スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
-------- --:-- | スポンサー広告
ミハイロフスキー・バレエ 「ジゼル」 (7/26・マチネ)
《CAST》

Giselle: Oksana Shestakova
Albrecht: Mikhail Sivakov
Berthe: Yanina Kuznetsova
Prince of Courland: Andrey Bregvadze
Bathilde: Alena Videnina
Game-keeper: Anton Chesnokov
The Duke's squire: Roman Petukhov
Pas de deux: Anastasya Lomachenkova, Anton Ploom
Myrthe: Irina Koshleva
Wilis: Sabina Yapparova, Anastasya Lomachenkova

The Mikhairovsky Ballet and Orchestra
Conductor: Stanislav Kochanovsky

今回タイトル・ロールを踊るバレリーナはプレ・キャストではアナスタシア・マトヴィエンコ、オクサーナ・シェスタコワ、イリーナ・ペレンの3人となっていて、誰の日を見ようか迷ったのだけど、確か日本で評判が良い&アルブレヒトもこのバレエ団生え抜き(?多分)、ということでシェスタコワ&ミハイル・シヴァコフ組を選択(他の二人のパートナーはマトヴィエンコ)。結果、大正解だった。

シェスタコワは清純で慎ましやかで、これだけ一幕の村娘がぴったりくるダンサーを見るのは久しぶり。背は高すぎず・低すぎず、むやみやたらと手足が長いわけでなく、スパルタクスに登場したサイボーグ系バレリーナ達(?)と比べるとややレトロな雰囲気があってほっとするというか・・・。ニ幕でウィリになってからの没入ぶりは素晴らしくて、ごく自然に彼女のジゼルの世界に引きこまれる。ふんわりと繊細なポール・ド・ブラと宙に漂う浮遊感がとりわけ印象に残った。パートナーのシヴァコフは長身で見栄えのいいダンサーだけど、貴人という雰囲気はあまりなかったかな(ごくごく普通の青年というか・・・)。彼の踊り自体には特にひかれるものはなかったけれど、かといって特別不満があったわけでもなし。二人のパートナーシップは悪くはなかったけれど、トータルでみるとシェスタコワの方がアーティストとして成熟している印象があって、彼女と対等の(もしくはより成熟した・大人の)パートナーと組んでいたらどうなっていただろう・・・とついつい想像力を掻き立てられてしまった。カーテン・コールでは、心がまだ地上に戻ってきていないという表情のシェスタコワと彼女を支えるシヴァコフに、客席から心のこもった拍手がおくられていました。(ちなみにこのマチネ公演、お客の入りは六・七割といったところだったか)

プロダクションについて若干・・・

「セット」一幕の村の情景・ジゼルとアルブレヒトの家は割とリアルな描かれ方でちょっとロイヤル版のと近かったような。(背景・遠方にお城がしっかり見える)二幕では背景画の森に加えて舞台の下手最前線にあるジゼルのお墓の前と舞台後方・中央に木の茂みが配されていて、これが上がったり下がったりする仕掛け。(お墓は最初茂みに隠れて見えない。ジゼルが最後に消えていくのは後方の木の陰、等々)

「衣装」新制作?どれもピカピカの新品って感じで色が鮮やか。ジゼルと彼女の友人達の衣装はブルーと白をベースにしていて、配色自体はトラディショナルだけど決して質素ではなく、"街着"として十分通用しそう(笑)。アルブレヒトはアースカラー(茶系)の衣装でこれはよくあるタイプ。クールラント公ご一行の衣装は赤と金を基調とした華美なもので、登場してきたとき一瞬・スパルタクスの使いまわしか?と思ってしまったほどパッと見路線が似てる。まあ赤と金はロシアの色だから(?)、らしくていいです。ニ幕でやや驚いたのがミルタの着ていたロマンティック・チュチュ。スカート部分が日頃よく目にするタイプのものと比べるとあまりハリがなくて、下にストンと落ちる柔らかそうな?素材のもの。多分他のダンサー達が着用していたチュチュと同じ素材と推測するのだが、ミルタ役のコシェレワは背が高いので、このスカートだとちょっと間延びして見えてしまった。(グラン・ジュテしたときにスカートが脚にまとわりついてふわりと浮かないのが不満で・笑。"普通のドレス"として見れば綺麗なんだけど・・・。ちなみにジゼルも含めミルタ以外のウィリたちは肩の露出抑え目のパフスリーブの袖で、可愛らしい雰囲気。コール・ドの、"肝心"の踊りの方は、普通以上に綺麗なんだけれど特に心動かされることはなく・・・)

「演出」たしかニ、三のシーンで聴きなれない音楽が挿入されて振付が引き伸ばされていた(二幕のジゼルの出の場面とか・・・)。マイム・シーンでちょっとひっかかったのが、アルブレヒトと従者のやり取りやヒラリオン(キャスト・シートには"Game keeper"としか書いてないけど)の語り部分はやけに丁寧に描かれているのに、肝心の(と思える)部分が抜けていたこと。一幕でアルブレヒトが「なんて美しい顔だ・・・」と感嘆して衝動的に永遠の愛を誓うシーン、「美しい・・」の部分がなくていきなり誓いをたてているように見えたのだけど・・・。あと、ベルタがジゼルと村の娘達にウィリ伝説を話し聞かせる場面は割愛されていた。(マリインスキー版も抜けてるけど、あのマイムシーンは絶対あった方がいいと思うけどなぁ・・・)あと、やや滑稽だったのが二幕の演出で、暗い森の中に鬼火が出るんだけど、これが花火みたいにバチバチ光って音もかなり派手だったこと。ちょっと場の雰囲気にそぐわない気がしたんですが・・・。(あ、結局ボルゾイ犬は出ませんでした。代役はなし・笑)

最後に音楽・オケ、これは面白かった。この演目ではあまり耳にした記憶のない厚い音で、かつ随所でオペラ風と形容したくなるような・ドラマ性をくっきり浮き立たせる演奏がきかれて(若干装飾性過多のきらいもあったけど・・・)、この音楽の解釈としては大いにアリ、と独り言ちた。
スポンサーサイト
2008-07-31 09:10 | その他のバレエ・ダンス公演 | Comment(5)
M. ハーヴェイ退団、マーシャ&フィーリンの共演?
今日Ballet.coで見たロイヤル・バレエのプレス・リリースによると、ファースト・ソロイストのマーティン・ハーヴェイが今期限りで退団するそうです。今後の予定としては、ウエスト・エンドのショー・Dirty Dancingに出演することが決まっているとか!

