ショパン・ソサエティ in UK
ずーっと棚上げ状態の都さんイベントのレポ、今日こそ書こう!と思っていたのだけど、昨日ちょっと面白い所に行って来たので、こちらを先に・・・

- 友人Jが数ヶ月前にショパン・ソサエティなる組織に入会した・・・という話は聞いてたのだが、いきなり、三日前に、ここが主催する内輪のコンサートで一曲弾くことになった・ついては聴きにきませんか、と誘いがかかった。演奏者一人につきチケット一枚しか配布されず、あとは協会会員のみが集うexclusiveなコンサートときいて、特にショパン好きでもなく・聴く耳のない人間が行くのも悪いのでは・・・と迷ったのだが、彼女の友人・知人の中で会場のあるリッチモンドに地の利がいいのは私だけ・他に行けそうな人がいないというので、何も予定のない三連休真ん中の日曜日、それなら、と出かけていった。(リッチモンドはロンドン、というかイギリス有数のスーパー・ポッシュ、お洒落な町。テムズ川沿いの景観が抜群に素晴らしくて、町の雰囲気が明るく・ポジティヴ・オーラを発してる感じが好きで、私もたまに遊びに行く。)

- 会場はPetersham Lodge、渡されたアドレスには通りの名前が記されているだけで番地がない。どこぞのPrince & Princess所有の邸宅、と言ってたけど、実際行ってみるとこの通りは邸宅だらけで、迷うこと暫し。(街の中心からはちょっと離れたこの辺りは初めて来たのだが、meadowがあったり立派なカントリーハウスがひしめいていて、お金持ちの住むヴィレッジという風情。さすがリッチモンド・・・ちなみに、会場を提供なさった"Princess"もコンサートの出演者として登場してました。)着いてみると、Petersham Lodgeは建物自体はさほど大きくなくて(勿論一般家屋よりは大きい)、部屋数も特別多くはなさそうだったけど、庭が広くて立派だった。ピアノは決して広くない踊り場のようなスペースに置かれていて、オーディエンスはそこにすし詰め状態。ざっと50人ほどいただろうか。

- コンサートは前・後半に分かれていて出演者は総勢14名。全員がショパンを弾くわけではなく、他の作曲家もちらほら混じっていた。皆さんアマチュアなのですが、奏者のレベルはバラバラ・・・というか、かなーりチャレンジャーな方もいて・・・ちょっと驚いた。で、上手い方も玄人はだしとか思わせるほど上手いわけでなく。(前者カテゴリーのツワモノになると、最初のうち何を弾いてるのかさっぱりわからないんですよ・・・訥々とした抑揚のない弾き方で、"これはひょっとして、モンク風ヘタウマ奏法か?"と一瞬思わされるものの、ただ単に、ヘタだっただけという・・・。)

- んなことピアノを弾けもしない人間に言われたくないよ~でしょうけど、これが日本だったら・・・とついつい考えざるをえず。昔、ピアノ弾きの妹の発表会やらコンサートやらよく行ったものですが、日本人ってこう、大体均質にそこそこのレベルを達成してるじゃないですか それがいいか悪いかは別として。で、多分一定のレベルに達してないと思ったら、恥ずかしくて人前で演奏なんてとても・・・と自粛してしまうんじゃないか。こちらは、超・マイペースなんですね。自分の弾きたい曲を・自己流で弾いてみましょう、で、観客がどう受け取るかとか殆ど興味なさそう。(大体出演者の皆さん、他の人の演奏をさほど熱心に聴いてる風でもなかったし・笑)彼等にとっては年に一度、同好の士が集まって場を楽しむことの方がはるかに重要なのかな。身内とはいえオーディエンスがいる以上はそれなりの演奏を披露すべき、などとついつい考えてしまう自分は、器が小さすぎなのかなあ・・・。(ちなみに私の友人は、子供の頃ピアノを習っていたけれど今は家にキーボードしかなくてたまに気分転換で弾くだけ・・・というoccasional pianist。コンサート出演の誘いがかかったときは、『私でいいのー??』と心底びびったらしい。)

