オーシポワとアコスタのロミジュリ(12/7)
昨夜ロイヤルのR&Jを見てきました・・・主役はナタリア・オーシポワ&カルロス・アコスタ。

う~ん、なんか、しみじみと良い公演でした。主役二人のとっても真摯なパフォーマンス、脇を固めた鉄板のキャラクター・ダンサーたちのお陰かな。

本拠地をロンドンに移したオーシポワ、ロイヤル・ダンサーとして観るのはこれが初めて。ジュリエットの登場シーンでは思いっきり派手にお人形を放り投げて舞台をめまぐるしく駆け回って・・・運動会のような始まりに、う~む先が思いやられる・・・状態だったけど、舞踏会以降急速に落ち着きを見せて、なかなか初々しくて脆さも感じられる「若い」ジュリエット。

面白かったのは、彼女の表情(現)と動きのギャップの凄さ。(舞踏会という)大人の世界に足を踏み入れてそこでハンサムな若者に心を奪われた少女のとまどいと恥じらいが十分に伝わってくる演技なのだけど、一旦動き始めるとそれはも~自由闊達で、鮮やかで、早い早い。あれーこんな振付だったっけ??と思わず眼をこすりたくなるほどいつもと違って見えた・・・それだけ新鮮だったってことでしょうね。3幕、ロミオが失踪して一人残されたジュリエットが父権社会の圧力に屈するシーンでは、はじめは怯えていたのがやがて布人形のように力なく、表情もなくしていったところに説得力があった。最後のシーンも役になりきっていて決して「スターの」(エゴが透けてみえる)演技ではなく、自然だった。

パートナーのアコスタは、身体のキレが明らかに昔とは違ってしまっていてちょっとショックだったし、(いつもながら)クールな表現者なので情熱的なロミオではなかったけど、ジュリエットをとてもとても大事に思っている感情は伝わってきたし、二人の年齢がかなり離れてるせいか(彼は15歳ぐらい上??)、常にオーシポワ@ジュリエットが守られているように見えて、それはそれでなかなかいい感じだった。

サポートキャストではリッカルド・セルヴェラのマキューシオが抜群によかった。いつもながら覇気があってプロフェッショナル。この人なんでドン・キにも出てくれなかったんだろう・・・とついつい恨み節が出てしまったわ。(バジルかエスパーダでの登場を期待してたのよね・・・)

次は火曜にくるみを見る予定なのだけど、どうやらまたセルヴェラを観られそうなので、楽しみ~~。
2013-12-09 09:19 | ロイヤル・バレエ | Comment(6)
金子さん途中降板・・・ロイヤル・バレエ ドン・キホーテ (11/2)
タイトル通りの残念なアクシデントが起きてしまいました・・・金子&ソアレス・ペアの二回目にして最後の公演。(11月2日マチネ)

一幕のバルセロナの街のシーン、クライマックスに向けて舞台が勢いづいてきた調度その頃。カスタネットのVとシングルハンド・リフトの大技が入っている主役二人のデュエットの直前に、舞台の最前線・上手でソロで踊っていた金子さん。アクションの終わり、トウから降りるときに上げていたほうの足がすんなり降りず、一瞬ひやっとしたものの、そのまま次の動きに移っていたのでああ大丈夫かなと安心したのも束の間。センターでパートナーに支えられてふんわり一回転したあと、その着地がやはり不安定で、そのまま二人で袖に消えていきました。その後も音楽は続いていて、すぐにパートナーのソアレスが戻ってきて、キトリの代わりにメルセデスを相手に残りわずかな部分を踊って。ここのところ、ごくごく自然な感じで上手く処理していたので、この作品を知らない人は何が起きたか気づかなかったかも。

そのあと音楽が止まり、緞帳の内側の黒い幕が降りてきて、舞台は中断。見慣れない女性が出てきて、不測の事態が起きたので舞台を止めたができるだけ早く再開するので客席から離れないように、と。暫くたって今度はオヘア芸監が登場して、キトリ役の金子扶生は怪我のため続けられない、代わってマリアネラ・ヌニェスが踊ります・・・!これにはビックリ。マリアネラがアンダーに入ってたとは思えないのだが、ご主人の舞台を袖で見ていたのかしらん。まあでもファースト・キャストが踊ってくれるなら文句は言えません。その後さらに数分待って、やっと再開。舞台中央にヌニェスが立っているのだけど・・・あら、なんか地味??と思ってオペグラで覗いたら、フルの舞台メイクをする時間がなかったみたいで。相当慌しかったのでしょうね。(二幕では勿論ばっちりメークしてました。)

急遽の代役にもかかわらずヌニェスはさすが、磐石の出来でした。とても立派なパフォーマンスではあったのだけど、どうも(彼女ですら)ドン・キに期待する興奮と祝祭感は味わえず。これはやはり見慣れないヴァージョンだからなのかなあ。このアコスタ版ドン・キ、二回目に見たら基本的には他の多くの版とそれほど大きく違うわけではないかな・・・と感じたけど、やはりあの独特のおとなしさと軽やかさはユニークだわ。

あ~それにしても、返す返すも金子さんの降板は残念でした。一幕前半はとっても調子が良かっただけに・・・。前回より大胆さが増していたように見えたし、つややかさがあって、とても綺麗だった。(殿方のファンを一気に増やしたのではないでしょうか・・・)彼女は12月のジュエルス・エメラルドでまた役デビューが予定されていますが、そのときまでには怪我が完治しますように・・・!
2013-11-04 07:53 | ロイヤル・バレエ | Comment(0)
金子扶生さんのキトリ・デビュー (10/25)
ロイヤル・バレエの新作・ドン・キホーテ、昨夜やっと見てきました。実は9月下旬から体調を崩して数週間仕事を休む状態に陥り、ファースト・キャスト(ヌニエス&アコスタ)のチケットをムダにしてしまい・・・マックレー&高田さんの公演も見たかったけど叶わず、なんとか金子さんのデビューには間に合ったという次第。