・・・いやー驚きました・・・ロイヤルには痛いですね 彼のような中堅の大人のダンサーがいなくなってしまうと。ダーティー・・・ってパトリック・スウェイジの出た大ヒット映画ですよね その舞台化か。私は映画すらちゃんと見たことないんだけど。(テーマ曲は憶えてるが・・・♪Aaa-ii haavve the time of my life...ってやつですよね??)

http://www.aldwych-theatre.co.uk/current-show.htm

↑の劇場サイトには詳細情報が出てないんだけど、マーティンは主役ですよね きっと・・・新天地でのご成功をお祈りいたします!

続いて、こちらもballet.coで見た情報なのですが、なんと来月の北京オリンピック関連のイベント(?)で、マリヤ・アレクサンドロワとセルゲイ・フィーリンが共演する予定があるそうです。投稿記事の文面からすると、ロシア代表のための特別イベントのようで、ヴィシニョーワも踊るとか・・・豪華ですねえ ロシアだけで独占してないで、是非公演の模様をTV中継していただきたいなあ。

あと、これはイズベスチャ発の情報で、フィーリンはニーナ・アナニアシヴィリのご主人のためのガラ公演に出演する予定もあるそうです。

http://www.ballet.co.uk/dcforum/DCForumID12/158.html#31

こちらは公演地はグルジアでしょうねぇ きっと(行けないわ・・・)。ところでこのイズベスチャ紙には、彼が年末の日本公演に参加するとの言及があるそうです。これは、いい兆候ですねえ(笑)。
2008-07-29 08:19 | 情報系(ニュース、公演) | Comment(14)
ミハイロフスキー・バレエ 「スパルタクス」(7/23)
ミハイロフスキー・バレエのロンドン・デビュー・シーズン、全幕作品を一回ずつ鑑賞しました。感想・第一弾。

☆「スパルタクス」(7/23)

Spartacus, a gladiator: Alexey Turko
Crassus, a rich patrician: Andrey Kasyanenko
Valeria, Spartacus's beloved: Vera Arbuzova
Sabina, Crassus's beloved: Irina Perren
Crixus, Spartacus's friend: Andrey Masloboev
Pompeius, a military leader: Andrey Bregvadze
Elaida, Pompeius's beloved, a courtesan: Natalia Tsyplakova

The Mikhairovsky Ballet and Orchestra
Conductor: Karen Durgarian

私が見たのは二日目のセカンド・キャスト。初日を見た友人から、「ヴェガスのショーみたいだよ~合唱つきのところが思いがけないボーナスで美味しかった」と聞いていて怖いもの見たさで出かけたけど、シリアスなバレエ作品としてではなくエンタメと割り切れば、まずまず楽しめる内容だった。敢えてドラマ性を排除したのか?人物の相関関係とか状況を説明するようなマイム・シーンはほとんどない。(まぁなくても見てればわかりますが・・・。)ひたすら踊りと怒涛の"ノリ"だけで一気に突き進むスペクタクルで、こういう"見世物"的な行き方もアリかとは思うけど、ナラティヴ部分があまりに弱いのが全体に薄っぺらなプロダクションの印象をさらに底上げしていたことは否めないかも。

ごくごく大雑把に言うと振付には3パターンぐらいしかなくて、男性ダンサーのマスキュリンな力を誇示する振り(その割に勇壮さはあまり感じられなかったが・・・ペテルブルグ派だから本来は優雅さがカンパニーのウリ?)、極端に類型化された"女"を象徴する振り(誘惑者としての娼婦と弱き者・庇護すべき存在としての妻)、アクロバティックなpddの振り・・・これを使い回して上演時間(正味)約2時間半を乗り切るわけだから、途中やや飽きがくるのは仕方ない。一幕はかなりスピード感があり、何が何だかわけがわからないうちにすぐ終わってしまったという印象があったけど、二幕は長すぎた。一幕で私的に最も興奮した&このプロダクションの美点と思えたのが(友人談の通り)合唱を大量投入していた点で、一部の合唱隊は舞台上でパフォームしていてこの人達の存在が音だけでなくヴィジュアル的にも相当厚みを与えていたと思うのだけど、二幕では出番が減ってしまって、そうしたら途端に睡魔に襲われてしまった・・・。

面白いことにこのミハイロフスキー版スパルタクスの主役はタイトル・ロールのダンサー&パートナーではなくて、むしろクラッスス&his missusなんですね。クラッススとサビーナ(あるいはそのどちらか)がほぼ出ずっぱりで、見せ場のpddも多い。スパルタクスの妻のヴァレリアなんてあまり出番がなくて、忘れた頃に登場する・・・という感じで。あと、このヴァージョンにはポンペイウスが登場するんだけど、一体何のためか最初は訝しかったのだけど(時折力を誇示するようなマイムを披露するだけ)、彼を登場させることで、反乱軍のリーダーとしてのスパルタクスへのシンパシーよりも、"為政者礼賛"のカラーをより強く感じさせる効果があったような(少なくとも私にはそう見えた)。なにせスパルタクスと妻、反乱軍のシンパ達との内面のドラマが殆ど描かれていないので、スパルタクスがただの粗暴なグラジエーターに見えてしまうきらいがあり、ヒロイックな闘士へのオマージュという作品にはなっていなかったような。(スパルタクス役のTurkoという人がまた典型的な悪人面の持ち主で・・・感情移入することが極めて難しい。ヴァレリア役のArbuzovaは今時のロシアの女性ダンサー標準?細くて手足が長くて筋肉質で頭が小さくて・・・振付のせいもあり、バレリーナというよりはちとアスリート風に見えてしまった。)

クラッスス役のKasyanenkoはまだ若いダンサーなのかやや幼く見えるタイプで威厳とカリスマが欠如していたけど、あの大変なリフト技をなんとかクリアしていたのでそれだけでも褒章ものでしょう。彼のパートナーのペレンもあのアクロバット技を難なくこなしていて、彼女も間違いなく敢闘賞。(しかし、サビーナは役柄上セクシーな振付がかなりあるんだけど、マネキン人形のような美貌の彼女には、まるで色気がなかった・・・)二組の主役のpddはどれもリフト・難技を多用していて、特にクラッススとサビーナのpddはサーカスすれすれのアクロバット技が続き、見ている方も思わず力が入っちゃう(笑)。最も有名なアダージョで踊られるスパルタクスとヴァレリアのpddは二幕最後の方で登場するんだけど、こちらはグリゴローヴィチ版の影響濃厚。(それにしても、この音楽ってこういう振付しかできないのかなぁ・・・なーんか類型的でつまらん。)

