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パリ・オペラ座バレエ 「モーリス・ベジャールへのオマージュ」 (12/29)
ベジャール・プロ最終日に駆け込みで鑑賞。最初の「これが死か」がダントツに好きで、そのあとは失速・やや尻すぼみで終わってしまったのが残念だったけど、見られてよかった。

☆「これが死か」 Serait-ce la mort?

幕があくとほの暗い舞台にダンサーの後ろ姿がぼんやり見えている。徐々に目が慣れてきて、あ、ニコラだ・・・と認めると、その佇まいにはっとさせられる。客席に背を向けてただ立っているだけなのに、強烈になにかを発してる・・・

もう一人、舞台最前線下手に女性らしき影が。ゆったりとした白のローブをまとったソプラノ歌手だった。彼女は時々立ち位置を(舞台左右に)変えながら、終始この"絵”の中の登場人物の一人として存在していた。(この演出、好きだな・・・)舞台後方には大きな白い布が吊り下げられている。この布の造り出す流れるようなドレープが、ほかには何もないがらんとした空間に彫刻的な厚みを与えていたような。

多分初めて聴いたと思うのだけど、音楽がとてもいい(シュトラウスの歌曲)。音楽の選択って大事だなーとつくづく感じた。場面によってはやや舞台への集中力を欠いてしまいそうになる瞬間もあったけど、そんなときでも音楽が求心力を失わずにいてくれて、助かった。

女性四人は最初"男"のアクセサリー的に登場して、アクセサリー的な踊りを披露。そのあと、一人一人順に男とpddを踊る。よかったのは「若い娘」役のドロテと「死」の役のムッサン。娘は男の初恋の相手という想定なんだろうか 軽やかな音楽にのって晴れやかに・朗らかに踊る二人の姿に、ついつい頬がほころぶ。(ラ・フィーユの時の二人を思い出してしまった・・・この二人の間にはたしかにケミストリーがある。)

「洗練」を踊ったエレオノーラも彼女ならではの雰囲気があってまぁまぁよかったのだけど、「経験」役のクレールマリにはピンとこなかったなぁ・・・。女性のメイン、「死」の役のムッサンは、相変わらずのほっそりとしたシルエット。純白のユニタード姿がこれほどすっきりとキマるのは、パリオペではやはりこの人か・・・と感嘆。彼女は決して自己主張の強いタイプではなくて(と思う)、表現もごくごく抑制されている。なのに無機質さは皆無で、なんともいえない情感が踊りからたちのぼってくる・・・成熟した・大人のダンサーだからこそ、の味。彼女と踊るニコラは顔の表情がとても雄弁になって、胸のうちを語る言葉が聞こえてきそうだった。リリカルで美しいpdd。ラスト、男が死に抱擁されるシーンは、まるで映画を見ているような濃いドラマ性を感じさせる。プロットのない抽象作品を独特の味つけで滅法面白く見せてしまう、パリ・オペ・ダンサーズの本領が発揮された舞台だった。

音楽: リヒャルト・シュトラウス (歌曲:「四つの最後の歌」)
ソプラノ: トワイラ・ロビンソン

L'Homme: ニコラ・ル・リッシュ

La Mort: デルフィーヌ・ムッサン
La Jenue Fille: ドロテ・ジルベール
L'Experience: クレールマリ・オスタ
La Sophistiquee: エレオノーラ・アッバニャート

オペラ座初演: 1979年6月9日 (28回目の上演)


☆「火の鳥」 L’Oiseau de feu
 
ベジャール版・「火の鳥」は4,5年前にもパリオペで一度見ていて、そのときもあまりぴんとこなかったんだけど・・・今回もまた。ベジャールがこの音楽から引き出したイメージ(解釈)がどうも私にはぴんとこないみたい。振付、特にアンサンブルの振付が凡庸すぎて(パルチザンの踊りとか・・・)、音楽のユニークさ・面白さに拮抗できてないように思えてしまった。(なにより、あのスコアの鮮烈な色彩を感じられなかった・・・。)

舞台はタイトル・ロールを踊るマチューの独壇場。冒頭パルチザンに混じって戦闘服姿で踊ってるんだけど、途中で緋色のユニタードに早代わり。舞台中央に押し出されてソロを踊るマチューのあまりの"かけ離れっぷり"に、瞠目。一人だけ人間じゃない、一人だけ異形の存在、という意味では、これ以上ハマるキャストもないのでは・・・。ほとんど有り得ないような美貌・非現実性の塊りのような彼の存在によって作品自体には欠けていた(ように見えた)ファンタジー的要素がごく自然に醸し出され・・・これにはただただ唸らされた。(そんなマチューも人間に見える瞬間があって・・・彼の脚/足は素晴らしく美しいのだけど、時々アームスというか上体の動きがやや固く見えた。腕が長くて手が大きいので羽ばたきはダイナミックなんだけど、しなやかさとスムーズさにさらに磨きをかけて頂ければと・・・。あ、すみません、多分ロパートキナの白鳥と脳内比較しちゃってます・・・)

