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パラント・ハウス・ギャラリー
昨日の記事で書ききれなかったことを付記しておきます。ひょっとしたらEye-music展よりこっちの方がインパクト強かったんじゃないか・・・と強烈に印象に残った、ある"もの"について。

展覧会の会場・パラント・ハウス・ギャラリーは、18世紀初頭・"クイーン・アン"時代のタウンハウスの建物を美術館として公開したもの。メイン・ギャラリーは敷地内に造られた新設スペースだけれど、タウンハウスの方には絵画と並んで当時の調度品や家具が展示されていてクラシックな趣き。

この「旧館」の内部を一通り見て回るもさほど興味をひかれるものには出会わず、引き返そうとしかけた時、ふと目にとまったのが吹き抜けになった大階段の壁面部分。遠目には、一面に赤と黒の混じり糸でできたラグを張り詰めてあるように見えたんだけど、布のわりには随分とデコボコしている。近づいて見てみると・・びっくり!

なんと、それは貝殻とベルベット(布)のコラージュ(?)なのでした。ムール貝を半開きにしてその中に真紅のベルベットを挟み込んでいる、という何とも奇妙キテレツなモノが、その数2万個!壁面を覆いつくしていたのでした。間近で見ると、貝とベルベットという異質なマテリアル同志の組み合わせが妙に魅力的で、ついつい触ってみたくなる誘惑にかられて困った(笑)。これが、重厚な木製の階段と天井から吊り下げられたエレガントなシャンデリアとも不思議とマッチして、えもいわれぬ面白い空間を創り出していることに感心。ボランティア・スタッフの方に、コレは一体何ですか?昔からずっとここにあったんですか?と尋ねてわかったのが、英国の現代作家のインスタレーション作品で、タイトルは(ズバリ)"shell"。昨年来「展示」されているということ。

家に戻ってネットで制作者・スージー・マクマレーさんの公式サイトを見てみると、ああありました。これこれ。

http://www.susiemacmurray.co.uk/pages/exhibitions.html

("Click her for images"をクリックすると別ウィンドウが開き、写真が6枚見られます。最後の最後に商売してるところがややシラけますが・・・)

"shell"の下にある"echo"にもすごくひかれます。こちらはヨークの教会を舞台にしたインスタレーション。幻想的でポエティック・・・実物を体験してみたかった。
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2007-08-30 09:05 | アート情報 | Comment(2)
見る音楽、聴く絵画
三連休だったこの週末、イングランド南部の海岸沿いにあるChichesterという町に出かけてきました。お目当ては、この町の小さなモダン・アート・ギャラリーで開催中の特別展を見るため。

所はPallant House Gallery、展覧会のタイトルは、"Eye-music: Kandinsky,
Klee and all that jazz"


タイトルを見てピンときた方には、説明の必要もないでしょう。20世紀初頭に、視覚芸術の新たな可能性を模索する上でアイデアと手段を「音楽」に求めた、一群の画家たち。彼等の多くは画家であると同時に音楽家でもあり(広義の意味で)、「音楽こそが最良の教師」(カンディンスキー)という揺るぎない信念を持って、音楽理論・形式を絵画制作に転用する。具体的には音を色彩に置き換え、画面から対象物を取り去って(あるいは対象を簡素化して)より自由・かつ即時性を重視した抽象表現が主流。

・・・で、私自身は常にこのテーマには魅了されてきたのだけど、ある程度知っていると言えて・かつ心底興味(と愛)のある画家はカンディンスキーだけなので、彼自身の言葉で表現して頂くと、たとえば・・・

「・・・色彩は、魂に直接的な影響をあたえる手段である。色彩は鍵盤、目は槌。魂は、多くの弦をもつピアノである。画家は、あれこれの鍵盤をたたいて、合目的的に人間の魂を振動させる、手である。」(『芸術における精神的なもの』 1911年)

この時期の代表的な作家のうち今回ここに集められたのは、カンディンスキーのほかクレー、クプカ、ヤウレンスキー、ドローネー夫妻 (ソニア)、モンドリアン、マティス、ミロ・・・等々。メジャーな名前に加え、見慣れない英国人画家の作品も数点あった。(本来このギャラリーのコレクションは英国の<特にモダン>作家のものがメイン。)

この特別展のことは先週たまたま知って、アクセスできる範囲内でカンディンスキーがらみ・かつ興味あるテーマの展覧会をやっているなら行くしかない!と、矢も盾もたまらず電車に飛び乗ったのですが・・・

往復四時間かけて行った甲斐はありました。大満足というわけではなく、色々言いたいことはあるんですが。

まず、展示数が59とこれだけ壮大なテーマを扱うには十分とは言えないし、十分予想されたこととはいえ英国内から集めたコレクションに依存する度合いが少なくなかった(=新鮮味に欠ける)。カンディンスキーについていえば、このテーマに最もマッチすると思われる時期の彼の絵を持っているレンバッハハウスからもグッゲンハイムからも一枚もきていなかったのは、残念無念と言わざるを得ないし・・・。(まぁそれを言うなら、昨年のテイトでの回顧展にも確かレンバッハハウスからは一枚もきてなかったような記憶があるけど・・・。)

あとは、一部の例外を除き、このテーマで集められた上記画家たちの作品がそれぞれさしたる連関性なく並べられていて、全体に総花的な印象が否めない。(こういう人がいました・ああいう人もいました・・・。)リソースの限られた地方のギャラリー、必ずしも一般的とはいえないテーマ、という条件下では無難な行き方とは言えるかもしれないけれど、私的には特定のアーティスト・グループに焦点をあててもう少し求心力のある展示を望みたかった気も。(要は、カンディンスキー中心で企画作ってくれと言っているだけですね はい。)そして、展覧会タイトルの最後の部分、"all that jazz"と一括りにされた画家たちの部屋は、ちょっと薄っぺらかったなあ。この部分だけで一つのテーマとして成立できる魅力ある題材なのにもったいない。というか、それ故に、これはちょっと手を広げすぎたんじゃないか・・・と思ってしまったり。

(あと、展覧会の内容からは離れるんだけど、ちょっと気になったのが、世間に出回っているこの特別展のリーフレット。表紙に使われてる”売り"の絵がカンディンスキーの「コサックス」なんだけど、これは去年のテイト展でも採用してました。あまり注意せずに見たら、一瞬、「ああなんだ あの展覧会が地方に巡業してるのか」と思う人も出てくるのではなかろうか。こういうのは、明らかなミスでしょうねえ・・・)

・・・と、色々文句書いてますが、それでも、行って良かった・と思えた理由の一つは、まさに上で書いた二点目のお陰で(自己矛盾してますが・・・)、これまで見たことのなかった作家の絵を見られたこと。中でも、これまで実見した記憶のない、ミカロユス・コンスタンティナス・チュルリョーニスというリトアニアの画家の作品が面白かった。「ソナタ No. 5 - 海のソナタ」と題されたテンペラ画で三部作になっていて、それぞれ「アレグロ」、「アンダンテ」、「フィナーレ」と副題がついている。アレグロでは穏やかで調和のとれた波模様を、アンダンテでは静寂の海に浮かぶ一艘の船、フィナーレでは荒れ狂うビッグ・ウエーブを描写しているのだけど、繊細で緻密な筆致は若干ラスキンを思わせ、その幻想性は象徴派絵画にも通じるような・・・。この方は音楽家でもあったそうですが、音楽形式を素直にそのまま画面に移したアイデアは可愛らしくすらあるのだけど、独特の画風には惹きつけられました。やや興奮度はさがって、初めて見たイギリスの画家たちの作品もそれなりに面白かった。(ジャズ・ミュージシャンで画家のアラン・デイヴィーという人の絵とか・・・)

まぁ何だかんだ言っても、拍手すべきはこの国でこの種の野心的な企画展を開催してくれたという事実。これは素直に喜ばしい。願わくば、今後もさらにこのテーマを掘り下げてより見応えある企画展を見せてほしいものです。私的には共感覚をテーマにした展覧会を見てみたいんだけどなあ・・・。(などと夢想しつつカタログを見ていたら、2年前にそのものズバリの展覧会がロスであったようです。はぁぁ~いいなぁ 行きたかったなあ・・・)

ギャラリー内の小さな部屋で同時に進行していた"Sighting Music"というミニ企画展では、シェーンベルクやジョン・ケージの自筆スコアを展示していて、音楽に詳しい方にはこちらも興味深い内容なのでは。

ちなみにブック・ショップが充実していたのも特筆事項かな。私が訪ねた時にちょうどセールをやっていて、かなりの数の本が軒並み半額になってました。モダン・アート系が大半ですが、本だけでなく小物系やメモラビリア系のものも置いていて充実した品揃え。(色々目移りしたあげく、カルティエ・ブレッソンの大部の写真集を半額でゲットしてきました!)

