パリオペ ラ・フィーユ・マル・ガルデの出演者情報
パリオペ・サイトに出演予定ダンサー一覧が出ていました(日にち毎のではありません。これって前からあったっけ?)。取り敢えず、主役の二人は以下の通り:

リーズ: ピュジョル/ジルベール/ウルド-ブラム

コーラス: ガニオ/ル・リッシュ/カルボネ



仏語フォーラムには、レティシアは怪我していて先行き不透明、アレッシオも危ない・・・なんて噂も出ていますが、どうなることやら。(やっぱりティボーは踊らないのか・・・解せん~!)

HPの写真が更新されていてオズバート・ランカスターのcartoon風の絵が目に飛び込んできて、わ~ これを本当にパリで上演するのね・・・と、一気に実感が沸いてきました。(私は見に行けるのか??早く完全なキャスト情報をリリースして~~!)


http://www.operadeparis.fr/Saison-2006-2007/Spectacle.asp?Id=997
2007-05-31 09:31 | パリ・オペラ座バレエ | Comment(0)
ロイヤル・オペラ・ハウスがOpus Arteを買収
本日(5/30)付のプレスリリースによると、ROHがDVD制作・販売会社のOpus Arteを買収したそうです。歌劇場が自前の商業映像制作・販売部門をかかえるなんて前代未聞ではなかろうか。ちょっとびっくりしました。

http://info.royaloperahouse.org/News/Index.cfm?ccs=1150

Opus Arteといえば真っ先に思い浮かぶのはパリ・オペラ座の「ジョワイヨ」DVD。私はこの会社から出てるDVDは確かこれしか持ってなくて知らなかったのだけど、既にこれまでロイヤル・バレエ/オペラのタイトルを40本も制作・販売しているそうな。

ROHのチーフ・エグゼクティヴ トニー・ホールは、今回の買収目的について、「より強固な商業収入のベースを求めて」と明確に語っています。これまでにも同種の試みはありましたね ロイヤル・ブランド商品の販売とか・・・。ど素人としては、DVDってそんなに儲かるビジネスなの?とちょっと懐疑的になってしまうのですけど。制作コストが馬鹿にならないだろうに、その一方で需要は?マーケットはごくごく限られてる気がするんですが・・・。(でも、映像の供給に多大な商業的ポテンシャルを見出しているご様子のホール氏はBBC出身なんですよね。DVDビジネスの内情に暗いはずはなかろうと思われるので、勝算あってのことなんでしょうかね・・・)

取り敢えず、ロイヤル・バレエ/オペラの舞台を実見するチャンスがなかなか無い皆さんには、映像で接する機会が増えるわけで、朗報ですね。個人的には、"ROHのウェブサイト上にも映像コンテンツを充実させる方向"という部分に期待しています。(地元ファンには・・・事業拡張の前に基本ITインフラのオンライン・ブッキング・ファシリティをどうにかしろ~、と言われそうな気が。昨日始まったフレンズのブッキング、新システムが上手く稼動せず大混乱状態を引き起こしたようです。ブックするまで数時間かかる、電話ブッキングは頑として受け付けてくれない等々で、ballet.coでは「フレンズなんかやめてやる!」との声多数。こっちにも<緊急に>相応の投資をすべきですね・・・)
2007-05-31 08:05 | 情報系(ニュース、公演) | Comment(7)
ロパートキナの''La Rose Malade'' と"Double Voice"
ブノワ・ガラの映像が続々YouTubeに上がっていますが、有難いことにロパートキナの踊った二演目もここで見られました。(ツィスカリーゼと共演した例のバヤデールのカーテン・コール映像なんかもアップされていました。どれも"Lopatkina"で検索すると出てきます。)

で、YouTubeを眺めながら、なんとも吃驚の事実を発見(ちと大げさ・・・)。ローラン・プティがプリセツカヤのために振付けた"La Rose Malade"なんですが、私はこの作品の名前英語でしか知らなくて、「薔薇の死」と憶えていたんですよね。昨年ロンドンのプリセツカヤ・ガラで上演された時のタイトルが"The Death of the Rose"だったので。でも、YouTubeの映像タイトルが"Rose Malade"となっていたので、「え?これじゃ"病気の薔薇"じゃない 投稿者の人タイトル間違えたのかなあ?」と訝りつつ一応ネット・サーチしてみたら・・・

なんと、実は"La Rose Malade"(病める薔薇)の方が正しいことがわかった・・・さらに、作品タイトルはもともと仏語ではなく英語で、ウィリアム・ブレイクの詩からきていることが判明。詩の原題は、"The Sick Rose"

・・・ということは、「薔薇の死」って言ってしまうと明らかに誤訳ですよね??「病める薔薇」と「死んだ薔薇」じゃ意味が全く違ってきちゃうし、百歩譲って超・意訳のつもりだとしても、はっきり言って後者をタイトルにしたら(振付上)殆どネタばれ・・・《怒!》

そういうことで、私と同様英訳題を信じていた皆さん、この作品の正しいタイトルは、「病める薔薇」のようですよ~。

で、肝心の映像なのですが、素人撮影ということで突如ダンサーが視界から消えちゃったり等の難はありますが、まぁまぁ楽しめます。昨年実見した時は、プティの至極フェミニンな、言い換えるとちょっとナヨナヨとした振付がロパートキナにはあんまり似合わないなぁと感じて、パートナーのイリヤ・クズネツォフの方が断然印象に残っていたのですが(カッコよかった~)。今回見てみたら結構いいかもしれない・・・と思えるようになりました。特に後半にかけてロパートキナの表現にどんどん引き込まれていきます。アラベスク・パンシェしてあげた脚をスローモーションのようにゆっくり・ゆっくり下ろしていく振付があるのですが、あそこはすごい・・・。パートナーのイヴァン・コズロフ(エイフマン・バレエ)は初めて見ましたが、十分上背があるのは勿論鍛えられた美しい肉体の持ち主で、表現力もなかなかです(すごく若そう!)。ロパートキナの新たな相手役として今後パートナーシップを深めていってくれるといいのですが。

もう一つの"Double Voice"。こちらはピンク・フロイドの《若干時代を感じさせる》サイケな電子音にのって踊られるpdd。ロパートキナは全身肌色のボディタイツ、パートナーのコズロフは「病める薔薇」同様上半身裸で、ほとんど男女が絡み合っているだけ?という印象の振付ですが、これ是非全編見てみたいなあ。ボリス・エイフマンの77年振付作品で、発表当時はかなりスキャンダラスに受け止められたようです。(初演キャストはキーロフ・バレエの伝説的ダンサー、アラ・オシペンコと彼女の夫君のジョン・マルコフスキー)

エイフマン・バレエは先月NY公演を行っているのですが、その際この作品を上演(米国初演)していてレビューを何本かネットで読めました。我がballet.coにもNY在住ライターの方がレポしてくれていたのですが、この方Double Voiceについて、これほど露骨にセクシャルな振付には滅多にお目にかかれない・・・みたいなことを書いていました。そんな作品をロパートキナが踊るなんて、うーん是非是非見てみたい。(彼女は近々モスクワで同じパートナーを相手に「カルメン・シュイータ」を初披露するようですが、何故この種のレアな作品はモスクワでばかり踊るのかしら・・・ペテルブルグの観客には刺激が強すぎるのかな?)


☆20年近く前のNYタイムズの記事でプティ・「病める薔薇」の作品背景が若干触れられています。(評者はAnna Kisselgoff)

http://www.online-literature.com/blake/623/
2007-05-29 03:52 | マリインスキー・バレエ | Comment(7)
ダーシー・バッセルの特番
過日速報をお伝えしたダーシー・バッセルのTV番組、BBCサイトで詳細がリリースされました。(見つけてくれたのは例によってballet.coです)

http://www.bbc.co.uk/pressoffice/proginfo/tv/wk23/fri.shtml#fri_darcey

"Darcey Bussell's Farewell – Live"と題された特別番組が6月8日BBC2で放送されます(午後9時~10時30分)。

上記BBCサイトによれば、ダーシーの20年間のキャリアを振り返る映像(パフォーマンス、舞台裏、インタビューetc)と、オペラハウスからのライヴ中継で構成された1時間半。生中継されるロイヤル・バレエの「大地の歌」は、残念ながら全編でなくハイライトのみのようですが。バックステージものには(またまた)ジョナサン・コープがかなり登場するみたいです。
2007-05-28 22:48 | ロイヤル・バレエ | Comment(0)
ヴィシニョーワとバッセルのインタビュー
ballet.coのリンクからディアナ・ヴィシニョーワとダーシー・バッセルの長文インタビューを読みました。どちらも面白い内容だったのでご紹介しちゃいます:

