■ウィルフリード・ロモリのガラ公演 (11/7)
三週間前に南仏・サント・マキシムで行われたロモリのガラ公演("Carte blanche a Wilfried Romoli")、パリとトゥールーズから駆けつけた5人のダンサーが6演目を上演しました。休憩なし・正味一時間強のスピーディーな公演だったので、感想もサクッと・・・・
・・・・と、その前に、再び会場のCarré Léon Gaumontについて、一言・・・結構印象が強烈だったので。街の中心からかなり(2km)離れたところに位置していることは前回も触れたけど、にもかかわらず劇場専用の送迎バス等のサービスはなし。ロケーションがまたびっくり。車が猛スピードで飛ばす国道沿いに忽然と姿を現す巨大な体育館みたいな建物で、周囲には何もない。この劇場、映画館との複合施設になっていて、入口に大きなビルボードが立ってるのだけど、専ら映画のポスターが掲げられているのみで、この公演のポスターはなかった。(劇場関連のイベントでは、先月の杮落し公演?のバーバラ・ヘンドリックスのはあったけど・・・そういえば街中でも公演ポスターは見かけなかったなあ 宣伝してた形跡まるでなし・・・。)
中に足を踏み入れると、ボックスオフィスらしき施設はない。カウンターに設置された受付で、予約しておいたチケットを引き取ろうとしてまたびっくり。クレジットカードが使えないばかりか、現金でもexact amountしか受け付けられないという!あとは、小切手払いのみ(勿論私はフランスで使える小切手は所有していない)。観察していたら小切手の宛先は市(町?)役所だったようで、あぁここは行政が文化事業の一環として運営してる劇場なのか・・・と初めて気づく(少なくともあの受付の対応からすると、営利目的の組織にはまるで見えなかった)。
で、この調子で一体お客さんがどれだけ集まるのか?とやや不安ではあったのだけど、果たして会場に足を踏み入れると・・・・半分埋まっていたかどうか、という入り(劇場のキャパは5〜600といったところか)。なんて勿体ない!と唖然としたけど、まぁ地方公演だとこういうこともあるんですかね 何よりこのロケーションだし・・・。(しかし、そのお陰で、ちゃっかりかぶりつきの席で鑑賞という運びに・笑。客席は空いててさびしかったけど、こんな辺鄙な会場に駆けつける熱心な方々だけあって?お客の質はよかった。子供連れの人も多かったのに、上演中こんなに静かに集中して見てる観客に遭遇したのは久々・・・)
"L'apres midi d'un faune"(Nijinski): Wilfried Romoli et Laura Hecquet
ナルシスティックなところがまるでなくて、透明感すら漂わせているロモリの牧神。じゃ色気に欠けるのか?というとそんなことはなくて、先月トレヴィーゾで見たときも感じたのだけど、なかなかにセクシー。ニンフ役のエケがいかにも若く(青く)て、かつステージプレゼンスに差がありすぎて、二人の間にケミストリーは感じられなかったかな・・・(まぁ去年凄いのを見てしまってるからね・・・)。エケは清潔な乙女の雰囲気が出ていてまぁまぁよかったけれど、例の、上体を後ろに反らしてポーズするシーンでは、(井脇さんの舞台が目に焼きついてるので)"ソリが足りな〜い!"と思わず心の中でツッコミを入れてしまった。
"Who Cares?"(Balanchine): Breno Bittencourt et Magali Guerry
トゥールーズ・バレエのソリスト二人によるWho Caresからのpdd。"Embraceable You"にのって踊っていたんだけど、この曲好きなので、見ていて気持ちよかった。なかなかチャーミングなペアで(特に男性の方)、若々しくて軽妙なダンスに、客席が一気に暖まったような。
"Sept danses Grecques" (Bejart): Laurent Hilaire
はい、かっこよかったです。こんな至近距離でイレールのギリシャを見られるなんて・・・嬉し恥ずかし(笑)。見ている間は、完璧にフリーズしてました・・・
"La mort du cygne" (Fokine): Laura Hecquet