謎のキャストがフェニックス。セバスチャン・ベルトーだったのだけど、決して上背があるとはいえない彼を何故この役に??最後の背中リフトは一応決まってたけど、マチューとのコンビネーションにはちょっと(いやかなり)ムリがあったような。

L'Oiseau de Feu: マチュー・ガニオ

L'Oiseau Phenix: セバスチャン・ベルトー

オペラ座初演: 1970年10月31日 (183回目の上演)


☆「春の祭典」 Le Sacre du printemps

意外にも(?)この夜一番楽しめなかった作品。ベジャールのハルサイって、こんなにつまらなかったっけ??こんなはずでは・・・と最後までノれなかった。(主役二人の登場以降は集中力が切れて、睡魔に襲われる始末・・・これって・・・??)

敗因には、当夜座っていた位置もあったかも・・・パルテール最前列・左端だったので、群舞を見るには不利。出だしは決して悪くなかったんだけど・・・冒頭のシーン、目の前、ほんの数メートル先で踊ってるマロリーのシャープでスタイリッシュな動きに目を奪われる(目力も凄かった!)。アンサンブルの中にいた、引き締まった・クールな表情のギヨーム・シャルロもよかった。彼等に限らず、パリオペ・ダンサーズだから野性味とかむき出しのエロティシズムとか猥雑さは微塵もない。でも、いかにもパリオペらしい表現で、いいじゃない・・・と思いながら見てたのに・・・。

・・・なぜその後に登場するのがこの人なんでしょうか・・・ベザール、あまりに場違いというか、はっきり言って役不足すぎ。熱演していたことは確かだけど、ただ力振り絞ってますという張り切りが見えるだけで、舞台の熱を上げるのに貢献していたとは思えず・・・。女性の真ん中・ロンベールは、まるで印象に残ってない。「ボレロ」を踊った時は多少メスっぽさを発散してた記憶があるけれど、今回は何も感じられなかった。

(「こんなはずはない」はずなので、この作品は近いうちにほかのダンサー・もしくはバレエ団で、リベンジを果たしたいです・・・。)

L'Elu: オドリック・ベザール
L'Elue: ステファニー・ロンベール

Deux Jeunes Gens: ベルトラン・ベレム、マロリー・ゴディオン
Deux Chefs: ヴァンサン・シャイエ、オレリアン・ウエット

オペラ座初演: 1965年4月23日 (194回目の上演)
2009-01-13 11:00 | パリ・オペラ座バレエ | Comment(4)
Comment
Naoko Sさん、今年もよろしくお願いします!

さて、12/29、ご一緒してました(^^)

Naoko Sさんは「これが死か?」だったのですね。
私もニコラとドロテ、デルフィヌの踊り、そして独唱を堪能しましたが(おっしゃるとおり、オスタは踊りのせいなのか、あのちょっと子供っぽいピンクの衣装のせいなのかピンときませんでした)、ベジャールに不慣れというか、その日がほとんど初体験な私は意識が遠のきそうな時が…。まだまだ不勉強です。

私はその日は「火の鳥」かな。マチューの「鳥」、足音がほとんどしないのに感動しました。振り付けやテーマ、衣装は古くさいとは思うのですが…。
隣に座っていた友人(見るだけの私とは違い、バレエを習っており、ベジャール大好き、特に「春の祭典」大好き)が、「上体の引き上げができているからよ」と。ただ、マチュー、ちょっと肉の付き方変わった?結構むちっとしてきたような…。

友人が感動していたのは「春の祭典」でした。彼女にとっては東バのものがスタンダードらしいので、スタイリッシュというイメージがあるパリオペがあれだけ踊るなんて、と驚いていました。まあ、主役2人も群舞もよくぞあれだけ泥臭い(失礼!)なダンサーを揃えたわねえ、と言っていました。

公演って本当に見る人それぞれの印象で、こちらのブログでもNaoko Sさんが私をはじめ、コメンテータの視点を尊重してくださるので、いつも気持ちよく拝見させて頂いてます。

ベジャールといえば、ビギナーの私にとっても、すごかったのは翌日の「ボレロ」でした。あれはバランシンとはまた違った上での「見る音楽」ですね。

今のところ今年は全くバレエ鑑賞の予定はなく(3月末の「マーラー」&「ジュヌダンスーズ」行きたかったけれど、そんなことしたら職を失います…涙)、長年見たかった「ライモンダ」も見られて虚脱状態なのですが、Naoko Sさんのロンドン、パリ、そして今年はロシアも加わるのかな、各地からのバレエレポを楽しみにしています。