9月16日迄開催、入場料6.5ポンド。ちなみにこの展覧会、10月にはノリッヂに移動するようです(会場はSainsbury Centre for Visual Arts)。

☆パラント・ハウス・ギャラリーのサイト

http://www.pallant.org.uk/

☆Wikipediaのチュルリョーニス・ページ(作品を見られます)

http://en.wikipedia.org/wiki/Mikalojus_Konstantinas_%C4%8Ciurlionis
2007-08-29 07:26 | アート情報 | Comment(2)
ヌレエフのドキュメンタリー番組
本題に入る前に、ちょっと気になることがあったので書いておこう・・・。

殿、ことイレールが来月マラーホフの代役で東バ公演に登場、という驚愕のニュースはこうさんに教えて頂いて知りましたが、あとでNBSサイトに見に行って、"むむ?"とひっかかったのが、彼のタイトル。

「オペラ座バレエ団副芸術監督」と書いてあって、なんか勘違いしたのかなぁ・・・と最初は気に留めなかったんだけど、一応サイトの英語版を見てみた。そうしたら、ちゃんとそこにはこう書いてありました。

- Etoile, currently Ballet Master, Paris Opera Ballet

うん、そうですよね 彼はバレエ・マスターですよね。ってことはやっぱり誤訳か。(ちなみに私の理解では現在パリ・オペラ座に「副芸術監督」という職位は存在しないと思うんですが・・・上級バレエ・マスターのパトリス・バールの正式なタイトルは"maître de ballet, associé à la direction de la danse"だけど、これを副芸術監督と訳すとしたら、超意訳だしねえ・・・。)

まぁ彼のファンでない方には大した話ではないかもしれないけど、私的には、かなり驚かされましたわ。

え~ では本題。来月、9月29日9月22日、BBC製作のヌレエフのドキュメンタリーが放送されるようです(どのチャンネルか不明!)。ちなみに、なぜか本家に先行して、アメリカのPBSがあさって水曜に放映するみたいですので、米国在住の方はチェックなさってみて:

http://www.nytimes.com/2007/08/26/arts/dance/26gure.html

一時間半のドキュメンタリーで番組タイトルは "Nureyev: The Russian Years"。文字通り、西側に亡命を遂げる以前の若き日のヌレエフに焦点をあてた内容らしく、私的には門外不出のKGBファイルにアクセスすることに成功したという点にかなりそそられました。

放送チャンネル・時間等更なる詳細がわかり次第、追って記事にするつもりです。
2007-08-28 03:40 | 情報系(ニュース、公演) | Comment(1)
フローレスとかブライアンとか
この間たまたま目にした嬉しい情報。今年のプロムス・最終夜にファン・ディエゴ・フローレスが登場するとか!

フローレス・ファンの方なら先刻ご承知でしょうか 私はプロムスは追っかけてないので、全然知りませんでした。プロムスのラスト・ナイトなんて久しくまともに見て(聴いて)ないけど、今回はしっかりTVつけとかなくっちゃ。

http://www.bbc.co.uk/proms/2007/pitp/london.shtml

フローレスは'In the Park'(ハイド・パーク)の方なんですね。全然チェックしていなかった本公演の方を見てみると、こちらにはアンナ・ネトレプコとジョシュア・ベルがゲスト出演するようで、なかなか豪華な最終日となりそう。

さて、話はガラリと変わります。このブログにも何度かご登場頂いているクイーンのギタリスト、ブライアン・メイ。先日Google Skyのことを書きましたが、天文関係の話題というと真っ先にこの方のことが頭に浮かぶ私、久々に彼のブログを覗きに行ってみたんですよね。そうしたら、なんたる偶然かちょうどその日(8/23)、ブライアンはPh.Dの口頭試問にパスされていたのです! 

学生時代に天体物理学の博士号をめざしていた彼、クイーンの活動に専念するために学業の継続を断念されたという経緯があるのですが、ご本人いわく、「37年かかったけど、やっと博士になったよ!」。凄い人だなあ・・・ますます尊敬してしまいます。

Congratulations, Dr. Brian May!


2007-08-26 10:09 | 情報系(ニュース、公演) | Comment(4)
宇宙の彼方へ・・・
本日の私的・大ヒット・ニュース。

「Googleが開発した新ソフト・ウエア、"Google Earth/SKY"で天体地図&写真を見られる!」

今朝新聞を開いたら目に飛び込んできたのが、得もいわれぬ神秘的な美しさの天体写真。むむ?と記事を読み進んで、すっかり興奮してしまった。Google Earthというと空から地上を見下ろして撮影した衛星写真が見られることで有名だけど、その逆ヴァージョンを開発したというわけ。たとえばGoogle Earthで自宅地点をポイントしてそこで"SKY"にスイッチすると、我が家から見られる星空の天体地図が表示されて、更にそこからどんどん宇宙の奥深くに踏み込んでいける・・・さながらPC上のマイ・プラネタリウム。

で、ミーハーな私は帰宅するや食事もそこそこに早速ソフトをダウンロードして、しばし「宇宙遊泳」。「絵」としては、高解像度画像を使っているというけど所詮写真だし、自分で天体望遠鏡を覗いて・あるいは肉眼で星を見る醍醐味にはかなわないかもしれない。それでも、日頃こういう分野に全く縁のない私のような人間が、PC上で天文地図を自在に動かして好きな星に飛べるというのは、かなり衝撃的な体験(やみつきになりそう!)。

(まあーしかし、Googleというのは恐ろしい会社ですなー。これって多分Googleの有能なエンジニアの、"こういうことできるといいなあ”っていう素朴な発想から始まって、最終的にNASAとかその道の権威を巻き込んで創り上げちゃったのではないか。「ネット上に不可能が存在することは許さん!」という攻撃的にして執拗な彼等の行動原理があってこその結果、にみえる。新しい"おもちゃ"を与えられて単純に喜んでる私のような人間は、知らずにGoogleの世界観形成に加担しちゃってるのかも・・・なんて、ふと思ったりも。)

さてこのソフト、ただ漠然と眺めるだけなら、使い方は至って簡単。ご親切に、メジャーな?星に関しては解説文まで出てきます。自分で検索ワードを入れて好きな星に飛べるんだけど、ふざけて"M78"と入れたら、ちゃんと出てきました!(ダン~~!笑)ちなみに"Black Hole"はダメでした・・・英・Wikipediaで調べたら、ブラック・ホールは未だ直接観測の実績はないんだそうです。(きっと私と同じことを試した人が世界中にゴマンといることでしょう!)

プレス・リリース用の写真の中で一番気に入った写真は、「オリオン大星雲」のもの。Times紙のオンライン版で見られますのでご興味のある方は以下リンクからどうぞ。("Click here to launch the slide show"を開いて、8枚中最後の写真)

http://www.timesonline.co.uk/tol/audio_video/photo_galleries/article2310064.ece

自分で見つけた中では、Sagittarius(射手座)Star Cloudが気に入りました。数百万の星がひしめき合っていて、宝石箱を引っ繰り返したような燦然たる煌き!しばし非日常の空間にワープできること請け合いです。
2007-08-24 10:05 | 未分類 | Comment(0)
「明るい小川」 番外編
ここ数ヶ月というもの雨がちで低温続きだったブリテン島。どうやら夏らしい夏を迎えずにこのまま秋が来てしまう模様で、なんと寒々しいことよ。そして、ボリショイ閉幕とともに、私の心にもすでに秋風がぴゅーぴゅー吹きまくっています・・・ああ脱力。

まだレポできてない公演もあるのだけど、取り急ぎ千秋楽の公演の番外編・メモを記しておきます。まずは、ロンドンのバレエ・ファンがフィーリンさんに贈った"寄せ書き"の件ですが。先日、ノートに空いてるページがかなりあった・・・と書きましたが、完成品を見たら、この部分にはちゃんと写真やポストカードが貼られて素敵な記念品に仕上げられていました(素晴らしい~)。

終演後は小雨のちらつく中デマチするファンも多数。フィーリンさんに今後のスケジュールを伺ってみたところ、ボリショイと一緒にロンドンに来るのはやはりこれが最後(嗚呼・・・)、でもイギリスにはまた来ますよ・・・という嬉しいお話を聞けました。まず来年4月にニーナのカンパニーのエジンバラ・ツアーに参加する予定("ニーナ"と名前が漏れるやファンから歓声があがってました!)。演目はロミジュリとジゼルと、多分・・・白鳥。その後2009年にロンドンで予定されているガラ公演にも出演予定なのだそうです。(ちなみに来年の日本公演について水を向けてみたら、え?という表情で、「二週間後に日本に行くけど、来年??」と全く記憶になさそうなご様子でした。もっとも、何人かのダンサーに同じ質問をしたら全員不可解な表情をしていたので、まだ彼等には知らされていないのかもしれません・・・。)

沢山のファンに囲まれてサインや写真をねだられても辛抱強くお付き合いくださって、最後にさようなら~と優しく手を振って去っていったフィーリンさん。オフでもハンサムだしチャーミングだし・・・ああ素敵。貴方のアルブレヒトを見られるのなら、きっと北上いたしますわ~と心に誓ったのでした。(Edinburghのことを"エディンブルグ"と発音されていたのも、可愛かったわ~~。)

