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ボリショイ・バレエ「海賊」(7/30, 31) Part 1
ボリショイ・ロンドン・ツアーも2週目に入りました。今頃カルロス・アコスタ主演のスパルタクスが終演しているはず・・・ballet.coに一幕の写真が出ていましたが、アコスタなかなか迫力があってよさそう。私は明後日、8日の水曜に見に行きます(楽しみ!)。

さて、先週見た「海賊」。感想をタラタラ書き綴っていたけど全然まとまらないので、第一弾をあげちゃいます。なにしろ新制作版ということで、クレジット関係からして長い・・・。以下、大体キャスト・シートからの転記ですが、一部自分のメモ用に付記したものもあります。


Boshoi Ballet
“Le Corsaire” (Ballet in three acts)


Music: Adolphe Adam (also Delibes, Pugni, Drigo, Pyotr von Oldenburg, Albert Zabel, Julius Gerber)
Libretto by J. H. Vernoy de Saint-Georges and Joseph Mazilier; edited by Marius Petipa
Choreography: Marius Petipa
Production and new choreography: Alexei Ratmansky and Yuri Burlaka
Design: Boris Kaminsky
Costumes (based on sketches by Evgeny Ponomarev, 1899): Yelena Zaytseva
Lighting: Damir Ismagilov

* The original score by Adam/Delibes for Le Corsaire made available by L'Opera national de Paris: archives of La Bibliotheque nationale de France

* Choreographic notation made available by the Harvard University Theatre Collection

* Evgeny Ponomarev's costume sketches made available by the St. Petersburg State Theatre Library

Premiere: 23 January 1856, Ballet de Theatre Imperial de l'Opera, Paris

Premiere of this version: 21 June 2007, Bolshoi Theatre, Moscow

London Premiere: 30 July 2007 at London Coliseum




30/07/2007

Medora: Svetlana Zakharova
Conrad: Denis Matvienko
Gulnare: Ekaterina Shipulina
Birbanto: Andrei Merkuriev
Lankendem: Gennady Yanin
Said Pasha: Alexei Loparevich
Zulma (Said Pasha's favourite sultana): Irina Zibrova
Corsairs: Georgy Geraskin, Alexander Vodopetov, Pavel Dmitrichenko, Evgeny Golovin, Batir Annadurdyev, Vladislav Lantratov, Egor Khromushin, Denis Savin, Anton Savichev, Ivan Semirechensky, Yuri Baranov, Alexei Tedeev
Pas des esclaves(奴隷のpdd): Nina Kaptsova, Ivan Vasiliev
Danse des forbans(海賊のダンス): Anna Rebetskaya, Andrei Merkuriev, Anna Balukova, Anastasia Meskova, Georgy Geraskin, Alexander Vodopetov
Pas de trois des odalisques(トロワ・オダリスク): Anna Nikulina, Ekaterina Krysanova, Natalia Osipova
Le Jardin Animee(花園のシーン): Chinara Alizade, Anna Tikhomirova, Svetlana Gnedova, Anastasia Kurkova, Yulia Lunkina, Alesya Boyko
Grand pas des eventailles(扇子のgpdd): Svetlana Zakharova, Artem Shpilivsky (with the ladies as above)

31/07/2007

Medora: Maria Alexandrova
Conrad: Nikolai Tsiskaridze
Gulnare: Anastasia Yatsenko
Birbanto: Vitaly Biktimirov
Danse des forbans: Anna Antropova, Vitaly Biktimirov
Grand pas des evantailles: Maria Alexandrova, Egor Khromushin
(上記以外のキャストは7/30と同じ)

Conductor: Pavel Klinichev
Orchestra of the Bolshoi Theatre


複数の英主要紙が報じるところによると、ソ連崩壊後の混乱期をサバイヴしたボリショイは、いまや世界で有数の潤沢な資金を誇るバレエ団に生まれ変わったのだそう。

その理由は、西側企業だけでなく、自国のスーパーリッチ・”オリガルヒ”連中をスポンサーにつけることに成功したからだそうですが。ロンドン・ツアー初日・ ロンドン初演の新版「海賊」を見ながらこの報道が頭をよぎり、「うーん世界有数というのもあながち誇張ではないかも・・・」とふと思わされるような、それぐらい豪華な舞台だった。

一見して衣装とセットにすごくお金のかかったプロダクションに見えて、特に最後のタブローで海賊船が難破するシーンは迫力があって見もの。(初日は上手く作動しなかったのだけど二日目は嵐で船が真っ二つに割れた。)メドゥーラの衣装換えもすごい・・・一体何回お召し替えしていただろう 7,8回?

