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パリ・オペラ座バレエ 「嵐が丘」 (10/6) Part 1
振付・演出: カデル・ベラルビ
翻案: カデル・ベラルビ、アガタ・ベルマン
音楽: フィリップ・エルサン
舞台美術・照明: ペーター・パプスト
衣装: エルザ・パヴァネル
初演: 2002年2月 パリ・オペラ座バレエ団
(25回目の上演)

指揮: コーエン・ケッセルズ
演奏: パリ・オペラ座管

<キャスト>

キャサリン: レティシア・ピュジョル
ヒースクリフ: ニコラ・ル・リッシュ
エドガー: ジャン=ギョーム・バール
イザベル: ノルウェン・ダニエル
ヒンドリー: ステファン・ビュイヨン
ジョゼフ: ジャン=マリー・ディディエール
ネリー: オーレリア・ベレ
キャシー: ミュリエル・ズスペルギー
リントン: ジル・イゾアール


はじめに、この夜の舞台、私の目はただひたすらエドガー役のジャン=ギョーム・バールを見るためにあったことをお断りしておきます。早くジャン=ギー・レポ(!)に辿り着かねばならないので、公演レビューは思いつくまま雑感を・・・

☆概観

ニ幕六場から成る110分の作品。プロットは概ね原作に忠実だが登場人物を絞り込み(一部割愛してる。相関関係は同じ)、長編の原作を適宜刈り込んで・主要シーンを切り取って見せていくという趣向。

演出: 演劇的アプローチではない。ドラマ性に重きを置くというよりは、もう少し抽象的に、原作から各場面の"イメージ"を投影させている印象。登場人物は「演劇バレエ」風の演技はしない。(マイムも使われない。)それで時折無機質に見えることがあったけど、リアリズムに拠らないこのアプローチは、私的には好み。(ちなみに振付家がこの作品をバレエ化するにあたって最初のインスピレーションとなったのは、バルテュスのデッサン画<本の挿絵に使われていたものか?>だったらしい。この絵がプログラムに掲載されてるのだけど、バルテュス特有の、生気のない人形のような人物像と緊張した画面で、異彩(毒)を放っている。人物の表現が時折人形っぽく見える場面があったのは、これの影響か?バレエにはこの絵に若干漂うグロさはなかったけど・・・)

初見ということでそれなりに興味深く見られたし恐れていたほど"拒否反応”は出なかったけれど、作品としてどれだけ魅力があるかというと・・・微妙。正直ベラルビの振付・ダンスに特別際立った個性や面白さは感じられなかったし、作品解釈にも特にシンパシーを感じられず。(いや、実はベラルビがこの文学作品をどう解釈して・何をわざわざダンスにして見せたかったのか、イマイチぴんとこなかったんですが。少なくとも、「キャシーとヒースクリフの物語」として見ると、迫ってくるものが弱かった。せいぜい、"ふとしたボタンの掛け間違いで一緒になれなかった不運な恋人たちの物語" ってところだろうか・・・要するに、全然弱い。)

☆振付

基本はモダン・ダンスの動き。ニ幕のプルミエ・タブローでヒースクリフが死んだキャシーの幻影を見て二人が踊るシーンのみ女性はポワント・シューズ着用でクラシックのパ。このシーンはまるでジゼルのようだった。振付はあまり印象に残ってないけど...。(ちなみに、これまた後でプログラムを見て知ったのだけど、ベラルビの狙いの一つに、原作とロマンティック・バレエの間に接点を見出し・作品に反映させようというのがあったらしい。)運動量が一番多いヒースクリフの振付には、回転や跳躍などバレエの動きがかなり含まれている。

☆音楽

(なんと贅沢な)オリジナル・スコア。全編ダークで不穏な音で包んでいて、やや単調に聴こえたけど、作品の"気分"は結構出ていたと思う。農民が登場するシーンではスコットランド(?)のフォーク音楽風の音を使ったり、結構面白かった。ムーアに吹きすさぶ風の音は効果音で出していたけど、ややしょぼかった・・・。

☆舞台美術

これは結構凝ってました。舞台に数枚メッシュの?透けるスクリーンを重ねて靄がかかったような効果を出していたり、強風が吹きつける嵐が丘のムードを、やはりスクリーンと布?で醸し出したりしていた。総じて、ヴィジュアル・エフェクトはなかなかのもの。

アーンショー家を舞台とするシーンでは、「嵐が丘」を象徴するような、強風で横なぐりにされた大木が常に舞台奥に立っている(トップ・ウィズンズの廃墟の横にある木、あれをイメージしてるのか?)。アクションは常に屋外で起きる。リントン家が舞台の時はアクションは常に家の中(たいてい居間)で起きていて、小道具はソファと窓。

(冒頭、子供時代のキャシーとヒースクリフが遊ぶシーンでは、重しをつけたカラフルな色の造花が上からボコボコ落ちてきて、舞台が一面お花畑になる。面白いしインパクトはあるんだけど・・・ヒースじゃないところがどうしても許せなくて・笑。)

詳しい方に伺ったところでは、美術担当の方はピナ・バウシュの舞台を手がけられたことがあるらしい。基本はミニマリスティックな舞台に象徴的な小道具だけを置く、こういう手法はオペラでよく見るような・・・。(原作からイメージする)ゴシック・ロマン風の重さとミステリアスな雰囲気は感じられなかったけど、この演出にはマッチしていた。

(ああー また長くなってしまった。一旦切ります)

<続く>
2007-10-13 08:41 | パリ・オペラ座バレエ | Comment(0)
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