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パリオペ『ベジャール・プロ』 感想の続き
最後の『ボレロ』。『扉・・・』と『ボレロ』の間に休憩はなくて、オケ入場のためのポーズをはさんで続けて上演。面白かったのは、2日とも『扉・・』が終わってオケが入って来た時の観客の熱のこもった歓迎ぶり。ああ やっとまともな音楽が聴ける・・・という安堵からか、いよいよ真打ち・「名作」の登場!という期待感からか、盛大な拍手でオケを迎えていたような。

パリオペによる、パリでのボレロ上演は99年以来・・・とどこかで読んだ気がするのだが、これはミレニアム・ガラでギエムが踊ったときのことだろうか?とすると、カンパニーの定期公演での上演はもっと前に遡るのかもしれない。私自身も5年くらい前にBBLのロンドン公演で見たのが最後で久々の再会(ロンドンにいるとベジャール作品はほとんど見られないのです・・・)。この夜上演された3つの作品の中で、最もわかりやすく、ストレートに外に開かれた、発散型のダンス。何度見ても、実によく出来た作品だなあと感心させられる、まさに20世紀の古典。ダンスの原始の姿を思わせる単純で力強い動きとスタイリッシュなステージングがあまりに完璧に融合しているので、きわめて巧妙に創りこまれているようにも、音楽にインスパイアされてごく自然発生的に出来上がったようにも見える(恐らく両方?)。こんなにまんまとベジャールの術中にはめられていいのか?とちょっと悔しかったりもするくらいだけど、でもノセられるのが気持ちよく、快感でもある。

今回がパリで初役のニコラ(6/25)とマリ=アニエス(6/26)は、この二人ならではの個性が存分に発揮されたボレロを見せてくれた。舞台を見ている間中、3年前のオール・バランシン・プロで『四つの気質』を踊った二人を思い出していたのだけど・・・ニコラは“Flegmatique”(冷静沈着)、マリ=アニエスは“Colerique”(短気)だった。

ボレロといえば真ん中を踊るダンサーはどうしたってジョルジュ・ドンとの比較を免れられないけれど、私は幸か不幸かドンの伝説の舞台を実見したことがない。映像で見た限りでは、ドンのボレロから受ける印象は、圧倒的に「儀式としてのダンス」。シャーマンであると同時に自ら神への供物でもあるような・・・そんな ドンの宗教性はニコラのボレロにはない。私にとってニコラという人のいわく言い難い魅力の一つは、彼の「クール」さ。踊りにしても演技にしても、ヌレエフ世代の直球的なアプローチ・熱さとは対照的で、どこか醒めている。時としてそれが故に物足りなく感じられることもあるけれど、作品を得れば滅多にお目にかかれない凄い舞台を見せてくれる。ひと所にとどまることのない水のように自由でクールで、とらえどころがない・・・Flegmatiqueを踊った時に思わずハッとさせられたニコラならではの個性がまたしても感じられたボレロで、すごく面白かった。それから不思議と、一つ一つのポーズの美しさなど「型の美」はジークフリートを踊った時よりもずっとずっと冴えて見えた。カーテンコールでは一部スタンディング・オベーションを送っている観客もいて、ニコラは顔をくしゃくしゃにして何度も歓声に応えていて、本当に嬉しそうだった・・・

ニコラとは対照的にマリ=アニエスはとても熱いボレロ。この人はとてもエモーショナルなものを持っていて、またそれを表現することのできるダンサー。前から3番目と近くで見ていたせいもあると思うけれど、彼女のダンスはダイレクトに感情に訴えかけてくる。誘うような強い視線と、マリ=アニエスだからこその圧倒的なステージプレゼンスにぐいぐいと引き込まれる。ただ、時々ふっと集中力が切れるのか・気の迷いからかテンションが持続しないように見える瞬間があったのが残念。彼女がもっともっと自分を開放して、自由に踊ることができるようになったら、どんなにか素晴らしいボレロ・ダンサーになることだろう・・・・。