そういえばこのスパルタクスにはもう一人、準主役級の人物が配されているのですが、スパルタクスの友人で腹心?のCrixus。この人はサビーナの誘惑にコロッと負けて反乱軍を裏切り、スパルタクスと争って揉み合ううち(確か事故で?)剣に倒れる・・・という末路を辿るのですが。Crixus役のMasloboevは堂々たる体躯の、そこそこステージ映えするキャラクテールだったけど、いかんせん役柄が・・・この人物を登場させた意義や如何?彼の存在でドラマ性が深められたというわけではなかったような・・・。

振付&ダンサー以外の点について少々。

音楽: オケの演奏はほとんど笑っちゃうぐらい騒々しくて、例のEUのオケ騒音規制のコントローラーが聴いたら書類一式抱えてすっ飛んできそう(軽~く120デシベルは超えてたんでは?あ、でもロシアはEUじゃないから関係ないか・・・)。特に一幕のクライマックスでの打楽器の鳴らし方が圧巻で、劇場中の打楽器奏者をかき集めた上ヤマト太鼓の一群が加わってるかのような大音量。(そういえばこの夜トランペットがへたれまくりだったけど、おそらく誰も気にしてなかったであろう・・・と。)

セットと衣装: セットは、コロッセオを縦にすぱっと分割した壁(変な表現ですが・・・)何枚かが背景に配されていて、これが場面によって向きを変えて使われていたけどなかなか効果的だった。あと、後景に巨大なマスクが置かれていたり、猛獣(今回は人間だったけど・笑)の入ってる檻があったり、やや劇画チック。衣装では、グラジエーターたちが着用しているメタリックな戦士コスチュームと対照的な、支配層の装束のきらびやかな色、特に金・赤・白の使い方が目を惹いた。ライティングは、一部まさにラスヴェガスのショー並みの(?)ケバケバしいシーンあり。(私はグリゴロ版スパルタクスも苦手としていて特に思い入れはないんだけど、この版と比べるとグリゴロ版が"シック"に見えてくる・・・と言えば大体の雰囲気わかっていただけるでしょうかね??)

最後に・・・大変に穿った《&ムリヤリな》見方をすると、この過剰感ありまくりのプロダクション、政治・経済面で強気《&独自の》大国路線を内外にアピールしているように見える昨今のロシアの、国の勢いと強烈な自負心に重ね合わせることができるかも・・・なんてふと思ったりした。

☆ ballet.coギャラリーで舞台写真を見られます(ファースト・キャスト):

http://www.ballet.co.uk/gallery/jr_mikhailovsky_spartacus_coliseum_0708
2008-07-28 03:52 | その他のバレエ・ダンス公演 | Comment(6)
ボリショイ・アムステルダム公演の映像
ダンソマニでSophiaさんが紹介くださった映像リンクを貼っちゃいます・・・ボリショイ・アムステルダム公演のレポで、スクワルツォフとクリィサーノワ(多分)の白鳥リハーサル映像!

http://www.webregio.tv/11745952/Video/Bolshoi_Ballet_danst_in_Amsterdam/

関係者へのインタビューはいらないから、ひたすら舞台映像だけ見せてくれ~~と欲求不満でムズムズしつつもう一つのリンクをクリックしてみたら、こちらはプロモ用のトレーラーで、舞台映像のみ!スパルタクスと白鳥と明るい小川(ちょっと前に収録されたものかな?)、小川では"ゴールデン・ペア"が踊ってます 感涙~~!!(ああやっぱりこのお衣装がこんなに似合うのはフィーリンだけ・・・)ピョートル役はクレフツォフ?ジーナ役のダンサーが誰かわからないんだけど・・・ひょっとしてシプーリナ??嬉しさのあまり3回続けて見てしまった・・・

http://www.stardusttheatre.com/

(ボリショイの写真下にある"meer info. "をクリックすると該当ページに飛びます)

あーボリショイ、見たいよおお!
2008-07-27 07:13 | ボリショイ・バレエ | Comment(2)
<続>ロイヤル・バレエの昇進者情報
先日ローレン・カスバートソンとルパート・ペンファーザーのプリンシパル昇進のニュースを記事にしましたが、ファースト・ソロイスト以下のランクの昇進者情報が発表されました。以下、フレンズ向け・e-news letterからのコピペです:

To Principal
Lauren Cuthbertson (First Soloist), Rupert Pennefather (First Soloist).

To First Soloist
Yuhui Choe (First Artist), Steven McRae (Soloist)

To Soloist
Helen Crawford (First Artist), Laura McCulloch (First Artist), Ryoichi Hirano (First Artist), Paul Kay (First Artist), Sergei Polunin (Artist), Eric Underwood (First Artist)

To First Artist
Elizabeth Harrod, Romany Pajdak, Pietra Mello-Pitman, Liam Scarlett (all from Artist)

Gillian Revie will become Guest Principal Character Artist from next Season.

James Hay to the Artists (joining from The Royal Ballet School) and also two Prix de Lausanne apprentices Akane Takada and Kyle Davies.


崔 由姫さんが飛び級でファースト・ソロイストに!もう一人、飛び級昇進したのがセルゲイ・ポルーニンで、こちらはソロイストに。平野亮一さんも上がりましたねー(ソロイスト)。最後の方に新シーズンのニューフェイスとしてジェームス・ヘイ君、そして高田茜さん(Lausanne apprentice)のお名前もあります。皆さん、おめでとうございます!
2008-07-25 08:20 | ロイヤル・バレエ | Comment(3)
RO「ザ・レイクス・プログレス」 (7/11)
あ~もう見てから既に一週間以上たってしまった。先々週は金・土とオペラな週末を過ごし、フローレス・コンサートの前日はロイヤル・オペラの「ザ・レイクス・プログレス」を鑑賞。以下、チンタラ・細々と自分用にしたためた雑感メモです・・・

- チケットをブックする段階では、"へえ~ストラヴィンスキー作曲か 珍しいオペラ(ってか自分が知らないだけだけど)だから見ておこうかなー"という程度のノリで、例によって予習も期待もせずに見に行ったんだけど、これがもう、滅法面白い音楽&プロダクションだった!

-「ザ・レイクス・プログレス」(放蕩児のなりゆき)っていうとバレエでは見たことあるけど・・・数年前にロイヤル・バレエがニネット・ドゥ・ヴァロワ版をリヴァイヴァル上演。ウィリアム・ホガース*の連作版画に想を得て創られた、マイム中心の?芝居色の強い作品で、何やらケッタイな(趣味悪い)作品だなぁ~といい印象がなかったこと、ヨハン・コボーが怪演していたことしか憶えてない。

(*今や社会史資料として貴重な、18世紀当時の英国の世相を風刺した絵を沢山残してますね。この連作は「道徳教育画」シリーズの一つと呼んでいいのかな?)