ヴィシニョーワ(米Newsday.comより)

http://www.newsday.com/entertainment/arts/ny-ffdnc5215618may20,0,3687386.story?coll=ny-arts-headlines


バッセル(英The Timesより)

http://entertainment.timesonline.co.uk/tol/arts_and_entertainment/stage/dance/article1824348.ece?token=null&offset=0


ヴィシは来月ABTに客演してオーロラを踊るんですね。ABTの眠りは芸術監督マッケンジーによる改訂版で、なんと、かのゲルシー・カークランドが振付助手をつとめているらしい。ABTサイトによるとカークランドはカラボス役でデビューも果たすようで、一体どんなプロダクションなんでしょう 興味津々。(インタビュー記事によると、キーロフの往年の名花、イリーナ・コルパコワさんが今でもバレエ・ミストレスとしてABTに在籍されていて今回の眠り上演にも関わっていらっしゃるとのこと。これにはちょっとホッとしたりして・・・)

ABTサイトを見てびっくりしたのは、初日のオーロラを踊るのが、《ええーっ》ヴェロニカ・パールト!大柄でグラマラスな美女で、マリインスキー時代には専ら"tall girl roles"を踊っていた彼女が、オーロラですか・・・しかも初日。ちょっと想像し難いけど、見てみたい気も。

それから目にとまったのが、今回ヴィシのお相手を務めるデヴィッド・ホールバーグ。多分怪我でMETシーズンを完全に降板したマラーホフの代役なんでしょうか?ヴィシのパートナーを務められるなんて、若手でも相当有望なんでしょうね。この方、ちょっと前からNY方面で賞賛の声高く、今年2月のABTロンドン公演でも評判が良かったのよね。

で、ホールバーグといえば、確かダンス・コミュニティの運営するウエブサイトに寄稿者の一人で名前を連ねていたなぁ・・・と思い出し、初めて見に行ってみました。どちらかというと写真ブログの趣でABTのバック・ステージのフォトなんかも見られますが、彼が大好きだという東京のTシャツ・ショップの記事もあったりして・・・

http://thewinger.com/words/category/david/page/2/

インタビューに戻りますが、最も印象的なヴィシのコメントはこれでした。

"Beauty by itself could save the world."

・・・す、すごい。圧倒されますね・・・ここでの"beauty"というのは、おそらく「バレエの美」のことでしょうね。(ヴィシもbelieverなんですね・・・)彼女の踊る眠りを見られるNYの観客が羨ましい。


ダーシーのインタビューの方では、引退を目前にして彼女が率直に心情を語っています。ここでもやはり、引退後はバレエに戻ることはない、ときっぱり宣言しています。「バレエは気が向いた時にちょろっと行って踊ってくる、ってものではないので。踊る以上は現役時代と同じ水準を求められるし、そうするには一週間に6日・一日何時間ものレッスンを続けなきゃいけない。」うん、確かにそうでしょうね・・・。

初めて知ってびっくりしたのが、第一子出産前に妊娠中毒症にかかり、一時かなり危険な状態に陥ったというお話。バレエで鍛えた丈夫な身体でなければもたなかったかもしれない・・・とドクターに言われたそうです。

で、最後に、ちょっと気になる長期的展望について。もしかしたら数年後に教師として、あるいはディレクターとしてバレエの世界に戻ってくる可能性はあるかもしれない・・・と匂わせる発言が。完全にバレエと縁を切ってしまうというわけではなさそうです。
2007-05-27 09:44 | 情報系(ニュース、公演) | Comment(0)
トラファルガー・スクエアでライヴ・バレエ
来たる木曜(5/31)の ロイヤル・バレエ「白鳥の湖」公演が英国各地のパブリック・スペースで中継放送されます。ロンドンの会場はトラファルガー・スクエアとカナダ・スクエア(Canary Wharf)で、夜7時半スタート。今のところこの日の主役キャストはタマラ・ロッホ&カルロス・アコスタの予定。

ロンドン以外の放送予定地は以下の通り:

BP Chertsey Road Sunbury; Duthie Park, Aberdeen; Clayton Square, Liverpool; Exchange Square, Manchester; Queen Victoria Square, Hull; Chamberlain Square, Birmingham; Millennium Square, Leeds; All Saints Square, Rotherham; and Centenary Square Terrace, Bradford.

石油会社・BPがスポンサーで数年前から始まったこのイベント、イギリスの夏の風物詩として定着しつつあるのでしょうか(私自身は一度も行ったことないのですが・・・)。バレエの後にはオペラ公演の放送も予定されています。(6/13のドン・ジョヴァンニと7/3のトスカ。会場は各回異なるのでROHサイトでチェックしてください)

ちなみに5/31のトラファルガー・スクエアでは劇場中継の前、午後5時からヌレエフ主演の「ドン・キホーテ」(オーストラリア・バレエ)を放送するようです。

http://info.royaloperahouse.org/Opera/index.cfm?ccs=993&cs=3027
2007-05-27 03:02 | 情報系(ニュース、公演) | Comment(11)
"Seven Ages of Rock" on BBC2
楽しみにしていたロック・ドキュメンタリー番組、 "Seven Ages of Rock"が先週末からBBC2で始まりました。60年代半ばから現代まで連綿と続くロック・ミュージックの足跡を7つの時代・スタイルごとに検証するという、意欲的な新シリーズです。

シリーズ初回は「ロックの誕生」。ブルースをベースとした実験的音楽が胎動し始め、やがて全く新しいジャンルを切り開いていくロック黎明期の1963年から70年までをカバー。母国アメリカでもイギリスでも無名の存在だったギタリスト・ジミ・ヘンドリックスがロンドンの地を始めて踏んだ66年をロック元年に定めて、彼の軌跡を追う形で番組が進行。

時は"Swinging Sixties"真っ只中のロンドン。未曾有の革新的な才能が集結してクリエイティヴで熱い音楽シーンを創っていたこの街にあっても、「ヘンドリックス上陸」の衝撃は並大抵のものではなかったことが当時の映像とまだ生き残っている(!)ミュージシャン達の談話から伝わってくる。

面白すぎる逸話・コメントがゾロゾロ出てきましたが、印象的だったのは・・・

☆そもそもジミが来英することになった時のいきさつ。当時ジミのマネジャーだった人物がイギリス人で、ジミの才能を確信していた彼がロンドンでのギグを提案すると、ジミが交換条件として出したのは一つだけ。「ジェフ・ベックエリック・クラプトンとジャムできるなら、行ってもいい。」

☆一夜にしてジミを時代の寵児に押し上げたのが、ロンドンのクラブで行われたクリームとのジャム・セッション。クラプトンと火花散るギター合戦を繰り広げるも、ジミの特異かつ熱狂的なスタイルにおされてクラプトンは途中で舞台を降りてしまう。「ギター・ゴッドのクラプトンを粉砕した男」としてジミは一躍その名をイギリス・ロック界に知らしめることに。(当時ロンドンの街中には”Clapton is God”というグラフィティがあちこち?にあったようで、その写真も見られた。まぁ、確かにクラプトンは滅茶苦茶カッコよかったものねー若い頃は・・・勿論ギター・サウンドもテクも凄かったし。)

☆そのギグについて語るジンジャー・ベーカー(クリームのベーシスト)の言葉。「楽屋に戻るとエリックが一人座っていた。『ヤツは・・・凄かったか?』と訊きながらタバコに火をつけようとするんだけど、その手が震えてた。」「あの夜の二人は・・・エリックはギタリストだったけど、ジミはまるで、自然の力か何かみたいだった。」

☆ジミについて語るジェフ・ベック。「この国の階級システムのせいだ・・・僕等にはとても、あそこまではできない。」(実はこの発言、どうも腑に落ちなかったのですが・・・だってイギリスといえば階級システムが厳然と残っているがために、凄く乱暴に言えば今も昔も労働者階級の子供はロック・スターかサッカー選手しか成り上がる道はなくて、そこから個性的でオリジナリティに富んだロック・ミュージシャンを輩出してきた・・・と私は見ていたので。この発言を聞くと、ベックはお育ちのいい中流の出で?、あまりに非常識的でケタ外れなことはできない、と言いたいのかなあ?と解釈したのですが、真意はどうだったんだろう?録画してないので確認できない~。)

この番組でジミ・ヘンの音楽を久しぶりに聴いたけど、あの彼独特の破壊的なギター・サウンドの美しさはなんと言ったらいいか・・・ひたすら恍惚としてしまった。舞台のクレイジーさがこれまた、あらゆる常識を破壊せんばかりの、破格の凄さ・・・あんぐり口開けて見ていた観客がいたけど、初めて見たらそれしか反応しようがないショーだ、確かに。

