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殿、イタリアへ~パリオペ・ダンサーズによるガラ公演
“Le Gala des Hommes”
Civitanova Danza 2007 (XIV festival internazionale nel nome di Enrico Cecchetti)
mercoledi 18 luglio/Teatro Rossini

イレール、ベランガール以下参加メンバーは総勢7名(エトワール2人+スジェ4人+カドリーユ1人)。二部構成で6作品を上演、正味一時間半のコンパクトな公演でした。(なんと’開’演が9時半!というイタリア時間のせいで、これ以上長くできないのかも・・・)会場のテアトロ・ロッシーニはレギュラー・シーズンのある歌劇場ではなく、今回のフェスティバルのようなone-off公演を上演するためのハコ、近代的な作りで、キャパは1,000あったかな?という中規模ホール。お客の入りは7割ぐらいだったかなぁ?実は最前列に座っていたため全体が見えてなかったのですが、8割いってなかったような印象が・・・。日本じゃ(多分)考えられない話ですが、こののんびりとした海辺の町はすっかり夏一色であまり観劇したくなるようなムードじゃなかったので、逆にこれだけ人が入っていた・・・と感心すべきなのかも。

私自身もマルケ滞在6日目、すっかりリゾート気分で緊張感まるでナシ・状態でぼーっと見てたので、感想の方もかなーりいい加減ですが、何卒ご容赦のほどを・・・

☆「牧神の午後」(1995年ティエリー・マランダン振付/音楽:ドビュッシー)
ローラン・イレール


初見。幕が開くと舞台下手に置かれた長方形の箱の上で仰向けに横たわる、ほぼ全裸のイレール。上手には海綿?スポンジ??風のオブジェが2個置かれている。踊りらしい踊りはない・・・というか技巧的見せ場はなし、どちらかというとマイムに近かったような印象が。牧神の動き、表情ともやや無機質で、これは人間ではない、というのはわかる(ちょっとサイボーグ系か?)。平面的な両手の表情とか時々ニジンスキー版からの借用もあったような。男性舞踊手ならではの超絶技巧、跳躍や回転を使っていない点はニジンスキー版へのオマージュを意図していたのだろうか・・・よくわからない。

牧神は口に指を突っ込んでみたり、喘いでみたり、所々、”ここはセクシャルな所作とみるべきなのか?”という挙動をするのだけど、エロティシズムは全然感じられなかった。もう少し雰囲気自体隠微なものを持っている人が踊ると少しはセクシャルに感じられたのかなあ。イレールは(私の目には)見た目美しすぎるし表現も健康的といっていいぐらいストレートな人だからなあ・・・彼のすきっと突き抜けた風情が作品と相性いいとは思えなかった。(それとも、誰が踊ってもやっぱり「むむむ・・・」なのかなあ。何しろ”あの”イカルスを創った振付家だものねえ・・・)

最後の最後にちょっとしたサプライズ(?)があって、長方形の箱(岩場のつもりでしょうね)の真ん中にくり抜かれた穴(客席からは透明の水槽みたいに見える)に牧神がダイヴするというアクロバティック技で終わり。一体何だったんだろうか あれは・・・何やら観客にははかり知れない深遠な意味があったのかもしれないけど、見た時は一瞬ギャグかと思っちゃった。(殿ゴメンナサイ~ なにしろ暑くてフヤけたアタマで見てたので・・・許されて~!)

☆「オーニス」(1980年ジャック・ガルニエ振付/音楽:モーリス・パシェ)
ジャン・クリストフ・ゲリ、シモン・ヴァラストロ、アドリアン・クヴェ


初見。いいですねえー、これ。

アコーディオンの奏でるフォークロアな音楽にのって踊られる、フォークロア風ダンス。白シャツにサスペンダー&黒ズボンの男性3人による輪舞で踊られる。(7/26修正:今読み直して気づきました。ここで言いたかったのは、「輪唱のようなダンス」。「輪になって踊る」ことではありません・・・!大変失礼しました・汗)後で登場するギリシャもそうだけど、私はこの手の、”人間はなぜ踊るのか?”という問いに答えを与えてくれるような・踊りの原点を感じさせてくれる力をもった伝承系ダンスをベースにした作品に滅法弱いのです。20分間ただただ心地よい風に身を任せるような気分でぼーっと舞台を見つめていました。

