■ボリショイ・バレエ 「コッペリア」 (7/22,23)
ふう~夜が明けたら早くもボリショイweeks・二週目に突入してしまいます。その前に、ささっとコッペリアのメモを。
Bolshoi Ballet "Coppelia"
22nd & 23rd July 2010 @ Royal Opera House
Choreography by Marius Petipa and Enrico Ceccheti
Revival and new choreographic version by Sergei Vikharev
Set design by Boris Kaminsky
Costume designs by Tatiana Noginova
Lighting Design by Damir Ismagilov
Premiere: 25th May 1870, Theatre Imperial de l'Opera
Premiere of this version: 12 March 2009, Bolshoi Theatre
Orchestra of the Bolshoi Theatre
Conductor: Igor Dronov
Cast
Swanilda: Natalia Osipova (22), Anastasia Stashkevich (23)
Franz: Ruslan Skvortsov (22), Viacheslav Lopatin (23)
Coppelius: Gennady Yanin
L'Aurore (Dawn): Ekaterina Krysanova
La Priere (Prayer): Anna Nikulina (22), Victoria Osipova (23)
Le Travail (Work): Anastasia Yatsenko
La Folie (Folly): Anna Leonova
いまや19世紀のバレエ作品<復刻>請負人?セルゲイ・ヴィハレフの手になるコッペリアのロンドン・プレミエ。大変大雑把な印象としては、ロイヤルのドゥ・ヴァロワ版もそうだけど踊りに語らせるスタイルというか、変に凝った心理劇風の味付けなどはなし。コッペリウスはやや変わり者のアウトサイダーとして描かれているけれど、ミステリアスな存在ではなくて、わりとフツーのおじいさん。(そう見えたのは、ヤーニンのナチュラルな演技のせいもあるかも・・・。)あと、マイム・シーンがとても丁寧に語られていたような印象が。全体に軽やかで、イノセントな気分に満ちたプロダクションで、踊りを楽しむにはうってつけ。
初日の主役ペアはオーシポワ&スクワルツォフ。オーシポワはともかく元気一杯、磐石すぎるテクニックには、もう笑うしかない状態。演技は、というか表情にメリハリがあるのはいいんだけど、勝気でcheekyな表情がまさりすぎていて、私的にはチャームに欠けるなあ・・・と感じてしまった。(勿論舞台を見ながら都さんのコッペリアを思い出してましたよ・・・)
まあしかし、そういう部分は置いといて、純粋に動いているオーシポワを見ることはバレエ・ファンとしては喜び以外の何物でもないですね。才能の塊り、というか、バレエってほんとに才能が全てだなあ こういう風に生まれつかなきゃいけないのか・・・と、彼女を見ながらそんなことばかり頭をよぎっていた。(相変わらずポワントシューズの音をさせない技術にも痛く感心。ジュテの着地でも靴音がまったくしない・・・!)
やや痩せて?大人っぽくなったスクワルツォフにはこの役柄はちょっと厳しかったかな。彼はユーモラスな表情なんかとても上手いので、コミカルな演技も悪くはなかったけど、雰囲気合ってない。で、やや落ち着いちゃってる風の彼と、ちゃきちゃき・コッペリアというよりはキトリみたいなオーシポワとの組み合わせは、見事なまでに、まったく合ってませんでした。(誰だ~配役したの~!)
二日目のペアの方がカップルとしてはより自然だった。明るい小川の女学生・ガーリャ役でおなじみのスタシュケヴィッチは、ランクはまだソロイストだけど、技術的にはまったく危なげなく、見事。(踊りの鮮烈さという点ではオーシポワに遠く及ばないけど・・・)彼女は特に二幕の人形振りのシーンがよかった。パートナーのロパーチンは、フランツ役の唯一の見せ場・三幕のpddのVで度肝を抜いてくれた。ちょっとブルノンヴィル版ジェームスの振付を彷彿とさせるパが出てくるVなんだけど、若々しくもソリッドで力強い踊りを披露してくれて、場内沸きに沸いた。(彼もランクはまだソロイスト??)