-同じ題材を使っていても、バレエとオペラではエラい違いであった。まず、バレエ版を見たときに多少は感じられた猥雑さとデカダンという要素がこのオペラには感じられなかった。実はホガースとの接点もまるで感じられなかったんだけど・・・リブレットを借りただけ?一体どうやったらあの絵を見てこの音楽をひねり出せるんだろうと不思議でならない・・・作品世界が違いすぎ。(でも、結果としてはホガースとのダイレクトな接点感じられなくても私的には全然オッケーだった。←むしろ歓迎??バレエの方は誰の音楽を使っていたかな~と今検索してみたら、Gavin Gordonという方だそうで・・・このバレエのためのオリジナル・スコアだったのかな?)演出は、バレエの方は18世紀という時代考証にほぼ忠実な創りになっていたような記憶があるんだけど、このオペラ(プロダクション)では現代・多分50年代ぐらいのアメリカ?に置き換えてる。(←シーンが進むにつれ、舞台設定はハリウッドとわかる。ヌレエフ版シンデレラを思い出す・・・放蕩児・トム・レイクウェルは時代の寵児・セレブ的存在。)

-そもそも英語のオペラを聴いたのは初めてだったかも・・・発音はアップダウンが激しく子音の強い、"英"語だった(笑)。特にレチタティーヴォのときの音の伸ばし方とかアクセントの置き方が普通に話すときとは違っていて、外国人の話す訛りのある英語に聴こえて面白かった。

-音楽は、ストラヴィンスキーならではのあの独特のリズム感とウィットが随所に顔を出していて、一幕の最初のタブローではレオタードを着たダンサーがいまにも舞台に現れるんじゃないかと錯覚起こしそうになることも・・・。ただ、ストラヴィンスキーだからひねった変化球ばっかり飛んでくるんじゃないかという偏見は大いに裏切られ、わりと素直で聴きやすい音楽が並んでる。特に、主役のトム・レイクウェルにはイノセントで透明度の高い音楽が与えられている。

- そのトム・レイクウェルを演じたのは、チャールズ・カストロノヴォ。清潔でどこか"青さ"を感じさせる美声の持ち主で、あ、この人モーツァルトが似合いそう!と、思わず色めき立つ(理想のモーツァルト・テナーを探し求めて幾星霜・・・なもので・笑)。冒頭のジーンズ姿がなかなかキマっているところを見るとスタイルはよさそうなんだけど、いかんせんオペグラ持ってくるのを忘れたので顔がはっきりわからない。(この人今までに見たことあったかなあ・・・思い出せない。)素直で無邪気といえば、このオペラ中唯一聞き覚えのあるソプラノのアリア、"Quietly night.....I go, I go to him"。後半部はストレートで伸びやかで、なんだか子供が一大決心して冒険に出かけることを高らかに宣言してるような、屈託のなさ・潔さ。(実際には都会に出て行ったトムを故郷で待つ恋人・アンが、音信不通の彼を探し出すべく父の反対を押し切って家を出るときに歌われる。へえーこういう場面の歌だったんだ・・・)アン役のサリー・マシューズはやや力入りすぎ・声張り上げすぎで、清々しさに欠けていたような・・・。

- この一幕のハイライト(アンのアリア)が終わってやや気が抜けたか、続く都会の遊興場のシーンではやや眠気に襲われる(一週間の疲れがどっと出るのか、金曜の仕事帰りに観劇するとありがちなんだよね・・・)。演出もセットもかなりおちゃらけていて、かる~いノリ。トムはニック・シャドウ(文字通りトム自身のダークサイド・下僕にして主人。狂言回し的な役)の手引きでババというトルコ人大女優?に出会い、懇ろな関係に。ディーヴァなセレブのババは思いっきり戯画的に描かれていて、見た目ドラッグクイーンみたい・・・(演じたのはパトリシア・バードンというソプラノで、よく雰囲気出してた。)

- 休憩時間にキャスト・シートを広げて、まず目についたのが・・・リブレットにW.Hオーデン。へええあの有名な詩人ではないか~!(名前しか知らないけど)そしてディレクターは・・・Robert Lepageって、どこかで見た名前だなぁ・・・《2秒ほどシートを見つめる》 あ~っこの人、確かシルヴィの次作をプロデュースする人ではないかー!

・・・へええこの方がねぇ。演出・舞台美術はユーモラスで遊び心があるけど決してやりすぎ・下品にならないところがいいし、この人のセンス結構好きかも。(シルヴィーのショーにも期待できそうかも~)ここまでで美術面で気に入ったのは、一幕一場の背景の「空」。二人の恋人が草原らしき広々とした空間に敷物をひろげて寝そべっているシーンで始まり、アンの父親、謎の人物・ニック・シャドウの登場まで、この空をバックにアクションが起きるんだけど、よくよく見るとスタティックではなくて少しずつ・少しずつ雲が流れて空の色が微妙に変化していて、見ていて飽きない。密かに仕事が細かくて、こういうの好きだなあ・・・

- 休憩後はプール・サイドのシーンが印象的。トムとババは結婚するが、トムはまだアンのことを忘れられないし、やたら騒々しくて女王様気取りの新妻に早くも嫌気がさしている。邸宅内の?プール・サイドでランチ(?)している二人。一方的に喋りまくるババ、トムは新聞の陰に隠れてひたすら彼女を無視。業を煮やしたババが暴れると、うっせー!と彼女をプールの底にしずめてしまう。(あらら殺人事件に展開?と思いきや、ババは後でちゃんと生き返る。どうやら「妻を葬る」行為を象徴するための演出だったよう・・・)このあとニック・シャドウが現れ、借金でクビの回らないトムに、錬金術で一攫千金を狙おうと悪魔の囁き。石をパンにする機械?(ここではTV)を見つけたからとかなんとか・・・シュール。

- プール・サイドのシーンのセット・照明が面白かった。はじめ普通に明るい舞台ではプールの色はグレー、ややのっぺりと静的でちょっとホッパーの絵を思い出す。ババがプールに沈んだ後オークションのシーンとのつなぎ部分で、舞台の照明が徐々に落ちていくと、このプールがいきなり表情を変え始める。薄暗い舞台、そこだけ照明があてられるや、平面から突如くっきり・3Dに。プールの水がキラキラ光ってきれい・・・このときのライティングが、ほんとうにまぁ~微妙な匙加減で素晴らしかった。(照明でこんなに興奮したのは記憶にないぐらい。)このプロダクション・チーム、結構いいかも~。(現代的演出というと思い出す・コンチネンタル風のミニマリズムとは明らかに違って、どこか開放感があってポップというか・・・)

