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パリ・オペラ座バレエ 「ラ・フィーユ・マル・ガルデ」 (6/25&26)
☆ジャン・ドーベルヴァルによる原版にもとづく二幕もののバレエ

振付: フレデリック・アシュトン (1960年ロイヤル・バレエ初演/2007年6月22日パリ・オペラ座バレエ初演)
上演指揮: アレクサンダー・グラント
音楽: L.J.F.エロルド作曲、ジョン・ランチベリー編曲
セット*&衣装: オズバート・ランカスター
リハーサル指導: クリストファー・カー、グラント・コイル

* ウィーン国立歌劇場製作(1986年)

指揮: バリー・ワーズワース(ロイヤル・バレエ音楽監督)
演奏: パリオペ管

<キャスト>

リーズ: マチルド・フルステー(6/25)、ドロテ・ジルベール(6/26)
コーラス: マチュー・ガニオ(6/25)、ニコラ・ル・リッシュ(6/26)
シモーヌ未亡人: ローラン・ノヴィ(6/25)、ミカエル・ドナール(6/26)
アラン: シモン・ヴァラストロ
トマス(アランの父): ジャン・クリストフ・ゲリ(6/25)、リチャード・ウィルク(6/26)
フルートの踊り: マティアス・エイマン(6/25)、ジル・イゾアール(6/26)
リーズの女友達: カロリーヌ・バンス、ミテキ・クドー、ジェラルディーヌ・ウィアート、クララ・デルフィーノ、ミホ・フジイ、ギレーヌ・ライカート、Karine Villagrassa、Noemie
Djiniadhis
雄鶏: アリスター・マダン


2日分の感想をまとめて書いちゃいます。

まずは25日のマチュー&マチルド・ペア。ええーっこれは、ほんとにラ・フィーユなのー?と、見ながら驚きで目がテンに・・・。一幕が終わって頭に浮かんだのは、'très très chic Fille!'・・・・ただこれだけ。

マチューは、ともかく綺麗すぎてどこからどう見ても、農民には見えない。あまりにエレガントな風情に、彼が美しいポーズを決めるたび、 思わずそこから別の物語が始まってしまいそうな錯覚に陥ることしばしば(ジークフリートとかアルブレヒトとか・・・)。コーラスはごくごくシンプルな農民、隣のあんちゃん的な役柄。「野郎的要素」ほぼ皆無のマチューを見ながら、終始、「ありえないコーラス!」と心中呟いていました。テクニカル・チャレンジについては破綻なくこなしていたけど、この男性的な超絶技巧満載の振付を踊りだけで魅せてくれるまでには至らず。マチューの踊りは優美だけど躍動感には欠けるので、この振付はあまり合っていないかも。アシュトン特有の素早い動きも、手足の長いマチューにはちょっと大変そうでした。サポートは涙ぐましくなるほど丁寧で優しくて、マチルドは果報者!(コーラスの振付・・・マチューを見ながら、あのテクニシャンのサモドゥーロフですら、ロイヤルで初めてこの役を踊った時にはかなり大変そうだったことを思い出してました。やっぱり相当難しい振付なんだろうなあと思います。)

マチルドは、こちらもどう見ても都会のお嬢さん(すごーくコケティッシュ)。マチュー@コーラスよりもやや子供っぽくて、生意気でおませな女の子。ボーイフレンドを振り回して涼しい顔してるリーズと、そんな彼女にひたすら甘~くて・お育ちのいい、《農民は仮の姿で実は王子様!》のコーラスに見えました。二人並ぶと若くて可愛いのだけど、ちょっと可愛すぎる・子供すぎる感じもあり。マチルドはリーズのこまかなポワントワークもよくこなしていて、初役でこれだけ踊れればたいしたものでしょう。感心したのは二幕のマイムシーンを表現力たっぷりに見せてくれたこと。一幕二場のファニー・エルスラーpddでは二人ともややスタミナ切れしたか、マチルドはコーダ部分でポワントでダイアゴナルに舞台を突っ切るところ、最後は足が落ちてしまった。マチューもソロ・ヴァリエーションの変型ピルエットをなんとかクリアすると、その後は肩で息をしてなんとかフィニッシュに持ち込んでいた。pddが終わると、はあ~っと見ているこちらも思わず息をついてしまう。二人の輝くばかりの・満足そうな笑顔には、ほっと安心させられました・・・。

