技をみせてくれて得をした気分でした!

いや~ほんとよかったですよねアンダーウッドの大僧正!今回デビューのお三方について書くので手一杯で他のダンサーには触れられなかったので、ちょこっと別記事にしたいと思います~。
Naoko S 2009/02/03(火) 00:18:50) 編集

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