私にはこの作品にメイン・ロールがあったのかどうか判別できなかったので、本来ならロモリが踊るはずだったパートは誰が踊っていたのかわからないのだけど・・・年次(?)からいったらゲリだったのかなぁ。でも私の目には、断トツ、「メイン」はヴァラストロでした。・・・というか、正直言って彼のことしか見ていなかった。なんて素晴らしいダンス!

ヴァラストロは3日前までガルニエでかかっていたラ・フィーユではアラン役で確か10回か11回登板して、疲労がたまっているのではなかろうか・・・などと若干心配していたんだけど、なんのなんの。(一方、ラ・フィーユではアランの父・演技のみの役だったゲリは表情にもダンスにもあまり覇気が感じられず・・・。)ダンサーというのは踊れば踊るほど調子が出てくる人たちなんでしょうか。キャラクター系に起用されることが多いヴァラストロ、表情(表現)の豊かさには今更驚かないけど、こんなにスタイリッシュな踊りのできる人だとは、失礼ながら存じ上げませんでした。まさに、目から鱗!観客の反応もよかった。

☆「アベルはかつて・・・」(2003年マロリー・ゴディオン振付/音楽:アルヴォ・ペルト)
ニコラ・ポール、ブルーノ・ブシェ


以前東京のルグリ・ガラで見た時はもう少し面白く鑑賞できた記憶があるんだけど・・・今回は何も感じられず。

☆ギリシャの7つの踊りより「ハサピキ・ソロ」(1983年モーリス・ベジャール振付/音楽:ミキス・テオドラキス)
ローラン・イレール


傑作、名作、別次元。振付の裏も表も知り尽くしたイレール、力の抜き方、間の取り方が絶妙。なんて粋な舞台姿なんでしょう ニクいわ・・・。唯一、惜しむらくは、舞台が狭すぎた。最後に凄い勢いで回転で?袖に消えていくところ、スペースが足りなくて堪能させてもらえなかった。

観客はもちろん大喜び。せっかくまた日本に行くのならこれも持っていけばいいのに・・・と拍手しながらふと思いました。もう引退してしまったわけだしこれ以上ファン増やしても仕方ないのかもしれないけど、これ見ちゃったら、惚れますよ~イレールに。 

**intervallo**

☆”Quatre figures dans une pièce”(?年ニコラ・ポール振付/音楽:テリー・ライリー)
ジャン・クリストフ・ゲリ、シモン・ヴァラストロ、ブルーノ・ブシェ、アドリアン・クヴェ


スジェのニコラ・ポール振付作品。初見。残念ながら、「ダンス」作品として楽しめるものじゃなかったなあ・・・20分間長かった。タイトルどおり4人のダンサーが登場、一人ずつソロがあって他の三人はその間ずーっと必死に床を手でなぞる/こするような動きをしている。あれは、かなり疲れるだろうなあ・・・床にしゃがみこんで絵を描くグラフィティ・アーティストにも見えるし、落としたコンタクト・レンズ探してるみたいにも見えた(笑)。ソロの振付が、”頭痛でアタマが割れるように痛くてのたうち回っている”ような動きとか、あとは忘れたけどともかくダンスに見えなくてつまんなかった。ただし、ヴァラストロはここでもそれなりに魅せてくれて感心。この人には舞台人としての”粋”がありますね 素晴らしい。

