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シュツットガルト・バレエ団 「ロメオとジュリエット」(3/29S)
振付: ジョン・クランコ
音楽: セルゲイ・プロコフィエフ
セット/衣装: ユルゲン・ローズ
指揮: ジェームス・タグル
演奏: ロイヤル・バレエ・シンフォニア

<キャスト>
ジュリエット: スー・ジン・カン
ロミオ: フィリップ・バランキエヴィッチ

マキューシオ: ステファン・スチュワート
ベンヴォーリオ: アッティラ・バコー
ティボルト: ダミアーノ・ペテネッラ
パリス: ニコライ・ゴドゥノフ
キャピュレット夫人: マリシア・ハイデ

初めて見たクランコ版R&J、全体にライト・タッチで(変な言い方ですが)非常に馴染みやすいプロダクションでした。上演時間は正味ジャスト二時間、これは多分マクミラン版・ヌレエフ版より短い?マイム・演技のみのシーンが少なくてサクサク進行するので他の版よりもスピィーディーに感じられるのかな。(常連の中には昨夜が二度目、三度目という人たちもいたけど、確かにこのプロダクションなら連日見ても胃にもたれなくてすみそう・・・)

このクランコ版R&J初演の3年後に彼の弟子・マクミランのヴァージョンが初演されるわけですが、弟子が師匠を模倣したことがよくわかる振付(と一部演出も)に度々遭遇。ある批評家は"当惑させられるほど似ている部分がある"と形容していましたが、似てるどころか”そのもの”だったり”若干アレンジ”だったりのシーンが結構ありました。(こういうの、著作権とか問題にならないのかな・・・と気になりましたが、師弟関係ということで許されるのかな?で、この二人に等しく影響を与えたのはラブロフスキー版ということですが・・・)

ただ、個々の振付・演出が同じ(または似ている)でも、全体として見るとかなり味わいが違う。最初にも書きましたが、クランコ版には(セットや衣装デザインによるところも大きいけれど)独特の軽やかさがあるんですね 見終わった後に(悲劇にもかかわらず)一種爽やかな清涼感が残るぐらい・・・。どちらかというと、この版では若い二人の恋の高揚感とか多幸感が最も丁寧に描かれている印象があるからかなぁ?あと、プロダクション全体に一種の無邪気さが感じられるんですよね 演出とか。ドロドロした人間ドラマを執拗に描くことはしないし、人物描写もわりとあっさり目だし。マクミラン版では演劇性が加わってヘヴィーになってるんですよね(だから、ドラマ性という意味では当然数段上)。日頃見慣れているのがマクミラン版、次に(頻度はかなり落ちるが)ヌレエフ版なので、このクランコ版のライトな感じもなかなか(かえって)新鮮でいいなぁ・・・と楽しめました。

ユルゲン・ローズ・デザインのセットはシンプルながらも威厳があって、雰囲気のある照明と相まってルネッサンス・イタリーの街の雰囲気が出ていたし、衣装はヴェローナの街の情景をのぞいては一場面であまり多くの色を使わないというポリシーなのか(?)ややエコノミカルに見える部分もあったけれど、これはこれで面白い。

しかし、何と言っても昨夜一番印象に残ったのはダンサーです。正直言ってこんなにレベルの高いカンパニーとは予想だにしていなかったので、嬉しい驚きでした。まず、ビジュアル度がかなり高い。男性は一様に身長が高めで脚が綺麗、女性も(殆ど活躍の場はないけど)ジュリエットの友達を踊ったダンサー達は背が揃っていて、皆スタイルがいい。そして肝心の踊りですが、常連達とも話していたのだけど、ソリストだけでなくアンサンブルにいたるまで、非常にきちんと・整然とした、クリーンなスタイルを身に着けている・・・レベルが高いねーと感心することしきり。

例えば、ロメオ&マキューシオ&ベンヴォーリオのトリオが舞踏会に忍びこむ前に3人で踊るシーン。ここの振付にザン・レールの連続が何度も出てくるのですが、どの回も3人ともきちっと綺麗に回っていて、比較的長身で見栄えのいい人たちが踊ってるものだから、何ともまあ~見応えがあるのです。(私が見たのは3rdキャストのはずなのですが、前の二組もモンタギュー・トリオは充実していたらしい。男性ダンサーが揃ってるんですね~。)パリスを踊ったゴドゥノフという人も長身・なかなかのハンサムでしかもきっちり踊れる人だったし。

