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スティングのウィンター・ソング
今夜BBC1で見た音楽番組がとてもよかったので、少々メモ書き。

イングランド北東部・ニューカスル出身のミュージシャン・スティングが、地元にほど近いダラム大聖堂で行ったコンサートのメイキング・ドキュメンタリー。事の起こりは(レコード会社から?)「クリスマス・レコードを創ってくれ」という要請があったのを、スティングが多少幅を広げて「ウィンター・レコード」のコンセプトで創作開始。ロック、フォーク、クラシックなどジャンルの異なるミュージシャン達を集めて、イギリスに古くから伝わるフォーク、キャロル、バラードをアレンジしたり(これらが大半)、スティングが自分の好きな詩にインスパイアされて創ったオリジナル曲があったり。このプロジェクトで初めて集結したミュージシャンたちが一から音楽を創り上げていく様子をカメラが追いかけているのを見て、(以前記事にした)"Bring on the Night"をちょっと思い出したりして。総勢35人のミュージシャンの中にはツィター奏者がいたりモロッコのパーカッショニストがいたり、本当に多種多様。さらに本番のコンサートでは、大聖堂付きのクワイヤが登場するは、リバーダンスを披露する少女がいるは、なんとも楽しい。

スティング自身が、「(ロックならロック、ジャズならジャズというように)純粋に"これ"、という形式にこだわるよりミックスするのが好きなんだよね」と語っていたけれど、この種のクロスオーバーの試みが彼はほんとに上手いですね・・・今回は彼一人でなくプロデューサーの存在にも助けられていましたが。私的に一番興奮したのは、数時間のリハーサルの後に宿舎?に戻ってきた一団が繰り広げたジャム・セッション。皆殆ど陶酔状態でジャムに没頭している姿を見て、音楽家っていいなぁ~!と心底羨ましくなった。

久しぶりに地元に戻ってきたスティングが(ダラム大聖堂を訪れたのは実に40年ぶりだとか!)ニュー・カスルの街を案内してくれたり、昔の音楽仲間と再会するシーンが挿入されたていたり、これも興味深かった。北の男・スティングは冬が大好きなのだそうです。彼がこの季節について語っていた言葉でとても印象的だった部分を最後にご紹介・・・(注:訳は適当です。なんとなくこんな感じだった、ということで):

-インタビュアー:貴方は少々メランコリックな気質入ってますよね balladierであり、ストーリー・テラーでもあり・・・実際、冬という季節が性に合っているのでは?

-スティング:そうね、冬はメランコリックな季節だし、僕自身確かにその傾向があるけど、それが悪いことだとは思わないよ。メランコリック、というのは、要すれば・・・深く物を考える力がある、ってことだから。冬は沈思黙考の季節なんだよね。

それと、想像力に翼が生える季節でもあるよね・・・幽霊や精霊がそこいら中に。魔法とか不思議な出来事とか・・・で、勿論これらは聖歌の中にもある要素なわけで。聖母受胎を信じるか否かに関わらず・・・僕自身は不可知論者だけど、それでも美しい物語だと思ってるよ。復活と季節性・・・この二つのアイデアは、イエスの復活と冬という季節を通じて感知されるわけだけど、特にイエスの復活が象徴するもの--「生と死」、これは僕個人にとっても重い意味を持っている(共感できる)。僕は聖なるものと俗なるもの("sacred and secular")、この二つを結び付けたいんだよね。結局のところ両者は同じもの・違いはない、ってことを示したいんだよ。

☆ この番組、UK在住の方はiplayerで再生可能です(7日間有効)。ご興味ある方はお試しを:

http://www.bbc.co.uk/iplayer/episode/b00pl1cf/Stings_Winter_Songbook/
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2009-12-30 11:34 | 音楽 | Comment(0)
ウィーンフィル・ニューイヤー・コンサート2010&ジロのビデオ
いよいよ年の瀬・・・一週間後に迫ったニューイヤー・コンサート、注目のバレエ部門のゲスト・ダンサー、今回は誰かなぁと思っていたら、エレオノーラ・アッバニャートとニコラ・ル・リッシュなんですね~。

