スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
-------- --:-- | スポンサー広告
ロイヤル・バレエ 「くるみ割り人形」 (12/14)
<キャスト>

金平糖の精: 吉田都
ザ・プリンス: フェデリコ・ボネッリ

ドロッセルマイヤー: ギャリー・エイヴィス
クララ(ドロッセルマイヤーの名付け娘): アイオナ・ルーツ
ハンス=ペーター(ドロッセルマイヤーの甥): リッカルド・セルヴェーラ
スタールバウム博士: クリストファー・サンダース
スタールバウム夫人: ジェネシア・ロサート
クララのパートナー: ジャコモ・キリアキ
ダンス教師: ジリアン・レヴィ
祖父: アラスター・マリオット
祖母: オリヴィア・コウリー
アルルカン: ジョシュア・トゥイファ
コロンビーヌ: ヴィクトリア・ヒューイット
ソルジャー: マーティン・ハーヴェイ
ヴィヴァンディエ: サマンサ・レイン
ねずみの王様: デヴィッド・ピッカリング
スパニッシュ: ジリアン・レヴィ、ホセ・マーティン、ローラ・マッカロック、ヨハネス・ステパネク、小林ひかる、トーマス・ホワイトヘッド
アラビア: イザベル・マクミーカン、デヴィッド・ピッカリング、蔵健太、ジョシュア・トゥイファ
中国: ジャコモ・キリアキ、ザッカリー・ファルク、リチャード・ラムゼー、アンドレイ・ウスペンスキー
ロシア(トレパック): スティーヴン・マックレー、マイケル・ストイコ
葦笛: ジェンマ・ボンド、カロリーヌ・デュプロ、サマンサ・レイン、クリスティーナ・エリダ・サレルノ
ローズ・フェアリー: ディードゥル・チャップマン
Rフェアリーのエスコート: マーティン・ハーヴェイ、平野亮一、ヴァリレィ・フリストフ、佐々木洋平
リーディング・フラワーズ: ヘレン・クロフォード、ヴィクトリア・ヒューイット、シアン・マーフィー、ジェンマ・サイクス


"Return of THE Sugar Plum Fairy"

ロイヤルのくるみ、開幕から7日・6回目の公演でやっとわれらが金平糖の精の登場!劇場に着いてキャスト・シートに都さんの名前があることを確認しても、本当に出てくださるのだろうか・・・と一抹の不安は消えず。そういう不安定な精神状態で鑑賞していたせいか、ただでさえツボを刺激されまくりのノスタルジックな一幕に(いつも以上に)涙腺がゆるんで困った。

一幕の主な舞台はスタールバウム家の客間。ジュリア・トレヴリヤン・オマーンによるセットデザインは、木目を強調した・シンプルで質実剛健なスタイル(ビーダーマイヤー様式というのだそう)。ここに、女性達の衣装の柔らかな色味やこまごまと置かれた小物が色を添えていて、決して寂しい感じにはならない。セットで最も目を引くのは、舞台中央後方に置かれたクリスマス・ツリー。

スタールバウム家の娘で思春期のクララを演じるのはアイオナ・ルーツ。確か数シーズン前からクララのファースト・キャストは彼女なのだけれど、正直言って何故このダンサーが?と以前は感じていた。踊りもルックスも取り立てて目を惹くというわけでなく・・・でも今回見ていて、彼女のパーソナリティの大きさ(豊かさ)に目を開かれた思いがした。(なんて感情表現が豊かなこと!)これはハンス=ペーター役のリッカルド・セルヴェーラも同じ。二人ともほぼ毎シーズン繰り返し同じ役を踊っているのに、全くマンネリにはなっていなくて丁寧に踊りこんでいて、演技も年々磨きがかかっている。(この二人はマイム・シーンが特に素晴らしい。)