続いては「明るい小川」の音楽について。昨日どうしても音楽が聴きたくなって、でも勿論CDなど持っていないので、USアマゾンのサンプラーなど流してお茶を濁しておりました。私が聴いていたのはG.ロジデーストヴェンスキイ指揮・ロイヤル・ストックホルム交響楽団演奏のもの(レーベル:Chandos)。

http://www.amazon.com/Shostakovich-Limpid-Stream-Elemer-Lavotha/dp/B000000AYB/ref=sr_1_2/102-0495825-8539300?ie=UTF8&s=music&qid=1187483228&sr=8-2

てっきり全曲版なのかと思いきや、一幕二場冒頭で農民男女によって踊られるダンス・シーンの音楽(聴き慣れたメロディーの、たしかワルツ??)が入っていない・・・収録されていないのか、はたまた自分が何か勘違いしているのか?と気になってちょっとサーチしてみたら、なんとも凄いサイトにぶち当たってしまいました。日本語のショスタコーヴィチ・ファン(研究?)・サイトに、「明るい小川」の決定版的解説ページが!

http://develp.envi.osakafu-u.ac.jp/staff/kudo/dsch/stream.html

なんとここに、前出のディスク収録曲と、ボリショイのラトマンスキー版で採用されている曲の対応表があります。ロジデーストヴェンスキイ版は一応「全曲版」と紹介されていますが、それでも一部収録されていない曲もあるらしくて・・・この辺私には理解不能なんですが、肝心のダンス曲は同ディスクから割愛されている様子はないので、やっぱり勘違いしてたのかなー・・・。「小川」の映像はYouTubeでちょっと見られるのですが、ソリストの見せ場のシーンだけで(マーシャとフィーリン!)、アンサンブルのはポストされていないみたい。ま、無理もないか・・・次回鑑賞する時に確認することにしましょう。

で、検索中YouTubeでこんな面白い映像を見つけました。モスクワ・スケルツォ・カルテットというグループが「小川」から抜粋でミニ・メドレーを演奏しています。こういう民族楽器(?)で素朴に奏でられると、より一層味わい深くていいですね~ この音楽。(真ん中の方の抱えている巨大なギター?はなんていう楽器でしょうか??)

http://www.youtube.com/watch?v=jgKKodrCe-M

(そうそう、蛇足ながら「小川」の英訳題には"The Bright Stream"と"The Limpid Stream"の2ヴァージョンがあって、すごく紛らわしい!どちらかに統一してほしかった・・・検索する時非常に煩わしいのですよ。)

【8/22追記】一幕二場で農民男女のダンス・シーンに使われていたワルツ曲はジャズ組曲第一番・第一曲からの転用と判明。ロジデーストヴェンスキイ版ではおそらくNo. 7の"Scene And Waltz - Entr'acte: Allegretto"の後半部分ではないかと思われる。(サンプラーは冒頭部分しか聞けないので入っていないと思い込んでいただけかも・・・冒頭部分の音楽(Allegretto)は二幕でも再び登場するのだけど、ワルツとは全く異なる曲想。No.7はこれとジャズ組曲の一部をつなぎ合わせて一曲としているのかもしれない。)
2007-08-21 06:48 | ボリショイ・バレエ | Comment(4)
ボリショイ・バレエ 「明るい小川」 (8/18)
ボリショイ・ロンドン・ツアー2007、千秋楽の昨夜は初日以上に舞台と客席が熱く盛り上がって、にぎやかな幕切れでした。コミック・バレエのせいもあるけれど、今夜が最後・・・というこちらの一抹のさみしさをも吹き飛ばして・暖かな気持ちで家路につかせてくれたのは、やはりボリショイならでは。ツアー最後の夜、大いに楽しませてくれた主要キャストはこちらです。

ジーナ: スヴェトラーナ・ルンキナ
ピョートル: ウラジーミル・ネポロージニー
バレリーナ: マリヤ・アレクサンドロワ
クラシカル・ダンサー: セルゲイ・フィーリン
アコーディオン奏者: ゲンナジー・ヤーニン
ガーリャ(女学生): クセニア・プチェルキナ
老夫婦: アナスタシア・ヴィノクル、アレクセイ・ロパレーヴィチ


最終回で皆ノッていたけど、私的ハイライトは、やはり、マーシャとフィーリン!二人とも役に怖いくらいにハマっていて、もう~魅せてくれました。加えて芸達者なヤーニン、この三人は2003年4月の本拠地での初演時・ファーストキャストでもあり、踊りこんでいる上に既に芸風も確立しちゃっている感があるほどの充実ぶり。で、どうしても三人に目が吸い寄せられしまって、お陰で一幕の老夫婦のずっこけpddも乳搾り女とトラクタードライバーのダンスも昨夜は殆ど見てませんでした。(ベンチに腰掛けて「コルホーズ構成員」の踊りを鑑賞している三人の様子が気になって気になって・・・。)

マーシャのThe Ballerinaはいかにも首都・モスクワから派遣された花型スターの香りぷんぷん。カリスマティックでグラマラス、大きな瞳をくるくるせわしなく動かしたり・見開いたり、目の演技も秀逸。農民たちの踊りを見ているときの表情が、「んま!なんて粗野な人たちでしょう・・・ワタクシ、場違いな所に来ちゃったみたい・・・」という驚きと戸惑いから急にお愛想笑いに変わったり、ヤーニンと意味ありげに目配せ交わしたり、小芝居を見るのが楽しい。フィーリンとはずっと仲良さげに肩寄せ合っていてこの三人の並びを見るのが堪らない喜びでした。農民とコサックの男たちのダンスにグラン・ジュテで飛び入りするシーンでは目をランランと輝かせて、雄雄しくスリリングなダンスを披露。最後に男たちにリフトされて女王様然と艶やかに微笑むマーシャを、パートナーのフィーリンが、やれやれ・・・という表情で見守っていたのが可笑しかった。

そのフィーリンは・・・

もう、ほんっとにワン・パターンで申し訳な~~いのですが、ただひたすらにカッコ良くてエレガントでチャーミングで・・・ため息・ため息・ため息の連続でした。カーキ色のミックス・ツイード風のジャケット&ニッカーボッカーにワインレッドのソックスがあまりにもお似合いで、"あーフィーリンのジェームス見たかったなあ さぞかしキルトが似合うだろうなあ・・・"と考え始めたが最後、二度と立ち直れなくなりそうでした(笑)。最後の夜とあって初日より芸も細かくて、農民たちの踊りを見ながらベテラン活動家のガヴリリーチに気を遣ったり、時々立ち上がって女の子の一人に話しかけたり忙しい。(よくよく見てみたら、フィーリンが話しかけていた綺麗~な女の子はレベツカヤでした。)

ニ幕ではそれぞれ男装・女装して達者な踊りと演技で沸かせてくれた二人。マーシャは初日のオーシポワよりも長身で手足が長いのでより男装が映えるし、(男っぽい)決めのポーズがサマになってカッコいい。フィーリンのシルフィードは後半、あまりに女役に入り込みすぎてパートナーのマーシャに諌められるようなシーンがあって可笑しい。二人のパートナーシップの素晴らしさを存分に堪能させてもらいました。

さてさて忘れちゃいけないのがもう一組の主役ペア、ルンキナとネポロージニー。ルンキナのジーナはこれまたハマリ役、みずみずしくて若奥様の雰囲気たっぷり。ネピー(と、ロンドンでは呼ばれている)のピョートルは頼りがいのある誠実な青年という風情で、あまり浮気心起こしそうには見えなかったんだけど・・・。二幕で顔を隠してバレリーナになりすましたジーナと自分の妻とは気づいてないピョートルが踊るシーン、とてもロマンティックなpddなんだけど、ジュリエットのネグリジェ?風の衣装で踊るルンキナがとても美しかった。踊り終わると感極まったピョートルが"バレリーナ"に花束を捧げるのだけど、受け取ったルンキナのふてくされたような怒った表情がすごくナチュラルで可愛らしくて、演技巧者だなあ~と改めて感心。

最後に、ショスタコーヴィチの音楽について。昨夏、今年と都合4回このバレエを見たわけですが、昨夜は音楽の面白さに猛烈に惹きつけられてしまって、今日はずっと頭の中で鳴りっぱなし。わざとらしいほどシアトリカルなところとか(パロディー風)、素朴なフォーク音楽を一味捻って出してくるところとか、一筋縄でいかない面白さがある。妙に懐かしい・郷愁をそそるメロディーに身をうずめていると、モダンでカオティックな音が襲ってきたり・・・と、個性的なスコア。昨夜はニ幕が始まる前、指揮者(パーヴェル・ソロキン)が観客の拍手に応える時に楽譜を掲げていたのだけど、作曲者への賛辞を促していたのかな。それを見ながら、この魅力的で個性的なバレエ曲を復活させたということだけでもラトマンスキーの功績は大きいかも・・・とふと思ったり。