ダンソマニに紹介されていたこのリンク↓から見たのですが、衣装をかのヴァレンティノが手がけているそうで、鮮やかな赤のドレスを纏ってニコラにエスコートされるエレオノーラが、素敵~。(髪をダークに染めているので一瞬誰かわからなかったのだけど、なかなか似合ってますね~)

http://www.artforart.at/Content.Node/content/news/news.en.php

あとちょっとググってみたところ、こんな情報が↓。バレエ・シーンの撮影は、今回初めて美術史美術館で行われたとか。レナート・ツァネラ振付で、ポルカ"Ein Herz, ein Sinn"とワルツ"Morgenblätterwalzer"の二曲で踊られる模様。

http://www.austriantimes.at/news/Business/2009-10-21/17421/New_Year's_Concert_ballets_at_Museum_of_Art_History

肝心の当日のフル・メニューはこちらのサイトから見られます。指揮は二度目の登場(?確か)、ジュルジュ・プレートルさん。英国でのTV放映は、1月1日(金)11:15~、BBC2にて。

http://www.wienerphilharmoniker.at/index.php?set_language=en&cccpage=newyearsconcert

それからこれ、ちょっと面白かったので貼っておきます。マリ=アニエス・ジロがフレンチ・ポップス・シンガー(でいいのかな?)バンジャマン・ビオレーのビデオ・クリップに出演・踊っています:

http://www.youtube.com/watch?v=xtmVTfGJUzA

NBSサイトのジロ・インタビューで言及されてたのに興味をひかれて映像探してみたのですが、振付はジロさん自身がされたとのことですが・・・。彼女は綺麗だけど、ビデオ自体は・・・ちょっと笑ってしまいました スミマセン・・・(アナクロすぎでは~~?)フランスではこういう音楽が流行ってるのね~と面白い発見ではありました。
2009-12-26 08:45 | 情報系(ニュース、公演) | Comment(7)
ボリショイ・バレエ ロンドン公演2010!
一年のうち一日だけ、街が<ほんとに>静まり返るクリスマス・デー。ロンドンは、寒いけど快晴で穏やかな一日でした。明日から一気に冬のセールが始まってまた騒々しくなるので、この静けさもほんの束の間・・・

さて、ロンドンor英国在住の皆様にクリスマス・プレゼント(?)、ボリショイの来夏のROH公演・詳細が発表になっています:

http://www.roh.org.uk/bolshoi/index.aspx

以下、ballet.coからのコピペです:

Spartacus
19 / 20 / 21 / 31 July at 7.30pm / 31 July at 2.00pm

Coppelia
19 / 20 / 21 / 31 July at 7.30pm / 31 July at 2.00pm

Serenade / Giselle
22 / 23 / 24 July at 7.30pm / 24 July at 2.00pm

Russian Seasons / Petrushka / Paquita
29 / 30 July at 7.30pm

Le Corsaire
2 / 3 / 4 / 5 August at 7.30pm

Don Quixote
6 / 7 August at 7.30pm / 7 August at 2.00pm / 8 August at 3.00pm


※チケット発売はフレンズ・2010年3月2日、一般・4月6日開始。チケット価格は10~97ポンド。

スパルタクスとコッペリアの日程が同じになっていて、明らかにどちらかが間違い。オペラハウスのサイトには、"シーズンの幕開け演目はスパルタクス”とあるので、コッペリアは翌週ということかな?

ロンドン初演作品がそのコッペリアを含め三つもあって嬉しいのだけど(あとの二つはロシアン・シーズンとパキータ。あ、ひょっとしてペトルーシュカも?)、昨夜本拠地でプレミエ上演されたばかりの「エスメラルダ」も持って来てほしかったなぁ・・・。ballet.coにマーシャとスクワルツォフによる舞台レポ映像へのリンクがポストされていて、これを見てしまったので・・・あああ全編見たいよう。

http://www.1tv.ru/news/culture/158183

あと、ロンドンでの上演は久々の「ジゼル」ですが、「セレナーデ」とのカップリングという美味しいプログラム構成になっています。昔々、ロシアで、だったかな?ジゼルを上演するときは他の小品との二本立てで見せるのが普通だったという話をきいたことがあるけど(ジゼルだけでは短いと思われていて)、最近はこういう趣向は珍しいですよね。少なくともロンドンでこういう形で上演されるのを私が見たのは、97年のキーロフ(当時)のコロシアム公演が最後だったような・・・(シンフォニー・イン・Cとジゼルの二本立てだった。)