かたや、ドロテとニコラのペア。こちらは、ペアとしてずっと落ちついていて、私的イメージにも近いリーズとコーラスでした。登場するや舞台に明るい光のビームを放つドロテのスター性、どっしりと落ちついた存在感であたりを包み込む、ニコラの器の大きさ。'人間あやとり'のシーンで最初にどちらかがリボンを落としてしまってヒヤリとする一瞬があったけれど、最後はなんとか辻褄を合わせて上手くおさめていたし、ファニー・エルスラーpddはさすがの完成度の高さ(ニコラのVが特に素晴らしかった!)。

ドロテとマチルドには技巧面ではそれほど実力差があるようには見えなかったけれど、プルミエのドロテに一日の長があったのは、舞台を掌握し、舞台に輝きをもたらすプリマのオーラ。必ずしもドロテが完璧だったというわけではないけど、やはりこの点で二人の間の横たわるギャップは厳然として感じられました。いずれにしても、初役でこれだけみせてくれた二人、何度か踊るうちにパリのリーズの第一人者になるであろうことは確実!

(ドロテもマチルドも一つ気になったのは、作品中何度か出てくるアラベスクでポーズする<どれもアレグロの>場面。どうしても普段の癖が出てしまうのか、必要以上にポーズを優雅に引き伸ばしてしまう傾向があったんだけど(特にマチルド)、ここではその'優雅さ'は思い切って捨ててくれないと・・・引き伸ばすから音がずれていっちゃうし、小気味よさが失われてしまう。この場面ではどうしても、完璧に音とシンクロしながら《キリッ・シャキッ・パリッ》とポーズを決めてリーズの振付の醍醐味を味わわせてくれた吉田都のことを思い出してしまった。)

ニコラは、髪を短く刈り込んでるせいもあるけど、”よっ!若大将!”って呼びたくなる雰囲気。村の若衆組のリーダーやってます、って感じで、こういうニコラは初めて見たからすごく新鮮!踊りには余裕が感じられ、安心して見ていられた。ずっしりとした重みを感じさせながら、フィニッシュはあくまでパリ風にエレガントなニコラの踊り、マスキュリンだけど決してマッチョにはならなくて、いい感じ。このペアには素朴でパストラルな雰囲気が感じられたし、なにより素晴らしかったのが仲を許された二人が最後に踊るpdd。マチルドとマチューもよかったけれど、ドロテとニコラの間にはなんともいえない優しい空気が流れていて、”ああよかったねー・・・”と見ているこちらも優しい気分にさせてくれました。カーテンコールでは役になり切ってるニコラが、指揮者を迎えにいくドロテの背中を、”行ってこ~~い!”とばかりにぱーんと叩いて送りだしていたのが微笑ましかった。

重要な脇役・・・2日ともアランを踊ったのはシモン・ヴァラストロ。とっても上手かった。顔立ちが綺麗なのでお人形さんみたいな可愛げもあって、彼もしっかりパリオペならではのchicなアラン。表現は、行き過ぎず・弱くもなく、私的にはかなり好きなタイプでした。(ロイヤルでいうと、大好きな・控えめな表現のジョナサン・ハウエルと、少々やり過ぎで苦手なタイプのホセ・マーティンの中間ぐらいかな?)