カーテン・コールでは暖かい拍手が続き、ストールズの最前列と舞台横のボックス席からいくつも花束が投げ込まれていました。そのうちの一つをマーシャが客席めがけて思いっきり投げ返すと、他のダンサーたちも一斉に客席・オケピットに花を投げ出して、しばし舞台と客席の間を花が行き来するという、楽しい幕切れ。他のバレエ団では見たことのない光景で、やっぱりボリショイは熱い・楽しい・暖かい!と、拍手しながら胸が一杯になりました。
2007-08-20 09:10 | ボリショイ・バレエ | Comment(4)
ボリショイ千秋楽とリング・サイクル・プレビュー
いよいよボリショイの千秋楽、あと数時間で最後の公演「明るい小川」が始まってしまいます。大・大・大好きなペア、アレクサンドロワ&フィーリンで見納めというのが救われるけど、やっぱり彼らが帰ってしまうという淋しさはいかんともしがたい・・・。

今回でボリショイ・プリンシパルとしてのロンドン公演は最後と噂されるセルゲイ・フィーリン。ロンドンのファン有志から彼に贈る"寄せ書き"に、昨夜サインさせてもらいました。素晴らしい舞台の数々をありがとう・気が向いたらいつでもロンドンに戻ってきてくださいね 大歓迎します!と書いたんだけど、最後の言葉は必死の思いをこめて力入れて書き込みました。(ボールペンの出が悪くてぎゅうぎゅう押し付けながら書いたのですんごく汚い字になってしまって、ごめんなさい・フィーリンさま!)

ところでこの寄せ書き、先日カードと書きましたが間違いで、ノートブックでした。わりと分厚い何の変哲もない普通のノートで、私が書き込んだときはまだ5ページ分ぐらいしか埋まってなかったけど、ブランク部分が相当残ったとしてもそのまま渡すのだろうか?ちと気になる・・・。(このノート、Helenという女性が回してくれています。ロンドン組の方で是非サインしたいという方は、公演終了後ステージドア付近で黒いノートをもった中年の英国人女性をさがして声をかけてみてください!)

さて、話題はがらりと変わりますが、これはお知らせする価値あるかな?と思って書いておきます。

ロイヤル・オペラが新シーズン全精力を注いでいる(?)ワグナーのリング・サイクル。全公演のチケットはほぼ一年前に完売されていて、この状況に乗じて「プレビュー・サイクル」という名目で"追加公演"を打つ模様です。本公演に先んじて行われるためテクニカル・プロブレムを生じる可能性を折り込んで、チケット代は半額らしい。出演アーティストはドミンゴをのぞけばほぼ本公演と同じラインナップのようで、本公演のチケットを買えなかった方には朗報ですよ。公演日は以下の通り:

Das Rheingold (24 September, 7pm), Die Walkure (26 September, 5pm), Siegfried (28 September, 5pm), Gotterdammerung (1 October, 4pm)

オペラハウスのサイトにはまだこの件アップされていないようです。チケット購入は電話で(番号:020 7304 4004)。
2007-08-18 23:10 | ボリショイ・バレエ | Comment(5)
ボリショイ・バレエ 「明るい小川」 (8/16)
初日見てきました。あ~~~~ 楽しかった!!

"あかるいおがわ" は純然たる娯楽作品で、とっても笑えるという意味では世にも珍しいバレエ作品でもあるのです。こういう楽しい舞台を見た後では、あーだこーだとごちゃごちゃ書く気はしなくなるわ~。でも、どーしても・是非とも書いておきたいことがあって、それは、それは・・・

・・・ふふふ(不気味~)勿論、"あの方"のことですわ!

「可愛い!」「エレガント!」「チャーミング!」「色っぽ~い!」

バレエ界広しといえど、これら全ての要素を難なく身につけて・悩殺してくれるダンサーは、この人しかいな~い・セルゲイ・フィーリン!!

今夜はマーシャがいなかったのでフィーリンが舞台にいる間は彼のことしか見てませんでした。あの一幕の、あのお衣装(ベレー帽!)があそこまで似合うダンサーは他にはいないわ 絶対に・・・。可愛すぎる!美しすぎる!イイ男すぎる!!

ニ幕で女装してシルフに化けると俄然男っぽくなるところが、これまた素敵なの~。もうもうともかく、この役を踊るフィーリンをまた見られたのが嬉しくて嬉しくて、帰り道ではスキップ出そうなぐらいハイになっちゃった。フィーリンも楽しんで踊ってたんじゃないかなあ とっても晴れやかな表情してたもの・・・(ぽっ)。土曜の千秋楽に今度はマーシャとのペアで見られるのです。ああ、この我が身の幸運を天に感謝せねば!

で、決して付け足しというわけではありませんが(汗)、今夜のメイン・キャストはこちらでした:

ジーナ: エカテリーナ・クリィサーノワ
ピョートル: アンドレイ・メルクーリエフ
バレリーナ: ナタリヤ・オーシポワ
クラシカル・ダンサー: セルゲイ・フィーリン


ジーナ役のクリィサーノワ、とっても魅力的でした。容姿も踊りも言うことなし、メルクーリエフとの組み合わせはいかにも若々しいペアで可愛いらしかった。(彼女、微笑む表情がヴィシニョーワにちょっと似て見えたんだけど・・・似てないかなー?)そのメルクーリエフはチャーミングで、なにかとても生真面目でひたむきな感じがこの役によくハマっていました。バレリーナ役は燦然たるディーバ・オーラを放つマーシャ・アレクサンドロワが基準になってしまってるので、オーシポワはまだまだ若い(青い)という印象。一幕と二幕で表現にあまり違いが感じられないのがちょっと物足りなかったかな・・・まぁまだ若いので、これからですね。

さて実は、今夜フィーリンに次ぐツボツボ・ダンサーだったのは、アコーディオン奏者のヤーニンでした。せんだみつお風(古い・・・)のコッテコテのイヤラシさを漂わせて笑いを取りながらも、この人の踊りは滅法上手い、すごい!本当に、めちゃめちゃ上手い!身体能力が半端でないんでしょうね こういう風に動ける人って、なかなかお目にかかることはできません。

カーテンコールでは振付担当のラトマンスキー芸監も登場しました。あら~どうして?ロンドン初演ってわけでもないのに・・・と一瞬突っ込みたくなりましたが、まっいいか~ フィーリンを2回キャストしてくれてありがとう・監督よ!としっかり拍手を送ってきました。

※またしてもフィーリン鑑賞記録と化してしまいました(汗)。この作品のあらすじと見所(?)については、昨夏の鑑賞レポをごらんください:

http://londonballet.blog60.fc2.com/blog-entry-23.html#more
2007-08-17 09:03 | ボリショイ・バレエ | Comment(2)
ボリショイ・バレエ 「海賊」 (8/15 matinee)
昨夜のミックス・プロ開演前。ほとんど毎回顔を合わせる常連のCからショッキングな言葉を聞いてしまった。彼女いわく、フィーリンがボリショイのロンドン公演に参加するのは今回が最後だとか・・・。顔色一つ変えずに淡々とそう語る彼女に、思わず、えーっ誰がそんなこと言ったの!?と食ってかかったのだけど、あくまでクールなC(彼女はフィーリンのファンではないので)が淡々と続けるには、誰に聞いたか定かじゃないけどそういう噂があるから(常連の)Hが彼に渡すカードを回してるわよ・・・だって。

まさか、何だってそんな噂が・・・フィーリンって何歳ぐらいだっけ まだ30代後半よね?バリバリのクラシック・カンパニーである(しかも世界最高水準を維持し続けなければならない)ボリショイ・バレエ団では、男性ダンサーの寿命は決して長くないのかもしれないけど、それにしても・・・(泣)。Never say Never!と祈るような気持ちで向かったコロシアム、本日のマチネ公演。以下、殆ど「フィーリン鑑賞記録」ですのでご注意ください。メイン・キャストはこちらです:

メドゥーラ: スヴェトラーナ・ルンキナ
コンラッド: セルゲイ・フィーリン
ビルバント: アンドレイ・メルクーリエフ
ギュリナーラ: アナスタシア・ヤツェーンコ
奴隷のpdd: アナスタシア・スタシュケヴィッチ、アンドレイ・ボローティン
海賊ダンス: アンナ・レベツカヤ
オダリスク: オルガ・ステブレツォワ、アンナ・ニクーリナ、アンナ・レオノーワ

早速、フィーリンです(笑)。注目の登場シーン・・・これが、結構意表をつく、やや"老け作り"に見えるコンラッドなんですよー びっくり。髪はフロントをちょっとだけ立てて長髪を後ろで束ねてる。勿論口髭もあるし、しぶ~い雰囲気で、一昨日のサラサラヘアーでナチュラルな若々しい姿&昨夏のあのカワユーイ・変形マッシュルームが目に焼きついている身には、なんとも新鮮。この渋さとフィーリン特有の、ちょっと口角を上げてニヒルに微笑む表情が絶妙のブレンドで、”フィーリンってオネーギンが絶対似合うわ~!”と、彼の新たなレパートリーの可能性に思わず興奮してしまったのでした。