☆”Un trait d'union”(1989年アンジェラン・プレルジョカージョ振付/音楽:J.S. バッハ)
ローラン・イレール、ジェレミー・ベランガール


冒頭、ランニング・シャツに黒ズボン姿の裸足の男が一人がけの四角いソファをぐいぐい押しながら舞台に登場するシーン。”ああーやっぱりジェレミーだ 役をスイッチしたのね・・・”。そう、ロモリの降板によりベランガールが代役を務めることになったけど、そのベランガールがイレールの踊っていた役を、イレールがロモリの役を踊ったのでした。2003年12月にこの作品がパリオペのレパートリー入りした時に見たイレール&ロモリ・ペアは、力の拮抗する男同士の緊迫した駆け引きが手に汗握るスリリングな舞台を生んでいた。ジェレミーとイレールだと、“先輩の胸を借りる”という表現を地でいく舞台。パリでの上演時、ジェレミーは当初キャストされていたものの怪我して結局踊ることができず、「実際に舞台でこれを踊るのは今回が初めて」だったそう(イレール談)。背面ジャンプするジェレミーをイレールががちっとキャッチするアクロバティックな見せ場は全て成功したし、気迫ではジェレミーは一歩もひかず緊迫した舞台を見せてくれたけど、ドラマにまではなってなかったなあ・・・。イレールとロモリの二人の間には火花が散ってただけじゃなく、奥深くでは静かに魅かれ合う感情が流れているようにも見えて、これがなんともスリリングだったのよね。

奇しくも今シーズン・引退したエトワールと任命されたエトワール、二人の顔合わせ。お客の反応は凄くよくて、力を出し切ったジェレミーはとても満足そうな笑顔。イレールはこれまた満足そうな、拍子抜けするぐらい爽やかな表情を見せてくれて、どきっとしてしまった。
2007-07-25 07:54 | パリ・オペラ座バレエ | Comment(8)
Comment
待ってました~!Naokoさん、おかえりなさ~い。

"男たちのガラ" もチヴィタノーヴァの堪能されたようで、よかったですね☆ 殿の「拍子抜けするぐらい爽やかな表情」、いいですわ♪

それにしても、3曲も踊ってしまうなんて、殿、まだまだ行けるではありませんか。 東京でもサプライズで「ハサピキ・ソロ」を踊ってくれないもんでしょうか~。 私はミシェル・ガスカールのが限りなく好きなのですが、それとはまた違ったものにしてくれているんでしょうね~。 あ~、見たいわ。

マランダンの「牧神の午後」は、ルグリ・ガラでもバンジャマンが踊る予定になってますが、ん~、やはり期待しないほうがよさそうですかね。 殿がわざわざガラで踊ることにしてるんだから、興味深い作品なのだろうと思っていたのですが。 む。

「オーニス」は、いつぞやのバレエの美神たち公演にいらしたロモリさんがソロで踊るのを観ましたが、潮風まで感じられるような踊りで、私はかなり気に入りましたよ~。
mizuko 2007/07/25(水) 12:18:07) 編集

こんにちは~イレールの舞台情報ありがとうございます。通りすがりではなくいつもお邪魔していますが、中々書き込みできなくて・・イレールの4文字には過剰反応してしまいます(^^;
無事イタリアでの公演が終わったとの事で、これで来日は確実!!安心致しました。来月ルグリBプロに出演して頂ける幸せをかみ締めつつお待ちしています。
POKO 2007/07/25(水) 13:02:54) 編集

Itariaのリゾート地の陽光とのんびりした空気までもが伝わってくるようなレポ、ありがとうございました!

9時半開演!最前列での鑑賞!と一々驚きながら(笑)拝読。
殿の笑顔、3作品を踊りきる充実振りに、高まる東京公演の期待・・・。
ギリシャの踊り、見たいです。
いつかまた踊っていただけないか、直接陳情してみましょうかしら・・・(^^)

maria 2007/07/26(木) 05:50:09) 編集


mizukoさん こんにちは。

溢れる陽光がまぶしい海辺の町で、殿以下ご一行もすっかりリラックスされていたような感じがしましたわ~。

ガスカールのハサピキ・ソロ!以前映像で見ましたが、彼のはある種極めつけですよね。ひたすらに若々しくて明澄なダンス、メディタレニアンそのもの・・・って印象がありました。いまや円熟したイレールのダンスには若さならではのraw energyはないけれど(彼ならではの洗練された・粋な舞姿!)、いつ見ても気持ちよ~くさせてくれます。