尚、バレエ団の公演の後にはオペラの上演も予定されています。演目は「オネーギン」、公演期間は8月11日~14日。
2009-12-26 00:43 | ボリショイ・バレエ | Comment(3)
パリオペラ座バレエ 「バレエ・リュス・ガラ」(12/16) Part 2
続きの前に・・・この日は通常のバレエ・リュスのプログラムに特別な写真集がついて、20ユーロで販売されておりました。写真集は表紙が例のバクストによる牧神画、なかなか洒落たデザインのつくり。中味は出演ダンサーの写真集なのだけど、印刷が間に合わなかったのか、マチューがINのまま、玉突きキャスト変更で急遽登板となったヤン・ブリは写真がなくて可哀想・・・。

それから、キャスト・シートに記述があって初めて知ったのですが、このガラ公演は来年・来々年に予定されているパリオペのロシア公演(2010年ノボシビルスク、2011年モスクワ)をサポートする目的で開催されたんですね。(普通他国にツアーで行くときはこういうことしませんよね?ロシアではパリオペ公演は商業ベースにのらないということか・・・?)あとは大晦日公演の時みたく幕間に無料のシャンパンとおつまみ各種が振舞われたのですが、どれもとっても美味しかったです。(パルミジャーノ・レッジャーノが銀のお皿に山盛りにして供されていたのが、何ともデカダンでよかった~。)

☆ ジゼル二幕のpdd (コラリ、ペロー~プティパ~バール、ポリヤコフ/アダン)
パリ・オペラ座初演: 1841年
オレリー・デュポン、ルスラン・スクワルツォフ


見終わって数日たって、しみじみといい舞台だったなぁ・・・と思い出すのがこれ。実に素晴らしいジゼルpddだった・・・

この場面、ガラでよく上演されますが、見るたびにジゼル役のダンサーは大変だなぁと感心するんですよね。登場直後に精霊になりきらなきゃいけないのだから。オレリーは、見事に入り込んでました・・・表情も動きも、この世のものではない存在。自己を消して何ら意思をもたず、ただ白い儚げな物体がふわふわと宙を舞っているだけ、に見える冒頭部分。踊りすすむにつれて、顔の表情が微妙な変化をみせて、あの美貌がなんともいえず切ない表情を見せる瞬間があり、どきっ・・・勿論その動きはすみずみまで完璧にコントロールされていて。精霊の神秘性と生身の女性としての魅力が絶妙のバランスで同居している、かくも魅惑的な存在に、ただただ息をのむばかり。2009年も終わりを迎えようとしている今、今・見ることのできる、これは理想的なジゼルではあるまいか・・・と、ほとんど呆然と舞台を見つめていました。

パートナーのスクワルツォフがまた、よかった。彼は決してキラキラ・スターオーラのあるダンサーではないので、登場直後はオレリーの影に隠れて地味目なのだけど、バレリーナをたてるサポート技術の確かさと、ソロでみせた的確かつ丁寧な踊りにほっとさせられる(神は細部に宿る・・・のですよねえ・・・)。それに顔つきが以前に比べて逞しく・キリリとして見えたのも嬉しかった。いや、大変いいものを見せていただきました。

☆三角帽子から抜粋(マシーン、アレンジ:スザンナ・デッラ・ピエトラ/マニュエル・ドゥ・ファリヤ)
パリ・オペラ座初演: 1992年3月11日
ラ・タルド~粉屋の女房のソロ~ファンダンゴ~粉屋のソロ~ファルッカ~ラス・ウヴァス
ジョゼ・マルティネス、マリヤ・アレクサンドロワ