相手役のルンキナは清楚で可憐で陶器でできたお人形のよう。今回のツアー、全幕もので彼女を見るのは今日が初めてだったのだけど、昨夏に比べると格段に踊りのスムーズさが向上していたような。演技面には更に磨きがかかったみたいで、目で表現することにかけては彼女はボリショイ女性陣の中でも随一。慎ましやかで上品な中に茶目っ気もあるメドゥーラを演じていて好感が持てました。真ん中を踊る時の華やかさでは、ザハロワ、アレクサンドロワにやや負けてる感はあったけど。

この美形ペアに絡むのが、これまた綺麗なビルバント・メルクーリエフ。長髪で前髪を下ろしてるんだけどこのスタイルがとっても似合っていて可愛いので、凄みとかワルっぽい雰囲気はないんですが・・・しかし、この人も目力は相当。くっきりアイラインに縁取られた目が今日は凄く生き生きと光っていて、先週見たときよりもインパクト強かった。(前夜とその前に滅茶苦茶運動量の多いサープ作品踊ってすっかりハイになっちゃったのか?なんて空想してました。)フィーリンとメルクーリエフが並ぶ図は、ベテランと若手の対比がくっきり・上下関係は明確だったけど、ちょっと綺麗すぎて、コレほんとに海賊~?だったような。(ま、私的には大歓迎でしたが・笑)

ヤツェーンコの大人なギュリナーラはとっても好きだけど、先週この組で踊って評判の良かったクリィサーノワも見てみたかったなあ。(彼女は明日の「明るい小川」の初日を踊ることになっているからお休みだったのかしら。)トロワ・オダリスクのうち二人は先週と違うダンサーで見られてこれも嬉しかった。先週のファースト・キャストの3人はやはり凄かったけど、今日も満足度の高い踊りを見せてもらいました。(オーシポワが踊った3emeヴァリエーションの気になっていた振付、今日の方はピルエット&アラベスクを繰り返していました。やはり、あれはオーシポワ・スペシャルだったのね・・・)

フィーリン@コンラッドで見ると、つくづくこの版は2・3幕は男性ダンサーの出番がない・・・と痛感。もうちょっと踊ってほしかったなあ・・・彼の演技は素晴らしかったけど。ルンキナを本当に愛おしそうに、"なんてイイ女なんだ~"って熱烈な目で見つめる度に、きゃ~きゃ~♪と反応しながら見ていたのは、私です・・・。

カーテンコールで幕前に主役ペアが出てきて拍手に応えるとき、フィーリンはドン・キの時同様、ゆっくり時間をかけてレヴェランスして、奥に消えていこうとするルンキナを引き止めると、膝まづいて彼女の手の甲にキス。彼のこういうところが凄く好き!で、二度目の時もフィーリンは恭しく・深ーく膝まづいてルンキナにキスしようとしたのに、彼女ったら、”もういい加減おやめになって~”とばかり、さっさと先に行っちゃったのです!えーっ何今の・・・ルンちゃんったら、ちょっと冷たいんじゃない!?と、一瞬真剣に怒りました私。ドン・キの時のフィーリン&アレクサンドロワの愛にあふれたカーテンコールを思い出して、千秋楽にまたこの二人が踊ってくれるからいいか・・・と気を取り直しましたが。

というわけで、明晩からいよいよツアー最後の演目「明るい小川」がスタートします。フィーリン、当たり役できっとはじけてくれることでしょう。楽しみ!
2007-08-16 07:51 | ボリショイ・バレエ | Comment(5)
ボリショイ新作"Elsinore"映像
ボリショイのミックス・プログラム、昨夜・今夜と見てきました。感想は後ほど(もう寝なきゃ!)。取敢えず、こちらのニュース番組のご紹介です。

英国初演の新作・Elsinoreを振付けたのが英国人クリストファー・ウィールドンということで、彼へのミニ・インタビュー中心ですが、ドレス・リハーサルの様子・舞台映像を見られます!(以下のリンクを開いて、"Watch the video"をクリック)

http://www.channel4.com/news/articles/arts_entertainment/performing_arts/bolshoi+ballet+dance+for+briton/675562

ボリショイ・バレエ団に作品を振付けた英国人は彼が初めてなんだー すごいことですね(ウィールドン、歴史に名を刻んだのね)。作品はアルヴォ・パルトのシンフォニーNo.3に振付られていますが、音楽についてはこんなことを語っています。「ハムレットをテーマにしたバレエを、というアイデアは、この音楽にインスパイアされて生まれた。この曲を聴くといつもハムレットを想起させられて・・・ただ、早い時点でこれを物語にするという構想は捨てたんだ、物語を語れるほどの(長さの)いい音楽が見つからなかったから・・・。」(注:大雑把な意訳です)

クリスマスの頃にこの作品のメイキング映像がTV放送されるようで、見るのが楽しみです(撮影者はBalletBoyz!)。

さてさて明日(おっともう今日だ・・・)はフィーリンのコンラッドを見るために休暇とっちゃいました。海賊・マチネ公演を見てきます~。
2007-08-15 10:47 | ボリショイ・バレエ | Comment(0)
日本語復活しました
読者の皆様へ

大変お騒がせしましたが、思ったよりも早く解決策を得られましたので、日本語に戻します。(PCは結局お釈迦になってしまったのですが、たまたま中古の物を譲ってくださる方が見つかって、すごくラッキーでした!)

PCってやはり最低二台は持っていないとダメなのかしら・・・拙宅のように一台しかないと、これが動かなくなったらもう完全にアウトだものね・・・。

ともあれ、取り急ぎ、ご報告でした。引き続き、何とか今夜中にドン・キのレポをあげておきたいと思っております。(何せ夜が明けたらボリショイのファイナル週間に突入です。月・火、ひょっとして水曜も見るかもしれないので・・・その前に何とかしたい・焦)
2007-08-13 07:22 | このブログについて | Comment(0)
Emergency Alert!
"ロンドン発 バレエ・ブログ" 読者の皆様


Dear readers,

This is a short note to let you know of the current status of this blog. As I wrote elsewhere, on Friday my PC broke down and since then I've been unable to write in Japanese. (I am currently writing from a rented laptop that is the company property of my hubby's so cannot download Japanese language set-up!)

Though completely deprived from facilities for writing anything in Japanese (characters), I have no problems with viewing. (Thanks to all those who contributed comments under the circumstances!)

Frankly at this stage I cannot figure out how long it will take to solve the problems - will give you an update when a progress is in sight, but in the meantime I may write & post in English... I do hope you will not mind my doing do! I will of course switch back to Japanese as soon as the solutions become available.

Many many thanks in advance for your patience - I am ever grateful for your kind readership!

P.S. Just in case you're wondering.... The salutation on top of this post, 'written' in Japanese, has not been actually typed on this keyboard/PC but copied & pasted.... (It took ages to put them all together - alas!)
2007-08-12 22:47 | このブログについて | Comment(2)
ボリショイ・バレエ 「ドン・キホーテ」 初日 (8/9)

Totally, purely life-enhancing experience that is Bolshoi's Don
Quixote!


ドン・キ初日を見てきました。「オール・スター夢の競演」を見せてもらって、まだ雲の上をフワフワ歩いているような気分・・・

満員御礼でスタンディングもぎっしり、人・人・人のオーディトリアム。異様な熱気の中、主役を踊ったのは21歳と19歳の若いペア。彼等の周りをカンパニー選りすぐりのダンサー達が固める。その中でも、ボリショイが誇る当代一流のキャラクター・ダンサー達、彼等の素晴らしさ、芸術性の高さといったら!筆舌に尽くし難い。「ザ・プロフェッショナル」と敬意をこめて呼びたくなる、各人がそれぞれの道を究めた、完璧なプロ集団。彼等がいるからこそ、この作品がここまで生きて、感動的なものになる。私にとっては彼等ダンサー達一人一人が真のスターで、今夜はまさにバレエのオール・スター競演を目にした思いなのです。

詳しいレポはのちほど、取敢えず本日の主要キャストです:

Kitri/Dulcinea: Natalia Osipova
Basil: Ivan Vasiliev
Don Quioxote: Alexei Loparevich
Sancho Panza: Alexander Petukhov
Gamache: Denis Savin
Juanita & Pikkiliya (Kitri's friends): Olga Stebletsova, Anna Rebetskaya
Street Dancer: Anastasia Yatsenko
Espada: Artem Shpilevsky
Mercedes: Irina Zibrova
Lorenze: Egor Simachev
Lorenzo's Wife: Elena Bukanova
Duke: Alexei Fadeyechev
Duchess: Anastasia Meskova
Tavern Owner: Ivan Prazdnikov
Queen of the Dryads: Ekaterina Shipulina
Cupid: Nina Kapstova
Spanish Dance: Anna Balukova, Kristina Karaseva, Evgenia Rozovskaya
Gypsy Dance: Yuliana Malkhasyants
Bolero: Anna Antropova, Vasily Biktimirov
Grands Pas 1ere Variation: Ekaterina Krysanova
2eme Variation: Nelli Kobakhidze
2007-08-10 10:19 | ボリショイ・バレエ | Comment(6)
ボリショイ・バレエ 「スパルタクス」 (8/8)
<キャスト>

