スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
-------- --:-- | スポンサー広告
コヴェント・ガーデンと初台の共通点?
本日のロンドンは快晴で夏の陽射し。・・・しかし、ワシントンではヒラリー・クリントンが志敗れてタオルを投げ入れ(ああ惜しかったなあ・・・)、パリではロジャー・フェデラーが大惨敗を喫するという(彼のフィットネスが本気で心配になってきた)・・・ややアンニュイな週末でありました。

さてタイトルですが、勿論ロイヤル・オペラ・ハウスと新国立劇場のことです。なぜこの二つを並べたかというと・・・

ちょっと前にこの二つの劇場に共通する(あるいは大変近しい)要素を発見してしばし興奮(&驚愕)してしまったことを、過日パリ・オペラ座とROHの財政事情について書いた時に思い出したのでした。で、こちらについても書き留めておこうかな・・・と。(また金の話か~とウンザリした方は、直ちに避難を~!)

今年2月に米ワシントンDCで行われた新国立劇場バレエ団・海外デビュー公演。その公演評について当時このブログでも記事にしましたが、その際ネタに使わせてもらった米バレエ・フォーラムで、「日本では舞台芸術活動に対して国は一切援助していないのか?」と質問している人がいたんですよね。で、勘違いされたままでは困ると思って、ネットでミニ・リサーチして結果をポストしたのですが、その「結果」というのが目から鱗・・・の事実(自分的には)を含んでいたのでした。

取敢えず取っ掛かりとして(かつ興味もあったので)新国立劇場がどれだけ国からサポートを受けているのか、劇場公式サイトに行って見てみました。ここでわかったのは、

(1)新国は国立劇場、能楽堂など日本の伝統芸能を上演する劇場とともに、独立行政法人の日本芸術文化振興会を通じて国から助成を受けている。(ちなみにこの組織の傘下にある劇場・団体の中でパイの取り分が一番多いのが新国)
(2)平成19年度にこの組織から「業務委託金」として新国の収入となった金額は約51億円。

国の補助金が51億円・・・この金額って果たして多いのか・少ないのか・・・見当つかなかったので、手っ取り早いところで"地元"ROHの数字と比較してみたんですよ。このときはアニュアル・レポートではなくて新聞報道の数字を拾ってきたのですが。国の拠出は約2,500万ポンド、そんなもんだったっけ これって円換算すると・・・・

・・・はい、もう皆さんおわかりですね。そう、新国が国から受けている補助金は、ROHのそれとほぼ同額だったのです。この発見、かなりびっくり!だった私・・・。

なぜ驚いたかって、まず私のような古い人間には、「日本は文化にお金を出さない国」という固定観念が染み付いてるんですよ。特に舶来文化、特にバレエやオペラなんて好き者が自腹切ってやることで、国のサポートなんて期待するな・・・というのが社会一般の見方で、それが文化施策に如実に反映されているというか・・・(古すぎるかもしれないけど)。新国ができた時私は既に日本を離れていたので、"へえ~ついに日本に国立のバレエ団・歌劇場ができるのか~"と多少の感慨はあったけど、いかんせん遠い国の話みたいであまりピンときてなかった。バブル崩壊した後だったし、国立って言ったってきっとケチな予算で回していかなきゃいけないんだろうなぁ・・・なんて想像してたんですよね(イヤですね~貧乏性は・・・)。で、実際に新国の活動状況を(たまに)目にするにつけその偏見が深まっていたような・・・。何というか、小規模なオペレーションだなぁというか、平たく言うとスケールが小さい。バレエ団の団員はソリスト・クラスでも専属でない人がいるみたいだし・そもそも団員数も多くはなさそう、劇場専属のオケはないし(コーラスも??)、何より公演数の少なさといったら・・・(一年のうち公演のない日の方が遥かに多い)。