- 棚ボタで転がりこんできた遺産を使い果たして一文無しになってしまったトムに、ニックが一年分の給料を払ってくれと迫る。彼の真の狙いは、借金のカタにトムの「魂」を頂戴すること。命乞いするトムに、ニックがお情けで最後のチャンスを与える・・・カード・ゲームでトムが勝てば許してやろう(結局、トムは勝って命拾いするが、狂気に陥ってしまう)。影だと思っていたものが実体をのっとってしまう、悪魔に魂を売り渡す・・・お馴染みのテーマだけど、このシーンでのニック・シャドウ=ジョン・レリーヤ?(Relyea)の迫力が凄かった。この方、かなり気の毒な衣装着せられたりしてたけど、ステージ・プレゼンスはかなりのもの。

- さーそしてこのオペラのハイライト、最終シーン。舞台真ん中に正方形にくり抜かれた穴。その四角い空間が精神病院の一病棟。鉄パイプ製のベッドが整然とならぶ素っ気無い空間に、心を病んだ人々が所在なさ気に佇んでいる。トムは右手前の端っこのベッドで横になっている。そこに、父親を伴ってアンが訪ねてくる。正気を失ったトムはなぜか自身をギリシャ神話の美少年・アドニスと思い込んでいて、ヴィーナスが迎えに来てくれる日を待ち望んでいた。アンの姿を認めて、やっと来てくれた!と喜びに包まれる。アンはそんなトムを優しく介抱して歌をうたってきかせる。

- 音楽のマジックのお陰で、この場面のトムとアンは本当にアドニスとヴィーナスでもおかしくない・俗世を離れた存在に見えた。平和で安らかで、狂人の見ているヴィジョンがなんて美しいことか・・・。アンが歌う子守歌(に聞こえた)には無条件の愛情がこもっていて、あああこれはイカン~と抵抗空しく不覚にも涙してしまった。ズルいぞ~ストラヴィンスキー爺ー!(←失礼・でも年取ってからの写真しか見た記憶ないんだもの・・・)

- 最後は、死んだはずのトムもむっくり起き上がって、全員で「放蕩者の行き着く先は・・・」と訓話風の歌で〆・DonGみたいな終わり方。(あっちでは、地獄に落ちたジョヴァンニは甦らないけど・・・。)いやはや楽しかったです~5つ☆進呈!


The Rake's Progress
(Opera in three acts)

Music: Igor Stravinsky
Libretto: W. H. Auden, Chester Kallman

Director: Robert Lepage
Associate Director: Sybille Wilson
Set designs: Carl Fillion
Costume designs: Francois Barbeau
Lighting: Etienne Boucher
Video: Boris Firquet

CAST
Anne Trulove: Sally Matthews
Tom Rakewell: Charles Castronovo
Nick Shadow: John Relyea
Mother Goose: Kathleen Wilkinson
Baba the Turk: Patricia Bardon
Trulove: Darren Jeffery
Sellem: Peter Hoare, Peter Bronder

Conductor: Thomas Ades
The Orchestra of the ROH
(The 20th performance at the ROH)

Co-production with Teatre Royal de La Monnaie, Opera National de Lyon, San Francisco Opera and Teatro Real, in collaboration with Ex Machina
2008-07-23 10:37 | オペラ | Comment(2)
カデル・ベラルビ引退公演の映像
本日行われたベラルビ引退公演のニュース映像がダンソマニにあげられていました。「シーニョ」の舞台映像もちらっと映ります:

http://videos.tf1.fr/video/news/0,,3908427,00-danseur-kader-belarbi-tire-reverence-.html

私は先月30日にこの作品鑑賞しました。初見だったのだけど、う~ん何だかな~これがカデさんの見納めか・・・とやや複雑な気分で舞台を見ていました。黒いローブ姿のカデさんはとっても麗しかったですが・・・

アデュー公演ということでボーナス演目が上演されるのかな?と興味津々だったのですが、結局それはなかったようですね。カーテン・コールには振付家カロリン・カールソンの姿も見えます。

これもダンソマニ経由で斜め読みした新聞記事によると、カデさんは引退後も広くバレエ・ダンスの世界に関わっていかれるようです。年内の計画としては、北京・紫禁城で上演されるダンス・ショー(?)の振付を担当されるとか。今後の益々のご活躍をお祈りいたします!
2008-07-14 08:38 | パリ・オペラ座バレエ | Comment(4)
ファン・ディエゴ・フローレスのコンサート@バービカン (7/12)
かなり前からチケット完売でほとんど諦めていたフローレスのコンサート、一週間前に知人経由でチケットが転がりこんできてホクホクで出かけたのですが、蓋を開けてみると、意外な展開が待っていました・・・。

<プログラム>

Bellini Norma: Sinfonia
Bellini I Puritani: Ah te o cara
Rossini Semiramide: Sinfonia
Rossini La Donna del lago: Tu sorda a miei lamenti
Rossini WilliamTell: Overture
Rossini WilliamTell: Asil ereditaire
**intermission**
Donizetti Lucrezia Borgia: Partir degg’io, T’amo qual s’ama un angelo
Donizetti Don Pasquale: Sinfonia
Donizetti La favorite : La maitrisse du roi
Donizetti La fille du regiment: Sinfonia
Donizetti La fille du regiment: Amici miei

Orchestra of Welsh National Opera
Carlo Rizzi conductor


実に久しぶりのバービカン。今更ながら、おっきいですねこのホールは・・・サークルの前から8列目・サイドに座ってたんですが、オケの音は大変くっきりとかつ拡がりをもって耳に飛び込んできました(アコースティックやっぱりいいのね~)。ただ、歌(独唱)を聴くのに適しているかどうかは・・・?サークルというのは平土間から一段上のレベルなんですが、舞台がやや遠く感じられたかな・・・昨年小ぶりのカドガン・ホールの前から3列目で彼の歌を聴いたので、比較すると臨場感がかなり違いました。

前半しっとり・スローな歌い上げ系アリアを情感たっぷりに聴かせてくれて、なかなか幸先いいスタート。私は彼の声質のファンなのでただ歌声を聴けるだけで満足なんですが、リリカルで清潔で純真無垢なこの得難い資質、やっぱりJDFはオペラ界のマチュー・ガニオだなぁ~と独り言ち。

