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Dance, Dance, Dance 《マティス!》
ロンドンは4月に入って冬に逆戻りしたような天候が続いてます・・・(なんと昨日は雪が降った!)早く暖かくならないかなぁ 日がグンと伸びたのは嬉しいんだけど。

さて、ロイヤル・アカデミーで開催中の"From Russia"展にやっと行ってきました。夜間開館している金曜に行こうと決めてたんだけど、前売り券は既に完売と言われて、当日飛び込みで見てきました。(入場制限があるのかと思いきや、直接行けば誰でも入れたみたいで、拍子抜け。来る者は拒まず状態だったので、物凄い人・人・人・・・・それほど広くない館内が人でごった返す光景に、昔上野であったバーンズ展を思い出してしまった。)

結果的には行って大正解。色々と面白い絵を見られたけど、なにしろ、マティスに尽きます。戻って来て週末に備忘録をしたためておこうと思ったんだけど、どうにも文章にする気にならず・・・久しぶりに見た大画面のマティスにすっかり興奮して、妙にハイになってしまったのでした。マティスはいつだって大好きな画家の一人だけれど、今回は今迄にないくらい刺激されてしまい・・・はああ。ということで実はまだ興奮状態が続いてるんだけど、心を鬼にしてメモを書いてみることにします。

"From Russia: French and Russian Master Paintings 1870-1925 From Moscow and St. Petersburg"

-第一室。入ってすぐ、天井近くの高い位置に置かれたイリヤ・レーピンの絵("17 October 1905,1907,1911")に出迎えられる。あとは、人がぐちゃぐちゃ多すぎて絵が見えない・・・むむ。レーピンの絵があとニ枚(確か・・・)とイサーク・レヴィタンらのロシア「移動派」(The Wonderers)の絵が数枚。一番印象に残ったのは森の中に佇む一人の少女?(聖人か妖精にも見える・・・)の絵。フォークロア調で幻想的、緑色の微妙なヴァリエーションが繊細で綺麗だったんだけど、絵のタイトルがわからず・・・。(カタログ買わなかったし、リーフレットにもRAのサイトにも出てない) このロシア人達の絵に交じって、彼等に影響を与えたとされるフランス人画家達の絵が並べられている(コロー、ドーヴィニー、テオドール・ルソー等)。この辺、人と人の間からちらちら覗き見るだけで、そそくさと次にすすむ。

-第二室と第三室はこの展覧会の最大のウリ、「シチューキンとモロゾフのコレクション」。なぜロシアの美術・博物館がフランス近代絵画の名作を多数所蔵しているかというと、20世紀初頭にセルゲイ・シチューキンとイヴァン・モロゾフというスーパー・リッチかつ目利きのロシア人コレクターがいたから。当時本国では見向きもされなかったアンチ・サロン派のフランスの画家達(印象派、ナビ派、キュービスト、フォーヴ・・・)の絵をせっせと買い集めてモスクワの豪邸("palace")に飾り、このコレクションを一般にも開放したことでロシアの先進的なアーティストに多大な影響を与えた、ということ。ロシア革命後シチューキンとモロゾフは西側に亡命、彼等のコレクションは国家に接収されて今に至っている・・・というわけ。(ちょっと前に読んだ新聞報道によると、両家の子孫はロシア政府に対して"作品の返還は求めないが補償金を請求している"とか。)

最初の部屋は印象派が沢山。モネ("Poppy Field")、ピサロ("Avenue de l'Opera")、ルノワール("Portrait of the Actress Jeanne Samary")等々。あとはセザンヌの絵が数枚(St.ヴィクトワール山、女性像、珍しい・ごく初期のダークでややグロテスクな"Girl at the Piano: 'Tanhauser' Overture")。近年印象派には益々不感症になりつつあることをあらためて確認しながら(ルノワールの女優の肖像画は綺麗だったけど。等身大?に描かれた、なんとも美味しそうな女性!)、あ~もうちょっとこう、ビビッとくるのはないかなぁ・・・と助けを求めて室内を見回すと、目にとまったのが部屋の隅にある一枚の絵。近寄ってみて、あ~なんだ と納得。マネの”In the Bar"という初めて見る絵(油彩)。ダンボールみたいな色の素っ気無い背景に、手前にはテーブルに身を投げ出したような低い姿勢の人物(殆ど白い塊りみたいに見える)、後景にはもう一人の人物の横顔(パイプをくわえたユーモラスな男性像)。二人の人物が重なり合った瞬間を切り取って即興的タッチで描いていて、使われている色は(主に)白と黒のみ。それがなんともスタイリッシュで洒落ている。(この手のマネの"即興画"、大好き!)この絵が第二室最後の作品で、次の部屋に足を踏み入れようとして右斜め前方に見えてきたのが・・・マティスの「ダンス」。視界に入るやフラフラとこの絵に引き寄せられ・・・

-第三室は最もスペーシャスな展示室で、マティス以外にも色んな画家の絵があったんだけど(ピカソ、ゴーギャン、ドニ、ボナール、ドラン等々)、マティスの前で金縛り状態。一応他の絵もざっと見て回ったけど心ここにあらずで、そそくさと切り上げて「ダンス」の前に置かれたベンチに腰をおろす。大昔にNYで"姉妹作"を見た時はこんなに迫ってくるものはなかったと記憶してるんだけど・・・これはまるで別物。そして勿論この部屋にあるどの絵にも似ていず・・・

- 色彩はそれ自体が人間心理に多大な影響を及ぼすというのはわかりきった話だけど、久しぶりに絵(色)を見て感覚がガーッと解放されたというか・・・ちょっとした興奮状態(軽い躁状態)に陥ってしまった。ある種の"色の画家"の場合(たとえばロスコもそうだけど)絵の大きさがかなり重要と思われるのだけど、この「ダンス」も画集やウェブ・ギャラリーで見るのは勿論、縮小率やや改善された展覧会のポスターのサイズで見るのともまるで印象が違う。「ダンス」は縦2.6m、横3.9mの大作。使われている色は(ざっくり言って)人物の濃いオレンジに近いテラコッタ色と背景の青と地上の緑の三色のみ。(人物のテラコッタ色が古代ギリシャの壷を想起させ、ひいては踊る人物たちがあの壷から抜け出したきたようにも見える。そう考えるとこのモダンな図像が途端に古典的な風格を帯びて見えてくるのが面白い。)絵の前の立つと、3つに限定された色の、それぞれの色面の大きさがこれぐらいは必要なんだな・・・ということを実感。なんというか、大きな画面の前に身を置いて・色に包まれて初めて感じられるものがあるというか・・・(これは、例えばロスコの場合も全く同じなんだけど)。

- 何なんだろうな この不思議な感覚は・・・なかなかその場を去りがたくて、ベンチに腰掛けてぼんやりしたいんだけどそれができない。何故なら近くにもう一枚、強力なヴァイヴレーションを発している絵があるのです。マティスの絵は「ダンス」のほかに三点来ていて、そのうち一点がこれまた大作の「赤い部屋」。この絵がまた、もう・・・・

<続く>

☆今回見たエルミタージュ博物館蔵の「ダンス」:

http://www.royalacademy.org.uk/exhibitions/from-russia/

☆こちらはNYのMOMA所蔵の「ダンス」。あらら 色がかなり違うのね・・・

http://www.moma.org/collection/browse_results.php?object_id=79124
2008-04-08 08:31 | アート情報 | Comment(0)
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