シモーヌ未亡人は、25日のノヴィのコミック・センスの方が好きでした。26日のドナールはテンション高すぎ・オーヴァーアクションでややニューロティックなほどに見えてしまうのが、私的にはバツ。(天上桟敷のお客さんでもよーくわかる演技というか。そういう意味では親切だったのかも?)でも、この難しい役をこなせるダンサーを(ゲストとはいえ)確保できたのはさすがパリオペと言うべき?この役とアランを揃えられなかったら上演できないものね この作品・・・。

コールは、見る前はちょっと心配してたのです。日頃都会的でクール、もしくは抽象的な作品に慣れてるパリオペのダンサー達が、このやや古風でベタともいえる(&コケコッコーまで登場する!)、愛すべき作品に馴染んでくれるかどうか、好きになってくれるかどうか・・・と。でも蓋を開けたら、コールがなんて楽しそうに踊っていること!もう、これを見てすごーく嬉しくなりました。この分なら、何度も踊るうちにアシュトンのスタイルに慣れて、きっと早晩ものにしてしまうだろうと確信するほど。(特に女性陣がよかったです。)

フルートの踊りというのは普段見慣れたロイヤル版では若手が起用されることが多くて、ソロの踊りはあるけれどコールの一部という位置づけ、なぜベテランのジル(26日)がこの役にキャストされるんだろう・・・・と、キャスト表を見た時は複雑な気分だったけど、その彼の踊りが素晴らしかった。誰よりもエネルギーに溢れていて、群舞をリードしてました。マティアス(25日)はコールの中で誰よりも目をひくし、今の彼の若々しい持ち味そのままで踊ってぴったりはまっていたけど、ジルにはベテランならではの牽引力があって、この役ってこんな風にも踊れるんだ・・・と目から鱗!

この作品の最も秀逸な場面は、最後の最後にやってくる。全員がハミング&スキップしながら手に手を取ってリーズの家から外に出て行き、観客がすっかりあ~これでお開き、と拍手喝采しているところに、こっそり窓からアランが忍び込んでくる。必死に何かを探してるようだけど・・・?彼の目線の先にあるのは・・・ 《見つけた~ 僕の大事な大事な赤い傘!》 恋人と再会したみたいに幸せ一杯の表情でアランが場を去るシーンで幕、どっと笑ったあとにちょっぴり涙してしまうオチ。

アランは女の子一人に振られたぐらいじゃビクともしない、'his very own boy'なんですよねー。この最後の場面でアランはピエロから突如ヒーローになってしまう。アランに注がれたアシュトンのあたたかーい眼差しに、私はいつもホロリとさせられてしまうのです。今回、シモン・ヴァラストロの好演に幕が降りるや観客は拍手喝采、私はしっかり泣かされました。
2007-07-02 10:00 | パリ・オペラ座バレエ | Comment(7)
Comment
おはようございます。雨のロンドンを離れて、ガルニエ宮で晴れやかな舞台をご覧になられたようですね。ル・リッシュとジルベールの舞台を観てみたかったです。1週間くらい、ロイヤルがパリで、パリ・オペがロンドンで「リーズ」をなんてならないでしょうかね。
守屋 2007/07/02(月) 14:06:49) 編集


守屋さん おはようございます

>>雨のロンドンを離れて、ガルニエ宮で晴れやかな舞台をご覧になられたようですね。

それが!パリもロンドンみたいなお天気だったんですよ・・・あんなに激しい雨に降られたのは初めてでした。(幸い、舞台は'晴れやか'でしたが・・・)

本当に、パリオペとロイヤルはたまにエール交換してほしいですよね。パリオペ・ダンサーズの踊るラ・フィーユにイギリスのバレエ・ファンがどんな反応を示すか、見てみたいものです!
Naoko S 2007/07/02(月) 16:39:40) 編集

ご報告待っていました! マチルド@リーズとマチュー@コーラス、目に浮かぶようです~。 マチューは本当に農民じゃあないですよね(笑)。都会的な「ラ・フィユ」もロイヤルとは一味違った新鮮さで素敵そうですね☆ 開演前はどうなることやら…、と思っていましたが、無事に開幕して良かったです!