- 絵画や美術品で装飾されたこじんまりした空間でピアノの音に耳を傾けていると、昔昔、ヨーロッパの上流階級の家庭でピアノ・コンサートが開かれていたときはこんな雰囲気だったのかなーとふと思ったり。そして、まあこの機会だけ捉えて比較するのもなんだけど、(日頃薄々感じていたように)日本のアマチュア音楽家のレベルはやっぱり高いんだなあと再認識させられた、面白いイベントだった。
2010-05-31 22:21 | 英国生活 | Comment(2)
「ムサシ」@バービカン・シアター (5/8)
ニナガワ&Co.のロンドン公演、ぼやぼやしてたら 見てから既に一週間たってしまった・・・手短に、自分用メモを。

- 千秋楽に鑑賞。ほぼソールドアウトだったのだけど公演直前にラッキーにも知人に譲ってもらったチケットは、なんと最前列・ど真ん中。(これで10ポンドって安すぎでは・・・)手を伸ばせば舞台に手が届きそうな近さだったので臨場感ばっちり。面白い発見だったのは、これだけ近いと舞台に入り込んじゃう感覚かなぁと予想していたのが、逆に、見る目がやけに冷静というか客観的になっていたこと。

- 上演時間正味3時間近くあっただろうか 長かったけど、終始軽妙なテンポですすむので飽きずに見られた。こんなにコメディタッチの作品とは知らず、嬉しい誤算。いつもながら美術も音楽もセンスがよくて、全体に完成度が高く、サービス精神に満ち満ちているところには敬服。

- 役者の中で最も印象が強烈だったのは、木屋まい役の白石加代子。見事なタコ踊り(?)で笑いをとり、鬼気迫る演技を披露してくれたけど、言葉は悪いけど、この方は既に存在自体がモンスターじみているので、突出し過ぎて他とのバランスが・・・(主役ならいいんでしょうけれどねえ 脇役はできない役者なのでは・・・)。柳生宗矩役の吉田鋼太郎、この方も上手かった。百戦練磨のベテランという風情で、逆に危うさがなさ過ぎかもという感がなきにしもあらずだったけど、この人の存在が舞台を引き締めていたことは確か。

- 主役・武蔵は藤原竜也。日本では大人気らしいですが、勿論私は初見。顔立ちがやや女の子っぽいせいかあまり色気は感じられなかったなあ。最前列で見ていたけどフェロモン飛んでこなかったのが、ちと残念(何に期待して見てるんだか・・・)。声はなかなか素敵だった。

- 佐々木小次郎役の勝地涼。台詞回しはやや一本調子なところがあったけど、この方運動神経良さそうというか、立ち居振る舞いはなかなかキマっていた。復讐心に燃える女人二人(+使用人)に剣術のいろはを指導するシーンでの姿勢の良さと動きのしなやかさにはっと目を惹きつけられた。(このシーン、後半全員がタンゴ風の音楽にのって基本動作を繰り返すのだけど、テンポがよくて愉快で、観客に大受けだった。)

- 最後、あっと言わせる仕掛けが待ってるのだけど、ここは、私的には「それはないよ~(甘いよ)」と反応してしまった。このソリューションには作者のメッセージというか祈りが込められているのだろうけれど、納得できなかったオーディエンスがここに一人・・・。

- カーテンコールではスタオベするお客さんも沢山いて反応はすごくよかった。(この日はお客の大半は日本人だったような・・・少なくともストールズの前列ブロックは圧倒的に日本人率が高かった。)蜷川氏、役者さんたちと共に故・井上ひさし氏も万雷の拍手をあびていた(勝地さんが井上氏の遺影を抱いていた)。

☆ Musashi @ Barbican Theatre

作 井上ひさし(吉川英治「宮本武蔵」より)
演出 蜷川幸雄
音楽 宮川彬良

宮本武蔵・・・・・藤原竜也
佐々木小次郎・・・勝地涼
筆屋乙女・・・・・鈴木杏
沢庵宗彭・・・・・六平直政
柳生宗矩・・・・・吉田鋼太郎
木屋まい・・・・・白石加代子