さてその昨夜、金子&ソアレス組の初日ですが、金子さんはまずまず立派なキトリ・デビューだったと思います。これは昨シーズン彼女の金平糖の精のデビューを観たときにも感じたことだけど、大抜擢の公演初日にもかかわらず物怖じとか全然してなくて堂々としてる。まあ彼女はロイヤルでのキャリアこそまだ浅いですが日本では既にプロとして踊っていたわけで、そう驚くことでもないかもしれないけど、真ん中を踊って当然、って雰囲気を醸しだしてるんですよね・・・これはいいこと。あと、私のようなロートル・バレエファンの目には、彼女はいまや貴重な古風なバレリーナの美質を持つダンサーにみえるのですよね。華もあるし・・・昨夜の舞台上でもまずまず"特別の存在"に見えましたから。

金平糖を踊ったときは、妖精というより貴婦人って感じだなあ・・・と印象に残ったけど、キトリを踊ってもエレガント。一幕のバルセロナの街の情景では快活な町娘だったけど、欲を言えば、若いダンサーならではの大胆さがもっとあってもよかったかも。(慎重を期していたのかも。なぜか最近ROHの舞台は滑りやすいと噂で、この日もメルセデス役のダンサーが登場シーンで派手に転倒してました・・・)

パートナーはティアゴ・ソアレス、二人の並びはなかなかよかったです。高身長同士で(今のロイヤルでは珍しい)ハンサム・カップル、金子さんは大人っぽい雰囲気があるので年上のティアゴとも違和感なくマッチしていてアダルトなペアでした。ティアゴ、パートナリングはまあよかったし(奥方に鍛えられてるせいか)、いい身体してるし、キャラはばっちりなんだけど、単体でみると、君の踊りは・・・

ちょ~っと、レイドバックしすぎじゃあありませんかぁ・・・というか、あんなヌルいバジルのソロってありなのか??正直彼にtechnical brillianceは期待してなかったけど、その低い期待値すら下回る出来。この方、この夜舞台上唯一のプリンシパルだったんですけど・・・これでいいのか・・・。(あ、でも繰り返しますが、彼はラテンの雰囲気はばっちり出ててキャラクター的には申し分ないのですよ。なだけにあのヌラクラなダンスが惜しい。最終的にはなんか憎めなくて、まっいいかーって許しちゃいましたが。笑)

最終幕のgpddは音楽が自分には耳慣れないアレンジかつスロー・テンポ、振付も見慣れたものと若干違っているせいかすぐには入り込めず。二人の踊りも細部に粗さが目につきちょっとハラハラしながら見てました。ティアゴがそんななんで、金子さんの方が完成度が高く見えましたが、彼女もグランフェッテはもう少し精度を上げられるのでは。あと、(これまた金平糖の時も感じましたが)優雅さを追求するためか?時々動きの区切りが流れてしまって小気味よさが失われてるような。振りによるけど素早く動くべき所とか特に、メリハリつけるともっといいんだけどなあ、なんて感じながら見ていました。(偉そうですみません~都さんのことが脳裏にあったのかも・・・)

この二人が踊るシーンで私的に一番よかったのは、二幕冒頭のジプシーの野営地でのデュエット。確かバヤデール一幕の逢引のシーンの音楽が使われていてしっとりした雰囲気、大人な二人に似合っていました。あと、二幕後半の酒場のシーンで、キトリとメルセデスがテーブルの上で踊るところがあるんだけど(これって珍しい趣向では?)、このスパニッシュ風のキャラダン、金子さんの動きは柔軟かつメリハリがあって決まってました。アコスタ版ドン・キのキトリには随所に大人な雰囲気の振付が与えられているので、なるほど彼女を配役したのは当りだな、と頷けました。

そのアコスタ制作の今回の新版について・・・ボリショイ版がデフォルトの人間には(いやそれ以外と比較しても)、ともかくスロー。おとなしい。全体の印象がなんともまったりしていて、舞台上アクションは起きてるんだけど、不思議と静かというか。舞台進行、音楽ともに慌てず騒がす、おっとりしてる・・・これはロイヤルのカラーという以上に、アコスタのテイストかな。来週もう一度同じキャストで見る予定なので、できればプロダクションももちょっとじっくり観察してきたいと思います~。(ティアゴよ、精進してくれ~~。)

〔10/28追記〕 ブログ友達のロンドンの椿姫さんがカテコの写真をアップしてくださっているので、リンクを貼っておきます。是非ご覧くださいませ:

http://ameblo.jp/peraperaopera/entry-11654164460.html

そうそう、カーテンコールで立派な花束を沢山もらっていた金子さん。その中から花を一輪抜こうとしたんだけど(多分パートナーに捧げるつもりで)なかなか抜けず、思いっきり引っぱったら、そのままびょ~んと後ろに飛んでいった・・・という初々しいエピソードがあったことを思い出しました。
2013-10-27 08:35 | ロイヤル・バレエ | Comment(4)
アリーナ・コジョカル ロイヤル・バレエ退団
今夜会社帰りのtubeの中でEvening Standardを開いてびっくり!