このまま予定通りのキャストでいってくれれば、ドロテ×ニコラの最後の日を観られる予定なのでドキドキです。 ニコラ、やっぱり短髪なんですね~。バジルの時もそうだったし、最近短髪率が高いですわ。ノヴィのシモーヌもヴァラストロのアランもとっても楽しみです。「ラ・フィユ~」はやっぱりこの二人ですよね~。そして最後のリーズとコーラスのPDD、このPDDって本当にとっても優しい気持ちになって泣けてくるんですよね。ドロテとニコラって組むの初めて?と思うけど、いいカップルになれたようで良かったです。
はなはな 2007/07/02(月) 20:53:18) 編集

うわ~(羨望のタメ息)
読んでいて舞台が眼に浮ぶよう・・・
都会派お坊ちゃまお嬢ちゃまのマチュー・マチルドペアもパリオペならではですし、村の青年団リーダー、二コラとドロテの優しいPDDもさぞ似合っていただろうと・・・。
本当にLONDONの観客にも観ていただきたいですよね。
というか、わたくしが観たいです~。

それにしても、都さんの音楽性はやはり特別のものがあるのだな、と思わせられました。
maria 2007/07/03(火) 06:27:03) 編集


はなはなさん、きっと最後まで二人とも予定どおりに踊ってくれますよ!(ニコラすご~くご機嫌で元気でしたよ。)最後のpdd、何も難しいことしてるわけじゃないんだけど、じんわりきちゃうんですよね。このpddは2組ともしっかり「愛」があって成功してましたけど、ニコラとドロテの間にはとくに暖かなものが感じられて、もうジーンときてしまいました。

今回つくづく感心したんですけど、ニコラとマチューは本当に優しさと愛に溢れたパートナーですね・・・(ニコラには+包容力!)。あんなに素晴らしい二人にサポートされるドロテとマチルドは、ほんっとうに幸せ者!!と思っちゃいましたよ。


mariaさん、パリオペ版ラ・フィーユは本当に一見の価値ありですよ~。なるべく早めに再演してくれるといいんですが、次回はいつになることか・・・。

>>それにしても、都さんの音楽性はやはり特別のものがあるのだな、と思わせられました。

都さんと音楽との親近性というか一体感には背中がゾクゾクさせられることがありますね・・・リーズのような役柄では特に!

今回が初役の若い二人のダンサーとリーズの第一人者である都さんを比べても意味はないし、そもそも比べられることではないですが、2回の公演を見終わったあと、都さんの偉大さをひしひしと感じたことは事実です・・・
Naoko S 2007/07/03(火) 08:59:30) 編集

Naokoさん、みなさん、こんにちは。

私も待っていましたよ~♪
とっても面白そうですね~。"パリ・オペラ座の"『ラ・フィーユ・マル・ガルデ』。もんのすごぉーく観たくなってしまいました。 ニュース映像の情報も聞こえてこなくって、じりじりしてます。ちょっとでもいいから見たいのにっ。

アランやコールドが上手くいっているのが良いですよね! 最後の最後にアランが舞台を全部かっさらっていくシーン、私も大好きです~。 といっても、「ラ・フィーユ・・」は片手で数えられるほどしか観たことないんですけれど。(うち1回は、来日公演時の都さん&アコスタです^^)
mizuko 2007/07/03(火) 23:08:53) 編集


mizukoさん こんにちは。パリオペのラ・フィーユは、意外なほど(といってはナンですが)よかったです。やはり名作は国境を超え、スタイルの違いを超える力があるんだなあ・・・としみじみ感じ入ってしまいました。

>>(うち1回は、来日公演時の都さん&アコスタです^^)

ほ~ 都さんとアコスタが来日公演で踊ったことがあるのですか。映像撮りもこの二人でしてくれればよかったのに・・・ぶつぶつ。(いや、マリアネラもよかったですけどねえー でも、やっぱり都さんが・・・いじいじ。)
Naoko S 2007/07/04(水) 08:06:11) 編集

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