ネトレプコ復活!RO 「ラ・トラヴィアータ」
今夜(1/26)のロイヤル・オペラ「ラ・トラヴィアータ」公演で、アンナ・ネトレプコのヴィオレッタが復活しました!

登場直後から役になりきり・危険なスピードで飛ばしまくって、もう誰も彼女を止められない~~と昨今類い稀な疾走感を味わわせてくれたネトレプコ。大変パワフルな歌唱で、過去3回のエピソードを全く知らない観客なら、彼女が気管支炎で公演をキャンセルしていたなんてきっと思いもよらなかったことでしょう。

私は彼女の声質に特別魅かれるわけではない&声楽のテクニック的なことはわからないので、今夜何よりも強烈に印象に残ったのは、この歌手に備わったハンパでない「ドライヴ」。一体何が彼女をここまで駆り立てるのか?何が彼女をここまで突き動かすのか??

で、《唐突ですが》ふと思い出したのが、同じロシア人のテニスのシャラポワ。彼女も危険なスピードと激しい気性でただただ前に突き進むタイプ。二人ともどこか素朴な、"土臭さ"のある強靭な生命力を感じさせるタイプで、ロシア人ということが何か関係あるのだろうか・・・。

そんなネトレプコが最も輝いて見えたのは一幕最後のシーン(Sempre Libera)。生きることへの熱情と自由への渇望という歌のテーマは、まるで彼女のために書かれたものかと思えるほど、見事に嵌っていた(コロラトゥーラも明瞭で美しかった)。一転して三幕での"落ちた女"の悲哀は、繊細な歌唱で聴かせてくれた。

・・・というわけで、まるっきりネトレプコの一人舞台でした。カウフマンもホロストフスキーも刺身のツマ、もっと言うと単なる壁紙状態。(私にはこの二人は必ずしも役にハマっていたようには見えなかった・・・二人ともやや重い。カウフマンは、無思慮で甘ちゃんなアルフレード役には落ち着きすぎ。ホロストフスキーのジョルジュ・ジェルモンには、《肝心の》父性愛が感じられなかった・・・)

カーテンコールでは勿論ネトレプコへの拍手喝采が凄くて、客電が点いても大騒ぎしている客席にむかってネトレプコは何度も元気に手を振り、最後は半分スキップしながら消えて行きました。この分なら、残る公演もバッチリなんじゃないかな~?

【1/27追記】昨夜の公演のキャスト・シートによると、この公演は録音されて、BBC Radio 3で2月9日に放送される予定だそうです。(Radio3のHP上にはまだ何も関連情報出ていませんが)
2008-01-27 11:20 | オペラ | Comment(9)
Comment
「ネトレプコの一人舞台」「カウフマンもホロストフスキーも刺身のツマ、もっと言うと単なる壁紙状態」ですか~。それほど彼女には観客を魅了する何かが有るんですね。そういえばクラッシック界を舞台にしたマンガでもロシア人のピアニストはどんな曲でも情熱的にねっとり弾き上げると描かれていました。これがロシア人気質というものなんでしょうか。残る公演は火曜のみ、10時からの当日券に並んだら手に入りますでしょうか~?
Chikap 2008/01/27(日) 23:48:17) 編集


>>そういえばクラッシック界を舞台にしたマンガでもロシア人のピアニストはどんな曲でも情熱的にねっとり弾き上げると描かれていました。

あ、それはひょっとして大ヒットした"のだめカンタービレ"ってやつですか?私は読んだことないのですが、ちょっと前に凄い評判になってましたよね~。

>>残る公演は火曜のみ、10時からの当日券に並んだら手に入りますでしょうか~?

わ、ほんとだ~ネトレプコ出演公演はあと火曜だけなんですね!これは激戦になるかも・・・もし当日並ばれるのなら、ちょっと早めに行かれた方がいいかもしれませんね。(Good luck!)
Naoko S 2008/01/28(月) 03:09:44) 編集

こんばんわ。良かったですね、ご覧になることが出来て。僕も、叶うならもう一度あの舞台を経験したいです。

 今日のThe Observer紙の文化セクションで見つけた囲みコラムは、同紙のオペラ・クリティックの方によるもの。どうやら、初日の14日はプライヴェイトの用があって見逃してしまった。同僚や他のクリティックのレヴューを知って期待をしていたのにネトレプコはキャンセル。漸く彼女が復帰した26日は、チケットは全くなし。これで最終の29日を見ることが出来なかったら、2008年の総括が出来ないよー、と嘆き節が炸裂していました。
守屋 2008/01/28(月) 05:43:57) 編集


守屋さん ありがとうございます。(ほんとに運が良かったですよ・・・)アンナ・ネトレプコ、これまで何度か聴いてましたが、正直それほど迫ってくるものがなかったんですよね。ドンGのドンナ・アンナ役はかなり凄かったですけど。今回ヴィオレッタを歌う彼女の舞台に接して、彼女のどこがそんなにスペシャルなのか、その理由の一端をようやく垣間見られた気分です。

Observerのクリティックの方、これに職業生命がかかってるわけですね~ 確かにこの舞台を見ずして今年のオペラを語るなと言われそうですね。(当日券目指して並ぶしかないでしょう!)
Naoko S 2008/01/28(月) 07:14:42) 編集