アリーナとヨハンが今シーズン限りでロイヤルを退団って・・・!しかも、二人のロイヤルオペラハウスでの最後の公演は明後日(6/5)のマイヤリング。なっなんて唐突な・・・

ヨハンの「引退」はほとんど秒読み状態だったから誰も驚かないだろうけど、アリーナが「退団」しちゃうなんて・・・ロイヤル・バレエ、大打撃だわ・・・

オペラハウスのプレス・リリースはこれ、今日発表された模様。

http://www.roh.org.uk/news/alina-cojocaru-and-johan-kobborg-to-leave-the-royal-ballet-at-the-end-of-201213-season

7月の日本公演には予定通り出演するとあるので、二人のRBプリンシパルとしての最後の舞台は東京で、ということになるのでしょうか。それにしてもほんとに突然・・・あさってなんて、この日のチケット持ってなかったら二人のファンはきちんとお別れする機会が与えられないということに・・・あまりにも気の毒。(来シーズン・ピリオド1のキャストにも入っているから既にブックしてしまった人もお気の毒・・・)

新聞記事によるとアリーナは現在32歳。ダンサーとしてこれから益々充実期を迎えるというときに・・・ひょっとしてハンブルクに行ってしまうのかしら。私は決してアリーナの熱心な観客ではなかったけど、舞台を見れば必ず何かを与えてくれる、RBの中では特別なダンサーだったのになあ。今シーズン数少ないけれど観に行ったロイヤル公演の中でも彼女は断然光っていて別格感を漂わせていたから(ラトマンスキーの新作とライモンダで見た)、ああやっぱりアリーナが今のロイヤルではトップ・プリマなんだなぁ・・・と納得してたのに。

アリーナ長い間お疲れ様でした、ありがとう。どちらに拠点を移されるにしても末永いご活躍を祈ります・・・(しかし、ロイヤルには痛恨の流出だなあ・・・)
2013-06-04 07:07 | ロイヤル・バレエ | Comment(16)
金子扶生さんの主役デビュー~くるみ割り人形
すっかりクリスマス・モードのロンドンです。この季節になると、やっぱりくるみ。都さん引退以来ロイヤルのくるみは封印していたんだけど、どうしてもあの音楽が聴きたくなって、先週急遽キャンセル・チケットをゲットして行って来ました。

・・・結果、行ってよかった~~。ピーター・ライト版やっぱり好きだなあ。主役はモレーラとボネッリで、モレーラの金平糖は、ちょっと、mmmm・・・だったけど、パフォーマンスは十分楽しめました。で、チケ取りのためにオペラハウスのサイトに行って初めて知ったんだけど、来月の公演で金子扶生さんが金平糖に抜擢されてました。いよいよ主役デビューですね~。さらに、金子さんと、パートナーをつとめるネーマイア・キッシュが生徒役で登場する公開リハーサル映像を発見。教師はレスリー・コリアとジョナサン・コープ。

http://www.youtube.com/watch?v=TAVd5lsbonE

イギリス人は人を指導するときに専ら誉めて育てる・・・というのが定説ですが、教師の二人、ちと誉めすぎでは??ってぐらい、まずはウルトラ・ポジティヴな賞賛の嵐から入るんですねー。(冒頭ジョナサンが、いいね~あまりに良すぎるからちょっとここで止めよう・・・とコメントしてたのにはちょっと笑った。)でも随所でこのライト版の初演者、レスリー・コリアが入れていたツッコミはどれも的確で、そうそう、そこんとこもちっと厳しくご指導して~と心中激励してしまった(笑)。

金子さん&キッシュの二人は年明けの6日・一般非公開日と15日に踊る予定。さっそくオペラハウスにキャンセル待ちをかけました(くるみは全日チケット完売なのですよ)。5日に高田茜さんの金平糖を見る予定なので、もし15日のチケットをゲットできたら若手・日本人バレリーナの見比べができるのだけど・・・どうかキャンセルが出ますように!

http://www.roh.org.uk/productions/the-nutcracker-by-peter-wright
2012-12-17 10:17 | ロイヤル・バレエ | Comment(4)
ナターリヤ・オーシポワ@ロイヤル・バレエ
昨夜、オーシポワの客演するロイヤルの白鳥を観てきました。が・・・・

・・・いや、もうすっかりバレエ不感症になってしまったのか??感想らしきことも特に出てこない公演で・・・。彼女のことだから、いい意味でこちらの想像を裏切ってくれるかも、何かちょっとフツーでないものを見せてくれるかもしれない・・・などと邪な期待を胸に出かけた観客には、特にどこもひっかかることなく(想定内・・)、フラットな印象しか残らなかった。以下、ランダムな備忘録。

- 冒頭、序曲のオケのスロー・テンポにぎょっとする。指揮者の趣味だろうか この後も(特に白鳥湖のシーン)あまり耳にしたことのない間延びしたテンポが多用されていた・・・

- 久々に見るダウエル版白鳥・・・ああ~やっぱり苦手だわ。特に衣装とデコーが嫌いすぎる・・・一幕のワルツとポロネーズの振付も、なんだかねえ・・・田舎くさい。Nobleさとか品の良さ皆無。視覚的に、舞台上にあれこれ詰め込まれすぎていて(バタバタと垢抜けない振付含め)、うるさくて仕方ない。

- そんな中に降り立った白鶴のごとき(ほとんど場違いな)存在が、エリザベス・マッゴーリアンの王妃。一時期少しふっくらとグラマラスな体型だったことがあったけど、またスリムに戻られて、相変わらずお美しい。長身のシルエットが映える構築的なドレスをお召しで、まるで動く彫像のよう・・・威厳と気品に満ちた佇まいにただただ感嘆。この夜舞台にその姿を認めるだけでありがたさを感じさせる千両役者は、この人だけだったのでは。