最後に忘れてならないのが脇を固める男性コール・ド陣。ベジャールが選んだだけあって、見た目よし・踊りのキレ抜群のパリオペ・男性ダンサーたちがいてこそのボレロの醍醐味。ただ一言、壮観でした。
2006-07-11 08:07 | パリ・オペラ座バレエ | Comment(7)
Comment
ブログ開設おめでとうございます。
ロンドンからの素敵なレポート、これから楽しみにさせていただきたいと思います。

久々に観る生の「ボレロ」。オペラ座のものは初めてだったので非常に期待していましたが、期待に違わずニコラの「ボレロ」、本当に一つひとつのポーズが美しかったと思いました。
マリ=アニエスの方は、用事があり観賞を断念。その日の舞台を観賞していたにもかかわらず、『扉と溜息~』の後で会場を出てしまったので正に後ろ髪を引かれる思いでした。Naoko Sさんのご感想を読み、ますます「あ~、観たかったわ!」と嘆いておりまする(笑)

男性コールド陣は本当に壮観!
パリ・オペラ座の豊富な人材に改めて感じ入りました。
るな 2006/07/17(月) 23:47:56) 編集

るなさん コメント第一号、ありがとうございます!

・・・えええ 26日、せっかくいらしていたのにマリ=アニエスのボレロを断念されたのですか それは残念でした・・・。いつか機会があったら是非、ご覧になれますように!私はこの二人のボレロなら、いつでも・何度でも見たい、と思いました。そう遠くない将来に再演してくれることを祈りたいですね。
Naoko S 2006/07/18(火) 08:13:36) 編集

ブログ開設おめでとうございます。(^^)

ニコラの「ボレロ」、うらやましい限りです。
私は、「ボレロ」は、ギエムを数回みただけです。
そして、いつもギエムをみてるだけ・・・。^^;

>最後に忘れてならないのが脇を固める男性コール・ド陣。ベジャールが選んだだけあって、見た目よし・踊りのキレ抜群のパリオペ・男性ダンサーたちがいてこそのボレロの醍醐味。ただ一言、壮観でした。

目が忙しそうです。^^
チカコ 2006/07/20(木) 22:14:18) 編集

チカコさん お越しくださって有難うございます。ギエムの後を継いで、今後はニコラが日本でボレロを踊ってくれる・・・という運びになるといいですね。(勿論マリ=アニエスも!) いやはや、本当に、目がもうワンセット欲しくなる舞台鑑賞でした。

Naoko S 2006/07/21(金) 05:46:04) 編集

Naoko Sさん、ブログ開設おめでとうございます。

オペラ座の「ボレロ」、リズムが本当に格好いいですよね(>_<) 初めて観た「ボレロ」がオペラ座だった私には、もう他の団のリズムでは満足できそうにありません。今回、エルヴェはもう観られないのは分かっていたけど、カールのリズムが観られなかったのが残念でしたー。

ところで、「椿姫」でマチューの胸毛を観た後だったせいか(笑)、リズムたちのさわやかな胸に、「これってやっぱりみんな剃ってるんだよね~」という超どうでもいいことを思いました。まさか、リズムの選抜基準は、「胸毛の薄い人」ってわけではないですよね~。

そういえば、ニコラも胸毛があるイメージがないんだけど、それはいつも綺麗な胸しか観てないからかなー。けっこう顔は髭モジャな時が多いから、胸毛はありそうだし・・・。

すっごいどうでもいい話で失礼しました・・・。
はなはな 2006/07/21(金) 23:47:47) 編集

はなはなさん こんにちは~。コメント有難うございました。

「リズムの選抜基準」 、鋭いところに目をつけましたね(笑)・・・なんて、やっぱり皆さん剃ってるんでしょうね。マメにしなきゃいけないだろうし、お手入れとかも大変そう~。カールのリズム、6月に一度見たときなかなかカッコいいなぁと思いましたが、先週末2回見たエマニュエル・ホフも好きでしたわ(彼は結構タイプなのです)。

マチューのアルマンをご覧になったのですね いいなあああ~~~~~。今回2回見た友人が、マチューを見ているだけで元気になるから絶対に見るべき!と言ってたのですが、キャスト変更で見ることかなわず・・・9月はどうしようかな、すごく迷っています。
Naoko S 2006/07/22(土) 07:44:35) 編集

このコメントは管理人のみ閲覧できます
- 2006/07/22(土) 21:17:13) 編集

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