ジミの名声はたったの4年しか続かなかった。なんと、彼は27歳で死んじゃったのだ・・・あまりに壮絶な人生。でも(だからこそ?)、彼の音楽は今も衝撃であり続けている。

この初回がすごく面白かったので、今後の展開が楽しみです。(第2回は明日・5/26(土)午後9時より放送。"White Light, White Heat”と題して、"Art School meets Rock”風のつくりになっているみたい。)


★BBCサイトに非常に充実したページができています。シリーズに登場するアーティストの名前一覧から各放送分の詳細ページに飛べます。関係者のインタビュー・ビデオ(抜粋)も見られます。

http://www.bbc.co.uk/music/sevenages/
2007-05-25 09:29 | 音楽 | Comment(5)
ブノワ賞 2007
昨日、一昨日とモスクワで開催されていたブノワ賞のガラ公演。"バレエ・オスカー"と主催者の呼ぶこの賞、今年は創設15周年目ということでガラ公演には華やかなスター・ダンサー達がズラリ勢揃い、以前より話題になっていました。

昨夜ダンソマニのリンクからロシア語フォーラムで何枚か写真を見た時、スーツにネクタイ姿のイレールが登場していて、あれ?何故に?と不思議だったのですが、今回また受賞されていたんですね。(mizukoさんに教えて頂きました 有難うございました♪)

で、ブノワ賞の公式サイトに行ってみました。ロシア語しかないので例によって翻訳機(露→英)にかけてムリヤリ読んでみたところ、イレールが受賞したのは、"honourable category"の"For a career of a dancer"。「特別功労賞」みたいなものでしょうか??

他メイン・カテゴリーの受賞者は以下の通り:

☆ 最優秀男性ダンサー: エルヴェ・モロー(パリオペの「椿姫」で)

☆ 最優秀女性ダンサー: アニエス・ルテステュ(パリオペ)、スヴェトラーナ・ルンキナ(ボリショイ)

☆ 最優秀振付家: Martin Schlapfer (マインツ・バレエ)


パリオペ勢、凄いですねー。ロシア語フォーラムにはガラ・コンのカーテン・コール時の写真が何枚かありますが、目がぐぐーっと惹きつけられたのが、エルヴェとルンキナの白鳥のpdd!予定ではエルヴェとアニエスがこのpddを踊ることになっていたのですが、急遽キャスト変更があった模様。二人並ぶととっても可愛くて、お似合いです~。

ロパートキナは予定通りプティの「薔薇の死」をエイフマン・バレエのBoris Kozlovイヴァン・コズロフというダンサーと踊った模様。(ボリショイHPには、この二人はもう一演目・エイフマン作品でも一緒に踊る予定となっていたのですが、実際はどうだったのかな?写真がなかったんですが・・・これ、音楽がピンク・フロイドの"Double Voice"らしくて、すっごく興味があるのですけど。)

それから、マチューとイザベラ・シオラヴォラが「椿姫」のpddを踊ったんですね。この写真を見るだけでも、やっぱりシオラヴォラは現在のパリオペ・ダンサーの中ではマルグリットのイメージに最も合うわ~。来シーズンはパリでも役デビューなるか?

そして真打ちは、イレールとルグリの「さすらう若者の歌」。やっとモスクワのバレエファンの前でお披露目かなったのですね よかった、よかった。

http://www.bolshoi.ru/en/season/press-office/pconf/notice/index.php?id26=648&id29=621

http://forum.balletfriends.ru/viewtopic.php?t=1483&postdays=0&postorder=asc&start=15&sid=6f1410ce9f8e974c2164e5e9efd7da1d
2007-05-24 10:25 | 情報系(ニュース、公演) | Comment(5)
ブレイク・ダンス・フェスティヴァルの映像
今月5~7日の3日間サドラーズ・ウエルズで開催されていた、ブレイクダンス/ヒップ・ホップの祭典 "Breaking Convention"。バレエ・ファンの方にはあまり馴染みのないジャンルかもしれませんが、公演の模様がビデオで見られますのでご紹介しておきます:

http://www.breakinconvention.com/default.asp

(画面右下の"Launch Streaming Video Player"をクリック)

イベントは今年で4回目だそうですが、ビデオ配信は初めてだとか。私のように、興味はありつつも実際会場に足を運ぶには至らない怠惰な観客には有難い限りのサービス。

3日間に登場したアーティストほぼ全員網羅されていて、舞台全編を収録しているケースが殆どなので、全部見るには数時間かかります。ballet.coで常連ライターが非常に好意的なレビューを書いていたのに触発され、頑張って取敢えず最初から最後まで見てみましたが(かなり飛ばしたのもあるけど)、びっくりしたのは、ヒップホップがストリートから舞台に移植されるとこんなに構築的でストーリー性の強いダンス作品になるのか・・・ってこと。一番気に入ったのはストリート・ダンスの自発性と即興性が一番強く感じられた Caleaf & Dance Fusion。ここのダンサー達の動きは自由度が高くて見ている方も気持ちよくなる(音楽もよかった)。特別出演の元Shalamarのジェフリー・ダニエルズがお懐かしの"A Night to Remember"にのってちらりと踊ってくれたのも嬉しかった~。
2007-05-21 00:32 | 情報系(ニュース、公演) | Comment(0)
ダーシー・バッセルの引退公演@サドラーズ・ウエルス劇場(5/16)
ダンス公演としては'最速’のソールド・アウト記録をつくったといわれている、ダーシーのフェアウェル公演。2日目の夜に行って来ました。

☆”On Classicism”(タケット): ダーシー・バッセル、ウィリアム・トレヴィット

☆“In the Middle Somewhat Elevated”(フォーサイス): ダーシー・バッセル、ロベルト・ボッレ

☆“Tryst”(ウィールドン):  ダーシー・バッセル、ジョナサン・コープ

☆“Sylvia pdd”(アシュトン): ダーシー・バッセル、ロベルト・ボッレ

☆“Winter Dreams”(マクミラン):
マーシャ: ダーシー・バッセル
ヴェルシーニン中佐: ロベルト・ボッレ
クルイギン: ジョナサン・コープ
イリーナ: タマラ・ロッホ
オリガ: ニコラ・トラナ
二人の将校: ウィリアム・トレヴィット、マイケル・ナン
アンドレイ: エドワード・ワトソン
アンドレイの妻: ベリンダ・ハットレー
(ピアノ演奏: フィリップ・ギャモン)



イギリスの”国民的バレリーナ”が自身のサヨナラ公演に選んだのは、四人の英国人振付家、プラス、フォーサイスによる五つの作品。二部構成で、一部は踊りの合間に舞台に巨大スクリーンが降りてきて、バレリーナ・バッセルの軌跡を映像で見せるという趣向。楽屋でステージ・メークの最後の仕上げをしながらバッセルが過去を振り返り・現在の心境を語る、インタビュー映像もフィーチャーされていた。

この公演、プロデュースを担当したのがバッセルのスクール時代からの友人で元同僚・Ballet Boyzの二人、かつ会場がサドラーズ・ウエルスということもあって、クラシック色は故意に薄められていた印象。オープニングの映像のバックに流れる曲がロックだったり、一部はかなりスピーディーな展開だった。私的にはもうちょっと長く踊って欲しかった・・・という恨みが多少残ったけれど、この種の公演、ダンスだけで見せようとするとそれはそれで難しいし、つくりとしては結構いい線いっていたと思う。プロデューサーは、お客さんはバレエ「スター」のダーシーを見に来ているのだということをちゃんと心得ていて、映像では、グラマラスなセレブ・ダンサーとしての顔と二児の母親としての顔(格好のロールモデル!)両面を盛り込み、もうほとんど有り得ないくらい、「完璧な女性」としてプレゼントされるダーシー。(バレリーナは夢を売る職業・・・といえるとしたら、彼女ほどこの点で成功した人もいないでしょう。)一方で、上演された作品はやや地味目とすらいえるラインナップながらダーシーの思い入れが感じられる選択、共演者にはごく少人数の親しいダンサーだけを集めて、全体にアットホームな雰囲気。

インタビューで印象に残ったコメントは、「舞台を離れたら何が一番恋しくなると思う?」との問いに、「もうこれまでみたいに注目の的ではなくなっちゃうことかな・・・ウフフ 正直でしょ?」と答えていたこと。(彼女らしい発言!まぁ確かに、いつもごく当然のように周囲の注目と賞賛を集めていたんですものね・・・)

あと、これは聞くまですっかり忘れていたけど、「自分のキャリアの出発点はサドラーズ・ウエルス劇場にあるので、ここで幕を引くことができて感慨深い」と語っていて・・・ そうでした、スクール卒業後、彼女はRBではなくて(都さんと同様)サドラーズ・ウエルス・ロイヤル・バレエ団(現在のバーミンガム・ロイヤル・バレエ)に入団したのよね。(その後マクミランに才能を見出され、RBの「パゴダの王子」の主役に抜擢されて若干20歳でRBのプリンシパルとなる。)