幕があがると、パネル画が・・・このバレエの登場人物らしき人々がイラスト風に描かれている(byピカソ。ちなみに当夜は黒鳥のpdd以外は何かしらセットがしつらえてありました。)ジョゼ@粉屋は伊達男でかっこよかったけど、想像していたほど色気ムンムンではなくて、ややがっかり(笑)。振付のせいかもしれないけど、動きがやや硬く・終始直線的に見えて、ちょっとしなやかさに欠けるというか。とてもストイックな舞台姿に、どうあっても消せないダンスール・ノーブルの本質が露になっていたような(それが素敵、ともいえるけれど)。ジョゼ大熱演で、後半のソロでは"うぉっ"という掛け声が聞こえて、その気迫におされるように、ソロが終わりきらないうちに観客も大喝采。一方のマーシャ@女房、こちらも男前~だけど色っぽくて、彼女は(これまた振付のせいかもしれないが)柔軟な身のこなしと、メリハリのある動きが素晴らしかった。やや哀切なムードを漂わせた音楽に合わせて(?)ゴージャスさを振り撒くというのではなく、顔の表情がダークな情熱を秘めたもので、これがまた良かった。(マーシャこういうキャラクテールな役も凄く上手いよね・・・10年以上前に見た、ドンQの街の踊り子の姿などがついつい頭をよぎってしまった。)

せっかくのジョゼとマーシャの共演、もっともっと見たかった。できればこれも幕上演してほしかったです・・・

☆ 白鳥の湖より黒鳥のpdt(プティパ・ヌレエフ改訂/チャイコフスキー)
パリ・オペラ座初演(ヌレエフ版): 1984年12月20日
スヴェトラーナ・ザハロワ、カール・パケット、ステファン・ビュヨン


・・・これはですねえ、え~っと・・・

思い出すと辛くなる、というかハラワタ煮えくり返る・・・ってな状況になるので、小声で・一言だけ。

どうせならザハロワ、一人で踊ればよかったのにねえ・・・(ボソボソ)。でもpddならぬこの版はpdtだから、あともう二人、どうしても頭数が必要だったのよね。とりあえず、ザハロワは元気に踊っていたので(high kicking連発、グランフェッテは全てシングル・正確で綺麗だった)、ファンの方は満足されたのでは。その証拠に?客席から盛んなブラヴォーがとんでました。(あ、キャストされた人に罪はありませんから。キャストした人が悪い!)

☆ ペトルーシュカ(フォーキン/ストラヴィンスキー)
パリ・オペラ座初演: 1948年4月7日
ペトルーシュカ: バンジャマン・ペッシュ、バレリーナ: ナタリヤ・オーシポワ、
ムーア人: ヤン・ブリダール、シャルラタン: ミカエル・ドナール
 

ペトルーシュカ、なんたって音楽が最高~大好き。それだけにオケの出来次第で天国か・地獄か、明暗分かれるわけですが、冒頭のフルートの音がはっとする美しさで、歓喜。(シャルラタン登場シーンのフルート独奏がまたよかったのです~思わずオケピを覗きこんでしまったのですが、中年の女性奏者が吹いておりました good job!)。あ~、も~、なんてカラフルな音楽!謝肉祭の熱狂と、魔術師の演出する幻想性・不気味さがないまぜになって・・・ぶるる。終始一貫、音に幻惑させられっぱなし。

さて、ダンス部門ですが。素晴らしかったのがバレリーナ役のオーシポワ。彼女一人に限らないけど、ボリショイのダンサーは踊りの輪郭が実にくっきりしていて・動きにメリハリがあるので、見応えあるんですよね。生き生きとした人形振りが舞台に活気を与えていて、たいしたもんだなぁ・・・と舌を巻いたけど、もっと沢山踊ってほしかったなあ・・・。タイトル・ロールを踊ったペッシュは、なんというか、正攻法?完全な道化師タイプ、という役作りに見えたのだけど、正直言って(その分面白味に欠けたか?)あまり強く印象に残ってなくて。ここはやはりベテラン・ダンサーの演じるペトルーシュカ(ルグリ・・・)を見たかったなぁと思ってしまったのだけど、仕方ありませんね。