スパルタクス: カルロス・アコスタ
フリーギア: アンナ・アントーニチェワ
クラッスス: アレクサンドル・ボルチコフ
エギナ: エカテリーナ・シプーリナ


ああ~またも夜中の一時過ぎ。でも何故かあまり眠くないので、ミニ感想さらっといきます。

ええーっと、今夜はクールです。実は、何を隠そう私はスパルタクスというバレエ作品が苦手でして・・・で、今日も一幕で実はちょっと睡魔に襲われてしまいました。(満員御礼の劇場で、多分こんな不心得者は私一人だったであろうと・・・汗)

この作品って好き嫌いがかなりはっきり分かれるんじゃないかと思われるのですが・・・好きな方なら多分音楽を聴いただけで血が騒ぎ・男性群舞のダンスに我を忘れる・・・というリアクションをされるのではないかしらん。

私はそのどちらでもなく、全然舞台に入り込めないんですよね。部分的に面白いと思えるシーンはあるけど、グリゴロの'マッチョもの'は私はほんとにダメみたい。(嗚呼・・・)

かたや、イギリスのバレエ観客は、この「ボリショイならではの」作品が大のお気に入りのようで、特に今回はカルロス・アコスタがゲスト出演したせいもあって、全3回の公演は早々にソールド・アウト。(アコスタは2回出演。)今回のボリショイ・シーズンでははじめて、初日も今夜もスタンディング・チケットが売られ、開演前劇場の外にはリターン待ちの行列が。オーディトリアムは本当にギッシリ満員で、壮観でした。

この作品を踊るのが長年の夢だったというアコスタは力強くかつスムーズなダンスを披露してくれたけど、私には訴えるものがあまりなくて・・・ヘンな言い方だけど、彼のいい人オーラが出すぎていたような。つくづくと、彼の本質はやはりノーブルなんだなぁ、この役にはもうちょっとエゴがあった方がいいんじゃないかなぁ なんて思ってしまった。

フリーギアのアントーニチェワはとてもエロティックな肢体を持ったダンサーなので、この役がぴったり。彼女がいかにも不幸そうな・訴えるような表情でこの振付を踊るのを見て思ったのは、さぞ男性の嗜虐趣味をそそるだろうなあ~ということ。(アントーニチェワはじめボリショイの美女達の美しい身体・特に脚を鑑賞するにはうってつけの、guilty pleasureの作品なのよねー これって。)

クラッススのボルチコフは・・・私の目にはお子ちゃまだったなぁ。線が細くてプレゼンスも弱い。ひょっとしてミス・キャスト?もう、エギナにやられっぱなし。

そのエギナを踊ったシプーリナが、私の目には今夜一番インパクト強かったです。(これ、得な役だけどね。)彼女ってまだ若いのですよね?なのにこの大胆不敵さと貫禄は一体何事??一言で形容するならこれしかありません・・・ she's got balls!!

最後に・・・オケは、今夜はよかったです。これまでで最高の出来、不満は一切なし。
2007-08-09 10:01 | ボリショイ・バレエ | Comment(1)
ボリショイ・バレエ「海賊」(7/30, 31) Part 2
時間の都合により、二幕以降のあらすじ紹介は割愛します。(どうしても知りたい!というリクエストがあればお応えしますが、所詮「海賊」ですので・・・。マリインスキー・ABT版と基本路線は同じです。最後は海賊船が難破するけどメドゥーラとコンラッドが生き残る・ハッピーエンド。) さて、今日は<肝心の>ダンサー達について。昨日書けなかった方々について、駆け足でメモを。

まずはこのプロダクションの最大の功労者である女性ダンサーたちについて。なにしろ「女の園」・バレエだから、女性達に華とゆるぎないテクが求められます。この点ボリショイ・ダンサーズに不足なし!ソリスト級は勿論、コール・ドも、どのお嬢さんもこんなに綺麗で・しかも踊りもこんなに上手くていいのだろうか・・・と、性懲りもなく驚き・目移りしてしまった。以下、出演順に、一言ダンサー評:

☆ アンナ・レベツカヤ(海賊ダンス)
初日にメルクーリエフ@ビルバントと鮮やかな海賊ダンスを披露。ともかく、すんごい別嬪!綺麗!色っぽい!で、踊りはパッショネートで力強くもあり、その美貌との相乗効果たるや激烈で、見ててクラクラしてしまうほど。このダンスに彼女をキャストしたのは大当り。勿論、観客の反応はすごくよかった。(2日目の方もグラマラスで綺麗だったけど、レベツカヤほどインパクトなかったような・・・)

☆ エカテリーナ・シプーリナ/アナスタシア・ヤツェーンコ(ギュリナーラ)
初日のシプーリナはエキゾチック系の容貌をさらに強調するように、肌をややダークに塗っていたかな?(それともヴァカンス焼け??)髪は漆黒のウィッグ(ベリーショート)で見た目のインパクト強し。フェアーなお姫様のザハロワとのコントラストがくっきりしていたのは、ヴィジュアル的にもマル。シャープでメリハリのある踊りは見ていて気持ちよく、華やかさもあって、適役。2日目のヤツェーンコは、ベテランらしくシプーリナよりもしっとり女らしい。で、マーシャとの並びは、二人とも包容力ある大人の女性同士、という感じで和んでしまった。シプーリナがぴちぴち弾ける若さで「大奥No.1の座はわたくしのものよっ」と強気にアピールする感じとすると、ヤツェーンコは賢さと優しさでパシャを手なづけそうな雰囲気。(ところで、このパシャの後宮はとっても楽しそうだった!ハーレムよいとこ・一度はおいでって感じで、皆さん綺麗なドレスを与えられて楽しそうに舞っていて、不幸そうな女性は一人として見当たらないの。こんなハーレムなら行ってもいいかな~、なんて・・・笑。)

☆ アンナ・ニクーリナ/エカテリーナ・クリィサーノワ/ナタリア・オーシポワ(トロワ・オダリスク)
三人ともそれはそれは素晴らしくて、”これこそボリショイの底力だ!”と震えがきたのがこのシーン。特に、オーシポワの印象が強烈で・・・彼女は3番目のヴァリエーションを踊ったのですが、あんな振付は見たことない気がする。多分普通はピルエット→アラベスクと繰り返して舞台を移動する場面で、なんとザンレールの2回転(確か)→アラベスクという”男並みの”大技を見せたのです!初日私の隣にはスラヴ系のダンサー(かダンサーの卵)とおぼしき若い男の子が座っていたのですが、オーシポワがこのシークエンスを終えるや(Vは終わってない)間髪入れずに盛大な拍手を送っていました。幕間に常連ファンが、”あれは彼女独自の振付(創作)”と言っていたけど、本当にそうだったのかしら 気になってます。

さて、やや影の薄い男性陣ですが、首領の座を狙う・海賊二番手のビルバント。初日のメルクーリエフは華奢で細面の横顔が綺麗なので悪人ぽく見えなかった。(ところで、彼も初日のコンラッド・マトヴィエンコも長い髪を肩まで垂らしていて細くてちょっと見似てるもんだから?ある知人は見分けがつかなかったらしい・・・)二日目のビィクティミーロフの方が狡猾そうな顔の表情とか、いかにも悪人って雰囲気はあったかな。ほか海賊の男の子達は衣装もメークも髪型もみな同じに見えて、さっぱり違いがわかりませんでした・・・やっぱり、もう少し彼等にも踊るシーンがあったらよかったのになあと若干恨みが残ります。キャラクター・ダンサーズの中ではパシャの寵姫・ズルマ役のジブロワがさすがの演技力と存在感を見せてくれました。

最後に、オケは・・・へぼかったですね かなり。初日、オダリスクのコーダの最初の数小節、鳴るべき弦の音がごっそり抜けてた気がしたんだけど・・・自分の耳がおかしかっただけだと思いたいですが。(バヤでも結構変な音出してたなーオケ・・・もう少し、やる気出してくれ~~!)
2007-08-08 09:50 | ボリショイ・バレエ | Comment(2)
ボリショイ・バレエ「海賊」(7/30, 31) Part 1
ボリショイ・ロンドン・ツアーも2週目に入りました。今頃カルロス・アコスタ主演のスパルタクスが終演しているはず・・・ballet.coに一幕の写真が出ていましたが、アコスタなかなか迫力があってよさそう。私は明後日、8日の水曜に見に行きます(楽しみ!)。

さて、先週見た「海賊」。感想をタラタラ書き綴っていたけど全然まとまらないので、第一弾をあげちゃいます。なにしろ新制作版ということで、クレジット関係からして長い・・・。以下、大体キャスト・シートからの転記ですが、一部自分のメモ用に付記したものもあります。


Boshoi Ballet
“Le Corsaire” (Ballet in three acts)