スケールが小さい=補助金が少ないせい、と勝手に思い込んでいたんだけど、客観的に数字だけみれば、《一応》世界的に名の通った歌劇場と肩を並べるレベルの助成を受けている・・・ということなんですよ。しつこいようだけど、これは、私的にはちょっとした"revelations"。

ただ、ROHとオペラ座を並べて単純比較した時と違って注意を要するのは、(調べていて気づいたことなんだけど)どうやらこの劇場を欧米でいう「歌劇場」(リリック・シアター)と同じものと思ってはいけなさそうだな・・・ということ。前述のとおり専属オケはいないし、最たる違いは、新国は「演劇」部門を擁しているんですよね。(こういうパターンは普通の「歌劇場」ではあまり例がないような・・・)

劇場の中に三部門抱えていること、研修事業にも少なからずリソースを取られていそうなこと、なにより日本の経済規模を考えれば50億だって必ずしも多くはないのかもしれないけれど・・・。依然素朴な疑問というか謎なのは、なぜこの劇場のオペラ・バレエ公演はこんなに少ないんだ?ということ。開示されている収支報告書によれば、平成19年度の公演事業費、「支出」は「収入」の約2倍。公演数が絶対的に少なすぎるのか、公演を打てば打つほど赤字になるということか?(Wikipediaで言及のある、「座席数問題」も実際影響してるのかなぁ・・・)とりあえず、数字を並べてみると、

2006/2007シーズンの新国・オペラ劇場での公演数(本公演)は、

オペラ 43回
バレエ 34回

で、計77回。

同シーズンROH・メインステージでの公演数は、

オペラ 152回
バレエ 140回

で、計292回。

どう見ても、新国の公演数は少なすぎ。かといって空いてる時に積極的に貸し出ししてるわけでもなさそうだし、勿体無いなあ いい劇場なのに・・・。

今の私のホーム・カンパニーであるROHも勿論問題がないわけではないけど、パリ・東京との<大変雑な>比較を経て、よく頑張ってるよなぁ・・・と(図らずも)見直す結果に。

<この稿続く・・・かも>
2008-06-09 08:27 | 情報系(ニュース、公演) | Comment(9)
Comment
このコメントは管理人のみ閲覧できます
- 2008/06/09(月) 20:27:06) 編集

このコメントは管理人のみ閲覧できます
- 2008/06/09(月) 21:17:38) 編集

Naokoさん、こんにちは。
(出直してまいりました。お手数お掛けしました。m(_ _)m)

興味深い比較をありがとうございます~、なんて呑気なことを言ってる場合ではありません! 軽~いショックを受けてます。 新国立に対する国からの補助金がROHと同レベルだったなんて、知りませんでしたよ。 大雑把な数字だけの比較とは言え、この経営状況、マズいんではないですかね~。 もちろん、現場の方々は、猛烈に頑張っていらっしゃるとは思いますが~。

公演回数の少なさですが、以前から非常なもどかしさを感じたのですけど、これ、Naokoさんがおっしゃるように、「公演を打てば打つほど赤字になる」ということなのか(確かにチケット代はかなり安価に押さえられているとは思います。)、それとも、民間の団体に気を使っているのか(新国立がたくさん公演をすると民間のほうに観客が流れなくなってしまうからとか。)、さっぱり理由がわからんです。
mizuko 2008/06/10(火) 22:51:03) 編集

こんばんわ。最近のエントリ、いつにもまして興味深いです。

 ロイヤル・バレエ、回数これだけあるんですね。でも、そう感じられないのは、シーズン中に同じ演目を分けて上演(今シーズンだとロメジュリ)したり、同じ演目を2シーズン続けて(Dances at a gathering)ということがあるからかなと思います。
守屋 2008/06/11(水) 05:47:11) 編集


mizukoさん こんにちは。コメントありがとうございました~。

うーん、mizukoさんもショックでしたか この発見・・・。両国の税制(優遇)措置の違いとかあるかもしれませんし、一概に同じレベルと言ってしまっていいのかなぁ・・・とはちと悩んだのですが、そういうことや"大人の事情"を一切抜きにして比べると、数字としては非常に近い、ってことで。

新国の公演回数の少なさは、本当に、心の底から謎です。mizukoさんの、「民間の団体に気を遣っているのか?」というご推測は非常に新鮮でした(私自身には全くでてこない発想ですので・笑)。民業圧迫ってやつですか・・・うーん どうなんでしょうね??