で、主役のスー・ジン・カンとフィリップ・バランキエヴィッチですが、鑑賞後"爽やかな清涼感”が残ったのは、やはりこのお二方の功績?バレンキエヴィッチはとってもチャーミングで、時折見せるやんちゃな風情がなかなか魅力的なロメオでした。均整のとれた綺麗な身体つきで白タイツが似合うし、踊りも不満はまったくなし。逆に、かなりテクニシャンなのかな・演技力も相当ありそう・・・ということで、マキューシオでも見てみたかった気も。スー・ジン・カンは登場シーンではやや落ち着きすぎの印象があり、バランキエヴィッチのロメオとの相性はどうかな・・・とやや危ぶまれたのですが、若々しくてチャーミングな彼にひたすら優しくサポートされると彼女も可憐な少女の顔になっていったところが凄い。あと、特筆すべきはこの方の踊りの軽さ!全く重力を感じさせない、軽い、軽い動き。パリスとの踊りのシーンだったか、長身の彼が彼女を肩の上にふわっとリフトするような振付があったのですが、もうそのまま羽が生えて飛んでいってしまいそうな軽さだった。ステップを踏んでいるときでも何か地に足がついていないような、シルフィードのようなジュリエットだったのだけど、三幕最後の10分間ほど・死に至るまでの演技は、ナチュラルなのに大変な説得力があった。(いいペアを見られたと思います・・・)

キャピュレット夫人を演じたマリシア・ハイデ、一幕始まってほどなく舞台上に佇む小柄な婦人が彼女と気づくまでには少し時間がかかりました。まさかこの伝説のダンサーを舞台人として見られるとは思っていなかったので、有難いことでした。(68歳になられるそうですが、意思の強そうなキリッとしたお顔立ちは、昔のままでした・・・)
2008-03-31 08:37 | その他のバレエ・ダンス公演 | Comment(6)
Comment
naoKoさん、レポお待ちしておりました。クランコ版は、マクミラン版、ラヴロフスキー版より、感情の疼き、ウルウル感が少なく、何故だか泣かせて貰えないんです。ここで、溜めが、あら?さくさく~。そうですね。さくさく進みます。見終わった後の、ずっしり感が無いのが不思議です。ですが、お感じになられたように、ダンサーはすみずみまで、レベル高いですよね。この二人のペアで「じゃじゃ馬馴らし」は、軽快でコミカルで最高でした!ロンドン公演はR&Jの他には何かやりますか?
そして、マリシア・ハイデさん、ご健在なのですね。まあ、うれしいですね。このバレエ団、何故だかわからないけど、はまってしまいますね!
まりあ 2008/04/01(火) 00:02:33) 編集

NaokoSさん、お久し振りです。

私も見て参りました。3キャスト見たのですが、全くハズレなし。主役からコールドに至るまでヴィジュアル的にも技術的にもレベルの高いことに驚きです。それなのに「私達ってすごいでしょ!」的な押し付けが全くない品のよさがあって更に得点高かったです。素晴らしく行き届いてまとまっていながら、各ダンサーに個性がありますよね。

日本を離れてから10数年見ていなかったので、何となく忘れ去っていたカンパニー(失礼)なのですが、一気に個人的バレエ団ランキング上位に踊り出ました。今回評判がよかったので、またすぐイギリスに来てくれる事を激しく祈っています。いや、これはドイツに行くしかないですね。すっかりはまってます、私。
Partita 2008/04/01(火) 04:22:44) 編集


まりあさん、

>>クランコ版は、マクミラン版、ラヴロフスキー版より、感情の疼き、ウルウル感が少なく、何故だか泣かせて貰えないんです。ここで、溜めが、あら?さくさく~。そうですね。さくさく進みます。

悲劇なのに、見終わった後に悲愴感とか重さが残らないというのは、ある意味大したもんですよね(妙な感心の仕方ですが・・・)。振付でも演出でも、確かに"溜め"を故意に外してるような印象がありますが、私は決して嫌いではありませんでした。

>>この二人のペアで「じゃじゃ馬馴らし」は、軽快でコミカルで最高でした!ロンドン公演はR&Jの他には何かやりますか?

『じゃじゃ馬馴らし』も見てみたいなあ・・・。残念ながら今回はR&Jだけ、昨日が楽日だったんですよ。今回は27年ぶり(!)のロンドン公演だったらしいですが、次回はできるだけ間を置かずに戻ってきて下さることを祈るばかりです・・・


Partitaさん、お久しぶりです!