Naokoさん、よかったですね。主役しだいでそこまで違うとは。。。

私は土曜日、バービカンでネトレプコ復活の報を聞きました。ナタリー・デッセーのリサイタル(オール・イタリアン)だったので、ファン層も重なるし、私のように複雑な思いをかみしめてた観衆も多かったと思いますが、トラヴィアータ1幕のアリアを聞けて、嬉しかったです。彼女も風邪気味でしたが、しっかりアンコールも2曲歌ってくれたし!
しっかし、舞台人の中でも風邪が大流行なんですね。
くまのみ 2008/01/30(水) 03:59:42) 編集

ネトレプコの充実振りが伝わるレポ、興味深く拝読しました!
いやはや、あの2人を刺身のツマor壁紙にしてしまうほどの圧倒的なドライブ感、ですか。
うーん観たい、聴きたい!
彼女は舞台姿は文句なし、声質の奥の暗さがちょっと気にかかる時期もありましたが、今はその暗さをドラマチックな力強さのアクセントとして上手くコントロールできる技量を身につけたということでしょうか?
いずれにしても旬な歌手。チャンスがあれば是非生で聴いてみようと思ったことでした。

ところで遅ればせながら(ようやくxxx)都さんのコッペリア、拙ブログでレポUP致しました・・・。お時間がございましたら是非遊びにいらしてくださいませv
maria 2008/01/30(水) 05:31:44) 編集


くまのみさん、ありがとうございます。土曜にデッセーのコンサートがあったのですか(知りませんでした!) 楽しまれたようで何よりです~。(風邪気味でもアンコール2曲とは!サービス精神旺盛ですねー)

>>しっかし、舞台人の中でも風邪が大流行なんですね。

なんと、今日はホロストフスキーが喉頭炎で倒れ、トラヴィアータ降板した模様です・・・(ロンドンって変な菌が飛びまくってるのかなあ??)


mariaさん、

>>彼女は舞台姿は文句なし、声質の奥の暗さがちょっと気にかかる時期もありましたが、今はその暗さをドラマチックな力強さのアクセントとして上手くコントロールできる技量を身につけたということでしょうか?

すみませんテクニック的なことは私にはなんとも・・・「声質の奥の暗さ」というのは何となくわかるんですが(それで以前は彼女の歌唱が"地味"に感じられたのかも)。まったくのド素人感想で申し訳ないんですが、公演3日後の今も思い出せるのは、「ああ凄いものを見た」っていう、あの時の興奮だけ・・・

>>都さんのコッペリア

わああ~!(←どよめき)

大好評だった都さん&バーミンガムのコッペリア、mariaさん宅にも公演レポが・・・早速お邪魔させていただきますわ~~v



Naoko S 2008/01/30(水) 08:58:22) 編集

Naokoさん、ネトレプコの情熱的な舞台を無事ご覧になることができてよかったですねぇ。どちらかで話題が出ておりましたMETオペラビューイング「ロミオとジュリエット」は昨年末に見たのですが、Naokoさんの「役になりきり・危険なスピードで飛ばしまくって」という言葉がそのまま当てはまるほど迫力がありました。相手役のロベルト・アラーニャがまた甘~いロミオを演じてくれたもんですからとても絵になるふたりでした。ベッドでのふたりの2重唱なんてやばいくらいに本物の恋人同士のよう(youtubeにはふたりのちょっとセクシーな「マノン」映像あり)。映像でも充分楽しめましたがやはり本物が観たい! 幕間にインタビューがあって、インタビュアのルネ・フレミングが投げた「ラブシーンは好き?」という問いに、アンナ「えぇ、大好きよ」ロベルト「好きだけど誰とでもいいというわけじゃない。アンナは美しいし、だいいち僕らの間にはケミストリーがある」(自分で言ってしまうところがノッテる証拠)などと言っておりました。アンナはこの作品、とにかくフランス語で歌うことは難しかったと答えてました。

私はホロストフスキーのジェルモンを06年MET来日公演で聞きました。この方のバリトンは大好きですが、残念ながらジェルモン役は合わないと思いました。年齢的に若いのかカッコよすぎるのか、厳格さが感じられませんでした。ホロストフスキーは「トロヴァトーレ」ルナ伯爵、「道化師」シルヴィオ、「オネーギン」のタイトルロール等勝ち誇ったような役で観るのが好きです。
ミッツィカスパー 2008/02/02(土) 14:21:49) 編集


ミッツィカスパーさん こんにちは。METオペラ映画の詳しいお話、ありがとうございます!

ネトレプコとアラーニャのラヴ・シーンですか~ すっごく濃そう~~。レコード会社はネトレプコ&ヴィヤゾンのペアを強力プッシュして売り出してましたが、この二人のケミストリーも凄いんでしょうかね。(確かにネトレプコにはこの二人みたいな、《いかにも》な熱血タイプが合うのかも。カウフマンって知性派っていうのか?ちょっとクールなんですよね 私の目には。)

>>私はホロストフスキーのジェルモンを06年MET来日公演で聞きました。
>>年齢的に若いのかカッコよすぎるのか、厳格さが感じられませんでした。ホロストフスキーは「トロヴァトーレ」ルナ伯爵、「道化師」シルヴィオ、「オネーギン」のタイトルロール等勝ち誇ったような役で観るのが好きです。

うんうん、多分まだ彼はあの役には若過ぎるのでしょう・・・プロヴァンスの海と陸~のアリア、下手すると陳腐なだけにきこえかねない時もあるけど、これでホロリとさせてくれるには、やはり内面から滲み出るものがないと・・・何しろ包容力がないとね。

ホロストフスキー、私も傲岸不遜な彼のオネーギンはなかなかイケてると思いましたよ~。
Naoko S 2008/02/03(日) 09:43:20) 編集

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