そうそう、マランダンの牧神をバンジャマンが踊るそうで・・・。妙な先入観を与えてしまったかしら(焦)。私はこの振付家とは相性が悪いみたいですが、mizukoさんはご覧になったらお気に召すかもしれませんので希望(?)は捨てないでくださいねー。


POKOさん 以前もコメント頂きましたよね~憶えております。

>>イレールの4文字には過剰反応してしまいます

はは、右に同じです。来月のルグリ・ガラいいですねー あまりに急なことで流石に私は行けないんですが(日本は遠い!)、充実した公演となりますように祈っております。楽しんできてくださいね。


mariaさん さすがのラテン時間といえど9:30開演は凄いですよね・・・今の時期、日が沈んで暗くなるのがちょうどこの頃だったんですが、それと関係あったのかしら??終演は11:30頃、これじゃ地元民か車で来られる距離に住んでいる人しか来ないだろうなぁ・・・と思ってしまいました。

>>ギリシャの踊り、見たいです。
いつかまた踊っていただけないか、直接陳情してみましょうかしら・・・

久々にパフォーマーとして日本に行くイレール、陳情者の列がずらりとできちゃうのではなかろうか、なんてファン馬鹿な心配したりして・・・(笑)。
Naoko S 2007/07/26(木) 07:07:43) 編集

こんにちは。
昨日、ルグリガラのBプロでマランダンの牧神(ペッシュ)見てきましたよ。私はけっこう楽しみましたが、イレールのように美しい人よりもペッシュが踊った方が似合うのかも、と思いました。ちょっとコミカルですしね。(もちろん、イレール様でも観てみたいけど)
あの箱は、巨大なティッシュボックスですよね?
naomi 2007/08/12(日) 11:30:00) 編集


Hi Naomi,

Apologies for my writing in English...

Thanks for your thoughts on 'Faun' and Mr. Peche - I'm glad you enjoyed it. Just been to your blog and, my! - your detailed account on the piece was eye-opening; when I saw this in Italy, I never realised that the giant white box was actually a 'kleenex box'! (Perhaps it's got something to do with the position I took. I was sitting in the very front row in Stalls so couldn't see the top of the 'box'. Also no programme was available to consult with, that wasn't really a help!)

Interesting how different dancers could do to a role, isn't it? if this piece is about telling such a straight-forward, juvenile-hormonal things and requires comic sense, it's not for Mr. Hilaire, I dare to think... no doubt Mr. Peche would have suited the role far better.

I hope you'll enjoy the rest of the performances (shoud you go!) - am really looking forward to reading more of your fine reviews at your blog!

Naoko S (ロンドン発 バレエ・ブログ)
Naoko S 2007/08/13(月) 00:02:42) 編集

Naokoさん、PC不調のところレスありがとうございました!
私も、2列目で見たときにはクリネックスの箱と最初は気がつかなかったです。
ペッシュは本当に嬉しそうにこの役を演じておりまして、観ていてこちらもニコニコしてしまうくらいでした。カーテンコールでも牧神特有の平行にした腕の形だけが先に緞帳から出てきたりして・・・観客の受けも良かったようです。
http://www.balletbiarritz.com/gb/0306faune.html
で、バレエ・ビアリッツの動画が少しですが観られます。
naomi 2007/08/14(火) 03:08:22) 編集

naomiさん たびたびどうも~。

>>ペッシュは本当に嬉しそうにこの役を演じておりまして、観ていてこちらもニコニコしてしまうくらいでした。カーテンコールでも牧神特有の平行にした腕の形だけが先に緞帳から出てきたりして・・・

へええ それはそれは・・・ノってたんですね~バンジャマン。そんな彼を見てみたいわ。イレールがこれを踊った時の表情は静的というか、(最近の彼はそう見えるんですが)なにか憑き物が落ちたような、ある意味無垢とすら形容したくなるような表情してましたね。

バレエ・ビアリッツのサイトのご紹介もありがとうございました。ここにちゃんと英語で作品解説(?)が出てたんですね。う~んこれを読むにつけ、イレールが踊ったというのが信じられない気がしてきました。すごく貴重なものを見たかも??
Naoko S 2007/08/14(火) 09:15:52) 編集

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