それから、気になる今後について、「引退宣言したのはスタントでも何でもなくて、本当に、バレエはやめる。戻ってくることは絶対ない」と言い切っていたこと。この夜の舞台を見る限りは、ちょっと信じられないなぁ・・・と疑いを払拭できなかったけれど。もし彼女の言葉に偽りがないのなら、ダンサー・アーティストとしての絶頂期に去っていく、ということになりますね・・・華やかなスター・オーラは健在だったし、肉体的衰えは全く感じさせない舞台でした。

最初の作品”On Classicism”の前に舞台上のスクリーンに映し出されるのはスクール生時代のバッセルとトレヴィット。20年以上前にロンドン郊外の町のローカル・イベント("Putney Fair”)で踊る二人のモノクロ映像がしばし映しだされた後、同じ二人のダンサーが舞台に立っている。ダーシーはちょっと変わったデザインのレオタード着用で体操みたいな動き、まずは軽くウォーミングアップ、というところ?続くイン・ザ・ミドル、もしくはTrystの前か後だったか?に、オペラハウスの舞台でシンデレラのヴァリエーションを踊るダーシーの映像が挿入される。(シンデレラは古典作品の中で彼女の好きなレパートリーだったということ。) Trystの前にはクリストファー・ウィールドンの振付作品(DGMとTryst)をリハーサルするシーンが映し出され、創作時の思い出を語るダーシーのコメントがオーバーラップする。続いて楽屋で化粧しながらウィールドンからの留守電メッセージに耳を傾けるダーシーのクローズアップ映像。

Trystはダーシーとジョナサン・コープのためにウィールドンが振付けたミニマリスティックな小品。ジョナサンを舞台で見るのは実に久しぶり・・・現役の時よりさらに痩せたように見えたけれど、動きにぎこちないところは全くなくて、サポートの達人ぶりは健在。一部の最後にようやくクラシック・チュチュでダーシーが登場。それだけで観客は感激してしまったんじゃないだろうか、この演目が終わると嵐のような拍手と歓声だった。シルヴィア3幕の結婚式のpddで、白地のチュチュにピンクのサテン生地が重ねられた衣装を着て屈託なく微笑むダーシーはハッピーオーラ全開。見ているこちらも思わず笑みがこぼれてしまう。(このシーンの冒頭、アミンタはシルヴィアを片脚だけ抱えて垂直にリフトしたまま歩行する。これを見ながら、「ボッレはこれを4日続けてやるのか 大変だなあ・・・」とちょっと同情していたんだけど、翌17日だけアミンタ役はコープが務めたと聞いた。)

この夜のメインディッシュはマクミランの「三人姉妹」。振付家が亡くなる前年にダーシーとイレク・ムハメドフにより初演された作品で、この時ダーシーは若干22歳。彼女にとってはおそらく特別思い出深い作品の一つなのでしょう・・・残念ながら私自身はこの作品におよそ興味をひかれないのですが、良い舞台だったと思います。(特筆すべきはイリーナ役のタマラ・ロッホ。実に魅惑的でした。)カーテンコールではダーシーは勿論、ジョナサン・コープにも盛大な拍手と歓声が送られていました。この二人が並んで万雷の拍手に応える姿は、ちょっと胸にせまるものがありました・・・

☆ ballet.coのギャラリーでこの公演のステージ写真を見られます:

http://www.ballet.co.uk/gallery/jr_bussell_farewell_swt_0507

【付記1】ballet.coで見た情報。ダーシーのロイヤル・バレエでの最後の舞台がBBC2・TVで中継放送されるようです。

6月8日のロイヤルのミックス・ビルでダーシーはマクミランの「大地の歌」を踊る予定になっていますが、この日、BBC2で夜9時からダーシーの特番を放送、後半はオペラハウスから舞台をライヴ中継!詳細は未発表のようですが、これはバレエ・ファン必見ですねー。

【付記2】これもballet.coのリンクで見たのですが、ジョナサン・コープがlondondance.comというサイトで、ダーシーのサドラーズ公演と、ロイヤルの「白鳥の湖」、「トリプル・ビル」について語っています。(ダーシーの公演初日の5/15は昼はロイヤルでローレン・カスバートソンとルパート・ペンファーザーの白鳥デビュー公演があり、昼夜掛け持ちで大変だったのですね。ご苦労様でした・・・)

http://www.londondance.com/content.asp?CategoryID=2569
2007-05-20 10:27 | ロイヤル・バレエ | Comment(10)
ペレアスとメリザンド・公演評
新聞各紙、初日の公演評がほぼ出揃いました。星の数を並べるとこんな感じ:

タイムズ      ★★★★★
ガーディアン    ★★★★
インディペンデント ★★★
E.スタンダード   ★★★
D.テレグラフ    ?

注:テレグラフの評はオンラインでは星の数がわからない。結構ネガティヴだったので、多分2つ・よくて3つ?主要紙でまだレビューが出ていないのはFTだけ。

やはり、と言うべきか演出については評が分かれてました。"ファンタジー・スーツ"については、「まるでエルヴィス」、「SF映画から抜け出てきたよう」などと皆さん苦言を呈されています。例外なく賞賛されていたのは、ラトル振るロイヤル・オペラ管による演奏。「光を帯びたような」、「微妙なニュアンスに富んだ」・・・等々の形容が並び、最も辛口なレビューワーですらオケのことは絶賛。(まぁ聴く耳のない私ですら、ロイヤル管ってこんな演奏ができるんだ~ラトルさん オケを掌握されたのね・・・と感心しましたからねえ。)そしてそして、子役のジョージ・ロングワース君も全てのレビューワーから賞賛されていました。

そのほか私的に興味深かった点は・・・

☆前稿で"ペレアスはテナーが歌ってはいけないのか?"と書いたけど、タイムズ評によると、ペレアスは「テナーによって歌われることが多い」らしい。あらら そうだったの・・・次に機会がある時は是非テナーで聴きたい。(ちなみにこの評者はバリトンのキーンリィサイドによるペレアスを、「明瞭かつ力強い歌唱が素晴らしかった」と気に入られた様子。)

☆この作品は、(フランス)象徴主義の最高傑作のひとつと見るべきなのですか ふむふむ。ある評者いわく、「このオペラでは額面どおりに受け取っていいことは何もない」。

☆テレグラフのレビューワーが、「キルヒシュラーガーとキーンリィサイドはこの《子供達》を演じるには大人(mature)すぎる」と書いていた。まさに!(同じように感じる人もいるのね・・・)


【おまけ】このプロダクションの舞台写真を見つけました(昨年ザルツブルグで上演されたときのもの)。これから公演に行かれる予定でネタバレされたくない方は、Look away, now!

http://www.salzburg.com/diashow/kultur/200604051515_1.html
2007-05-16 06:27 | オペラ | Comment(1)
殿、イタリアへ!
やったね~!噂が漏れ聞こえてはおりましたが、我が殿ことローラン・イレールが今夏イタリアのガラ公演にご出演!との朗報が入ってきました。

所はアドリア海沿岸のリゾート・タウン・Civitanova、時は7月18日。相方は、朋友ウィルフリード・ロモリ!!この二人のエトワールがパリオペの若手・男性ダンサーばかりを引き連れて乗り込むっていうんですから、これは面白そう~(その名も"Le Gala des Hommes"!)。

http://www.civitanovadanza.it/_it/festival.asp

今「熱い男同士のドラマ」を踊らせたら右に出る者のない(多分・・・はは)イレールとロモリ。この二人が共演するなら演目はあれしかありませんよね~ そう、日本でのお披露目が幻と消えたプレルジョカージョの "Un Trait d'Union"。サイトの写真からするとイレールはハサピキ・ソロも踊るのかな。

会場のテアトロ・ロッシーニは昨夏オレリー&ルグリのガラ公演、今年初めにはロイヤル・ダンサーズのグループ公演が開催された所で、イタリアの隠れたガラ・スポット?7月18日のパリオペ・ダンサーズ公演の9日後にはフェリ&ボッレのガラ公演も予定されているみたいですね。《うーん魅かれるなぁ・・・》
2007-05-15 08:36 | パリ・オペラ座バレエ | Comment(3)
ロイヤル・オペラ 「ペレアスとメリザンド」(5/11)
本当は来週見に行く予定だったのだけど、初日のチケットを持っていた友人からスワップ依頼があり、一昨夜急遽鑑賞して来ました。初めて見るオペラで、音楽を聴いたこともなければシノプシスも頭に入っていない状態で見たのですが(よくあることですが・・・)、とっても面白かった~。