<ここからつぶやき> 「国立」を冠する歌劇場(?)・バレエ団の使命といったら、単純な話、国を代表する芸術団体となることなのではないかと思うのですが・・・。異論あるかとも思いますが、(長期的には)民をリードしていくような存在となるべきではないかと。なにより劇場が一般に認知され・愛されなきゃ存在意義もないわけだけど、多分今は存在感薄々なんじゃないかと想像してしまいます。この公演回数じゃおそらくオーディエンスの大半は既存のバレエ/オペラ・ファンで占められていて、新規顧客の開拓(国立である以上責務の一つ)はほとんどなされていないのでは・・・。


守屋さん こんばんは

>>ロイヤル・バレエ、回数これだけあるんですね。でも、そう感じられないのは、シーズン中に同じ演目を分けて上演(今シーズンだとロメジュリ)したり、同じ演目を2シーズン続けて(Dances at a gathering)ということがあるからかなと思います。

ロイヤル、これだけの回数をこなしているという印象はあまりないですか?「一シーズンに同じ演目を二度上演している」点、これまさに、次稿(?)で触れようかと思っていたことの一つなんですが・・・引き続きお付き合い頂ければ幸いです~。
Naoko S 2008/06/11(水) 10:04:40) 編集

たしかに、新国立劇場は公演数かなり少ないですよね。その上、地方公演も年に2回くらいしかやらないんです。向こうから呼ばれないと、行かれないそうで、それは、こちらから行くと、その地方のバレエ団や教室に民業圧迫だと言われるらしいです。日本のバレエ界ってお教室文化なんですよね。まさに、mizukoさんがおっしゃるとおりのことなんですよ・・。新国立劇場でのオペラ公演に、バレエ団員が借り出されることもあるというのもひとつあるみたいだし。

しかし、本当におっしゃるとおり、公演回数は少ないし地方公演もやらないので、存在感は全然ないと思いますよ。中学生向けに安い料金でスポンサーをつけての公演などの試みはしているとはいえ、まだまだこういうことは努力が足りない感じです。

それから、民間からの寄付が少ないというのもあるんでしょうね。調べれば判るかもしれませんが、日本はあまり寄付するという文化がないですから。ABTなどは、ほとんどがパトロンからの寄付で賄っていますよね。

補助金といえば、今大阪でタレント出身の知事が、文化にまったく関心がないため、ザクザク補助金をカットして、オーケストラや、文化施設が全滅状態になっているみたいです。「行政に携わったり、財界の人だったり、そういう層は、ちょっとインテリぶってオーケストラだとか美術だとかなんとか言うが」なんて平気で発言しているんですよね。それでテレビの前で泣いてみたりパフォーマンスをして人気取りをしていたりして、嘆かわしい限りです。大阪府民じゃなくて良かったって心から思います。
naomi 2008/06/12(木) 23:42:26) 編集


>>その上、地方公演も年に2回くらいしかやらないんです。向こうから呼ばれないと、行かれないそうで、それは、こちらから行くと、その地方のバレエ団や教室に民業圧迫だと言われるらしいです。日本のバレエ界ってお教室文化なんですよね。

へえ~そうなんですか!日本のバレエ界ならではの、特殊な事情があるようですね。

>>それから、民間からの寄付が少ないというのもあるんでしょうね。調べれば判るかもしれませんが、日本はあまり寄付するという文化がないですから。ABTなどは、ほとんどがパトロンからの寄付で賄っていますよね。