Bera 2009/01/14(水) 10:33:30) 編集


Beraさん こんにちは。こちらこそ本年もどうぞよろしく~。

29日、ご一緒でしたか!この夜のBeraさんのハイライトは火の鳥だったのですね ふむふむ。(振付やテーマに古臭さ・・・は、前回見たときにちょっと私も感じました。)マチューが足音をさせてなかった、というのは全く気がつきませんでした 教えてくださって有難う~。(ところでマチューですが、ちょっと丸くなりましたか??私は逆に、エトワールに任命された頃は結構"むちっ"としてたけど、最近引き締まってきたかな~なんて感じてたんですが。今度しっかりチェックせねば・笑)

「春祭」についてのご友人の方のコメント、大変興味深かったです ご紹介頂き有難うございました。

"これだけ泥臭い・・・"ですか 面白いなあ(笑)。私にはまさにそういう要素がほとんど感じられなかった舞台だったので。マロリーなんて、ちょっと綺麗すぎるかな・・・と、いかにもパリオペらしい存在に見えたし。本当に、舞台は見る人それぞれですね~。

30日もバスティーユにいらしてたんですね。(ひょっとして大晦日はガルニエでアニエス&ジョゼをご覧になったのでしょうか??)

「ボレロ」は見る音楽・・・確かに、一度あの振付を目にしてしまうとあのダンスを思い出さずにこの曲を聴くことはできないし、二つが同時発生的に生まれたとしか思えないぐらいですね・・・

Beraさんはバレエ鑑賞暫しお預けですか?まぁ後半マリインスキーも来日することだし、それまでセーヴなさっておいては(笑)。

>>Naoko Sさんのロンドン、パリ、そして今年はロシアも加わるのかな、各地からのバレエレポ

ロシアはですね 早くも挫けつつあります(笑)。先日ちょっとサーチしてみたんですが、モスクワもサンクトも、ホテルが高くて・・・すっかりひいてしまいました。(行きたいのはやまやまなんですけどねえ・・・)

私の今年のバレエ初めは明後日・金曜のロイヤルのバヤデールです。主役はハンブルクからのゲスト・アッツォーニ、迎え撃つのは(笑)モレーラ@ガムザッティ、ソロルはプトロフという布陣です。
Naoko S 2009/01/15(木) 09:24:25) 編集

Naoko Sさん、お返事ありがとうございました。

本当に感想は人それぞれで、自分以外の方の考え方を知るって本当に興味深いです。こちらのブログもNaoko Sさんが私を初め、皆さんのコメントも大事にしてくださるので、気持ちよく拝見することができるのです。それはNaoko Sさんがロンドン在住で、多様なものへの寛容性(これは欧米、とくにヨーロッパで生きていくには必要不可欠のものだと思っていますが)をお持ちであるところから来ていると思っています。

さて、私は12/31は地方へ出てしまったので、アニエス&ジョゼのカップリングは見ることはできなかったのですが(殿降板は残念でした~)、12/27のガルニエでドロテ@ライモンダとジョゼ@ジャン・ド・ブリエンヌを楽しむことができました。うーん、なんとも華やかな組み合わせでした。
やはりドロテにはジョゼはちょっと大きすぎるかな、とも思いましたが、スペイン縁の2人が並ぶとそれはそれは…(うっとり)。この2人の組み合わせって今までありましたっけ?

ロンドンでは「ラ・バヤ」ですか?で、アッツォーニですって?彼女ロンドンに客演したことはありましたっけ?興味津々です。あの儚げなところがニキヤにぴったりかも。ぜひ、様子を教えてくださいね。
Bera 2009/01/16(金) 09:25:11) 編集


Beraさん たびたびどうも~。

このブログ、Beraさんに気持ちよく読んで頂けてるのなら嬉しいですが、・・・へええーっ!とちょっとびっくりしてしまいました。「多様なものへの寛容性」ですか・・・これ、まさに自分に欠けてる資質だと常日頃認識しているもので・・・。(特に芸術全般に関して、極端に許容範囲の狭い、狭量な人間なので・・・)

欧米・・・といっても私はロンドンでしか暮らしたことはないけど、「寛容性」、どうかな??もしそういう傾向があるとしたら、異質なものたちと共存していく上で、処世術として嫌でも身についてしまうのかも・・・なんて思ったりも。(そして根っこには勿論個人主義があるのでしょうね・・・。またまた興味深い視点を提供してくださって、Thanksです!)

Beraさんはドロテ&ジョゼの貴重な組み合わせをご覧になったのですね~。この二人の過去の共演、私には思い出せないのですが、一緒に踊ってましたかねえ・・・。

それにしても、今回ジョゼは4人のバレリーナを相手に11回JdBを踊ったわけですよね・・・あの細~い身体からは想像もつなかいタフネスさ!(鉄人!)

さてさてロイヤルのバヤ、見てきましたよ~。アッツォーニはおそらくRBデビューだったのではないかしら。ballet.coで「アッツオーニって誰??」って質問している人がいたし・・・公演レポは別記事にしますね。
Naoko S 2009/01/17(土) 10:52:30) 編集

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