音楽: クロード・ドビュッシー
台本: モーリス・メーテルリンクの戯曲「ペレアスとメリザンド」をベースとした5幕のオペラ

指揮: サイモン・ラトル
演出: スタニスラス・ノルデ
デザイン: エマニュエル・クロルス
衣装: ラウル・フェルナンデス
(ザルツブルグ・イースターフェスティヴァルとの共作)
The 64th performance at the ROH

<キャスト>

メリザンド: アンゲリカ・キルヒシュラーガー
ペレアス(アルモンド国の王子ゴローの異父弟): サイモン・キーンリィサイド
ゴロー(アルモンド国の王子・ペレアスの異父兄): ジェラルド・フィンリー
ジュヌヴィエーヴ(ペレアスとゴローの母): キャサリン・ウィン-ロジャース
アルケル(アルモンド国王・ペレアスとゴローの祖父): ロバート・ロイド
イニョルド(ゴローの先妻との間の息子): ジョージ・ロングワース


なんとも不思議なオペラ・・・少なくともこれまで接してきたオペラ作品のどれとも似ていない。朗々と歌い上げるアリアがあるわけでなく、オペラ的な劇画チックな演劇性に富んでいるわけでもなく・・・オケの演奏は歌手の(歌うというよりは)語る言葉にぴったり寄り添って対等の関係・・・というか、むしろこっちの方が主役なのではないか、という印象すらあり。楽劇というよりは、むしろ楽”詩”と呼びたくなるような作品だった(そんな言葉ないけど・・・)。

ここで聴ける音楽と言葉、その純粋な美しさと幻想性もさることながら、何より驚き・かつ感激したのは、両者の「関係」。言葉の喚起するイメージというものをこれほど的確に表現し、より広がりを与えることのできる音楽があるのか・・・と、そのことに打たれた。不協和音が印象的で全体のトーンとしては沈鬱かつミステリアスな音楽で、最初のうちは単調に聴こえる時もあったけれど、一旦面白さに気づくやこの”未知との遭遇”にどんどん引き込まれていった。

音楽と言葉の関係・・・たとえば、このリブレットには「水」に関わる言葉・単語が多く登場する。森の中の水辺、井戸、海、洞窟の底の水・・・音楽家のパレットにのせられた絵の具の色はさほど多くないけれど、その筆遣いは陰影に富み、微妙な明暗を使い分けていて、水がうつろい、うねり、ゆらめくさまが目に浮かぶような「音」を「描いて」いる。

このほか多用される言葉に、「光」、「闇」、「影」、そして「扉」etc...があった。何気なく使われているけれど、音楽とのカップリングで聴くといちいち引き止められる力があって、これらの単語には何か暗喩があるのだろうか?と想像力を掻き立てられる。リブレットは、恐らく原作にかなり忠実なのだろう、お伽噺特有の簡潔性と神秘性が保たれたもの。(状況説明的だったり、心理劇風にアレンジしたりはしていない。)登場人物の語る言葉は簡潔だが時に謎めいていて(特にメリザンド)、無邪気なのかと思いきやその裏に鋭さが潜んでいそうでもあり・・・と、見る者に解釈の自由を与えるスリリングなもの。

表向きは童話的とすらいえるお伽噺で、端的に言ってしまえばペレアスとメリザンドの禁断の恋が招いた悲劇、ということになるのだけど、不思議とさほど劇的でも、訓話めいてもいない。始めから終わりまで一貫して静けさと神秘性が舞台を支配していて、その均衡が破られるのは、登場人物の中でほとんど唯一の人間臭い(オペラ的)キャラクターのゴローが妻の不貞を確信して怒り狂う場面と、弟を殺害する場面。

作品に神秘性を与えている最大の要素はメリザンド。この出自不明で背丈よりも長い髪(ラプンツェル!)を持つ美少女はファム・ファタール的存在と言えないこともない。とらえどころがなく、生身の女性というよりは妖精とか、ロマン主義の作家たちが創造した夢の存在のようにみえる。(メリザンドと水の親近性を感じさせるシーンがあって、ふとウンディーネを思い出したり・・・)彼女の謎めいた雰囲気と美しさにまずはゴローが魅かれ、弟のペレアスも・・・彼等の祖父で国王のアルケルですら一瞬よろめきそうになるほど。

メリザンドとペレアスがいつ恋に落ちたのか、観客の目にははっきりとはわからない。もしかしたら一目惚れだったのかもしれないし、徐々に恋心を募らせたのかもしれない。彼等はなかなか感情を表に出さず、ただ二人の間に何らかの共有体験が静かに進行していることが、そこはかとなく感じられるだけだ。(二人が初めてはっきりと互いの恋心を打ち明けるシーンで、「いつから僕を好きになったの?」と聞くペレアスに、「初めて会ったときから」とメリザンドが<珍しく>きっぱり答えるシーンがあるけれど、これも額面どおりに受け取っていいものか、見る者を翻弄する。彼女はその後、「私は嘘をついたりしないわ・・・貴方のお兄さん以外の人には」と言ったりするのだ!)

全幕中最も甘美なシーンは、夜空の下での偶発的なランデヴー。高い塔の窓から身を乗り出すメリザンドの美しさに魅入られたペレアスが、もっと君の姿を見たい・その長い髪に触れさせてと懇願する。塔から垂れ下がるメリザンドの長い髪を、まるで彼女自身がそこにいるかのように夢中で愛撫するペレアス。エクスタシーに溺れるペレアスの語り(歌?)は、なんともエロティックで美しかった。(ちなみにこの時点ではメリザンドのペレアスに対する気持ちは依然定かでない。ペレアスの懇願に応えはするが、戸惑いを隠せず、髪を離してと拒否の態度を見せる。)

その場に人の現れる気配がして、慌てて髪を引き上げようとするが、一房が木の枝に引っかかって取れない。現れたのはゴローで、彼はしっかりペレアスの「戯れ」を目撃していたが、「まったく二人とも子供だな」と苦笑して、ペレアスとその場を離れる。ゴローが弟を諌める次の台詞は、非常に暗示的だった。「メリザンドはまだ子供だ・・・面倒を見てくれる存在が必要なんだよ(=それが自分)。それに彼女はこれから母になるかもしれない。お前は彼女より年上なんだからあんな戯れは金輪際慎むように」というような内容。(・・・と、ここでは物分りのいい大人の態度で弟を諌める兄が次の場面では嫉妬に狂い、自制できなくなる。)「二人は子供」というのは本当で、それがこの物語の悲劇の本質なのではないか・・・と、ふと思った。(自分の欲望「だけ」に忠実な子供のエゴと大人の世界の論理の衝突・・・)

この点で、私的には主役ペアはごく年若いキャストで見たかった気がした。キルヒシュラーガーとキーンリィサイドに格別不満があったわけではなくて、恐らく初めて見た作品でここまで楽しませてもらえたのは彼等に負うところが大きかったのだろうとは思うのだけど。二人とも非常に有能なパフォーマーではあったけれど、であるが故に脆さとか繊細さはあまり感じられず・・・キルヒシュラーガーの清楚な顔立ちはこの役には有利だし、ミステリアスな雰囲気もあったけれど、いかんせん私の目にはやや強すぎた。(それからオペラど素人の暴言ですが、ペレアスってテナーがやってはいけないのかなぁ?私的にはこの役は断然テナーのイメージなんだけど・・・)

ゴロー役のフィンリーは、特に良くも悪くもなく・・・素晴らしかったのは、彼の息子・イニョルド役のジョージ・ロングワース君!何歳ぐらいかしら もう可愛いのなんの・・・イニョルドは慕っているペレアスとメリザンドの二人の関係を父親から根堀り葉堀り詰問され、挙句「覗き」までさせられるのだけど、この時の脅える演技が真に迫っていたし、何より彼の美しいボーイソプラノはこの作品世界にぴったりと嵌って、落ち着きがよかった。

ラトル率いる「主役」のオケは良かったと思います。微妙で繊細な表現にはっとさせられる瞬間もあったし、3幕の最後、部屋の中でじっと見つめ合うペレアスとメリザンド、それを覗き見させられたイニョルドが怖がって逃げ出しゴローの怒りが爆発するフォルテシモの場面での弦の劇的な響きは素晴らしかった。

演出は当世流行の?ミニマリスティックなもので、セットと衣装もそれに準じたもの。美術関係はまぁ好みの問題としても、私的にどうしても違和感をおぼえるのは「振付」部分。ヘンに能の影響を受けているかのように概して歌手の動きは抑制されていて、身体の動きの自由を奪われたら歌唱にも影響するのではないか、と心配になることが度々。