パリオペ・ダンサーの踊る「瀕死」は初めて見たような。ローラ・エケ、登場したときにまずびっくりしたのが王冠のようなティアラをちょこんと頭の上にのっけていたこと。チュチュもややデコラティヴで個性的。でももっとびっくりしたのは、彼女の表現。相当役に入り込んでいたのか表情がとてもエモーショナルで、こんな彼女を見たのは初めて。鳥というよりははっきり人間を志向している(ように見える)表現はあまり目にしたことがなくて、新鮮だった。
"Don Quichotte" (Petipa): Breno Bittencourt et Magali Guerry
ドン・キのgpddというのは、ある意味最もハードルの高いガラ・ピースの一つだと思うのだけど・・・トゥールーズ・ペア、苦戦してました。フランスという国は、古典バレエをレパートリーにしているカンパニーがいまやパリオペとボルドーぐらいしかない極寒の状況・・・という話を聞いたことがあるけど、本当だとすると、トゥールーズのダンサー達も日頃古典を踊る機会はないだろうから、まぁ仕方ないのかな・・・。私的には彼等が常日頃踊り込んでいる演目を披露してほしかったけれど、観客には十分アピールしていたようで、大層盛り上がった。
"Un trait d'union" (Preljocaj): Laurent Hilaire et Wilfried Romoli
どうもこの作品というと、まずは冒頭の照明が気になる体質になりつつある・・・(笑)。今回はカラヴァッジオ系の青白い照明だったのだけど、(トレヴィーゾ同様)ちょっと落し過ぎ・・・イレールがほとんど真っ黒な影に見えてしまうシーンもあって、無念。(本当に難しいのね このライティング・・・)イレールだけでなくロモリも、いまや現役ダンサーではなくなってしまったわけだけれど、衰えは全く感じさせない。お二人の体力・気力が続く限り見せていただきたい演目です ほんとに・・・。
二人の熱演にカーテンコールでは客席から盛大な拍手とブラヴォーが贈られていたけど、後ろの方で"Merci beaucoup!"と叫んだ人がいて、ああいい感じだな・・・とほっこり・暖かい気持ちになったのでした。
・・・・と、その前に、再び会場のCarré Léon Gaumontについて、一言・・・結構印象が強烈だったので。街の中心からかなり(2km)離れたところに位置していることは前回も触れたけど、にもかかわらず劇場専用の送迎バス等のサービスはなし。ロケーションがまたびっくり。車が猛スピードで飛ばす国道沿いに忽然と姿を現す巨大な体育館みたいな建物で、周囲には何もない。この劇場、映画館との複合施設になっていて、入口に大きなビルボードが立ってるのだけど、専ら映画のポスターが掲げられているのみで、この公演のポスターはなかった。(劇場関連のイベントでは、先月の杮落し公演?のバーバラ・ヘンドリックスのはあったけど・・・そういえば街中でも公演ポスターは見かけなかったなあ 宣伝してた形跡まるでなし・・・。)
中に足を踏み入れると、ボックスオフィスらしき施設はない。カウンターに設置された受付で、予約しておいたチケットを引き取ろうとしてまたびっくり。クレジットカードが使えないばかりか、現金でもexact amountしか受け付けられないという!あとは、小切手払いのみ(勿論私はフランスで使える小切手は所有していない)。観察していたら小切手の宛先は市(町?)役所だったようで、あぁここは行政が文化事業の一環として運営してる劇場なのか・・・と初めて気づく(少なくともあの受付の対応からすると、営利目的の組織にはまるで見えなかった)。
で、この調子で一体お客さんがどれだけ集まるのか?とやや不安ではあったのだけど、果たして会場に足を踏み入れると・・・・半分埋まっていたかどうか、という入り(劇場のキャパは5〜600といったところか)。なんて勿体ない!と唖然としたけど、まぁ地方公演だとこういうこともあるんですかね 何よりこのロケーションだし・・・。(しかし、そのお陰で、ちゃっかりかぶりつきの席で鑑賞という運びに・笑。客席は空いててさびしかったけど、こんな辺鄙な会場に駆けつける熱心な方々だけあって?お客の質はよかった。子供連れの人も多かったのに、上演中こんなに静かに集中して見てる観客に遭遇したのは久々・・・)