最後に、両日のベスト&ワースト・パフォーマーの発表~。まずは悪い方から。
・・・オケ。許し難い。私的にあれをドリーブとは呼びたくないです 絶対に。特に酷かったのが序曲とマズルカ。やかましく・けたたましく鳴ってるだけの荒くれた演奏で、音のニュアンスも色もあったもんじゃない(軍艦マーチかと思ったよ・・・。ニ、三幕は慣れたせいか?あまり気にならなくなっていたが)。以前も書いた気がするけど、コッペリアの音楽ってどこを切り取って聴いても(なぜか)血が燃え滾るという体質の人間なので、オケの演奏が好みでないと、ほんと、がっくりくるわ・・・。(休憩時間に会った常連に愚痴ったら、オケはミハイロフスキーの方がいいね、って・・・。)
さて、ベストはこちら、キャラクター・ダンス軍団と、三幕の時の踊りに登場した女性コール・ド。一幕のキャラクター・ダンス、マズルカは(オケのせいで)あまりノれなかったんだけど、チャルダッシュはも~大満足。見た目も動きもバシッときまった集団の、規律よくエネルギッシュなダンスに、鳥肌がたった。時の踊りのお嬢さんたちも、まーほんとにどなたも綺麗で美しく揃った踊りをみせてくれて、感涙もの。(皆さん 来てくれてありがとう~。スパルタクスで男性コール・ドのヘタレぶりにひるんだけど、憂うに及ばず・・・大丈夫そうだわ。)
Bolshoi Ballet "Coppelia"
22nd & 23rd July 2010 @ Royal Opera House
Choreography by Marius Petipa and Enrico Ceccheti
Revival and new choreographic version by Sergei Vikharev
Set design by Boris Kaminsky
Costume designs by Tatiana Noginova
Lighting Design by Damir Ismagilov
Premiere: 25th May 1870, Theatre Imperial de l'Opera
Premiere of this version: 12 March 2009, Bolshoi Theatre
Orchestra of the Bolshoi Theatre
Conductor: Igor Dronov
Cast
Swanilda: Natalia Osipova (22), Anastasia Stashkevich (23)
Franz: Ruslan Skvortsov (22), Viacheslav Lopatin (23)
Coppelius: Gennady Yanin
L'Aurore (Dawn): Ekaterina Krysanova
La Priere (Prayer): Anna Nikulina (22), Victoria Osipova (23)
Le Travail (Work): Anastasia Yatsenko
La Folie (Folly): Anna Leonova
いまや19世紀のバレエ作品<復刻>請負人?セルゲイ・ヴィハレフの手になるコッペリアのロンドン・プレミエ。大変大雑把な印象としては、ロイヤルのドゥ・ヴァロワ版もそうだけど踊りに語らせるスタイルというか、変に凝った心理劇風の味付けなどはなし。コッペリウスはやや変わり者のアウトサイダーとして描かれているけれど、ミステリアスな存在ではなくて、わりとフツーのおじいさん。(そう見えたのは、ヤーニンのナチュラルな演技のせいもあるかも・・・。)あと、マイム・シーンがとても丁寧に語られていたような印象が。全体に軽やかで、イノセントな気分に満ちたプロダクションで、踊りを楽しむにはうってつけ。
初日の主役ペアはオーシポワ&スクワルツォフ。オーシポワはともかく元気一杯、磐石すぎるテクニックには、もう笑うしかない状態。演技は、というか表情にメリハリがあるのはいいんだけど、勝気でcheekyな表情がまさりすぎていて、私的にはチャームに欠けるなあ・・・と感じてしまった。(勿論舞台を見ながら都さんのコッペリアを思い出してましたよ・・・)
まあしかし、そういう部分は置いといて、純粋に動いているオーシポワを見ることはバレエ・ファンとしては喜び以外の何物でもないですね。才能の塊り、というか、バレエってほんとに才能が全てだなあ こういう風に生まれつかなきゃいけないのか・・・と、彼女を見ながらそんなことばかり頭をよぎっていた。(相変わらずポワントシューズの音をさせない技術にも痛く感心。ジュテの着地でも靴音がまったくしない・・・!)
やや痩せて?大人っぽくなったスクワルツォフにはこの役柄はちょっと厳しかったかな。彼はユーモラスな表情なんかとても上手いので、コミカルな演技も悪くはなかったけど、雰囲気合ってない。で、やや落ち着いちゃってる風の彼と、ちゃきちゃき・コッペリアというよりはキトリみたいなオーシポワとの組み合わせは、見事なまでに、まったく合ってませんでした。(誰だ~配役したの~!)
二日目のペアの方がカップルとしてはより自然だった。明るい小川の女学生・ガーリャ役でおなじみのスタシュケヴィッチは、ランクはまだソロイストだけど、技術的にはまったく危なげなく、見事。(踊りの鮮烈さという点ではオーシポワに遠く及ばないけど・・・)彼女は特に二幕の人形振りのシーンがよかった。パートナーのロパーチンは、フランツ役の唯一の見せ場・三幕のpddのVで度肝を抜いてくれた。ちょっとブルノンヴィル版ジェームスの振付を彷彿とさせるパが出てくるVなんだけど、若々しくもソリッドで力強い踊りを披露してくれて、場内沸きに沸いた。(彼もランクはまだソロイスト??)
最後に、両日のベスト&ワースト・パフォーマーの発表~。まずは悪い方から。
・・・オケ。許し難い。私的にあれをドリーブとは呼びたくないです 絶対に。特に酷かったのが序曲とマズルカ。やかましく・けたたましく鳴ってるだけの荒くれた演奏で、音のニュアンスも色もあったもんじゃない(軍艦マーチかと思ったよ・・・。ニ、三幕は慣れたせいか?あまり気にならなくなっていたが)。以前も書いた気がするけど、コッペリアの音楽ってどこを切り取って聴いても(なぜか)血が燃え滾るという体質の人間なので、オケの演奏が好みでないと、ほんと、がっくりくるわ・・・。(休憩時間に会った常連に愚痴ったら、オケはミハイロフスキーの方がいいね、って・・・。)
さて、ベストはこちら、キャラクター・ダンス軍団と、三幕の時の踊りに登場した女性コール・ド。一幕のキャラクター・ダンス、マズルカは(オケのせいで)あまりノれなかったんだけど、チャルダッシュはも~大満足。見た目も動きもバシッときまった集団の、規律よくエネルギッシュなダンスに、鳥肌がたった。時の踊りのお嬢さんたちも、まーほんとにどなたも綺麗で美しく揃った踊りをみせてくれて、感涙もの。(皆さん 来てくれてありがとう~。スパルタクスで男性コール・ドのヘタレぶりにひるんだけど、憂うに及ばず・・・大丈夫そうだわ。)
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2010-07-26 08:35
| ボリショイ・バレエ
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