Music: Adolphe Adam (also Delibes, Pugni, Drigo, Pyotr von Oldenburg, Albert Zabel, Julius Gerber)
Libretto by J. H. Vernoy de Saint-Georges and Joseph Mazilier; edited by Marius Petipa
Choreography: Marius Petipa
Production and new choreography: Alexei Ratmansky and Yuri Burlaka
Design: Boris Kaminsky
Costumes (based on sketches by Evgeny Ponomarev, 1899): Yelena Zaytseva
Lighting: Damir Ismagilov

* The original score by Adam/Delibes for Le Corsaire made available by L'Opera national de Paris: archives of La Bibliotheque nationale de France

* Choreographic notation made available by the Harvard University Theatre Collection

* Evgeny Ponomarev's costume sketches made available by the St. Petersburg State Theatre Library

Premiere: 23 January 1856, Ballet de Theatre Imperial de l'Opera, Paris

Premiere of this version: 21 June 2007, Bolshoi Theatre, Moscow

London Premiere: 30 July 2007 at London Coliseum




30/07/2007

Medora: Svetlana Zakharova
Conrad: Denis Matvienko
Gulnare: Ekaterina Shipulina
Birbanto: Andrei Merkuriev
Lankendem: Gennady Yanin
Said Pasha: Alexei Loparevich
Zulma (Said Pasha's favourite sultana): Irina Zibrova
Corsairs: Georgy Geraskin, Alexander Vodopetov, Pavel Dmitrichenko, Evgeny Golovin, Batir Annadurdyev, Vladislav Lantratov, Egor Khromushin, Denis Savin, Anton Savichev, Ivan Semirechensky, Yuri Baranov, Alexei Tedeev
Pas des esclaves(奴隷のpdd): Nina Kaptsova, Ivan Vasiliev
Danse des forbans(海賊のダンス): Anna Rebetskaya, Andrei Merkuriev, Anna Balukova, Anastasia Meskova, Georgy Geraskin, Alexander Vodopetov
Pas de trois des odalisques(トロワ・オダリスク): Anna Nikulina, Ekaterina Krysanova, Natalia Osipova
Le Jardin Animee(花園のシーン): Chinara Alizade, Anna Tikhomirova, Svetlana Gnedova, Anastasia Kurkova, Yulia Lunkina, Alesya Boyko
Grand pas des eventailles(扇子のgpdd): Svetlana Zakharova, Artem Shpilivsky (with the ladies as above)

31/07/2007

Medora: Maria Alexandrova
Conrad: Nikolai Tsiskaridze
Gulnare: Anastasia Yatsenko
Birbanto: Vitaly Biktimirov
Danse des forbans: Anna Antropova, Vitaly Biktimirov
Grand pas des evantailles: Maria Alexandrova, Egor Khromushin
(上記以外のキャストは7/30と同じ)

Conductor: Pavel Klinichev
Orchestra of the Bolshoi Theatre


複数の英主要紙が報じるところによると、ソ連崩壊後の混乱期をサバイヴしたボリショイは、いまや世界で有数の潤沢な資金を誇るバレエ団に生まれ変わったのだそう。

その理由は、西側企業だけでなく、自国のスーパーリッチ・”オリガルヒ”連中をスポンサーにつけることに成功したからだそうですが。ロンドン・ツアー初日・ ロンドン初演の新版「海賊」を見ながらこの報道が頭をよぎり、「うーん世界有数というのもあながち誇張ではないかも・・・」とふと思わされるような、それぐらい豪華な舞台だった。

一見して衣装とセットにすごくお金のかかったプロダクションに見えて、特に最後のタブローで海賊船が難破するシーンは迫力があって見もの。(初日は上手く作動しなかったのだけど二日目は嵐で船が真っ二つに割れた。)メドゥーラの衣装換えもすごい・・・一体何回お召し替えしていただろう 7,8回?

海賊というバレエ作品の歴史に全く無知な上に予習せず臨んだので、初日は自分の見慣れているマリインスキー版と(筋が)ごっちゃになって、鑑賞しながらやや混乱してしまった。もともとマジリエ振付でパリで初演されたこのバレエ、ラトマンスキーとBurlakaが「再現」しようとしたのは後年のプティパ改訂版。現在のマリインスキー版は更なる改訂を経た1987年のグーセフ版で、ボリショイの新版とは登場人物からして違う。海賊で最も(通常)有名なキャラ・奴隷のアリは登場しないし(この役はプティパの死後創られたものらしい)、メドゥーラの性格付けもかなり違う。リブレットにも細かな違いが多々ある(新版では海賊船が難破するのはプロローグではなくエピローグ、コンラッドがパシャに捕らえられてメドゥーラがパシャの後宮入りしそうになるのをギュリナーラの奸計により救われる、等々)。何より今回のボリショイの「新版」の最たる特徴は、徹底して女性舞踊手のダンスにフォーカスを定めていること。(特に二幕以降は、まるで「女の園」!)言い換えると、男性ダンサーがアカデミックな技巧を駆使して踊る場面は少ない。全編に渡って主役プリマと女性ダンサー達が踊りまくる、”バレリーナ至上主義”のプティパの”スピリット”が確実に脈打っていると感じられる点では、「再現」に成功していると言えるのかもしれない。

巷の噂によれば、今回ロンドンで上演されたものは先月の本拠地での初演版にかなり手を入れてあったとか。そのせいか、やや場面転換が唐突に見えたり、どんどんカットしていくうちにもともとあった統一性というか整合性が若干失われてしまったのでは?と思われるフシがあった。多分これから更に手を入れてもう少しその辺整理していくのではないかなあ・・・。(モスクワ版を若干カットしたとしても休憩2回入れて上演時間3時間半の大作!)

主役・メドゥーラは最初から最後までお姫様キャラクターで若干浮世離れしていて(登場シーンから一人だけ純白のクラシック・チュチュ着用)、コンラッドとは恋仲だけど時折flirtatiousな顔も見せて、グーセフ版の、奴隷として売り飛ばされる悲哀が多少は感じられるギリシャ娘とはかなり違う。ランケンデムは踊る役ではなくてメドゥーラの後見人(老人!)という設定で、彼女を娘のようにすごく大切にしてる(=メドゥーラはお嬢様)。実際メドゥーラは常にプリンセスの扱いを受けているように見えて、マトヴィエンコにかしずかれてザハロワが踊ると、余計にそれが強調された印象。アレクサンドロワだともう少し人間味が出て、町一番の器量よしで賢い娘、という雰囲気。

一幕一場は活気あるバザール広場の情景から始まり、早速、<一人だけチュチュを身に着けていかにも場違いの>メドゥーラがプリンセスの雰囲気たっぷりにヴァリエーションを踊る。続く見せ場は「奴隷のpdd」。グーセフ版だと奴隷商人・ランケデムとギュリナーラのpdd、この音楽で役名のない男女ペアが踊る。初日・2日目ともカプツォーワ&ワシーリエフで見たけど、愛らしくて踊りも綺麗なカプツォーワには大満足。ワシーリエフはあまりに前評判が高かったので(「バリシニコフの再来」!)、やや肩透かし。身体の柔らかさは非凡、くりっと大きな瞳がいたずらっぽく光ってなかなかいいキャラクターかも・・・という印象は残ったけど。この場は海賊と奴隷の娘たちによるダンス・シーンで終わるんだけど、その後すぐ、二場の海賊の隠れ家での最初の踊りがやはり海賊ダンスなので、「何で続けて同じ趣向のダンスを見せるのかなー」と、踊りの並べ方(踊り自体ではない)にやや不満を抱く。この後、ビルバントにたきつけられて下克上の不穏な動きをみせる海賊たちを懐柔しようとコンラッドが酒宴を開くシーンでは、メドゥーラが突然海賊の装束に着替えてキャラクター・ダンスを踊る。このダンス・シーン、メドゥーラが、”ラン・ラン・ラ~ン”ってスキップしながら舞台を一周して始まるんだけど、初日のザハロワ、イノセントな雰囲気を出そうとしたのかあまりにカマトトっぽくて、「ひょっとしてこの版ではメドゥーラって天衣無縫というか、ちょっと足りない子ってキャラクター設定になっているのか?」と、一瞬ぎょっとしてしまった。(二日目のアレクサンドロワはごく普通に元気良くスキップしていたのでその疑念は払拭されたんだけど。)このヴァリエーションを踊り終えると、メドゥーラが威勢良く一声上げる(叫ぶ)。何て言ったのか聞き取れなかったんだけど、後でballet.coを見たら、”l'abordage!”と言っていたらしい。(海賊船が敵船に横付けして船を分捕る時の掛け声?)そしてこの後、あの耳慣れたメロディーが聴こえてきて、やや唐突に「海賊のpdd」が始まる。