同じ意味でクララのパートナー役を演じたジャコモ・キリアキもよかった。この夜特に反応してしまったシーン(小道具)のひとつが、"人形の家"。パーティーがお開きとなり一人二人とお客が帰り始める。クララは自分のドールハウスのベッドの上ににくるみ割り人形を大切に寝かしつける。(ここですでにうるうる・・・)そんなクララを優しく見守るボーイフレンド。彼が最後にその場を立ち去るとき、一瞬すごく切なそうな表情でクララを見たんですよ・・・(うううツボ・・・)。こういう芸の細かさは、さすがロイヤルのダンサー。

そして一幕のハイライトは《いつも・・・》、ドロッセルマイヤーのマジックでクリスマス・ツリーがぐんぐん大きくなっていくシーン。ひたすら涙腺を煽る音楽との相乗効果で、ここでノスタルジー全快&感情の高まり度はマックスに・・・。(そうそう、ドロッセルマイヤー役のエイヴィスはこの夜妙にテンション高くて何をするにも力入っていて、マントを翻す姿が"ロットバルト"に見えてしまいました。ドロッセルマイヤーなら、もう少し剛柔のメリハリつけた方がよいのでは・・・と一瞬思ってしまったわ。まぁ、私は彼のファンなので、最終的には”きゃ~ギャリー カッコイイ~"と喜んで見てましたが。)

あーあ、それにしてもくるみを見て泣く人間なんて普通いないからホントに嫌なんですけどねー この殆ど条件反射的なリアクション・・・で、なんでかなーと考えて、やっぱり原因は音楽にあるんじゃないか、と。

大体、なんだってこんなに悲しいんでしょうね この音楽??

まあチャイコフスキーに憂愁とセンチメンタリズムと感情の極端な振れはつきものですが、そう、音楽自体がノスタルジーの塊ですよねこれ。ふと思ったのは・・・

チャイフスキーは14歳のときに母親を失くしていますが、母の死から生涯立ち直ることはなかった、とどこかで読んだ記憶があります。そして、とても感じやすい子供だったとも。作曲家にとってクリスマスは母の死と共に永遠に失われてしまって、常にほろ苦さと喪失感なしには思い返すことのできないイベントだったのでは・・・・。もしくは、熟練の作曲家が職人的な技巧をこらした上で"悲しみ"というエッセンスを付け加えたのか・・・そんなことをぐるぐる考えさせられてしまう、大層魅惑的な音楽。(聴き飽きるというか、聴き慣れることがない・・・)

この音楽の本来の味わいからすると、ダークな部分はなりを潜めてファミリー・フレンドリーなエンターテイメントに徹したライト版の二幕はやや甘すぎ、といえないこともないけれど、これは振付家の優しさだと思う・・・。ついでに言うと、このプロダクションにライトが盛り込んだヒューマン・ドラマには、何度見ても毎回ホロリとさせられます。(最終場面でドロッセルマイヤーは魔法がとけて人間の姿に戻ったハンス=ペーターと再会する。ライト版コッペリアもオチでほろりとさせてくれますよね あれも好きなんだな・・・)

そのニ幕。

雪の情景から一転して舞台が柔らかなクリーム色の光に包まれ、「お菓子の王国」が出現する。真ん中でポーズしているのは・・・・ああ、都さんだ。

"本当に"都さんが真ん中で踊っているのを確認して、やや気が抜けてしまう・・・ああもうこれで大丈夫だわ・・・(この金平糖の精が君臨している限り、お菓子の王国は安泰なのです。)

正直言って、都さんの踊り(の出来)がどうだったかは、ほとんど憶えていない・・・都さんのことだから、登板する以上は完璧なものを見せてくれるはず、という思い込みで見ていたせいか、実際何ら破綻のない・完璧な舞台に見えたし、かといってベストの金平糖の舞台だったかというとそうではなかったような・・・。盲目ファンとしては、都さんが踊っているという事実に圧倒されてしまって、感激しっぱなしで見ていたことしか憶えてない、というのが正直なところ。