おお~3キャスト制覇ですか 通われたんですね~。正直私も予想を遥かに上回る充実のダンサー陣で驚かされました。

>>それなのに「私達ってすごいでしょ!」的な押し付けが全くない品のよさがあって更に得点高かったです

なにか、ちょっと浮世離れした雰囲気のあるダンサー集団ですよね 透明度が高いというか・・・。こういうカンパニーはちょっと他に思いつかないです。

>>一気に個人的バレエ団ランキング上位に踊り出ました。

うっわ~~ それはそれは。3回ご覧になってすっかりハマってしまったんですね!ロンドンに来てくれるのを待つよりも、シュツットガルトに追っかけるしかありませんよ~ Air Berlinだっけ?確かドイツ方面に飛んでる格安航空会社もあることだし、行くっきゃないですよ!
Naoko S 2008/04/01(火) 06:57:10) 編集

このバレエ団、男性ダンサーのレベルの高さと小気味よい演劇性でわたくしも前回の来日公演のときにすっかり気に入ってしまいました。

たしかフェリがゲストダンサーとして「じゃじゃ馬馴らし」でバランキエヴィッチと丁々発止の掛け合いを表情豊かに見せてくれたのが一番印象に残ってはいるものの、キャピュレット夫人のハイデの圧倒的な存在感、美形揃いのコールドなど見所が多く・・・。
バランキエヴィッチはバレフェスの常連ですが、独特の魅力のある人をひきつけるダンサーですよね。
いい意味で確かな肉体の重量感を感じさせるダイナミックな跳躍とどこか憎めないチャームを兼ね備えた個性で、彼が舞台に上がるとつい笑顔モードでわくわくと見入ってしまいます・・・。(実はファン!?)

Naoko様のレポで、舞台の記憶が蘇り、また観たくなってしまいました・・・v
maria 2008/04/02(水) 04:28:55) 編集

パリスを演じたゴドゥノフ、見たことあるなぁと思っていたら、マリンスキーにいたんですね。2000年キーロフ・ロンドン公演のプログラムにアユポワさん(お元気かしら?)と彼の美しいエメラルドの写真が載っております。掘出してご覧になってみてください。
Partita 2008/04/02(水) 06:38:40) 編集


シュツットガルト、mariaさんもお気に入り登録されてたんですか 益々侮れない~~。(しかし、フェリが客演なんていいですねええ・・・)

バランキエヴィッチってバレフェス常連なのですか?ということは、実は結構ベテランなんでしょうか・・・凄く若々しく見えたんですけど(身体の線も綺麗だし!)。 

>>いい意味で確かな肉体の重量感を感じさせるダイナミックな跳躍とどこか憎めないチャームを兼ね備えた個性で、彼が舞台に上がるとつい笑顔モードでわくわくと見入ってしまいます・・・。

うんうんわかります 多分私も見ている間は頬が緩みっぱなしではなかったかと・・・笑。


Partitaさん!!

>>パリスを演じたゴドゥノフ、見たことあるなぁと思っていたら、マリンスキーにいたんですね。2000年キーロフ・ロンドン公演のプログラムにアユポワさん(お元気かしら?)と彼の美しいエメラルドの写真が載っております。

・・・えええーっ!

オドロキです・・・あのエメラルド写真の??

整理が悪くてすぐにプログラムが出てこないのですが、はっきり憶えてますよあの写真・・・確か男性ダンサーは横向きだったような。あの方が!

今慌ててシュツットガルトのサイトを見てきたんですが、うん、そう言われてみれば??(全然気づかなんだ~)

http://www.staatstheater.stuttgart.de/ballett/compagnie/

《しかし、この写真かなり微妙だ・・・舞台ではもうちょっとイイ男に見えたのですが・・・》

未確認情報ですが、アユポワは遂に引退したという話をダンソマニで読みました・・・テリョーシキナが上がったのはそのせいもあるのではないか、という書き方だったのですが、もし本当だとしたら残念でなりません・・・。2000年のロンドン初演のジュエルス、素晴らしかったですよね。アユポワのエメラルド、ヴィシのルビー、ロパートキナのダイヤモンド・・・私のバレエ鑑賞史に燦然と輝く公演の一つでした。(うう、つい追憶にひたってしまう・・・)
Naoko S 2008/04/02(水) 08:10:30) 編集

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