セットは非常にエコノミカルで、数枚のスクリーンを開閉して使っていて(開くと屏風風になってそこに文字が書かれていたり、レリーフが彫られていたりする)、基本的に全てのアクションはその前で起きる。舞台上で使われている色は、このスクリーン、衣装とも大雑把に言ってしまえば白と赤の二色のみ(それに影としてのダークグレー)。衣装替えはせず、メリザンドは登場シーンから真紅のシルクサテンの胸元がVに開いたシックなドレス。後半、彼女の「運命の女度」が加速度的に上がっていくシーンではバックのスクリーンも真っ赤に染められて、メリザンドを表す色として使われていたのだろうけど、私的にはこれはちょっと大人すぎ・強すぎた。

一方のアルモンド国の色は白(パールホワイト。スクリーンの色も蛍光の白で目がチカチカした・・・)。衣装は・・・これがすごいんですわ なんともはや。アルモンド国の人として最初に舞台に登場するのはペレアスとゴローの母・ジュヌヴィエーヴなんですが、出てくるや、??ミョーなジャンプスーツ着てるなぁ・・・という不審は続くゴローの登場で決定的に。おお、これは、EW&F@宇宙のファンタジーではないか~!!パールホワイトのサテンのジャンプスーツで上半身にはスパンコールやらクリスタルが刺繍してあって、アースそのもの~!で、よく見るとパンツ部分は太腿が逆三角形に膨らんでいて、こっちは若干MCハマーのパラシュートパンツを思い出させる(古いっ!)。もう、爆笑しそうになってしまいましたよ。大体オペラ歌手というのは太目の人達が多いわけで、彼等がこんな”ファンタジー・スーツ”を着た日には・・・。皆さん納得してお召しになっていたんでしょうかね?(よく拒否権発動しないなぁ・・・と感心。)

カーテンコールの盛り上がりは特別凄いというわけではなく、コヴェント・ガーデンではまぁ普通のレベル。最も盛んな拍手を浴びていたのはラトルとオケだったような印象が。初日ということでプロダクション・チームも登場しましたが、この方々にはアンフィの一角からブーイングが飛んでいました。
2007-05-14 07:16 | オペラ | Comment(4)
Bye Bye Tony
新聞もTVも、今日のニュースはこの話題一色でした。

英首相トニー・ブレアが今朝正式に辞意を表明しました。来月26日が首相としての最後の日になる模様です。

辞める・辞めるといいながらトップの座に居座り続けてン年?そうか、やっと決意したか(諦めたか?)。今日のTimes紙の風刺画はこの点を揶揄った辛辣なものでした。スピッティング・イメージの人形風に醜くデフォルメされたブレア氏が、首相交代を告げる新聞・雑誌の山の中に仁王立ちして、「実は、気が変わったんだ~(=まだ辞めない!)」とにんまり笑う姿を描いたもの。

俗説では、約10年前、ブレア氏はニュー・レイバーのアーキテクトの一人で実力者だったブラウン氏に、一旦労働党が政権を握ればその後数年で首相の座を明け渡すことを密約したと。でもなかなか実行に移さないもんだから、かつて同志だった二人の関係はすっかり冷え込んで、一時はブラウン蔵相の腹心スタッフによるクーデター未遂が発覚したと報道されたこともあったぐらい。まぁそんな状況だったので、とっくに潮時は来ていたということでしょう。

そのブレア氏の辞職スピーチ、BBCサイトで見られます(18分間)。とても彼らしさがよく出ているスピーチで、なかなか面白かったです。弁舌爽やか・社交的で、グレート・コミュニケーターであることは疑いの余地無し。良くも悪くも"軽い"ところ、それからご本人もスピーチで触れていますが、「楽観的」なところがトニーの売りですね~。イギリス人には珍しく、シニシズムに骨の髄までは毒されていない、アメリカ的な"can do attitude"を自然に持っているかんじです。この10年間ご苦労様でした~ Bye Tony!

http://news.bbc.co.uk/2/hi/uk_news/politics/6639945.stm

で、忍の一字で耐えることン年、やっと桧舞台にデビューする日がやってきたブラウン蔵相。「鉄の蔵相」、いつもしかめっ面で暗い、政敵からは秘密主義者とか色々言われて、軟派で明るいイメージのブレア首相とは好対照ですが、さ~て "Prime Minister"ゴードン・ブラウン、ブレア以上の成功をおさめることができるでしょうか?

(6月28日からこの方が↓イギリスの首相になります。よろしくお見知りおきのほどを~。)

http://www.daylife.com/topic/Gordon_Brown/gallery/16/04mN80Fg0M1eU
2007-05-11 09:10 | 英国生活 | Comment(2)
ドロテ・ジルベールのインタビュー
ダンソマニで紹介されていました。これはドロテの生まれ故郷・トゥールーズをベースとするクラシック・サイトでしょうか?ドロテがインタビューされています。写真も付いていて、これがもう素晴らしい~~!前回ドン・キホーテ上演時に一度だけ踊った時のものでしょうか キトリの衣装がぴったり、本当によく似合ってるわ~~(見たいよ~~!)

http://www.classictoulouse.com/entretiens-dodo.html

残念ながらもう今夜は寝なきゃ・・・明日じっくり読んでみよう。取り急ぎ、最後の方で短い質問と回答のやりとりがありますが、「古典とコンテンポラリー、ジャンルにかかわらずあらゆる作品に興味があるけれど、今はより古典に惹かれるかな・・・」と語っていますね!それと、「"エトワール"は追い求めるものではなくて、なるべくしてなるもの・・・パーソナリティとオーラが肝心」みたいなことも仰っているような。(←誤訳でしたらごめんなさい)ラ・フィーユ・マル・ガルデでリーズを踊るとも明言しています!あ~見たいよードロテの全幕主役・・・パリオペよ、早くキャスト発表して~!
2007-05-10 09:37 | パリ・オペラ座バレエ | Comment(2)
ロイヤル・バレエの北米ツアー
今日ballet.coで話題になっているのを見て思い出しました・・・先週だったかROHから来ていたニュース。

ロイヤル・バレエ団が今夏北米5都市で公演を行います。ツアー地と日程は以下の通り:


【メキシコ】

☆メキシコ・シティ

2007年6月14,15,16日「眠れる森の美女」

2007年6月17日「コッペリア」

2007年6月19日「ロメオとジュリエット」


☆グアダラハラ

2007年6月23~25日 ディヴェルティスマン(小品集)


☆プエブラ

2007年6月29,30日「眠れる森の美女」



【アメリカ】

☆サン・アントニオ(テキサス)

於: Lila Cockrell Tehatre in Henry B Gonzales Convention Center

2007年7月5,6,7日「眠れる森の美女」

http://www.artssanantonio.com/performances/viewevent.asp#13695


☆フィラデルフィア

於: The Mann Center

2007年7月10,11日「ロメオとジュリエット」

2007年7月12,13日「白鳥の湖」

http://www.manncenter.org/calendar/calendar.asp?s=&m=7&y=2007&f=g


参加が予定されているダンサー: アリーナ・コジョカル、タマラ・ロッホ、マリアネラ・ヌニェス、マーラ・ガレアッツィ、サラ・ラム、ロベルタ・マルケス、ヨハン・コボー、イヴァン・プトロフ、ヴィヤチェスラフ・サモドゥーロフ、フェデリコ・ボネッリ、ティアゴ・ソアレス、エドワード・ワトソン


えーちなみにメキシコ公演の会場名を書いていないのは、この情報をもらった時点では「まだ不明」ということだったので・・・(その後今日まで特に何も聞いていないので、未だに決まっていないとか??公演はあと一ヵ月ちょっとに迫っているのに!)。オペラハウスでのシーズン最終日(6/8)のすぐ後にツアーに出るわけですね。ロイヤルがメキシコに行くなんて、結構珍しいことなのではなかろうか・・・お近くにお住まいでご興味のある方は、是非足を運んでみてください。
2007-05-10 05:08 | ロイヤル・バレエ | Comment(0)
夏のパリでバレエ・クラス: バール先生のレッスン!
ジャン=ギーねたが続きます・・・ネットでたまたま見つけたのでご紹介。

この夏、パリのAcadémie Internationale de Danse (A.I.D) が主催する短期ダンス・コースで、パリ・オペラ座エトワールのジャン=ギョーム・バールが講師をつとめるようです。期間は7月11日~17日、ジャン=ギーはバレエ・クラス上級とネオクラシックのクラスを受け持つ模様。

http://www.stage-danse-ete.com/planning_eng.htm

講師陣の中には、パリオペの元プルミエール・ダンスーズ、カリン・アヴェルティの名前もありました。

http://www.stage-danse-ete.com/profmusi_eng.htm

パッケージが3種類あって、気になる受講料は、240ユーロから480ユーロ。(これって高いのか安いのか、私にはさっぱり見当がつかないのですが・・・。)応募は3月から既に受け付けているようで、今月末が締め切り、定員は150名(先着順!)。応募条件は12歳以上であること、という以外は特に明記されてないようにみえるのですけど・・・間違ってるかも。我も、と思われん方は是非どうぞ~。
2007-05-09 07:45 | 情報系(ニュース、公演) | Comment(0)
【スペシャル・レポート】 エカテリンブルグ・バレエ 「海賊」
先日来話題にしているエカテリンブルグ・バレエ団の「海賊」。なんと、この公演を見るために日本からエカテリンブルグに飛んだジャン=ギー・ファンの方から、詳細な鑑賞レポを送って頂きました。管理人へのメッセージという形でお送り頂いたのですが、こんなに貴重なレポを私一人で独占するなんてあまりにも勿体ない話!改めてブログで公開させて頂けませんかとお願いした処快諾を得ましたので、ここに転載いたします。

ジャン=ギヨーム・バールの熱烈なファンである”みずいろ”さんによる、読み応えたっぷりの貴重な鑑賞レポートです。Enjoy!