- トロワを踊ったのは、Itziar Mendizabal、小林ひかる、Dawid Trzensimiech。小林さんの踊りの軽いこと軽いこと、まるでシルフィードのようだった。勿論動きは正確だし、素敵だな~と見とれつつ、一方で、決して大見得を切ったりしないスタイル・控えめなエレガンスがきちんと観客に美徳として評価されているんだろうか・・・とふと心配になったりして。(この国も近年益々派手好きになってる気がするので・・・)

- 二幕、オーシポワの白鳥。王子との出会いの場面からすでに、顔の表情・身振りともに大きいこと・・・で、ひたすらオドロキ!の表現に徹していて、乙女らしい恥じらいとかまるで感じられない。オペグラで見ると、顔を真っ白にペイントしていて、あと一歩で歌舞伎役者状態・・・。彼女の辞書に「抑制」の文字はない、とは重々承知していたけど、あらためて、すべてにおいて過剰。アラベスクで上げた脚がどこまでも上がっていく、ポール・ド・ブラはやたらアクセントつけすぎ・・・で調和が取れていない。結果として、この白鳥湖のシーンで美しいと思える瞬間がほとんどなかった(!今も思い出せない・・・)。常に表現も踊りもmax、というのがこの人の行き方なのはよくわかったしそれ自体は賞賛に値するけど、こういう作品では致命傷になり得ますね。(一生懸命・命がけで踊ってます、っていうアピールが先にきちゃうのでは・・・)あと、ごく基本的なところで、気品とかたおやかさという美質には恵まれていらっしゃらないので、白鳥の「王女」には見えない。その他大勢から隔絶した存在でない、というのは個人的にポイント(ひじょーに)低いです。

- 白鳥湖のシーンでその他気になった点。まずは白鳥たちのチュチュ・・・あ~あ まだリニューアルしてないのかあ・・・。テラテラした生地の長めのスカートで先端が不ぞろいのカット。これ、かねてからグランジ・チュチュと名付けて忌み嫌ってるんですが、久々に見たらロンドン市長のモップ頭と重なって見えてしまって困った(ボリスがそこいら中に・・・ひえーっっ!!幕間にバレ友にこの話したら激・ウケてしまった)。どうしてあんなに醜い衣装をつけさせるんだか かわいそうに。四羽も二羽も頑張っていて、特に四羽はいい出来だったのに。

- ひょっとしてロパートキナの(悪)影響なのかなあ なにしろこの幕は音楽のテンポが遅かった。特にコーダのオデットのソロ部分なんてロパートキナ以上に遅くて、流れが完全に断ち切れてしまい・・・見ている方はかなり欲求不満に。あのスロー・テンポはオーシポワの個性にも合っていなかったかと。

- 三幕の黒鳥のpddはよかったです。ここでは彼女の過剰さが二幕ほどは気にならないので・・・。メリハリの利いたソロのダンスに観客拍手喝采。グラン・フェッテは最初ダブル、後半はシングル、高速スピードを維持して回っていて魅せてくれましたが、やってくれたのはアコスタ。勢いで技をぶつける若手と対照的に、ベテランの味。余裕綽々でスムーズに形の美しいフェッテを披露、最後はゆ~~っくりと余裕で音楽に合わせてランディング、客席は、はっ!と一瞬置いてやんやの大喝采。(さいごのところ、ゼレを思い出しちゃったわ。)まあアコスタはもともとノーブル系のダンサーだけど、オーシポワと並ぶと彼のノーブルぶりがより引き立ったというか・・・。

- キャラクター・ダンスについて一言。それはそれは粋でプロフェッショナルなチャルダッシュを見せてくれたセルヴェラ、(超趣味の悪い衣装にも負けず)それはそれはキュートで弾けたナポリを見せてくれたユフィちゃん。Bravi!!

- 最終幕・・・見ていないので、ノー・コメント!(三幕が終わったあと、バレ友の連れの年配の方がスタンディングで疲れた・座りたい・・・と仰っているのをきいて、私の席をお譲りすることにして家路に着いたのでした。)
2012-10-15 07:33 | ロイヤル・バレエ | Comment(4)
吉田都さん@京大
ああ~びっくりした。偶然YouTubeでこんな映像を見つけてしまったので貼っておきます。都さんが京大・経営管理大学院(!)でご自分のバレエ人生について語っていらっしゃいます:

http://www.youtube.com/watch?v=PCDyOlUT92M

どうしてまた経営大学院??と思ったら、グローバル人材の育成という観点から、外国で長年キャリアを積み成功を収められた都さんに白羽の矢が立ったようです。ちょっと長いですが、含蓄のあるお言葉が次々に飛び出して聞き応えあります。都ファンは是非見てみてください。(それにしても都さん、相変わらずキュートだなあ・・・溜息)
2012-09-09 08:59 | ロイヤル・バレエ | Comment(2)
リカルド・セルヴェラのコーラス
・・・を見たくて行ってきました、ロイヤル・バレエの「ラ・フィーユ・マル・ガルデ」、4/28(土)マチネ公演。

いや~~セルヴェラは想像通り、いや想像以上に、素晴らしかった。ストールズ・サークルの前から2列目、ステージ横の席で見ていたので舞台がすごく近くて(これでチケ代11ポンドは安すぎる・・・もうちょっと上げてくれてもいいよ~と思ってしまった)、オペグラなしでダンサーの表情もバッチリわかる。