"L'apres midi d'un faune"(Nijinski): Wilfried Romoli et Laura Hecquet
ナルシスティックなところがまるでなくて、透明感すら漂わせているロモリの牧神。じゃ色気に欠けるのか?というとそんなことはなくて、先月トレヴィーゾで見たときも感じたのだけど、なかなかにセクシー。ニンフ役のエケがいかにも若く(青く)て、かつステージプレゼンスに差がありすぎて、二人の間にケミストリーは感じられなかったかな・・・(まぁ去年凄いのを見てしまってるからね・・・)。エケは清潔な乙女の雰囲気が出ていてまぁまぁよかったけれど、例の、上体を後ろに反らしてポーズするシーンでは、(井脇さんの舞台が目に焼きついてるので)"ソリが足りな〜い!"と思わず心の中でツッコミを入れてしまった。
"Who Cares?"(Balanchine): Breno Bittencourt et Magali Guerry
トゥールーズ・バレエのソリスト二人によるWho Caresからのpdd。"Embraceable You"にのって踊っていたんだけど、この曲好きなので、見ていて気持ちよかった。なかなかチャーミングなペアで(特に男性の方)、若々しくて軽妙なダンスに、客席が一気に暖まったような。
"Sept danses Grecques" (Bejart): Laurent Hilaire
はい、かっこよかったです。こんな至近距離でイレールのギリシャを見られるなんて・・・嬉し恥ずかし(笑)。見ている間は、完璧にフリーズしてました・・・
"La mort du cygne" (Fokine): Laura Hecquet
パリオペ・ダンサーの踊る「瀕死」は初めて見たような。ローラ・エケ、登場したときにまずびっくりしたのが王冠のようなティアラをちょこんと頭の上にのっけていたこと。チュチュもややデコラティヴで個性的。でももっとびっくりしたのは、彼女の表現。相当役に入り込んでいたのか表情がとてもエモーショナルで、こんな彼女を見たのは初めて。鳥というよりははっきり人間を志向している(ように見える)表現はあまり目にしたことがなくて、新鮮だった。
"Don Quichotte" (Petipa): Breno Bittencourt et Magali Guerry
ドン・キのgpddというのは、ある意味最もハードルの高いガラ・ピースの一つだと思うのだけど・・・トゥールーズ・ペア、苦戦してました。フランスという国は、古典バレエをレパートリーにしているカンパニーがいまやパリオペとボルドーぐらいしかない極寒の状況・・・という話を聞いたことがあるけど、本当だとすると、トゥールーズのダンサー達も日頃古典を踊る機会はないだろうから、まぁ仕方ないのかな・・・。私的には彼等が常日頃踊り込んでいる演目を披露してほしかったけれど、観客には十分アピールしていたようで、大層盛り上がった。
"Un trait d'union" (Preljocaj): Laurent Hilaire et Wilfried Romoli
どうもこの作品というと、まずは冒頭の照明が気になる体質になりつつある・・・(笑)。今回はカラヴァッジオ系の青白い照明だったのだけど、(トレヴィーゾ同様)ちょっと落し過ぎ・・・イレールがほとんど真っ黒な影に見えてしまうシーンもあって、無念。(本当に難しいのね このライティング・・・)イレールだけでなくロモリも、いまや現役ダンサーではなくなってしまったわけだけれど、衰えは全く感じさせない。お二人の体力・気力が続く限り見せていただきたい演目です ほんとに・・・。
二人の熱演にカーテンコールでは客席から盛大な拍手とブラヴォーが贈られていたけど、後ろの方で"Merci beaucoup!"と叫んだ人がいて、ああいい感じだな・・・とほっこり・暖かい気持ちになったのでした。
2008-11-30 12:19
| パリ・オペラ座バレエ
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