それほどまでに私にとって(&多くのバレエファンにとって)金平糖と都さんは分かちがたく結びついているわけですが、その理由は??と今更ながら考えるに・・・

クリーンでゆるぎない古典のテクニックを有し、表現に透明感があること。そして、何よりも品の良さ!踊りの質、踊っている時の表情、ステージマナー・・・全てにおいて品がいい。こんなに上品なダンサーは、バレエ界広しといえど、私には他に思い当たりません。(あ、ちょっとタイプは違いますが、品の良さではウリヤーナ・ロパートキナもいますが・・・双璧ですね。)

ぼーっと舞台を見ていたせいか感想もフラフラと、全然まとまりませんが・・・

再び、音楽について・・・。公演を見た翌日、くるみの音楽を流していて気づいたこと。改めて意識的に(やや懐疑的に)聴くと、金平糖の精とプリンスのgpddの音楽も、相当不思議なんですよ・・・特に導入部分。なんだって「お菓子の王国」の華やかなpddの音楽がこんなに哀切に満ちて・大仰なものでないといけないのか?クライマックスで管が泣き叫ぶ部分なんて、まるでトリスタンとイズーかダンテとベアトリーチェか・・・ってぐらいの悲劇性すら(一瞬)想起させ・・・。いや、素晴らしい音楽だし大好きだけど、どう考えても甘やかさとは無縁・・・《謎だ・・・》。金平糖の精のヴァリエーションでの主役は、チェレスタの繊細な音。これ、本来とても神秘的な楽想をもった曲だと思うのだけど、ライト版のこの場面では神秘性は影を潜めていて、バレリーナはひたすら優雅に、プリマの輝きで場を明るく照らす・・・という解釈(演出?)が多いよう。でも、仮に都さんが"神秘的な金平糖"を踊るとしたら、いったいどんな感じになるだろう・・・と、その姿をついつい想像しては気になって仕方ないのでした。(そういう解釈の金平糖も、是非踊っていただきたいな・・・)
2007-12-18 08:00 | ロイヤル・バレエ | Comment(6)
Comment
Naoko さん

まずは都さんが無事踊ってくれたことにホッとしました。
本当に良かったです。

それから。。。実は私もくるみでよく泣きます(笑)
泣き所(?)はツリーのところと最後にハンスが戻って来るところ。ほぼNaokoさんと同じです。一緒にくるみを観たら
かなーりあやしい2人になりそうですね。
確かにきれいで悲しい音楽だと思います。
あとは置き忘れてしまった「子供時代の色々なもの」はもう沢山ありますから余計に琴線に触れるのかもしれないです。
Masia 2007/12/18(火) 13:07:00) 編集

Naokoさま
無事ご鑑賞、おめでとうございます!

くるみについてのご高察、大きくうなづきながら拝読しておりました・・・。わたくしの泣き所はなんといってもGPDDの輝かしさなのですが(変?)、1幕のノスタルジーにもグッと来ますね。
音楽の素晴らしさと楽しさにも毎回「なんという名作・・・」と感じ入ります。

都さんのコンペイトウは映像でも毎回落涙するほど好きなのですが、やはりそのお伽話の主役としての純粋なオーラと正確さ丁寧さから香りたつ品格には無類のものがありますね。
温かな微笑みに包まれて、そのエレガンスが幸福感へと変貌して、舞台から劇場全体に広がっていく様には見るごとに鳥肌がたつ思いです。

Naokoさんの一幕の細やかな描写も堪能させていただきました。
そう、ロイヤルのダンサーの演劇的なセンスと舞台の世界を作り上げていく力は素晴らしいですね。(来日公演のマノンの娼館シーンでの様々な人間模様に目のくらむ思いがしました)
ボーイフレンドの切なげな表情・・・いいですね・・・。
わたくしは21日に新国立でくるみを見る予定なのですが、さて?
Naokoさまがご覧になったロイヤルの舞台ほど楽しめるものであれば嬉しいのですけれども・・・(^^)
maria 2007/12/19(水) 06:11:31) 編集


Masiaさん、カミングアウトしてくださり(笑)有難うございます!

