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パリオペ・ガラ公演@ポルデノーネ 《後半》
前半から間が空いてしまったけど、ポルデノーネ・ガラの後半分を駆け足で。

《後半》

1. スプリング・アンド・フォール (ノイマイヤー)
音楽: ドヴォルザーク (セレナーデ op.22)
ロレーヌ・レヴィ、アクセル・イーボ、ファビアン・レヴィヨン

2. ディアナとアクテオン (ワガノワ)
音楽: ドリーゴ
マチルド・フルステー&ステファン・ビュイヨン

3. アレス・ワルツよりソロ (ツァネラ)
音楽: ヨセフ&ヨハン・シュトラウス
ドロテ・ジルベール

4. さすらう若者の歌 (ベジャール)
音楽: マーラー ”Lieder eines fahrenden Gesellen”
ローラン・イレール、マニュエル・ルグリ


ガラ後半は「スプリング・アンド・フォール」でスタート。最初のソロはファビアン君、シルフィードとは打って変わってのびのび踊ってました。(もう、顔の表情からして全然違う・・・。)彼はやや上体が硬いのかな?時折スムーズさに欠けるとみえる場面もあったけれど、なかなかイキのいいダンスを披露してくれて、若いっていいなぁ・・・と眩しい思いで見つめていました。pddを踊ったレヴィとイーボは3年前の南仏公演でもペアを組んでいたような記憶があるのだけど、とってもスムーズでいい踊りでした。アクセル君もドリーブ・スイートの時よりずっと生き生きしていたし、レヴィもこの作品だとハツラツとした持ち味が悪くない(しかし、この方何を踊っても表情が同じなような・・・)。

続いてはマチルドとステファンの「ディアナとアクテオン」。当初劇場発表の出演者情報には全く名前のなかったマチルドが、蓋をあけてみれば3演目に登場・・・と大活躍だったわけですが、3本目はコテコテのロシアもの。パリオペ若手の中では随一のテクニシャンという点を買われての起用かと思われ、この振付も危なげなくこなしていましたが、まだ若いのでムリもないとはいえステージ・プレゼンスがどうにも軽い。(見た目ディアナというより彼女のおつきのニンフの一人か、バンビちゃんって感じだし・・・) ビュイヨンは立派な体躯を(ここでも)惜しげなく披露する、アポロンのような白の衣装(タイツは履いてない)なのだけど、狩人というよりはグラジエーターみたいに見える(スミマセン!)。あと、実は私この人の踊りにピンときたことがついぞなく・・・今回も。(何が悪いというわけではないんだけど、相性の問題かな・・・) このペアでニ演目を見て、二人の体格があまりに違いすぎるので、パートナーとしてはちょっと厳しいんじゃないか・・・と私的には感じましたが、観客の反応は凄く良かったです。二人とも盛大な拍手をもらっていました。

「アレス・ワルツ」のソロを踊るドロテを見たのはこれで三度目、前回は(これまた)3年前の夏の南仏公演の時。

あのとき、まだスジェだったドロテが、グラン・エトワール3人(イレール、ルグリ、デュポン)に負けないオーラと魅力を発散して強烈な印象を残してくれたのだけど、今回は・・・"わぁー大人になったなぁ・・・"と思わず感慨に浸ってしまった。3年前のドロテは積極的に自分をアピールしようという意気込みがもっと全面に出ていた感じがあったけど(それも私は凄く好きだった)、今回はもう少ししっとり・作品の洒脱な雰囲気をごく自然に醸し出す、余裕のある舞台姿。音楽は主にオペレッタ・こうもりからランダムに切り取ったものをパッチワークみたいにつなげていて、時折唐突に音が途切れて無音の状態になったりするんだけど、なかなか面白い。黒のマニッシュなパンツ・スーツを身に纏ったドロテの、なんとも粋な舞姿。

最後はもちろん、イレールとルグリの「さすらう若者の歌」

さすらう~は見る度ごとに少しずつ違った感慨をもたらしてくれる作品なのだけど、この夜のパフォーマンスは、これまで見たどれとも"かなり"違っていたような・・・。

端的に言うと、「音楽」をより強く感じさせる舞台だったんですよね。私はこの作品、4年前の夏のルグリ・ガラで初めて見たのだけど、そのとき以来殆どいつも・イレールとルグリの舞台に濃厚な文学性を感じることが多かったのだけど(優れた文学作品を読む醍醐味に近いものを感じるというか・・・)、今回はしばしばオペラの舞台を見ているような感覚に襲われ・・・(特に、激情にかられた・非常にエモーショナルな第三曲とか。)

オペラティック、即ち人間臭いドラマ性がいつになく強く感じられた理由の一つは、多分「若者/旅人」と「運命」のコントラストが非常に明確だったからではないか、という気がするのだけど・・・。イレールの無防備な表情がナイーヴでロマンティックな若者像をくっきり浮き立たせている一方、ルグリの冷淡な運命のペルソナは益々冴え渡っていて・・・。ルグリは身のこなしがあまりに軽やかで、それが悪魔的に見えてしまうような凄みがあった。かたやイレールは技術面ではやや衰えの見える場面があって、テクニカルな意味での"コントラスト"も確実に存在していたけど、そんな要素も呑み込んでなお・"表現者"として拮抗している二人のダンサー。踊りこんでそれぞれの役柄・持ち味が益々深められた結果、のあのドラマだったのではないか・・・。最後のシーンで、「運命」の差し出した手を戸惑うようにじっと見つめてから、おずおずとそこに自らの手を重ねていく「若者」の表情・・・胸を衝かれました。