さて、カーテン・コールの立ち位置ですが・・・

ど真ん中の"女王様"のポジションはザハロワとツィスカリーゼが占め(両者、互いに譲らず?笑)、彼等の両脇、ザハロワの隣はニコラ、ツィスカリーゼの隣はオレリー。指揮者を迎えにいったのは、アニエスでした。観客席の盛り上がりはまぁまぁといったところ?最後の幕が下りたあとは、向こう側で大歓声があがっていました。
2009-12-24 10:27 | パリ・オペラ座バレエ | Comment(4)
パリオペ「椿姫」映像・ウェブ公開!
ガラの感想が未完ですが、米フォーラムで美味しい情報を見かけたので・・・

DVD化されている、アニエス・ルテステュ&ステファン・ビュイヨン主演の「椿姫」がFrance3のサイトで全編見られます:

http://programmes.france3.fr/musique-classique/index-fr.php?page=la-dame-aux-camelias

いつまで見られるか定かでないので、ご興味ある方はお早めにどうぞ~。
2009-12-23 06:00 | パリ・オペラ座バレエ | Comment(4)
パリ・オペラ座バレエ 「バレエ・リュス・ガラ」(12/16) Part 1
ふう~寒。先週水曜、ちょうどパリに向かったあたりから欧州は寒気団にすっぽり覆われて、パリ二日目は雪に見舞われたのでした。今回も駆け足旅行で、もうちょっと長居しようかな・・・と出発前に一瞬迷ったのだけど、メイン・イベント(グルベローヴァのコンサート)が終わるやパリを後にして正解だったみたい・・・雪と事故のせいで、ユーロスターは私がロンドンに戻った数時間後から今に至るまでほぼ全面運休状態。一日旅程がずれていたら・・・と考えるとぞっとする。この週末にユーロスターで大陸をめざすはずだった旅行者の皆さん、お気の毒です・・・

ということで、先週水曜の夜にガルニエで行われたガラ公演の感想をば~。実は、翌日のグル様コンサートの衝撃が強すぎて、もはやガラについては印象薄れ始めているのですが、頑張って書いてみます。

Soiree de Gala "Hommage aux Ballets Russes"
Mercredi 16 Decembre 2009, Palais Garnier


Avec les Etoiles de l'Opera National de Paris et les Solistes du Theatre
Bolshoi de Moscou
Les Premiers Danseurs et le Corps de Ballet de l'Opera National de Paris

Orchestre de l'Opera National de Paris
Direction musicale - Vello Pahn

☆ 薔薇の精(フォーキン/ウェーバー)
パリ・オペラ座初演: 1931年12月31日
ニーナ・カプツォーワ、マティアス・エイマン


この夜の構成は、前半に小品&古典pddの抜粋を一気に見せて、休憩を挟んでペトルーシュカ全編を上演。トップ・バッターはマティアスとボリショイからのゲスト・カプツォーワ。マティアスの薔薇の精は二年前に日本で見たとき特に強い印象が残らなかったのだけど、今回も・・・。期待が大きかっただけに、踊りが雑というか、荒さが目についてしまってがっかり。この役は個性派のダンサーが踊ればその個性だけで見せてしまえる・・・のかもしれないけど、マティアスには(まだ)そこまでの個性というかパフォーマーとしての強さはないし、ともかくしっかり踊ってもらわないとねえ・・・。カプツォーワはキュートな夢見がちの少女を想像していたのだけど、思いがけず妖艶な表情に、どきり。

(ところで、当夜はパリオペ管の演奏がなかなか良くて、これはもうけもの~♪と心中喜んでおりました。この演目の冒頭のチェロ、かなーり引っ張り気味に歌っていて、よかったです。)

☆ 牧神の午後(ニジンスキー/ドビュッシー)
パリ・オペラ座初演: 1976年4月7日
ニコラ・ル・リッシュ、エミリー・コゼット(&ニンフ達)


ニコラの牧神は初見。彼もだんだんと私の中では「観られるだけで有難い」ダンサー分類に入りつつあるので、見られてやっぱり嬉しかった(笑)。エキゾチックなメークが風貌をやや東洋人的に見せていたのだけど、それがなんとも色っぽくて似合っていた。結構身体を絞っていたのか細く見えたせいもあり、あまりオスっぽさは発していなくて(ジュドのような獣性はほとんど無し)クールで軽やかな風情すらある。一種爽やかな色気というのかな、なかなか素敵だった。(・・・で、このニコラの牧神に対してガッカリだったのがコゼットのニンフ。本当に、他に誰もいなかったんでしょうか ケミストリーまるでなかった・・・)