☆2007年4月26・27・28日 エカテリンブルグ・バレエ団公演 「海賊」
  «Корсар» Екатеринбургском государственном академическом Театре оперы и балета


(引用)
『はじめまして。
いつもたくさんのバールさん情報を下さり感謝しているものです。
私、今回彼の初の全幕物振り付けということで、エカテリンブルグに行って「海賊」みてきました。つたないですがご報告を。

まずは振り付け面。
彼が「海賊」を振付けるなんて想像もしていなかったので、初め話を聞いた時は驚きました。彼がどんな風に作ってくるか、幕が開くまでは不安でした。

実際は中身はいたってクラシカルでロマンチックな作風となっていました。クラシックバレエ全幕物の基本を踏襲していると言いましょうか。パ・ド・ドゥあり、パ・ド・トロワあり、キャラクターダンスあり、コールドダンスも美しかったです。パシャやランケデム、ハレムの女性がコミカルに描いてあり、随所で笑いもありました。

私は「海賊」はキーロフのビデオでしか見たことがないのですが、1幕ランケデムとグルナーラのパ・ド・ドゥ、2幕有名なパ・ド・トロワ、3幕花園の場等、もともととても美しく、完成度の高いと思われる部分への振り付けはほとんど手が加えられていませんでした。しかし、1幕メドゥーラとコンラッドの出会いのパ・ド・ドゥや、ランケデム・アリ・ビルバント・男性コールドのダンス、2幕洞窟でのビルバント達のキャラクターダンス、3幕メドゥーラとグルナーラのダンス等、彼自身のオリジナルと思われるものも多く含まれています。これらのダンスの振り付けはいずれも、ファンの贔屓目を差し引いても素晴らしいものだったと言えると思います。

意外だったのが、彼にキャラクターダンスの振り付けや、ダンサー達への演技指導、マイムの振り付けの才能があるとわかったこと。オペラ座の中でも彼は演技があまり上手とは思えません。キャラクターダンスを踊る彼もあまり想像できません。しかし、自分が実際踊るのと、振り付けしたり他者に指導するのは別物なんだなぁと、今回感じました。

振り付け面では、全体的に、バランスよく、よく考えられており、完成度が高いものに仕上がっていた印象です。今までの彼の振り付け作品からは、多くの人が言うように、バランシンやロビンスの影響を強く感じましたが、今回は純粋クラシックで、所々マクミランの「マノン」を思い出させる場面がありました。彼らしい面と言えば、キーロフのビデオの「海賊」に比べて、大地の匂いと言うか、土臭さ(表現が悪かったら申し訳ありません)が削ぎ落とされ、やや上品な印象に仕上げたというところでしょうか・・・?

次に衣装。
スポンサーがたくさんついてくれたせいなのか、女性の衣装はかなり気合い入っているようでした。メドゥーラは計5着衣装があるのでは・・・?パンツタイプのものは配色がいまいちかと思いましたが、クラシックチュチュは色使いがとてもきれいでした。彼女はティアラも3つはあります。いずれもかなり大ぶりできらきらです。
反対に男性の衣装はちょっとさびしかったです。最終日のみ踊ったブイヨンは、彼だけ他の日のコンラッドの衣装と違っていたように思いました。

次に装置。
大掛かりな仕掛けはこれといってありませんでした。背景もシンプルですが、色使いも品良くまとまっており、好感がもてました。

次にダンサー。
初日と2・3日目ではキャストが全く替わりました。3日目はコンラッドのみ、カンパニーのダンサーからステファン・ブイヨンに替わっていました。なおキャストについては、バレエマスターとバールさんが相談して決めたそうです。(バールさんご本人から伺いました。)ブイヨンは1週間位前に現地入りしたと聞きました。

カンパニーとしてはそれほど大きくないようです(舞台もガルニエよりひとまわりかふたまわり小さい位でした)。なので、主役を踊るに耐え得るダンサーは、数える位しかいないようでした。特に男性ダンサーは、全幕の主役王子を踊れるのは2~3人しかいないと思われます。女性も全幕物主役を踊り切ることができるのは5人いないのでは・・・?目立ったのは、男性では、2日目のコンラッドのダンサーが技術的にも安定しており、体のバランスもよかったです。全日ビルバント・ランケデムで踊り・演技共いい意味で切れていたダンサーは、ソロルなど踊らせたらぴったりだと思いました。彼はとてもいいダンサーでした。

女性では、初日のメドゥーラは、ブロンドがまぶしい、グラチョーワのようなダンサーでした。演技、ダンス共円熟しており、メドゥーラというよりはオーロラタイプのダンサーでしたが、私は彼女のメドゥーラがとても興味深かったです。あとの二日間を踊ったダンサーは、おそらくもっと若く、いかにもメドゥーラという感じでした。2日目は緊張していたせいかあまりぱっとしませんでしたが、最終日は体もよく動き、踊りには華がありました。初日グルナーラ、残りをハレムの女性を踊ったダンサーは、踊りは不安定でしたが演技はぴか一で印象に残りました。

最終日1日だけコンラッドを踊ったブイヨンは練習量も少なく、全幕主役の経験も少ない上、なれない環境で大変だったろうと思います。全体を通じ自信なさそうに踊っているのが残念でした。リフトし損ねた場面もありましたが、しかし、ソロでは堂々と力強く踊ってくれて、気持ちよかったです。何より、回転軸が真っ直ぐでぶれないのが素晴らしいと思いました。このカンパニー全体で、上半身もですが、下半身が特に弱い印象を受けました。強い人でも、回転すると軸が斜めになる。ブイヨンの踊りを見て、やっぱりパリオペはすごいと思いました。

5月にも「海賊」が2公演予定されています。このカンパニーでバールさんの「海賊」が根付いてくれる事を心から祈っています。

ところで、これを持って外国公演、私も公演を観ながら想像していたのですが、どうでしょうか・・・?作品自体の完成度は高く、どこに出しても恥ずかしくないものに仕上がっていると自信を持って言えます。でも、このカンパニー・このダンサーだけで観客が集まるか?「海賊」という演目で人が呼べるか?バールさん振り付けと言う売込みでは多分人はほとんど入らない・・・どこか誰かが、”うちで踊って欲しい”と招いてくれて、彼の「海賊」が多くの人目に留まればいいなぁと願ってはいるのですが・・・

最後になりましたが、初日からの連続3日間、劇場は多分全て大入り満員だったと思います。初日と最終日はスポンサーや地元有力者らしき方々が1列目2列目を独占していました。毎日、2階3階の後方の席の観客の人達はみんな、幕が開いている間中ずっと立って、最前列の人達は手すりから身を乗り出すように、舞台を真剣に見つめているのが印象的でした。2日目は何度も何度もカーテンコルが続き、バールさんも何度かダンサー達と前に進んできましたが、ダンサーの時は何でもないように実にスマートにカーテンコールに応えることができるのに、いざ振付家となったら、まるで素人のようにしどろもどろだった彼の姿が、私的にはちょっとほほえましかったです。

初めてでしたのに、長くなり申し訳ありませんでした。
バールさんの「海賊」の出来のことを気にしてくださっている方がいるようでしたので、私見も混ざりましたがご報告させていただきました。』
(引用終)


【Naoko S付記】
本レポートを投稿して頂いた後、追加でキャスト情報もお知らせ頂きました。キャスト・シートから転載されたものですが、原文はロシア語表記のみのため、劇場サイトの情報を参照しつつ当方が翻訳機にかけて得た英語表記とはせてここに掲載いたします。劇場サイトにあるダンサー紹介のページへの直リンクも貼っておきます(写真とバイオを見られます)。