海賊というバレエ作品の歴史に全く無知な上に予習せず臨んだので、初日は自分の見慣れているマリインスキー版と(筋が)ごっちゃになって、鑑賞しながらやや混乱してしまった。もともとマジリエ振付でパリで初演されたこのバレエ、ラトマンスキーとBurlakaが「再現」しようとしたのは後年のプティパ改訂版。現在のマリインスキー版は更なる改訂を経た1987年のグーセフ版で、ボリショイの新版とは登場人物からして違う。海賊で最も(通常)有名なキャラ・奴隷のアリは登場しないし(この役はプティパの死後創られたものらしい)、メドゥーラの性格付けもかなり違う。リブレットにも細かな違いが多々ある(新版では海賊船が難破するのはプロローグではなくエピローグ、コンラッドがパシャに捕らえられてメドゥーラがパシャの後宮入りしそうになるのをギュリナーラの奸計により救われる、等々)。何より今回のボリショイの「新版」の最たる特徴は、徹底して女性舞踊手のダンスにフォーカスを定めていること。(特に二幕以降は、まるで「女の園」!)言い換えると、男性ダンサーがアカデミックな技巧を駆使して踊る場面は少ない。全編に渡って主役プリマと女性ダンサー達が踊りまくる、”バレリーナ至上主義”のプティパの”スピリット”が確実に脈打っていると感じられる点では、「再現」に成功していると言えるのかもしれない。

巷の噂によれば、今回ロンドンで上演されたものは先月の本拠地での初演版にかなり手を入れてあったとか。そのせいか、やや場面転換が唐突に見えたり、どんどんカットしていくうちにもともとあった統一性というか整合性が若干失われてしまったのでは?と思われるフシがあった。多分これから更に手を入れてもう少しその辺整理していくのではないかなあ・・・。(モスクワ版を若干カットしたとしても休憩2回入れて上演時間3時間半の大作!)

主役・メドゥーラは最初から最後までお姫様キャラクターで若干浮世離れしていて(登場シーンから一人だけ純白のクラシック・チュチュ着用)、コンラッドとは恋仲だけど時折flirtatiousな顔も見せて、グーセフ版の、奴隷として売り飛ばされる悲哀が多少は感じられるギリシャ娘とはかなり違う。ランケンデムは踊る役ではなくてメドゥーラの後見人(老人!)という設定で、彼女を娘のようにすごく大切にしてる(=メドゥーラはお嬢様)。実際メドゥーラは常にプリンセスの扱いを受けているように見えて、マトヴィエンコにかしずかれてザハロワが踊ると、余計にそれが強調された印象。アレクサンドロワだともう少し人間味が出て、町一番の器量よしで賢い娘、という雰囲気。

一幕一場は活気あるバザール広場の情景から始まり、早速、<一人だけチュチュを身に着けていかにも場違いの>メドゥーラがプリンセスの雰囲気たっぷりにヴァリエーションを踊る。続く見せ場は「奴隷のpdd」。グーセフ版だと奴隷商人・ランケデムとギュリナーラのpdd、この音楽で役名のない男女ペアが踊る。初日・2日目ともカプツォーワ&ワシーリエフで見たけど、愛らしくて踊りも綺麗なカプツォーワには大満足。ワシーリエフはあまりに前評判が高かったので(「バリシニコフの再来」!)、やや肩透かし。身体の柔らかさは非凡、くりっと大きな瞳がいたずらっぽく光ってなかなかいいキャラクターかも・・・という印象は残ったけど。この場は海賊と奴隷の娘たちによるダンス・シーンで終わるんだけど、その後すぐ、二場の海賊の隠れ家での最初の踊りがやはり海賊ダンスなので、「何で続けて同じ趣向のダンスを見せるのかなー」と、踊りの並べ方(踊り自体ではない)にやや不満を抱く。この後、ビルバントにたきつけられて下克上の不穏な動きをみせる海賊たちを懐柔しようとコンラッドが酒宴を開くシーンでは、メドゥーラが突然海賊の装束に着替えてキャラクター・ダンスを踊る。このダンス・シーン、メドゥーラが、”ラン・ラン・ラ~ン”ってスキップしながら舞台を一周して始まるんだけど、初日のザハロワ、イノセントな雰囲気を出そうとしたのかあまりにカマトトっぽくて、「ひょっとしてこの版ではメドゥーラって天衣無縫というか、ちょっと足りない子ってキャラクター設定になっているのか?」と、一瞬ぎょっとしてしまった。(二日目のアレクサンドロワはごく普通に元気良くスキップしていたのでその疑念は払拭されたんだけど。)このヴァリエーションを踊り終えると、メドゥーラが威勢良く一声上げる(叫ぶ)。何て言ったのか聞き取れなかったんだけど、後でballet.coを見たら、”l'abordage!”と言っていたらしい。(海賊船が敵船に横付けして船を分捕る時の掛け声?)そしてこの後、あの耳慣れたメロディーが聴こえてきて、やや唐突に「海賊のpdd」が始まる。