☆ 瀕死の白鳥(フォーキン、アレンジ:テスマー/サン=サーンス)
パリ・オペラ座初演: 1960年1月27日
マリ=アニエス・ジロ


瀕死は十人十色、踊るダンサーの個性で劇的に印象が変わるものだけど、そういう意味でこれはしっかりジロ(ならでは)の瀕死だったんじゃないかな。振付はテスマーのアレンジ(原語は"regler")が入っているとのことだけど、ロシアのダンサーが踊るヴァージョンに比べると羽ばたきの振りが控えめ、というかあまり目立たなくて、ああやっぱりパリの流儀は別ものなんだなあ~と面白かった。年々上半身が逞しくなっているジロ、知的な美貌といい明らかに現代的なダンサーで、その個性が自然に滲み出ていて潔いというか。ナチュラルな、人間的な表現だったように見えた。観客の反応はとてもよくて、周囲のボックスから盛んにブラヴォーがかかっていた。

☆ シェヘラザードpdd(フォーキン/リムスキー=コルサコフ)
パリ・オペラ座初演: 1951年4月25日
アニエス・ルテステュ、ニコライ・ツィスカリーゼ


導入部分のオケの演奏、あらこの音楽なに?と一瞬ぴんとこなかったのだけど、シェヘラザードの序曲(確か)をスピーディーに・コンパクトにアレンジしていることに気づく。なかなかスリリングで面白い演奏だった。

幕が開くと、見慣れたオリエンタル柄の布が天井から吊り下げられていて・・・ライモンダの、アブデラマンの催す宴の場で使われている天蓋が(こんな所で役に立つとは・笑)。舞台真ん中でポーズしているアニエス。ビキニにハーレム・パンツ姿のほっそーいシルエット、クールな表情。ややあって、舞台に飛び込んできた金の奴隷に、<文字通り>度肝を抜かれる。

ふあ~・・・金も金だわ こりゃ・・・頭のてっぺんからつま先まで、ほんっとにピッカピカ(ギラギラ?)に光ってる。頭には女性ダンサーがつけるような髪飾りしてるし、腰に巻いたサッシュの先をリボンみたいに流してるし(&鼻ピアス!)。お化粧もいつも通りでとりたててエキゾチックなつくりにはしていなくて、衣装も地味目のアニエスとのコントラストが・・・劇的。(この二人、明らかに衣装の打ち合わせしていなかった模様・・・。)登場直後からツィスカリーゼは全身から"Let me entertain you!"光線出まくり。ともかくね、万事やることがハンパでないです。アニエスの前に身を投げ出すシーンでは、毎度"どさっ"と凄い音立てて舞台に身を沈めてるし、超・幅広の金のハーレムパンツをしゅぱっしゅぱっと捌きながらマネージュするシーンも凄いものがあったし。表情がまた、ほとんどオソロシ気と形容したくなるような、不敵な・凄まじい笑みを浮かべていて・・・全身から発するバリバリの舞台人オーラのせいもあり、スリムな体型かつ(私の目には)表情が硬くて色気が感じられず・少女っぽくすら見えるアニエス@ゾベイデに、官能教育を授ける目的で異国から遣わされた教育係(調教師!?)、に見えてしまう瞬間も・・・。(一体アナタ、どこが奴隷なんだよ~!)

間違いなく、当夜最もインパクトのあったパフォーマー=ツィスカリーゼ。これは一夜限りのガラ、お祭り・ハレの場なんだよ~とばかり、徹底したサービス精神に貫かれたツィスカリーゼのパフォーマンスと、終始クールな表情を崩さないアニエスとのコントラストが滅法面白かった、変り種・シェヘラザードでした。

<続く>
2009-12-22 01:40 | パリ・オペラ座バレエ | Comment(2)
マリインスキー・バレエ バーデン・バーデン公演
本題の前に、先週企画した読者プレゼントの当選者発表~~!