フムフム確かにツボが一緒ですね。今度是非ご一緒に鑑賞させていただきたいですわ~。(怪しまれても二人なら怖くないですよ~・笑)

>>あとは置き忘れてしまった「子供時代の色々なもの」はもう沢山ありますから余計に琴線に触れるのかもしれないです。

うんうんうん・・・・世間的にはくるみは"子供向けのバレエ"というステレオタイプがはびこり過ぎてる気がします。確かに子供も楽しめる作品だけど、大人のためのファンタジーでもありますよね。


mariaさん ありがとうございます。お陰さまで、これで今年も無事に年が越せますわ(何度も同じこと言ってますが・・・)。

>>わたくしの泣き所はなんといってもGPDDの輝かしさなのですが(変?)

いやいや変じゃありませんよ なんたってここは"総仕上げ"のシーンですから・・・音楽だけでも震えがくるのに、完璧な構築性を持ったあの振付!古典バレエの最も輝かしいシーンの一つですよね。

>>都さんのコンペイトウは映像でも毎回落涙するほど好きなのですが、やはりそのお伽話の主役としての純粋なオーラと正確さ丁寧さから香りたつ品格には無類のものがありますね。
温かな微笑みに包まれて、そのエレガンスが幸福感へと変貌して、舞台から劇場全体に広がっていく様には見るごとに鳥肌がたつ思いです。

はああ・・・なんとも美しい形容をありがとうございます・・・(ウットリ)。

>>わたくしは21日に新国立でくるみを見る予定なのですが、さて?
Naokoさまがご覧になったロイヤルの舞台ほど楽しめるものであれば嬉しいのですけれども・・・(^^)

新国のくるみは今でもワイノーネン版なのでしょうか。私が過去にこのバレエ団を見た唯一の演目がこれでしたので・・・懐かしいです。

どうぞ、楽しんでらしてくださいね~。
Naoko S 2007/12/19(水) 08:01:50) 編集

Naokoさん、詳細レポありがとうございました!
私もGPDDでうるっときます。都さん以外のダンサーではきたことないですねぇ。
またスタダンのくるみにゲスト出演してくださらないかなぁ。

今朝NHKのニュースで勲章授与とインタビューの映像が流れました。慌しい時間なのですが、食い入ってみてしまいました。
とってもうれしそうな笑顔でしたよ。
足までは映りませんでしたが、ふつうに歩かれていたのでほっとしました。
asaco 2007/12/19(水) 13:02:14) 編集


asacoさん

イマイチ焦点の定まらない・散漫な感想文にお付き合いいただきありがとうございます・・・。

>>またスタダンのくるみにゲスト出演してくださらないかなぁ

今回見ていてふと思ったのですが、ロイヤルが来日公演でくるみをやるのもいいんじゃないかなぁ・・・と。いつも来日時期はシーズンオフの夏だから現実的ではありませんが、本当に完成度の高いプロダクションだしロイヤルらしさを堪能できる演目だし・・・何より真ん中を踊るのが都さんでキマリ、って点でもいいことづくしなんですけどねえ・・・。

OBE授与式の様子、教えてくださってありがとうございます。さすが日本ではこの話題大きく扱われているんですね。"ふつうに歩かれていた"のを見てほっと胸を撫で下ろしたバレエファンがさぞかし沢山いたことでしょう・・・。
Naoko S 2007/12/20(木) 06:03:50) 編集

このコメントは管理人のみ閲覧できます
- 2007/12/24(月) 21:51:00) 編集

コメントを書く
#

管理者にだけ表示
10
--
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
28
29
30
31
--
>>
<<
--
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。