セルヴェラが舞台に登場して、まず(軽く)驚いてしまったのが、"なんて綺麗なダンサーなんだろう・・・"と。中肉中背、筋肉のつき方がマッチョすぎずに・でも男性らしく、逞しく美しい。プロポーションも整ってるし、こんなに美しいダンサーだったか・・・と(なにせもう長いことロイヤルご無沙汰してたもので)軽いショックを受けてしまった。

私は彼を見るといつもそこはかとなくヌレエフを思い出してしまうんですが、それは多分に顔の骨格が似てるから(頬骨が高いところとかアゴの線とか)・・・と思ってたんだけど、至近距離で見て、顔立ちもさることながら表情もちょっと似てるかも・・・と感じた。ツンと気取った貴族的な表情(に、倣岸不遜さのスパイスがちょっぴりまぶしてある)をしたヌレエフに、似てるなーと感じる瞬間があった。

セルヴェラが気取ってた・傲慢だった、というのでは勿論ないです。ただ、コーラスという田舎のあんちゃんの役を敢えて「フツーの男」として演じ過ぎることなくクラシック作品の主役男性として演じていたように見えた・・・どこまでも、クラシカルに美しかった。動いているとき以外でも身のこなしが古典的に美しいんですよ。そして踊っているときは、技術的要請の高いこの役の、ツボをしっかり押えていて、うんうんよくわかってるなあとニンマリ。(特に「止め」の技術が秀逸。この点、パートナーだったラウラ・モレーラにはがっかりさせられたので、彼の的確さがことさら引き立ってました。)まぁ~しかし、指の先まで神経の行き届いた、ほんとうに「クラシカルに美しい」セルヴェラのコーラスだったのでした。彼がどうしてもっと全幕ものの主役を踊っていないのか、ロイヤル・バレエの最大の謎の一つだわ・・・。

リーズ役のラウラ・モレーラは、この役を踊るには少々トウが立っていたような・・・。彼女は踊りはまぁまぁソツなく、演技も上手いんだけど、可愛らしさとフレッシュさに欠けるところがツラい。あと、決定的に、あのアシュトンの大胆で"粋な”振付をモノに出来てるとは思えなかった。私はロイヤルのリーズといえば殆ど都さんしか知らないので、もしかしたら他の誰で見ても同じだったのかもしれないけど、小気味よく・溌剌としたリーズの振付の醍醐味を味わうには至らなかったのでした。(都さんのときは、彼女が素早い振りからピシッ・パキッ・ビシッとキメのポーズに至る流れのごくごく自然なことを、その驚異的な音楽との一体性に感嘆しながらドキドキして見てたものです。あのワクワク感は、モレーラの踊りからは味わえず・・・。)

この二人のパートナーシップ、以前この演目で共演したときに地元ファンの評判がやけに良かったけど、私には格別スペシャルには見えなかったなあ・・・。むしろセルヴェラには他のダンサーと組んでこのバレエを踊ってほしい気が・・・。(高田茜さんなんていいかも。彼女なら大胆でキリッとしたリーズを踊ってくれそうだわ。)

この日のシモーヌ未亡人はアラスター・マリオット、アランはリアム・スカーレット。スカーレットのアランは可愛らしかった。コミカルな路線を押し出しすぎることなくちょっと同情を惹くタイプというか、守ってあげたくなるタイプというか(笑)。いつ見ても楽しいクロッグ・ダンスは今回も期待に応えて笑わせてくれた(客席大受け)。舞台の近くで喰い入るように観ていたせいか?、マリオットが、カタタ・カタタ~と音を鳴らしながらステップ踏むのを見たら、私も一度あの木靴履いて踊ってみたい!という願望がふつふつとこみ上げてきた(笑)。

イギリス人の大好きなラ・フィーユ、上演されるときはいつもfeel-goodな空気が劇場に流れてるんだけど、この日は特に客席の雰囲気が良かった。マチネのせいか小さな子供たちが沢山来てたんですよね。で、この子達が随所で愉快そうにキャッハハ~と笑うと、つられて大人も(二重に)ふふふふ~と笑ってしまう・・・みたいな。あ~楽しかった 行ってよかった~。(ちなみに子供達の笑いのツボは、ニワトリ・ダンスとアランのコミカルな演技、みたいでした。)
2012-04-30 09:31 | ロイヤル・バレエ | Comment(12)
ロイヤル・バレエ 2012/13シーズン 茜さん・白鳥デビュー
ロイヤル・オペラ/バレエ来シーズンのラインナップ、ちょっと前に第一報が公式サイト上発表されてましたが、年間ブローショアとピリオド1(秋~冬シーズン)の詳細がやっと来ました。バレエ・キャストも出てましたが、目をひいたのは、

高田茜さんが白鳥の湖で主役デビュー!

わ~い、密かに期待してたんだけど、実現しちゃった~。そして更に、喜ぶべきは、彼女のプリンス。スティーブン・マックレーですよー(yeah~~!!)。

・・・しかし、喜びも束の間、思わぬ落とし穴が・・・。よくよくスケジュールを凝視してみたところ、彼女の出演日は一日だけ。10月17日水曜日の、えっ・・・・

・・・マチネ公演。

なんだってまた平日マチネに・・・(泣)行きたかったら午後休取るしかないじゃない。せめて二回ぐらいキャストされていればなあ。せっかくデビューするのに一回しか踊らないなんて勿体無くないですか??(ちなみに、茜さんは今回の白鳥再演で唯一の主役デビュタントです。)

そして年末年始のくるみ割り人形、茜さんは前回既に金平糖デビューされてますが、今回もニ公演にキャストされています。しかし、こちらも日程が<私的には>やや微妙だなあ・・・大晦日と、1/5(土)のマチネ。パートナーは、こちらも、スティーブン♪