前半はオケの演奏・JDFの歌とも3曲ずつだったんだけど、いかんせんオケの演奏部分の方が長いので、オケ演奏の合間にJDFの歌をちろちろと聴かせて頂いてる、という印象が残ったのが何だかなぁ~だった。で、選曲がまた・・・(確か)全部オペラの序曲なんですよ ベッリーニ、ロッシーニ、ドニゼッティ・・・なんか私の耳には基本的にどれも同じパターンの音楽に聴こえるので、一晩に"序曲"を聴くのは一回で十分!と途中からうんざりしてきて、ウィリアム・テル序曲であのヤケクソ気味に盛り上がる場面(そう聴こえたんです スミマセン・・・)に突入した時には、ほとんどキレそうになりました。

休憩時間に会った友人とも、"なんかフローレスの歌少なくない?えっ後半も3曲しか歌わないの~?"とこぼしあってイマイチ盛り上がらない。

で、後半はフローレスのアリア(『ルクレツィア・ボルジア』)でスタート。これもよかったんだけど、少し咳き込む場面があって、一瞬ギョッ。で、続くドン・パスクワーレ序曲演奏後に異変が・・・

フローレスがなかなか舞台に姿を現さないので、痺れをきらした指揮者が客席に向けて肩をすくめるジェスチャーをして見せたりしたあと、袖から一人の男性が登場、指揮者に何やら耳打ちすると二人で素早く袖に引っ込んでいった。すわ、途中棄権か??ざわつき始める客席。

ややあって、今度はフローレス&指揮者二人揃って登場。大喜びで拍手を浴びせる観客に向かってフローレスがスピーチ。はっきりとは聞き取れなかったんだけど、「地球温暖化が影響してるのかもしれないけど・・・」で始まって、要は喉の調子がよくない・まぁでも何とかかんとか歌い遂げますよ、みたいなことを言ってたような。

で、残る二曲は立派に歌い遂げはしたものの、やはり本調子でないのは明らか。この様子ではアンコールは望めまい・・・と覚悟していたけど、なにしろロンドンの観客はJDFが大好き。そう簡単には帰してくれません。

客席からの熱い拍手と歓声に応えて二度ほど舞台に戻ってきて深々とお辞儀を繰り返すフローレス。もう、これでお開きだな・・・と思いきや、観客のしつこさに折れたか、三度目だったか戻ってきたときには歌う体勢。「(アンコールには)愛の妙薬からとってもデコラティヴなアリアを歌う予定にしていたんですが、ちょっとムリなので、プランを変えます」とか言って歌い始めたのが、なんと彼の十八番のセヴィリヤのアリア(Cessa di piu resistere)。ひえ~この状況でこれを歌うかーとドキドキしながら聴いてましたが、なんとか最後まで持ちこたえていました。勿論彼のスタンダードからすると満足できる出来ではなかっただろうけど、客席は大喜び。さらにしつこく拍手をやめない観客の姿にほとんど呆れ、可哀想だからもう帰してあげなよ~とオーディトリアムを後にした私。まぁこういう日もあるから仕方ないですよね。それにしても、彼は本当に愛されてますねえ 皆彼の姿を一目見られるだけで嬉しいのね きっと・・・イギリス人(ばかりではないが・ロンドンは人種の坩堝)をこれだけ腰砕け(ミーハー)にさせるパフォーマーって滅多にいないのではなかろうか。
10月には元気なJDFとオペラハウスで再会できますように。
2008-07-14 01:31 | オペラ | Comment(2)
ボリショイ・キャスト情報<更新その一>、ラヴェンナ・フェスティヴァル
そろそろ「バレエ」ブログに戻らんとな~と思い始めた矢先、格好の話題が・・・。

コメント欄でまりあさんに教えて頂いたんですが(Thanks!)、年末のボリショイ日本公演、公式ブログでキャスト情報が更新されてます。まだこれからも変わる可能性はあるだろうから(何たって5ヶ月も先・・・)、キャスト変更・第一弾ってところでしょうか。

http://www.japanarts.co.jp/html/2008/ballet/bolshoi/abstracts.htm

やはり、というか当然というか、フィーリンのダンチェンコ芸監就任に伴う変更なわけですが、彼は完全にリタイヤしたわけではなくて、「明るい小川」だけ2回踊るというアレンジになってます。

これ、もし実現したら、「ボリショイ・バレエ団の公演で当たり役を踊るフィーリン」を見られる、すっごく貴重な機会になるでしょうね~。新しい劇場でのシーズンが始まってわずか3ヵ月後に日本にアルバイトしに行く(?)余裕があるのか?とやや懐疑的になってしまうけど、実現したら、この上なく有難いプレゼントになりますね。

(ところで、小川にはヤーニンも登板するのでしょうね??マーシャ、フィーリン、ヤーニン、この三人でワン・セットなんだから、JAさん、そこんとこ何卒宜しく~。ついでに、この際二日目のバレリーナ役もマーシャに代えちゃってはいかがでしょう。ナターシャが悪いと言ってるのではなくて、東京2回しかないなら、両日ともマーシャ&フィーリンのゴールデン・ペアで上演してほしいんですよね・・・この役を踊るフィーリン、これが最後かもしれないし・・・。)

マーシャ、ドン・キはマトヴィエンコと踊るんですね~ ベロゴロフツェフかなーと予想してたんだけど。ドン・キに限らずマーシャとマトヴィのペアは見た記憶がないんだけど、この二人なら、きっと東京初日にふさわしいお祭り的舞台を見せてくれることでしょう(すっごく盛り上がりそうな予感・・・)。

・・・と、ここまで書いてふと気づいた恐ろしい事実が・・・!

東京の「明るい小川」は12月9日と10日の2回、9日がファースト・キャストの登板予定となってるんですが、この日って・・・

パリオペのベジャール・プロ初日ではないか!!