ABT、というか、アメリカはアメリカで、またちょっと特殊なんじゃないかな。ただの想像ですが、あの国では公的な補助より民間の寄付に頼るシステムが出来上がっちゃってるような気がします。(なんたってスーパー・リッチが多いですからねー。)確かに日本では個人が文化活動に寄付するという習慣が欧米ほどは根付いていないのかもしれないけど、有力パトロンになれるようなビリオネアーの絶対数も少ないですから。(これは某フォーラムにも書きましたが、例えばForbesのリッチ・リストに登場するのは大体がアメリカ人でしょう・・・あと、今ならロシア人かな?)

まぁでも企業・一般をとわず民間の寄付をあてにしたいなら、劇場はブランド力をあげなきゃだめですよね。

大阪フェスティバル・ホールが閉鎖、というニュースは以前あちこちで目にしていましたが、文化施設全滅とは・・・。この知事さんのことはまるで知らなかったので今ちょっと検索してみたんですが、大阪府の財政は危機に瀕しているとか。大阪の文化活動は冬の時代が続きそうなんでしょうか・・・

でも、大阪が元気じゃないと、なんか面白くないですよ~(がんばってくれー)。

(この話題とは何の関係もありませんが、ちょっと前に読んで面白かった、大阪好きのFT記者による・大阪へのトリビュート記事↓)

http://www.ft.com/cms/s/0/3cc83418-a9f4-11dc-aa8b-0000779fd2ac.html?nclick_check=1
Naoko S 2008/06/13(金) 09:53:28) 編集

大阪府民のOdetteです。センチュリーや大フィルへの補助金カットで大騒ぎになっていますが、それ以外にも若手漫才師や落語家の拠り所となってきた「ワッハ上方」への補助金もカット。さらには主に芸術系クラブの中高生の文字通り「汗と涙の場」となってきた、「府立青少年会館」が今年度末で閉館です。全世界の児童書を網羅し全国的にも類を見ない施設である児童図書館も閉鎖…とまぁ、挙げればキリがないです。にもかかわらず、御堂筋、中ノ島のライトアップ事業だけはやるみたいです。某府知事の趣味がロコツに現れているとでもいうのでしょうか。大阪市長はアナウンサー出身なので芸術方面にも理解があるのですが、いかんせん府知事がお金を回さないことには市としても動けませんものね…。何か言おうとしたら「インテリぶっている」と言われるし(苦笑)。ちなみに、フェスティバルホールは朝日新聞大阪本社ビルの改築に伴う休館です。あと、クラシック専門ホールのザ・シンフォニーホールは民間なので無事です。舞台芸術ファンとしてはなんとも息苦しいこの頃です。はい。
Odette 2008/06/14(土) 18:28:54) 編集


Odetteさん、大阪からホットな現状レポを有難うございました。

・・・はぁ~そうですか 一般に深く根をおろしていそうな活動まで削減対象となっているとは。ほんとにシビアな状況なんですね・・・

>>何か言おうとしたら「インテリぶっている」と言われるし(苦笑)。

バレエや音楽や美術・・・等々のアート好きには信じられないことですが、世の中には「文化」なんて必要としない人が沢山いるんですよね。そういう言葉を連発するってことは、この知事さんもその類でしょうか もしくは、より広範な選挙民へのアピールを意識したポーズの一つか・・・。この人の周囲には長期的・俯瞰的な物の見方ができて、文化の意義と効用をアドバイスできるようなブレーン(でも圧力団体でも誰でも)はいないんでしょうかね・・・。

(フェスティバル・ホールの件、ご指摘ありがとうございました。閉鎖ではなくて休館だったんですね 安心しました。)
Naoko S 2008/06/15(日) 08:55:28) 編集

コメントを書く
#

管理者にだけ表示
10
--
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
28
29
30
31
--
>>
<<
--
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。