・・・結局、どなたか一人選ぶという芸当はとてもできず、当該記事にコメントをくださった皆様のうち日本在住のKatiaさん、mariaさん、asacoさん、まりあさんにプログラムをお贈りしたいと思います(守屋さんはロンドン組ということで、ゴメンナサイ・・・)。つきましては、郵送先の住所を当方までコメント(非公開にできます)、あるいはメール(londonballet2006.yahoo.co.jp)で教えてくださいませ。

さて、今日ロンドン某所でballet.coのクリスマス・ランチがありました。このイベント、ここ数年毎年のように開催されていたけど私は参加したことなくて、ちょっと様子見に行ってみるかな~と、今回初めてジョインしてきました。参加者は25人ぐらいいたかなー 皆ほとんど顔見知りだけど初対面の人も数人いて、色んな話が聞けて面白かったです。で、ロシア・バレエ好きの何人かが今月末のマリインスキー・バーデン・バーデン公演を見に行くことがわかり、一緒に行こうよ~~と強力に誘われて、ちょっと心が揺れております。公演スケジュールとキャストはこんな感じなんですよね・・・(from ballet.co):

http://www.ballet.co.uk/dcforum/DCForumID18/241.html#36

ガラ公演の「イン・ザ・ナイト」(ロパートキナ出演)と「テーマとヴァリエーションズ」(テリョーシキナ出演)には惹かれるんですけどねえ どうしても見たい!ってほどではないかなあ。皆の感想を楽しみに待つことにするかな。(やっぱり私が何よりも見たいのは、ロパートキナのジゼルなのよね・・・それにしても、イヴァン・コズロフはどうしちゃったんでしょうね??全く名前を見かけませんが・・・)
2009-12-14 08:19 | マリインスキー・バレエ | Comment(10)
ラドゥ・ルプー&LPOコンサート (12/11)
師走も二週目に入って、(遊びに)多忙を極めております・・・忘年会にオペラ、昨夜はサウスバンクでコンサート。今夜もこれから外出なので、mmm...な印象だったオペラ・薔薇の騎士はちょっと飛ばして、とりあえず、昨夜のロイヤル・フェスティヴァル・ホールでのコンサートについて簡単にメモを~。

ピアニストのラドゥ・ルプーさんが10月のLSOとの共演につづき今度はロンドン・フィルハーモニック管(London Philharmonic Orchestra)のコンサートに出演というんで、いそいそと出かけていきました。指揮はエサ・ペッカ・サローネンユッカ・ペッカ・サラステ、曲目はベートーヴェンのピアノ協奏曲第5番(皇帝)

で、ルプーさん、やっぱり面白いひとだなあ・・・との意を強くしました。なんか、ほんと面白かった 色んな意味で。(またしても)オケとのミスマッチぶりとか・・・

これまでも何度も言い訳してますが、私は決してクラシック音楽の熱心な聴き手ではないし、このベートーヴェンのピアノコンチェルトなんて生で聴くのはこれが初めてだったかも。なので他のピアニストがこの音楽にどんなアプローチかけてるのかとか、全然知りません。でも、仮に正統派というか、教本風の演奏スタイルがあるとすると、そこからは相当逸脱してたんじゃないかなあ。

ルプーさんのパフォーマンス、何が楽しいかって、見事に遊んでるんですよねえ 与えられた素材で色んなことをやろうとしてたような。時にロマン派風(古典派じゃない・・・)、時に印象派風、時にジャズ風だったり、で、ときに侘び・サビ入ってたり(!)。一番印象に残っているのは、アダージョの柔らかで繊細なパッセージで聴かれた、空間にぽっかりと陽だまりを演出するような・発光してるかのような彼のピアノの音だったりするんですが。