さてさて突然の退団劇で世間を騒がせた(騒がせている?)セルゲイ・ポルーニンですが、彼の名前は、団員名簿から消えておりました。彼が抜けた分他の人にチャンスが回ってくるわけだけど、ピリオド1で沢山起用されているのが、平野亮一君。11月のミックス・プロニ演目にお名前があるし("Viscera"と"Concerto")、くるみ割りでもプリンス役デビュー、パートナーはユフィさん。(確か、ユフィさんの前回のパートナーはポルーニンだったよね。)このお二人が主演するのは12/27と1/8のニ公演。

モニカ・メイスン芸監が今シーズン一杯で引退、ケヴィン・オヘア監督("Director")に交替して初めてのシーズンになるわけだけど、上演演目なかなかバラエティに富んでますねー。ロイヤルは今シーズンこれまでのところ(結局)一度も見てないんだけど、来シーズンはちょっと行ってみようかな。

【ロイヤル・バレエ】

http://www.roh.org.uk/news/201213-season-announced-ballet-and-dance

【ロイヤル・オペラ】

http://www.roh.org.uk/news/201213-season-announced-opera-and-music
2012-03-24 10:28 | ロイヤル・バレエ | Comment(9)
ロイヤル・バレエ 「不思議の国のアリス」 (3/2)
ロイヤル・バレエ久々の(16年ぶり)全幕新作、"一般向け"プレミエ公演を見てきました。

星をつけるとしたら☆☆☆-(2.5に近い)ってところでしょうか。平均以上だったのは音楽とデザイン、平均以下が振付とシナリオ。見終わった後の印象は、中道を良しとし一般受けを狙うことを忘れない・かつ最近益々ポピュラー路線を志向しつつある、いかにもコヴェント・ガーデン的な新作だなあ・・・と。保守的なROHで型破りとか知的興奮を掻き立てられるような作品を新作として見られることには期待してないけど、もう少し野心的でもいいんじゃないか・・・という気も。(しかしこのタイトルに惹かれて?見に来たお客さん、特に若者が少なくなかっただろうと思われるので--実際いつものロイヤル・バレエの観客層よりも若い人が多かった--、ハウスの狙いは当たったといっていいんじゃないでしょうか。観客のウケは大層良くて、カーテンコールは延々続きました。)

私的に原作は殆ど記憶になくて思い入れもないけど(子供の頃一番惹かれたのは物語自体ではなくてテニエルの、ややゴシックがかった画風の挿絵だった)、それにしても物語の面白さと特異性はこのバレエ作品では全く表現できてなかったような。一体ルイス・キャロルのアリスである必要がどこにあるのか?と訝しくなる、あの作品から魅力的なキャラクターを借りてイメージを膨らませて舞台にのせました、的アプローチに見えて、まあ仕方ないのかなぁと思いつつもやや肩透かし。ナラティヴが弱く、かつライト級エンターテイメント作品としては二時間弱の上演時間は少々長すぎの印象が。

功労賞、まず音楽は、それ自体に感動したり強い印象を残すものではないものの、振付・演出と実によく調和がとれていて効果的で、老練の技巧家の手になるものではないかな、と感心しました。(作曲家のジョビー・タルボット、どんなジャンルで活躍している方なのか全く存じ上げませんが。)デザインは事前に宣伝写真で見ていたものがいかにも英国風のややダークでゴシックなものだったのでそういうテイストかと想像していたんだけど、蓋を開けてみるとポップでカラフルな要素も一杯でインパクトはまずまず。視覚効果もなかなかで、プロジェクターを多用して騙し絵的効果を出したり、WOW!と感嘆するまではいかないものの、そこそこ遊び心が感じられて、悪くない。

肝心のダンス部門。一幕前半は演技が多くて、"踊りは台詞を語るための方便にすぎない"的な振付に眠気を催すことしばしば(その逆を見たい観客なもので)。唯一目が覚めたのはMad Hatter役のスティーヴン・マクレーがタップダンスを踊ったシーン。ダンス力という点ではマクレーはやっぱりこのカンパニーの中では図抜けてるなぁと再認識。一幕中盤以降は、あたかも振付家が「そうそうこれってバレエ作品だったんだよね~」と思い出したかのように展開がスピーディーになって、踊りテンコ盛り状態になります。ダンス・シーンでこの夜一番ウケていたのが、ゼナイダ・ヤノウスキー演じるハートの女王による、「ローズ・アダージョへのトリビュート」。クロッケー場のシーンで、ローズ・アダージョの変奏風?音楽にのってヤウノウスキーがポーズを取った瞬間、バレエ・マニアは思わずニヤリとしたはず。凶暴なハートの女王の相手をつとめるのは家臣たち。すっかりドン引きして戦々恐々と、薔薇の代わりに家臣たちが差し出したのはパイ。女王が顔だけ突きだしてこのパイにぱくつく場面ではやんやの喝采が。ハートの女王はこの後カルメン~ハバネラから着想を得たと思しき?音楽でソロを踊り、すっかりshow-stealerと化してました。ヤノウスキーは顔芸もすごく上手くて、やっぱりこの人は一流のキャラクテールだなあと感心。(どうしてプリンシパルなんかになっちゃったんだろう?とあらためて感じた。ヘタにプリンシパルだから舞台出演の機会が減ってしまったと思えてならないのだけど・・・)