4月26日
メドゥーラ: Елена Сусанова (Elena Susanova) http://www.uralopera.ru/susanova.php
グルナーラ: Алия Муратова (Aliya Muratova) http://www.uralopera.ru/muratova.php
コンラッド: Виктор Механошин (Victor Mehanoshin) http://www.uralopera.ru/mehanoshin.php
アリ: Денис Зайнтдинов (Denis Zaintdinov) http://www.uralopera.ru/zaintdinov.php
ビルバント: Сергей Кращенко (Sergey Krashenko) http://www.uralopera.ru/krashenko.php
ランケデム: Михаил Евгенов (Mikhail Evgenov) http://www.uralopera.ru/evgenov.php

4月27日
メドゥーラ: Маргарита Рудина (Margarita Rudina) http://www.uralopera.ru/rudina.php
グルナーラ: Елена Грозных (Yelena Groznyh) http://www.uralopera.ru/groznyh.php
コンラッド: Алексей Насадович (Alexey Nasadovich) http://www.uralopera.ru/nasadovich.php
アリ: Михаил Евгенов (Mikhail Evgenov) 既出
ビルバント: Денис Зайнтдинов (Denis Zaintdinov) 既出
ランケデム: Сергей Кращенко (Sergey Krashenko) 既出

4月28日
コンラッドにステファン・ブイヨン(パリ・オペラ座バレエ団 スジェ)、残る主要キャストは4月27日と同じ


過日話題にしたロイター発の写真に映っていたのは、2・3日目のメドゥーラとグルナーラを踊ったダンサー達だったのですね。

http://news.yahoo.com/photos/ss/events/lf/122203ballet/im:/070428/ids_photos_en/r4250204374.jpg

<終>
2007-05-07 07:29 | その他のバレエ・ダンス公演 | Comment(4)
【速報】 エミリー・コゼット エトワール任命!
今夜(5/5)の「サンドリヨン」終演後、主役を踊ったプルミエール・ダンスーズのエミリー・コゼットがエトワールに任命された模様です!

パリオペ公式サイト上のエミリーのバイオはこちら:

http://www.operadeparis.fr/Tout-Savoir/Ballet/Bios/EmilieCozette.asp

あ~びっくりした・・・ジェレミー任命の時以上の驚きで、今は言葉がありません。(ということで、ノー・コメント)

☆情報源は、ballet.co, Dansomanie, Danser en France


【追記】France3の地方版ニュースで取り上げられています。エミリーは81年生まれの26歳ということです。

http://filinfo.france3.fr/popup_afp.php?nameRegion=idfcentre&id=070505213207.opf4907t

【5/7追記】上記リンクからは直接記事へ飛べなくなっていました。代わりにこちらを・・・内容は、おそらく同じものです。

http://www.orange.fr/bin/frame.cgi?u=http%3A//paris.ville.orange.fr/direct/index.html%3Fdirect/listeactu/070505213207.opf4907t
2007-05-06 07:42 | パリ・オペラ座バレエ | Comment(7)
The Force's right here....
質問です。

「イギリス*で4番目に信者の数が多い宗教は、何でしょう?」

えーっと キリスト教、イスラム教、ヒンドゥー教に・・・次はシーク教あたりかなぁ それとも仏教?

・・・と、思うでしょ?違うんだなぁこれが。答えは、「ジェダイ教」です(!)。

ジェダイって、そうあれですよ、スター・ウォーズの。イングランドとウェールズ(↑でイギリスと書きましたが正確にはこの二国)で2001年に実施された国勢調査の結果。全回答者中「宗教」の項目に答えた人のうち、実に39万人が自らを「ジェダイ教」の信者と"告白"したそうな。

今朝タイムズで読んで、ひぃひぃ笑ってしまいました。あまりに馬鹿馬鹿しくも、愉快な話ですよねえ。ちょっと調べてみたら、どうやら調査前にファン団体が「ジェダイ」を信仰対象のエントリーに加えるよう草の根運動を展開したようです・・・その結果がこれ。そもそも調査では何を信じているか、その対象は何を書いても自由なようですが、この「新興勢力」をその他扱いせず律儀にカウントして、その結果を主催者のサイト(もちろん政府系)でしっかり発表するあたり・・・主催者側にも若年層の回答取り込みに使えるわい、という計算があったのかもしれない、と思ったりして。

http://www.statistics.gov.uk/census2001/profiles/commentaries/ethnicity.asp#religion

こうなると、次回の調査時には、「Man-U教」とか「ケイト・モス教」も加えろっていう圧力団体からプレッシャーがかかるのは必至でしょうね。(はは 冗談です。)

折りしもロンドンのCounty Hallでは「スター・ウォーズ展」がスタートしたばかりで、この報道は格好の宣伝になるでしょうね。入場料が大人16.5ポンド・子供12.5ポンドと展覧会としてはお値段高めですが、"見る価値おおいにあり"、とタイムズのプレビューは4つ星つけてました。(書いてる記者も「信者」なのかも・・・)ご興味ある方は下記サイトへどうぞ:

http://www.starwars-theexhibition.com/index.html
2007-05-05 07:45 | 英国生活 | Comment(2)
パリ「オペラ」座の来日公演 2008年7月
今夜がマチューのシンデレラ王子・デビューだったかな?と、寝る前に確認しようと思ってオペラ座のサイトに行ってみたら、こんなニュースを見つけました。

「パリ・オペラ座のオペラ・カンパニーが、来夏初めての日本公演を敢行!」

http://www.operadeparis.fr/Accueil/Actualite.asp?id=168

日仏友好150周年の記念行事の一環だそうで、持って行く演目は、「トリスタンとイゾルデ」、「青髭公の城/消え去った男の日記」、「アリアーネと青髭公」。主催者(もしくは協賛者?)は関西テレビ、となっています。

あれれ・・・確か来シーズンのラインナップが発表されたときに、オペラ座バレエ団が日本に行くという話がありませんでしたっけ?ル・パルクを上演するとかなんとか・・・この記事の中にはバレエ団には一切言及がないですね。バレエ団からオペラにスイッチしちゃったのかしら(イレールがいないのにル・パルク持って行っても仕方ないし・・・ってことになったとか・爆)?そういうことだとしても全然驚きませんが(むしろ今のオペラ座の路線ならこれがあるべき姿でしょう!)、日本の多くのパリオペ(バレエ団の)ファンの方々にとってはなんともガッカリな決定ですね・・・。
2007-05-03 10:28 | パリ・オペラ座バレエ | Comment(4)
【私信です】 コメントを下さった読者の方へ
本日(5/2)「管理者へのメッセージ」として長文コメントをしたためて下さった読者の方(ありがとうございました!)へのお願いです。

もしお差支えなければ、一度e-mailで当方迄ご連絡頂けませんでしょうか。何卒宜しくお願い致します。

e-mail address: londonballet2006@yahoo.co.jp



2007-05-03 06:57 | 未分類 | Comment(0)
Rainbow cloud
あ~ 気持ちがいい。

日が長くなって、夕食を終えてのんびり寛ぐ時間に、外がまだ明るい。毎日暖かくて、爽やかで、花が咲き乱れてる・・・

これは、例年なら5月、へたすると6月のイギリス。(で、6月というのは、こちらの感覚では「夏」です。)

あっという間に終わってしまった4月。雨が最後にいつ降ったか思い出せないぐらい晴天続きだったけれど、この国の気象観測史上(その歴史を1659年にまで遡れる!)最も暖かい4月だったようだ。そして昨年5月から今日までの12か月間も観測史上最も気温の高い年、史上二番めに暖かかった冬・・・と記録が続く。

すっかりイギリス人的考え方に毒されてきたか、(特にお天気に関しては)「いいことは長くはつづかない」とペシミスティックになりがち。恐る恐る今月の予報をBBCサイトで見てみたら・・・

案に反して、なんと今後数週間引き続き好天に恵まれる、との予報が出ているではないか。

・・・そんな、ありえないでしょ!と疑いつつもやっぱり嬉しい。ハリネズミが冬眠から早く目覚めちゃったり、夏に収穫すべき苺がとっくに実をつけてしまったり、温暖化が生態系に異常をきたしているというニュースには胸が痛むけど、毎日お天気がいいのはやっぱり嬉しいし、イギリスの夏は美しい。

☆ BBCのWeatherサイトで見つけた写真に吸い込まれてしまいました・・・虹色の雲というべきか、虹と雲のフュージョンというべきか?(イギリスの空ではなくてバルバドスですが・・・)

http://www.bbc.co.uk/weather/multimedia/gallery/
2007-05-01 06:51 | 英国生活 | Comment(5)
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