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ボリショイ・オペラ 『炎の天使』
マリインスキー・バレエのショスタコーヴィチ・ミックスプロに挟まれた7月26日、ロイヤルオペラハウスでボリショイオペラを見てきました。プロコフィエフ作曲の『炎の天使』。
ボリショイ・オペラ 『炎の天使』 (The Fiery Angel)
Music: Sergei Prokofiev (Composed 1919-23, revised 1926)
Libretto: Sergei Prokofiev after the novel by Valery Briusov
Conductor: Alexander Vedernikov
Director: Francesca Zambello
Set designs: George Tsypin
Costumes: Tatiana Noginova

Cast
Renata: Tatiana Smirnova
Ruprecht: Boris Statsenko
The Fortune Teller: Evgenia Segenyuk
Mephistopheles: Maxim Paster
Agrippa: Roman Muravitsky
Faust: Alexander Naumenko
The Inquisitor: Vadim Lynkovsky
The Mother Superior: Elena Novak

<あらすじ>宗教改革期のドイツ。とある宿屋で騎士ループレヒトはレナータという女に出会い、身の上話を聞かされる。レナータは子供の頃から自分の守護天使であるマディエリ(実は悪霊)に魅入られ、彼への思いに取り憑かれていた。子供の頃は毎晩一緒に遊ぶベスト・フレンド的存在だったが、思春期を過ぎるとレナータのマディエリへの思いはプラトニックなものから、性的なものにかわっていく。心だけでなく肉体も彼と結ばれたいと熱烈に思いをつのらせるレナータだが、彼女が大人になったら人間の姿になって戻ってくる・・・と言い残して、ある日マディエリは消えてしまう。マディエリへの執着をたつことができないレナータは、「現実」の世界でのマディエリの化身と思われる男性・ハインリッヒ伯を見つけ生活を共にするが、彼もまたレナータを捨てて蒸発する。彼女はそのハインリッヒ伯を捜し求める旅の途上にあった。周囲の人間は彼女を悪魔に取り憑かれた魔女と侮蔑するが、ループレヒトはレナータに魅かれ、ハインリッヒ伯を捜す手助けをかってでる。

捜索に神秘思想家アグリッパの助けを借りようとして断られたり、紆余曲折の末二人はようやくハインリッヒ伯の居所をつきとめるが伯はレナータを拒絶する。侮辱されたレナータは一度はループレヒトに決闘をけしかけるが、一目伯の姿を見ると動揺して心変わり。気が変わった、彼を傷つけるのはやめてほしいとループレヒトを翻弄する。決闘は伯が勝利し、深傷を負ったループレヒトに愛を捧げることを誓うレナータだが、その気持ちは長く続かず、修道院入りすることを決意。一方傷の癒えたループレヒトはファウストとメフィストフェレスに出会い、彼らに影響を受ける。マディエリのヴィジョンを払拭できないレナータの言動は修道女たちまで惑わせ、ヒステリー状態に陥れる。異端審問官が悪霊祓いを試みるが失敗に終わり、レナータに磔の上火あぶりの刑を宣告する。

長々とあらすじを書いたのは、このオペラ、何よりリブレットが魅力的だったので。一女性のオブセッションを神秘思想に絡めた実に面白い話で、原作を読んでみたくなった。ちなみにこのプロダクションでは舞台はオペラが作曲された20年代のソヴィエトの団地群に置き換えられている。また、最後の場面でレナータは弾劾・処刑されるのではなく、突如舞台に姿をあらわした透明のカプセルみたいなものに乗って、天空に逃がれる。魔女と断じられて地獄に落ちるどころか、これではまるで被昇天・・・かなり大胆な解釈のように見えるが、演出家フランチェスカ・ザンベッロの弁明によると、「フィナーレの音楽は終末論的であると同時に高揚感に満ちている・・・圧倒的な迫力で『神々の黄昏』(ワグナーの)を彷彿とさせる」から、ということらしい。

売れっ子ザンベッロ(シラノの演出家でもある)のプロダクションとあって、現代的ですっきりと洗練された舞台。ロイヤル・オペラの作品といっても通りそうな、そういう意味では特にボリショイらしさがあったかどうかは私には判断できないけれど、全体に非常に有能でよく出来たプロダクション、という印象をもった。セットはシンプルで、遠目には黒光りした花崗岩の塊のように見える建物(団地?でも表向きルネッサンス様式みたいだった)が背景にある。最初から最後までセットはこれだけ・・・ちなみに照明があたるとキラキラして綺麗だったんだけど、これはファイバーグラスでできているせいらしい。この建物が最後にぱっくり割れて建物内部(家具とかトイレとか・・・)が露わになる。床はナイトクラブを思わせるようなつやつやした真っ赤なフロアで、花崗岩色のセットとのコントラストがシャープで洒落ていた。肝心の音楽部門も不服なし。プロコフィエフのエッジーでグラフィックな(とても視覚的というか・・・)スコアはボリショイ管の演奏で生々しく迫ってきたし、歌手陣は安定した歌唱力が印象的。特にヒロイン・レナータはほぼ出ずっぱりで大変な役どころだが、ソプラノのタチヤナ・スミルノワは声質も美しく、取憑かれた女の狂喜と至福を存分に伝えて、好演。

*演出家ザンベッロがプロダクションに寄せたコメント(プロモーターのサイトより)

http://www.victorhochhauser.co.uk/bolshoi_ballet/bolshoi_ballet_roh2006/bb_roh_2006_opera_fz.htm
2006-07-31 07:48 | オペラ | Comment(0)
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