一方あまり面白くなかったのが、アリスとボーイフレンド・ジャックによるpdd。この作品ではアリスは子供ではなくてもう少し年上の、ロー・ティーンぐらいの設定?そうでないとpddのシーンを創れないからそうしたのかなあ。でもこの恋人達のpddはあまりにありきたりな振付で特筆事項なし・・・という印象。群舞のダンス・シーンも結構あるのだけど、そのうちの一つが花のワルツへのトリビュート風で、これまたごくフツーというかよくありがちなネオ・クラシックの振付で踊られる。ただ、女の子達の着用しているチュチュ(花びらを重ねたようなスカート)はなかなか素敵で目を惹いた。ガーデン・シーンでトランプの精?たちが踊る振付はやや無機的でシャープな、現代的なテーストのもので多少面白味があったかな。

主役・アリスを踊ったのはローレン・カスバートソン。RB唯一の英国人女性プリンシパルということで振付家ウィールドンのたっての希望による抜擢だったそうだけど、大健闘してましたね・・・特にフィジカル面で。アリスはほとんど全編出ずっぱりでダンス・シーンは動きが素早くて運動量がハンパでない。カスバートソンはどちらかというと楚々としたスッキリ顔の美人、大人顔ということもあり見た目は子供らしさは感じられなかったけれど、元気一杯のパフォーマンスでフィジカル面では子供も共感できそうな?キャラクターを造形していた。

(来シーズン再演されたら見に行くか?うーんどうだろう・・・タマラ・ロホのハートの女王(2ndキャスト)を見てみたい気もするので、もしかしたら行くかも。)

☆ テレグラフ紙の舞台評欄でパブリシティ写真を見られます:

http://www.telegraph.co.uk/culture/theatre/dance/8347578/Alices-Adventures-in-Wonderland-Flying-cards-chairs-with-ears-and-a-male-duchess.html#


Royal Ballet in "Alice's Adventures in Wonderland"

Ballet in Two Acts

2nd March 2011

Choreography: Christopher Wheeldon

Music: Joby Talbot

Designs: Bob Crowley

Scenario: Nicholas Wright

Lighting design: Natasha Katz

Conductor: Barry Wordsworth

Orchestra of the Royal Opera House

CAST

Alice: Lauren Cuthbertson

Jack/The Knave of Hearts: Sergei Polunin

Lewis Carroll/The White Rabbit: Edward Watson

Mother/The Queen of Hearts: Zenaida Yanowsky

The Duchess: Simon Russell Beale

Father/King of Hearts: Christopher Saunders

Magician/The Mad Hatter: Steven McRae

Rajah/The Caterpillar: Eric Underwood

Vicar/The March Hare: Ricardo Cervera

Verger/The Dormouse: James Wilkie

The Cook: Kristen McNally

Footman/Fish: Ludovic Ondiviera

Footman/Frog: Kenta Kura

Alice's Sisters: Leanne Cope, Samantha Raine

Butler/Executioner: Philip Mosley
2011-03-06 06:18 | ロイヤル・バレエ | Comment(7)
吉田都さんのトーク・イベント (4/26)
レポする・すると言いながら果たせないまま一ヶ月以上過ぎてしまったこのイベント。ホントに、今更・・・ではあるのですが、公言してしまった以上少しは書き残しておかないと、ってことで、頼りない記憶を辿ってトライしてみます。※尚、この日はトークの合間に頻繁に都さんの舞台映像をスクリーンで見せてくれたのですが、そのために照明はずっと落としたまま。その場でメモをとることはできず、帰宅してから雑に書き留めた走り書きと断片的な記憶だけが頼りなので、当方の聞き違い・勘違い多々あるかもしれず、くれぐれも、話半分で聞いてくださいませ~。

☆Miyako Yoshida in Conversation

26th April 2010
Clore Studio, ROH

- 聞き手は現在RBのAdministrative Director、ケヴィン・オヘア。バーミンガム・ロイヤル・バレエのプリンシパルだった彼は都さんの元同僚。(都さんのコメント:「毎年毎年、二人でいやというほどくるみを踊ったものよね・・・」)気心の知れた間柄ならでは、とてもリラックスした雰囲気の中トークはすすめられたのでした。

- 前半は、(日本のバレエファンならよくご存知と思われる)都さんのバックグラウンドについてのおさらい。日本で受けたバレエ教育について、イギリスに渡ってから苦労したこと、等々。オヘアは都さんがロイヤル・バレエ・スクールに留学したとき在学中で(同級生か年長生だったか、どちらか)、彼女が入学してきたときその技術の高さに驚いたらしい。"それまで目にしたことがないようなテクニックで・・・""日本でどうやってあの技術を習得したのか?"と質問。都さんの答えは、「同じことを何度も何度も、できるまで繰り返し続ける。」という、シンプルなもの。〔オヘアのコメントを聞いて、以前アダム・クーパーか誰かが熊川君について同じようなことを語ってなかったっけ・・・と思い出した。熊川君がRBSに留学してきたとき、級友たちは彼のテクニックに驚愕したとかなんとか・・・。ひょっとしてRBSでは難度の高い技は教え込まないのだろうか??〕

- トークの合間に都さんの思い出の舞台の数々を見せてくれたのだけど、やっぱりぐっときたのはくるみ割り人形。パートナーはボネッリで、やっぱりこの二人だと端正で綺麗だなあ・調和のとれた、夢のように美しい舞台に涙で目がかすむ。3日前の最後の公演・シンデレラの舞台とカーテンコールの様子も見せてくれて、あらためて感無量に・・・。パートナーのスティーブン・マックレーについての都さんのコメント。

- スティーブンはとっても力強くて(strong)、安心して一緒に踊れる。ナチュラル・パートナー。昔はほんとに色んな人と踊ったけれど、怪我の後遺症もあって、今は慎重に相手を選ばざるを得ない。スティーブンはその点(注意すべき点)もよく理解してくれている。