・・・・あああ。同日に東京とパリじゃ、どちらかを諦めなきゃいけない。勿論どっちも見られない可能性だってあるわけだけど・・・・一体どうすればいいんだ~。(幽体離脱の技使えればなああ・・・パリのベジャール・プロ、初日にこだわるのは、この日だけ「さすらう若者の歌」を特別上演するらしいから、なのですが・・・ああどうしよう 悩ましすぎる。)

・・・さて、煮詰まってきたので話題を変えましょう。ballet.coにリンクの貼られていたラヴェンナ・フェスティヴァルのサイトで、先月行われた東京バレエ団・ベジャール追悼公演の写真を見られます:

http://www.ravennafestival.org/galleria_fotografica.php?data=2008&spettacolo=1077

(ギエムのは一枚もナシ・・・)

このサイトではビデオも見られるんですが、先週ザハロワ&ウヴァーロフが客演したラトヴィア国立バレエの「ジゼル」があがっていました。

http://www.ravennafestival.org/video_sommario.php

ビデオを何本かランダムに見てみたけど、私的に嬉しかったのは、このフェスティヴァルの常連らしいムーティの映像。マエストロ、一頃に比べて若くなったような気がするんですが・・・。(カッコいい~~♪)
2008-07-11 10:22 | ボリショイ・バレエ | Comment(10)
Viva Rafa!!
"ラファエル・ナダール ウィンブルドン初優勝!"
Felicitaciones Rafa!!


戦いすんで日が暮れて、気がつけばテレビの前に(約)7時間!

・・・あああなんというファイナルだったことか。雨による中断2回、第5セット・9-7でナダールが試合を決めたのは、日没寸前の午後9時15分。(日本で最後までこの試合をTV観戦していた皆さん、お疲れさまでした!)

試合のポイントとポイントの間にこんなに何度も空を見上げて嘆息したのは初めて。雨雲がいつまでたっても完全に流れてくれないし、風は強いし・・・。(拙宅はAll England Lawn Tennis Clubから5km圏内にあるので、自分の家の窓から見える空に雲の動きがある度にウィンブルドンの方向に目をやっては、気を揉むことしきりだった。)

今日の試合は所要時間4時間48分と男子決勝で最長記録を作ったみたいだけど、私的印象としては、ナダールの圧(完)勝。確かに2セットダウンから試合を振り出しに戻したフェデラーは2つのタイプレークでチャンピオンの意地を見せてくれたけど、いかんせんゲームを支配する場面が少なすぎた。(この試合でフェデラーが初めて先行したのは第5セットに入ってから!その勢いも持続せず・・・)

ここ数週間のナダールのテニスで最も非凡な点、あのおそるべき堅固さ・安定性(メンタル、フィジカル両面で)が決勝でも遺憾なく発揮されて、神がかり的ショットを連発。(第4セット・タイブレークのあのcrucialなマッチポイントを2回(だったか?)落とした後の第5セット、まるで何もなかったかのように再度ゲームの主導権を奪い返す、あのメンタルの強さ!)昨年のファイナルで試合に勝っていながら最後ツキに見放された感のあったナダール、今年は攻めて攻めて、踏ん張り所では粘り強く待って、不屈の精神力でツキを引き込む、実に天晴れな試合を見せてくれた。

タイムズ紙のスポーツ・ライターの言葉を借りるなら、二人にとって「人生における決定的事件」となったことは間違いないであろう今年のウィンブルドン・ファイナル。ただ、私的にはフェデラーのパフォーマンスが100%だったとは思えない(思いたくない)ので、コメンテーターや一部ファンが口にしていたような、「史上最高のファイナル」とか「両プレイヤーとも持てる力を出し尽くした」という見方には賛同できないなぁ・・・。今日はともかくラファが超人的に素晴らしかった、それに尽きます。12ヶ月後にまた、この二人のファイナルを見られることを願って・・・

☆BBCスポーツ・サイトで試合直後のナダールの勝利コメントを読めます:

http://news.bbc.co.uk/sport1/hi/tennis/7492520.stm
2008-07-07 10:25 | 英国生活 | Comment(11)
「運命の掟」?明日は、頂上対決!
こんにちは "ロンドン発テニス・ブログ"のNaoko Sです~♪

・・・なーんてすっかりハイになってますが、来ましたね~ ロジャー&ラファ。誰もが予想していたこととはいえ、その予想を裏切らずにきっちりこの顔合わせが実現するって、(一見もっともらしいけど)やはり相当大変なことですよねー。あ~有難いことだ きっと明日は昨年のあの(胃がキリキリ痛くなるような)熱戦をも上回るバトルが展開されることでしょう。

・・・えーっとテニス話の前に、一応(と言っては何だが・・・)、パリオペ・オーディション結果の続報を。

ダンソマニによりますと、昨日行われた2回目のオーディションの結果、以下6名の皆さんのパリオペ入団が決まった模様です:

- Mlle Ganio, M. Labrot, M. Gasse, M. Vigliotti, M. Coste, M. Chavignier

昨日のオーディションは外部からの応募も可、だったはずですが、結局この6人は全員エコール出身者かしら?今回女子で唯一当確のガニオ嬢は、もちろんマチューの妹さんのマリーヌちゃん。彼女は確か三度目ぐらいの挑戦?でやっと正団員になれたということかしら おめでとう~。そして、男子4位のタケル・コスト君!二年位前にエコールのデモンストレーション公演で踊る姿を見ましたが、日本人の血をひいたダンサーですね おめでとうございます!(確か低学年に弟さんがいらしたような・・・彼も有望なのかな~?)

☆☆☆

さて、本題。フェデラーとナダールのライバル関係について、月曜のタイムズ紙で興味深いコラムを読みました。"Great rivalries have allure of love affairs"というタイトルで、執筆者は同紙チーフ・スポーツ・ライター、サイモン・バーンズ氏。

http://www.timesonline.co.uk/tol/sport/columnists/simon_barnes/article4237863.ece

以下、大雑把な意訳。

- テニスほど好敵手の存在がゲームに活気をもたらすスポーツは他にないが、グレート・ライバリーを目にする機会は滅多にないのも事実。その貴重さが、"良きライバル関係"の価値を押し上げることになる。

- 突出した二人の《ライバル》プレイヤーの存在がトーナメントに与える影響は甚大。他の選手達は二大巨頭の邪魔にならないように道を空け、偉大な二人を"私的ビジネス"に没頭させるような雰囲気が自然と出来上がってしまうものだ。

- で、日曜のファイナルでは(再び)ナダールとフェデラーが対決する線が濃厚。これはもう、ほぼ不可避と言っていいだろう・・・二人がいかに・心底この対決を望んでいるか察するにつけ、そうならないと想像する方が難しいし、(そうなるであろうことに)ほとんど運命的なものを感じるほどだ。

- 非凡なライバルたちの関係には、どこか現世的なものとはかけ離れた親密さがある・・・奇妙な愛とでもいうか、それが二人を長年結びつけている。ボルグが若くして自棄的にリタイヤしてしまった後、残されたマッケンローが向かい合わざるをえなかったのがまさにそれ。ボルグの決断は彼自身のみならず、ライバル・マッケンローのその後のキャリアにも影響を与えた。