プティパ版を踏襲したこの版では、このpddはメドゥーラとコンラッドの二人によって踊られるラヴ・デュエット。初日のザハロワ&マトヴィエンコは、”うーん流石にボリショイの新作の初演者となるだけのことはあるなー”という磐石の出来。この音楽が流れてきたら、舞台上に完璧以外のものが存在することは許されないという史上命題を果敢にクリアするかのような、完全無欠のテクニック。マトヴィエンコはここで見せなきゃどこで見せる~と言わんがばかりの(実際そうなんだけど・・・)ショーマンシップを発揮してくれて、えらいっ!と感心。(ピルエットの後半、余裕でゆっく~り回って上げた脚を綺麗~に下ろしてくるところが目に焼きついている。)

一方、2日目のアレクサンドロワ&ツィスカリーゼは、もう見ていて楽しいの何の。速報で書いた通りコーダの後半一瞬流れが途切れたという以外は、瞬間の爆発力、エンターテイメント性ともに文句なし。この場面に限らず、ペアとしては私は断然2日目のアレクサンドロワ&ツィスカリーゼの方が好きだったのだけど、それは二人のサービス精神というか、お客を楽しませて自分たちもしっかり楽しんじゃおうという企みにおいて徹底していて、見事なチームワークを見せてくれたから。二人とも登場しただけで舞台が数メガワット明るくなる華やかさと圧倒的なカリスマがあるので、荒唐無稽なストーリーも気にならなくなり、3時間半があっという間に過ぎていきました。なにしろ暖かくて、包容力溢れるペアだった・・・。

【続く】
2007-08-07 07:51 | ボリショイ・バレエ | Comment(3)
タマラ@ファッション・モデル
ボリショイ・シーズン第一週目が昨夜で終了、持っているチケットも1/3減ってしまって、なんだかさみしい・・・。この分だとあっという間に3週間過ぎてしまうんでしょうね。見るのが精一杯で全然レポできていませんが、今日はちょっと気分を換えてこんな話題を。

おととい届いた一通のe-mail。差出人が以前一度買い物したことのあるスペインのHossという洋服屋になっていて、なんだDMか~と速攻削除しそうになったのを思いとどまり・開いてみてびっくり。なんと、いきなりタマラ・ロッホの横顔が目に飛び込んできました。

秋・冬シーズンのブランド・イメージに彼女が採用されていて、ニュー・コレクションを身に纏ったタマラのグラマラスな写真が沢山。オペラハウスのステージで撮影されたものもありました。

http://www.hossintropia.com/colfw07/mail_en.html

これは是非とも印刷版のカタログを貰おうと、昨日早速Regent Streetにあるショップに寄ってみるも、まだ新シーズンのは届いていない・あと数週間したら入ってくるはず・・・とのことでがっかり。ちなみにショップ・ウィンドウにはロイヤルのR&Jポスターとバレエ・シューズがディスプレイされていました。

ちなみにこの店(Regent Street店)は今年オープンしたばかり。日本人の好みに合いそうなクラフトワーク調のデザインとか色味が使われた服が多いので、きっととっくに日本にも進出しているのではないかと想像するのですが。価格帯はこちらもスペインのブランド・Adolfo Dominguezと比較すると、同じくらいかやや高め?といったところ(夏物ニットのトップスが80ポンド前後~、夏物ドレスが200ポンド前後~)。スペイン発のデザインって同じラテンのフランスやイタリアとはまた違った味わいがあるので、貴重な存在。Dominguezはなんとかロンドンでサバイヴしていますが、このブランドにも頑張ってほしいものです。

2007-08-05 22:31 | ロイヤル・バレエ | Comment(5)
休息日
日付がかわってしまいましたが、今夜・海賊の3日目は泣く泣くパスして休息日にあてました。

早いもので、一夜明けたらもうバヤデールの初日。情けないけどすっかり体力が衰えてるので4連荘は辛い・・・と諦めたんですが、今夜はルンキナ&フィーリンだったんですよね。このペアは15日にもう一度踊るので、その時の体調etcに鑑み・行けそうだったら行こう、などと当初目論んでたんですが、なんとこの日は平日マチネだったことに後で気づいた(嗚呼・・・)。

蓋を開けてみれば、この版は主役男性ダンサーが踊る時間が短いし、ムリして行く価値があるかどうか、悩ましいけど、あのテニスのスコートみたいな白いスカート履いて・ヒゲつけて?踊るフィーリン、やっぱり見たい!

昨夏のフィーリンは八面六臂の大活躍で"フィーリン祭り"を存分に堪能した私ですが、今年は古典全幕での彼の出番は海賊とドン・キホーテだけ。(何故フィーリンにソロル踊らせないんだ~?)そうなると、やっぱり見ておきたいですよね コンラッド。むー どうすべきか?(会社休んで行くしかないか・・・)

もとい。重要なお知らせがballet.coに出ていましたので、ご紹介。

8月11日(土)ドン・キホーテ マチネ公演のキャストが以下の通り変更される模様です。

ステパネンコ/パートナー未定 → オーシポワ/ワシーリエフ


ステパネンコはこのマチネ公演一回だけにキャストされていて、本当に来て下さるのかしら?と案じていましたが、やはり変更のようです。(もしかしたらお怪我でしょうか?)おそらく彼女のキトリを見られるのはこれが最後だろうと思っていたので、残念です・・・。


2007-08-02 09:33 | ボリショイ・バレエ | Comment(5)
ボリショイ・バレエ「海賊」 2日目
2日目を見てきました。

我ながら、なんてまあゲンキンな・・・と呆れますが。自分の好きなダンサーが出ているというだけで、こんなにも舞台って輝いてみえるものなんですねえ。昨夜はカンパニーにとっては初日、こちらも初見なのでちょっと噛み合わないところがあったのかな(technical failureもあったし・・・)、踊りは随所で楽しめたけどプロダクション全体としては疑問符・多々、って印象だったのですが。今夜は目が慣れたせいもあるのか?うん これそんなに悪くないかも・・・と楽しんで観られました。

主役ペアは予定通り、アレクサンドロワxツィスカリーゼ。ギュリナーラはヤツェーンコ、ビルバントはヴィクテミーロフ、トロワ・オダリスクは昨夜同様オーシポワ、ニクーリナ、クリィサーノワ。

プティパの"女性ダンサー至上主義"精神を厳格に継いだ?このラトマンスキー<復刻>版「海賊」は、メドゥーラが最初から最後まで出ずっぱりで踊りまくる、主役バレリーナにとっては大変要求度の高い・大変な役柄です。(この点、ファラオにそっくり。)コンラッドは一幕しか踊らないので、全幕通してメドゥーラ役のダンサーが圧倒的主役。全ては彼女を中心に回っていて、主役バレリーナを好きになれれば作品自体がよく見えてきて、<長いけど>楽しんで観られること請け合い。

私はマリア・アレクサンドロワというダンサーに心底惚れているので、冷静な鑑賞眼など持ち合わせていなかったと思いますが、マーシャ、すごく綺麗だった・・・またぐっと女性らしさをまして色っぽくなったし、いなせだし・・・彼女が舞台に登場して柔らか~なポール・ド・ブラと暖かな笑顔を見せてくれただけで、もううるうる状態。

マーシャは踊りだけでなくラインがとっても綺麗なのよね。私の目には彼女は正しく古典的ラインを持っている・・・それで、いつ見てもうっとりさせられてしまうのです。

パートナーのニコライさんは、髭のせいかな?ちょっとスリムになられたかしら?というのが第一印象。とんでもなく豪華&エキゾチックで<これがホントにパイレーツ?>という衣装が違和感なく似合って、海賊の頭領かくや、というカリスマをビシバシはなっていました。彼の場合、舞台に立っていてくれるだけでも有り難味があるのに、動いて(踊って)くれてる!と妙な感動。演技が細かいところもこの人ならでは。二人のパートナーシップは素晴らしくて、荒唐無稽な物語でもちゃんと登場人物を愛すべきキャラクターとして見せてくれたし、舞台に暖かさをもたらしてくれた。

「海賊のpdd」はこの版ではメドゥーラとコンラッドの恋人達のpddとなっているのですが、"この音楽で踊るツィスカリーゼを見られる日が来るとはよもや思わなんだ・・・"とまた妙な感動に襲われ、二人の見事な技の競演に酔いしれていたのですが、実は最後にちょっとしたアクシデントが。pddのコーダで確か回転の後?ツィスカリーゼのフィニッシュが決まらず身体が流れて手をついてしまったんですね・・・ご本人が一番びっくりされたんじゃないかしら。気にしてらっしゃらないといいのですが・・・(その前が素晴らしかったので私はあまり気にならなかったけれど。客席も一瞬どよめきましたが最後は盛大な拍手を送っていました。)

勿体無いことに2,3幕はコンラッドの踊る場面がない!ツィスカリーゼは演技と存在感で舞台を引き締めてくれたけど、やっぱり踊っているところを見たかった・・・。

三人のオダリスクは今夜は更によかったように見えました。特に、(やはり)オーシポワ!脱帽です。

まだまだ余韻が残って書きたいことは多々あるのですが、いくらなんでももう寝なければ。残念ですが、今日はここまで・・・


2007-08-01 11:05 | ボリショイ・バレエ | Comment(6)
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