- 上映映像の中に、"Scenes de ballet"(アシュトンの)もあったのだが、この作品について、都さんから意外なコメントが。
「今まで踊った中でもっとも難しい作品の一つ。古典のようにきっちり役柄で踊る時間が配分されてるのではなくて、舞台に立っている間ずっと踊り(動き)続けていないといけないので、大変だった。」

- (オヘア)今夏の日本公演のR&JがミヤコにとってRB最後の舞台、ということになるが、この公演はフィルム撮りされる予定。ただし、残念ながら見られるのは日本のファンだけ、ということになりそうだが・・・。(客席から嘆息がもれる)

日本公演といえば、ちょっと前まで我々のプレゼンターは、「西洋のバレエ団だから日本人の主役はお断り」というポリシーを持ってたけど、今は向こうから懇願して踊ってくれ("begging")って感じなのかしらん?その辺少しは状況変わってるのかな・・・。〔客席からへえーっ!というどよめきがおきていた。噂には聞いてたけどホントの話だったのね 日本人として、聞いてて恥ずかしかった!怒〕

以下、客席とのQ&Aセッションより。

- Q: 愛用されているトウシューズはどちらのものですか?
  A:  今はBlochです。以前はFreedを使っていて、とても気に入っていたのだけれど、あそこのは一足ずつが手作りなので出来上がりがどれも微妙に違う。それで苦労することがあって・・・Blochはその点マシン・メイドなので均質。(Freedはほんとにいいメーカーなんですけれどね・・・と強調されていた。)

- Q: RBのレパートリーで好きな役柄は?
  A: 以前だと、この質問には必ずジュリエット、と答えたものですが・・・ジュリエットも勿論だけれど、今振り返ってみて、リーズも私にとっては特別な役だったな、と感じます。イギリスに来て初めて見たバレエがラ・フィーユだったんですよ で、こんな楽しい・明るいバレエがあるんだ、って目から鱗で。とっても好きな役だけれど、残念ながらもう踊れません。今回もモニカからオファーを貰ったのだけれど、考えた末断りました。(客席から、嗚呼・・・と無念さを滲ませた反応が。)

- Q: それほど完璧に踊れる貴女が引退を決意された理由は?
 A: まだまだ踊れる、と仰っていただけるのは本当にありがたいのですが、年々身体がきつくなっているんです。古傷もあるし・・・(本当に大変なんです、というニュアンスを身振り手振りを交えて伝えていた)

- Q: バレエ・ダンサーになることを目指してイギリスにやって来る日本の女の子達へのアドバイスを。
 A: "Never give up!" ともかく諦めないで、一心に努力することで道は開けます・・・。日本人はどうしてもシャイになりがちだけれど、自信をもって、自分の個性を打ち出して。

最後にオヘアが、都さんの長年の功績を讃え、"こんなに美しく・才能あるバレリーナのパートナーをつとめることが出来た僕は本当に果報者だよ"とコメント。お返しに都さんは、「最初に学校で、その後プロになってからはSadlers Wells Ballet~BRBで、いつも一緒だったわね。貴方に会えて私は本当にラッキーだった・・・もし貴方がいなかったら私のバレエ人生はきっと違うものになっていたわ」とコメント、オヘアは大いに照れていました。

<終>
2010-06-07 09:35 | ロイヤル・バレエ | Comment(17)
吉田都さんのフェアウエル公演
終わりました・・・!

昨夜は終演後に常連達と飲みに行って帰宅が午前様になってしまったので、レポが遅れました・・・今もやや二日酔い気味なのですが、がんばって少しだけ・・・

コヴェント・ガーデン最後の舞台、都さんは先週以上に輝いていて、先週以上により磨きのかかった・完璧なダンスをみせてくれました。華奢で、でも決して貧相ではない優美なデコルテ、いつもみとれてしまう美しい脚のラインに、昨夜も溜息をつくことしばしば。引退していくダンサーだなんて、信じられない・・・何故やめなきゃいけないの!?と理不尽な感情をおさえられず、でも一方で、ここまでの高みに達してしまった人が線を引くときは、他にチョイスはないのだ・・・ということも頭ではわかっていて。クラシック・バレエを踊るバレリーナには一点の曇りも・瑕も許されない、という過酷な条件を十分以上に果たし、ご自分の美学を徹底的に貫いて、「完璧な」残像をあとに残して去っていく、その見事さに、改めて敬服せざるを得ませんでした。

カーテンコールでは都さんの頭上にさんさんとフラワーシャワーが降り注ぎ、立派なブーケが続々と届けられていましたが、何度目かのときにサー・ピーター・ライトとジョナサン・コープが花束を持って登場。これはサプライズだったのか?都さんはちょっと驚いた表情でした。(モニカ・メイスンは不在で、終演後に、モニカが一言スピーチすべきだった・いや、サー・ピーターの手前遠慮したのだろう・・・等々のファンの声が聞かれました。私自身は特にスピーチが必要とは思えなかったので、違和感<不満はなかったですが。)

ファンの歓声に応えて、客電がついた後もカーテンのこちらに出てきてくださいましたが、一度だけで、お開き。私としてはもっと延々と続いてほしかったけれど、ここはロイヤル・オペラ・ハウス、まあこんなものかと(あっさりしてるんですよね・・・)。すべてが終わったあと、カーテンの向こう側で盛大な拍手と歓声があがっていました。

☆ ballet.co公認フォトグラファーにして大の都ファン・Daveがカーテンコールの写真を沢山撮ってくれました!

http://www.ballet.co.uk/gallery/yoshida_farewell
2010-04-24 23:13 | ロイヤル・バレエ | Comment(14)
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