プティパ版を踏襲したこの版では、このpddはメドゥーラとコンラッドの二人によって踊られるラヴ・デュエット。初日のザハロワ&マトヴィエンコは、”うーん流石にボリショイの新作の初演者となるだけのことはあるなー”という磐石の出来。この音楽が流れてきたら、舞台上に完璧以外のものが存在することは許されないという史上命題を果敢にクリアするかのような、完全無欠のテクニック。マトヴィエンコはここで見せなきゃどこで見せる~と言わんがばかりの(実際そうなんだけど・・・)ショーマンシップを発揮してくれて、えらいっ!と感心。(ピルエットの後半、余裕でゆっく~り回って上げた脚を綺麗~に下ろしてくるところが目に焼きついている。)

一方、2日目のアレクサンドロワ&ツィスカリーゼは、もう見ていて楽しいの何の。速報で書いた通りコーダの後半一瞬流れが途切れたという以外は、瞬間の爆発力、エンターテイメント性ともに文句なし。この場面に限らず、ペアとしては私は断然2日目のアレクサンドロワ&ツィスカリーゼの方が好きだったのだけど、それは二人のサービス精神というか、お客を楽しませて自分たちもしっかり楽しんじゃおうという企みにおいて徹底していて、見事なチームワークを見せてくれたから。二人とも登場しただけで舞台が数メガワット明るくなる華やかさと圧倒的なカリスマがあるので、荒唐無稽なストーリーも気にならなくなり、3時間半があっという間に過ぎていきました。なにしろ暖かくて、包容力溢れるペアだった・・・。

【続く】
2007-08-07 07:51 | ボリショイ・バレエ | Comment(3)
Comment
はじめまして。
ついさっき、スパルタクスを見てきました。
そういえばアコスタがキャスティングされていましたね。
アコスタで見たかったな~と思いましたが、マトヴィエンコもよかったです。
なおこさんのブログを見て、アレクサンドロワが見たいと思っていたら、今日エギナで出ていました。
めちゃくちゃよかったですよ~!!
明るい小川でも見れることを祈ります。
mad 2007/08/08(水) 08:44:20) 編集

連日の鑑賞でお疲れ&お時間も限られていることかと思われますのに、詳細なボリショイレポ、楽しく、そして有難く拝見しております。
わたくしも、今日ルグリガラAプロに赴き(明日も同じものを見るのですが^^;)さて記録、と思っても、フェリガラAプロで力尽きてBプロまでまだ書けていない有様ですのに・・・流石です!

ボリショイは経営陣がしっかりしているのでしょうか。
金銭的な部分のサポートがしっかりしていると舞台美術は華やか、人材も投入できていいことずくめでしょう。
「海賊」は過日Kバレエの新版が豪華と話題になりましたが、比べ物にならないでしょうね。あぁ、アレクサンドロワとツィスカリーゼで観てみたいものです・・・!
maria 2007/08/09(木) 01:39:51) 編集


madさん

はじめまして コメント有難うございました!madさんもロンドン組なのですね~ ブログにお邪魔させて頂きましたが、写真がいっぱい&観劇レポも沢山あげてらっしゃるようで、興味津々。今度ゆっくり拝見させてくださいませ(何せ今は時間が・・・泣)。

私は今夜(水曜)やっとスパルタクスを見てきました。昨夜のマーシャ@エギナを見た友人が、姉御みたいで貫禄たっぷりだったと教えてくれて、あ~見ればよかった・・・と落ち込んでしまいました。「明るい小川」のマーシャ、フィーリンとのペアで最高に楽しい舞台を見せてくれることでしょう 乞うご期待!!


mariaさん
東京は今世界中からすごいダンサー達が集結する場となっているのですね・・・mariaさんの大作・フェリ・ガラ・レポ、興味深く拝読させて頂きました。が、読むのが精一杯でコメントできなくてごめんなさい・・・(mariaさんこそ連日の劇場通いでお忙しいのに、こちらに書き込んで下さって有難うございます!)

私は先週見たバヤデールの感想もアップできてなくてバックログがたまる~と焦る間もなく既にスパルタクスも終了し、明日からはドンQが始まってしまいます~。当面見るのが精一杯、となりそうですわ・・・(汗)。

ところで、Kバレエの海賊、私mariaさんのレポを読んですご~~く見てみたくなったのですよー。ボリショイ版とは趣が相当異なるかとは思いますが、Kバレエのもかなりお金のかかった・豪華な舞台のようで、是非一度見てみたいです~(熊川さんのアリで!)。 
Naoko S 2007/08/09(木) 09:10:08) 編集

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