<終>

☆文中何度も出てくる「3年前の南仏ガラ公演」ですが、カルカッソンヌとニームの野外劇場で行われた、パリオペのガラ公演のことです。この時書いた日本語メモがどうしても見つからない・・・ので、英文レビューへのリンクを貼っておきます・ご参考まで(殆ど「さすらう~」のことばっかりですけど・・・)。

http://www.ballet.co.uk/magazines/yr_05/oct05/ns_rev_paris_opera_0705.htm
2008-04-21 08:35 | パリ・オペラ座バレエ | Comment(4)
Comment
ベジャール作品のNaokoさんの感想、すごく楽しみにしてました。私もみたかったなあー。Naokoさんが大好きなイレールのことを私は知らなかったんですけど、(すみませんー、単なる無知です)エトワール(映画)のなかに出てたんですね。私はベジャールの第九の場面ばっかり繰り返しみていたので、気がつかなかったんです。きのうDVDをみて、あー!この人かー、とわかりまして、なんか嬉しかったです。そうそう、森下さんの本、読みましたか?ライトが入っているドンのDVDはもう品切れで再販しないみたいです。がっかり・・・。you tubeでBejart Lightというのを、ひとつみつけましたが、それが森下さんのために作られたライトであるかどうかはわかりませんでした。音楽はヴィヴァルディだと思うのですが・・・。それではまた!
,かぼちゃ大王 2008/04/21(月) 13:59:06) 編集


かぼちゃ大王さん こんにちは。

お陰さまで、私もやっとベジャールの追悼ができました。そうそう、イレールは「エトワール」に結構出てきますよね。(あの、メーク落としかけの顔のままインタビューに答えているシーンは微妙だが・・・笑) どうぞよろしくお見知りおきのほどを~~。

森下さんの本、まだ読んでおりません。早く読みたいんですけど、読みかけ・未読のまま積んである本がどんどんうず高くなる一方で・・・(汗) YouTube情報、ありがとうございました。私も今度「ライト」探してみますね。(でも、まずは本を読むのが先ですね・・・)
Naoko S 2008/04/22(火) 07:17:14) 編集

Naoko様、充実のレビュー、ありがとうございました。

興が乗れば、人を惹きつけるSomethingのあるアクセル君、キレイだけどちょっと物足りないロレーヌ、ディアナというよりやっぱりバンビなマチルド・・・わかるわかるふむふむと食い入るように(コワイ)読み進み・・。

ドロテの最近の余裕のある演技、昨年の夏の「白鳥」のときに感じました。
>3年前のドロテは積極的に自分をアピールしようという意気込みがもっと全面に出ていた感じがあったけど(それも私は凄く好きだった)
くぅ~これ、凄くわかります!
でしゃばりすぎとかやりすぎとか言われつつも、このパッと華やいだ感じがなんとも意気が良くてキラキラしていて・・・
早く真ん中で踊ればいいのに・・・と思っていたことを思い出します。今はそれにエトワールの余裕が加味されて、更に素晴らしいステージとなっているのでしょうね・・・v

そしてそして
イレールとルグリ。
この役どころって2人の持ち味が純化され、凝縮された形でひりひりするような緊張感をもたらす、正にはまり役。
非常に文学的かつ哲学的な香りを漂わせながら息をも継がさぬ集中した時間の中で対峙し惹き合いながらドラマを展開させる様は何度見ても新鮮で、しかも見る度に深化しているような作品で・・・。
今回も素晴らしかったようですね。
イレールの衰え、ルグリの冴え、というコントラストはやや気になりつつも、まだまだこの2人の並び立つ舞台は見ておきたい・・・という気持ちにさせていただきました!
maria 2008/04/26(土) 05:21:36) 編集


maria様 コメント有難うございます。(日本はいよいよ黄金週間突入ですね いいなあ~~)

ドロテはコールで踊るのは似合わないダンサーでしたよね。エトワールになる前のドロテというと、私はガムザッティを踊った時のアクの強さ・ディーヴァな顔を覗かせていた彼女がすごく印象に残っています。今回、以前はあまり見た記憶のない、しっとりと抑制された表現を見せてくれて、着実にアーティストとしての幅を広げているなあ・・・と感慨が・・・。

今回のさすらう~、私はすごく好きでした。イレールがテクニック的にやや弱く見えてしまうことがあるのは仕方ないですが(なにせ相方がルグリだから余計目立つ・笑)、それも含めてドラマになってるんですよね・・・まあ、私がファンだから妄想込みで見てるだけかもしれないけど(爆)。

でもねー この二人は本当に凄いですよ・・・つくづく思い知らされました。二人とも確実に表現が深化していて、作品に込める思いも踊るごとに強くなっているのでは・・・と見終わった時に感じましたもの。この二人が並び立つ舞台・・・ほんとうに宝物ですよ!(ああ あと何回見られることか・・・涙)
Naoko S 2008/04/27(日) 07:56:40) 編集

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