- 引退を決めた当時のボルグの精神状況に思いを馳せると・・・彼はマッケンローとのライバル関係がもたらした息詰まるような親密さに疲れ果てていたのではないか。そして一旦No.1の座から滑り落ちるや、それ以上過酷な選手生活を続けることに意義を見出せなくなった・・・

- 仮に決勝でフェデラーが負けたとして・・・彼に何が起きるかは神のみぞ知るところだ。が、もし"それ"が本当に起きたら・・・本人のみならずナダールにとっても、人生における決定的事件となることは間違いない。もし、そうなったら・・・それはきっと耐え難いほど濃密で、鮮烈で、痛ましい体験となるだろう。当日試合観戦するのが今から怖くなってくるほどだ・・・(もっと怖い《or最悪な》のは、この試合を見損なうことだが・・・)


・・・そうかぁ~言われてみれば納得かも。近年私のテニス熱がぶり返したのはフェデラーとナダールという二人のプレイヤーの存在、二人のライバル関係に魅了されているから・・・というのが確かに大きい。彼等に匹敵する"strange love"を感じさせる好敵手同士というと、他にはボルグ&マッケンローしか思いつけない。

このコラムを読んで、30年近く前にウィンブルドン男子ファイナルで死闘を繰り広げるボルグとマッケンローを見ながら、ふと奇妙な(矛盾する)事実に気づいたことを思い出した。これほど熾烈で濃密な闘いをしていながら、たった今・この地球上でこの二人ほどお互いを理解し合っている"同志"はいない、一万を超す聴衆に囲まれていながら彼等は今、二人ぼっちのユニバースに存在しているんだなぁ・・・と。

ライバル同志はプレイ・スタイルや性格が対照的であればあるほど面白い。ボルグ&マッケンロー然り、フェデラー&ナダール然り。そして二人のうちどちらか一方だけでなく、両者に対して尊敬の念と愛情(ミーハー心・笑)を持てることが重要。そうでないと、二人のドラマに引きずり込まれないんですよね~ この点もフェデラー&ナダールはボルグ&マッケンロー同様クリアしてくれてます。

そのフェデラーとナダール、今週試合後の二人の顔つきがどんどん引き締まって・明るくなっていくように感じられたのは、辿り着くべき最終地点にむけて着々と歩を進めていることへの満足感と誇りに満ちていたからか?この二人が現在男子プレイヤーの中で別格の存在であることを差し引いても、対戦相手が目の前の一ポイント・一ゲーム取るのに躍起になっているのとは対照的に、もっとずっと遠くを見据えているというか、実に淡々とした静かな表情で自分のプレイに専念している姿にただただ唸らされました。すべては明日の一戦のために・・・"運命の試合"の目撃者となる、稀有の機会ですよ!

☆ 記事タイトルの「運命の掟」は最近《またまた》ずっと聴いてるThe Doobie Brothersのアルバム・タイトルから借用しました。(原題は"Livin' on the Fault Line"だけど・・・)これと"Minute by Minute"(超名盤!)はかれこれ30年近く聴き続けてるけど、いつまでたっても色褪せない・真のクラシック・アルバム。ボルグ&マッケンローといい、お若い方には"?"の世界でしょうけど、いい時代だったんですよぉ・・・
2008-07-06 00:45 | 英国生活 | Comment(8)
パリオペ・オーディションの結果 《第一弾》
本日行われたパリ・オペラ座バレエ団のオーディション結果の速報がダンソマニに出ていました。

8/29付でコールのメンバー(カドリーユ)となる4名は以下の皆さん:

- Mlle Barbeau, Mlle Baulac, Mlle Saint-Martin, Mlle Hilaire

全員女の子ですね。最後のMlle Hilaireは、もちろんイレールのお嬢さん・長女のジュリエットさんですね~おめでとうございます。(ひょっとして、ガルニエの舞台で"親子共演"なんて可能性もあるのかなぁ・・・なんてふと頭をよぎってしまったわ・・・)

今回なんと男子は該当者がいなかったようですが、明日(あ、もう日付が変わってるから今日か)一般からの応募者に交じって敗者復活戦があるから、頑張って~!《あと6人分空席があるはず!》
2008-07-04 09:04 | パリ・オペラ座バレエ | Comment(0)
イレールのM.デュバル・デビュー
戻ってきました~。昨夜(7/1)のオスタ&ガニオ組公演で、イレールが無事アルマン父デビューを果たす姿を見ることができました。

意外にも、イレールのM.デュバルは「麗しの・まだ若いパパ」では全然なくて、名門家系の家長たるデュバル氏のいかめしさと威厳を前面に打ち出す役作りでした。そのせいか老けづくりで、登場シーンではあまりに老けてみえてちょっとショックだったんだけど、リアリティはあったな・・・。マチューとの、"夢の美形父子誕生"を目撃することだけが目当てという、こちらのさもしいミーハー根性を見透かされたようで、ちょっとしたカウンターパンチをくらった気分でした。(さすがイレール?)

この役は踊るシーンは殆どなくて演技面が見せ所なので、その点で一つ気になったのは、表情にあまり変化が感じられなかったこと。登場シーンから表情にもの凄く悲愴感が漂っていて、基本的に全編通してずっとこのまま。さすがに初日(彼の)で若干硬くなってるのかなぁ・・・二度三度と演じるうちにこの辺りもう少し幅が出てくるんじゃないか・・・と感じられて、後半も見られたらなぁ・・・とため息。

公演自体は・・・私は前回上演時もマチュー&クレール・マリのペアで見たのだけど、あのときと印象(感想)はほとんど変わらず。多少見慣れた分?苦手意識が少しだけ薄れた気もしたけど、あの"カラッポ感"は、如何ともし難いものあり・・・。

ところで、残念ながらエルヴェは怪我の回復が間に合わなかったようで、今夜の公演はステファン・ビュイヨンが代役をつとめたようです。結局フィルム撮りは彼とアニエスでされることになったようですが、急ごしらえのペアで(しかも彼の方は初役!)いきなり撮影なんて、二人とも大変でしょうね・・・何もそこまでムリして撮らなくても・・・とついリアクションしてしまいましたが、かくなる上はビュイヨン君に頑張ってもらうしかないですね・・・(彼までコケたら、またボッレを呼び戻すしかない??)
 

2008-07-03 09:19 | パリ・オペラ座バレエ | Comment(4)
07
--
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
28
29
30
31
--
>>
<<
--
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。