平心・・・・・・・大石継太
浅川甚兵衛・・・・塚本幸男
浅川官兵衛・・・・飯田邦博
忠助・・・・・・・堀文明
只野有膳・・・・・井面猛志
2010-05-17 09:34 | 未分類 | Comment(2)
ファン・ディエゴ・フローレス リサイタル (5/7)
都さんのトーク・レポがまだ書けてないけど、私にしては珍しく二夜続けてバービカンに行って来たので、忘れないうちに自分用メモを・・・まずは金曜のフローレス・コンサートから。

- 前回、喉の調子が悪くて後半はかなり可哀想なことになっていたあのコンサートと比べると、格段に良い出来。ピアノだけを相棒にしたintimateな雰囲気のコンサートに、この会場は大きすぎるよなあ・・・という気はしたけど。(フローレスはbig voiceの持ち主じゃないので、最上階までちゃんと声届くのかなぁと危惧していたが、バルコニーに座っていた友人のレポによれば、問題なく聴こえたと。)

- 前半は専らロッシーニの小品集から(Wikiによれば「サロン・ミュージック」)。上手いなあ・・・と唸らされはするものの、今ひとつ乗り切れずに睡魔に襲われそうになる瞬間あり。ここのところジャズばっかり聴いててすっかりジャズ脳になってしまってるせいか、あまりに心地よく品の良い彼の歌声・整ったサウンドに反応できなくなってるんだろうか ひょっとして・・・。(いかんなあ・・・)

- 二部はスペインのフォークロア風の歌曲(サルスエラ?)が続く。初めて聴く曲が大半なのでなかなか面白かった。が、どうも、なにかしっくりこない・いささかの違和感も感じられて・・・。フローレスの声質があまりに浮世離れした・天上的な性質のもののせいか、この種の庶民的な(大地にしっかり足がついてる)ナンバーは、私の耳には強く迫ってこなかった。私的に一番気に入って・もっと聴きたいと思わされたのはアンコール二曲目のフランス語のオペラ・アリア?あと、初めて(彼で)聴いた、これまたフランスもののウェルテルのアリアもなかなかよかったなあ。一番最後、アンコール四曲目は、ご愛嬌というかんじでリゴレットのアリア。(ピアノがあの旋律を奏で始めると、オーディエンスがどっと沸いていた。)ケレン味たっぷりに、コントロール力の確かさをみせつける終わり方に、客席は大喜びだったけど、生で聴いて、この曲はやっぱり彼には向いてないな・・・と確信してしまった。(なまじテクニックが優れてるだけに、役の向き不向きを決めるのはテクニックじゃないんだなーと改めて感じ入った次第。)

- この国のオペラ・オーディエンスに最も愛されているパフォーマーといって過言ではないフローレス、この夜もお客さんの喜びようは、そりゃーもう凄かったです。もう、ほとんどアイドル歌手のファンのノリ、会場内には"はあと"マークが盛んに飛び交っていて、満員の観客のラブラブ光線を一人果敢に受け止めるラブリーなテナーに、別の意味でも感心してしまった。 

☆ Juan Diego Florez in recital @ Barbican Hall

Piano: Vincenzo Scalera

Domenico Cimarosa
- Il matrimonio segreto - Pria che spunti in ciel l'aura

Gioachino Rossini
- Peches de vieillesse, Book 1 - No. 2, La lontananza
- Peches de vieillesse, Book 3 - No. 9, Le Sylvain
- Soirees musicales - No. 4, L'orgia
- Otello - Che ascolto! ahime! che dici!

INTERVAL

Jose Serrano
- La alegria del batallon - El mismo rey del moro

Agustin Perez Soriano
- El guitarrico - Suena, guitarrico mio

Rafael Calleja & Tomas Barrera
- Emigrantes - Adios Granada, Granada mia

Amadeo Vives
- Dona Francisquita - Por el humo

Jules Massenet
- Werther - Pourquoi me reveiller?

Adrien Boieldieu
- La dame blanche - Viens, gentille dame

ENCORE
- "Cessa di più resistere..."
- French operatic aria?
- Peruvian folk song?
- "La donna e mobile..."
2010-05-10 02:22 | オペラ | Comment(15)
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