ともかくね、彼の独奏部分聴いてると、この音楽がすごくモダンに聴こえるんですよ。で、その彼と見事なコントラストを成していたのがオケの演奏(部分)。なんというか、音の強度も方向性も一貫してて、単調に聞こえてしまって、つまらない。ほんとに、激・つまらなかった・・・・もっともコレはオケのせいというより曲のつくりのせいなんだろうけど。ピアノとオケの演奏の間に200年ぐらいの隔たりがあるやに感じてしまって、演奏がすすむにつれそのギャップは拡がるばかり。終盤オケの演奏のボルテージが上がれば上がるほど、滑稽さを感じてしまうぐらいで、なんかオケがかわいそうになってしまった(イヤなお客ですみません・・・)。所詮ピアノ・コンチェルトってピアノのための音楽であって、オケは添え物(以下)の扱いなのか、ってこのスコアに対して殆ど理不尽さをおぼえたぐらいです。

いやー、でも、スコアへの疑問はともかく、とっても面白かった&楽しかったです。ルプーさんは、できればかしこまって拝聴するより、もう少し小さめの会場でもう少し砕けた雰囲気の中で聴きたいピアニストだなあ・・・。

(ちなみに昨夜のプログラムは、これと、確かブラームスの一番で構成されておりました。ベートーヴェンだけ聴いて帰ってしまったのでちょっと自信ないですが・・・)
2009-12-13 03:06 | 音楽 | Comment(2)
都さんのくるみ<読者プレゼント・企画第一弾!>
取り急ぎ、昨夜の公演について一言。

これで見納め、都さんのロイヤルでの最後のくるみは・・・とってもいい公演でした!都さん、この高水準で役を封印してしまうなんて勿体無い・・・と初日に見たときは無念だったんですが、今回再見して何となく納得できたというか。長年ロイヤルの(というか業界の、と言ってしまってもいいかも)"デフォルト"の金平糖であり続けた都さんだからこそ、完璧な形で封印する必要があったのかもしれないなぁ・・・などと。実に見事な、天晴れな、"役への"アデューでした。

二幕で都さんが登場した瞬間から滝涙状態になってしまうんじゃないかと危惧していたんですが、割と冷静に見ていられました・・・なぜかというと、多分いつもより舞台に近い席で見ていたせいもあるかもしれないんだけれど、劇場を幸福感で一杯に満たす、あの"都・マジック"にばっちりかかってしまったようで・・・gppdを見ている間中幸せな気分に包まれていました・・・。(さすがに金平糖のvが終わった瞬間ダム決壊してしまいましたが・・・)

で、終演後にプログラムを購入したのですが、昨年に続き今回も表紙に都さんの写真が使われていて(例のポスターと同じお写真)、つい、なんとなく、二冊買ってしまったんですよ・・・。特に誰かにプレゼントしようとか想定していたわけではないので、どうしよう この余った一冊・・・そうだ、当ブログの読者の方に進呈しよう!と閃いたのでした(笑)。

え~、つきましては、どなたかお一人にこのプログラムを贈呈したいのですが、条件としまして(いやらしいねえ・笑)、都さんへの熱い思い・このブログへのご意見など、何でも結構ですのでコメントをお寄せください。当方が一番面白いと感じたコメントを下さった方に進呈したいと思います~。(注:タイトルに「企画第一弾」なんて書きましたが、これが最初で最後の可能性大なので・・・ふるってご応募くださいませ~~。コメントは非公開でも結構ですよん)

☆ 都さんとスティーブン・マックレーのリハーサル風景をちらっと見られる映像がありました:

http://www.youtube.com/thechristmaschannel#p/u/0/t8RkEkHsLhI
2009-12-04 01:09 | ロイヤル・バレエ | Comment(29)
吉田都さん、大学教授に
ニッカンスポーツのサイトで見た、とハズが教えてくれたのですが、都さんが神戸女学院大学の特別客員教授に就任されるようです。(来年4月から、任期は一年。)

http://www.nikkansports.com/general/news/f-gn-tp0-20091130-571156.html

早速大学のサイトに行ってみたのですが、音楽学部・音楽学科の中に舞踊専攻コースが設置されているのですね。

http://www.kobe-c.ac.jp/courses/co_mus.html

上記ニッカンスポーツの報道によると都さんは集中講義を受け持たれるようですが、どんな内容のものになるのでしょうか・・・興味津々。
2009-12-01 01:37 | ロイヤル・バレエ | Comment(3)
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