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【本の紹介】東京12チャンネル 運動部の情熱
バレエの話題は三日(回)と続かない今日この頃ですが・・・スポーツ漬けだったこの夏のイギリスにすっかり感化され、そうよ私だってもともとスポーツ観戦好きだったし・・・と、「イチロー見たい熱」が再燃したりしてたところに。どんぴしゃのタイミングで、こんな本に出会ってしまいました。これはもう、勢いで紹介しちゃうしかないでしょ~。

先月出張で数日間東京に滞在していたとき、「すっごく面白い本だよ~読んでみて」と姉に渡されたのがこれ「東京12チャンネル 運動部の情熱」。

このタイトルを見ただけでぴんとくるのは、12チャンを見られる環境にある首都圏在住、かつ私と同世代か上の人?・・・と、全国区の話題ではなくて恐縮ですが。一昔前の12チャンを知る人なら、そしてスポーツ・ファンなら、この東京ローカル局のスポーツ番組の先進性を記憶されてることと思いますが・・・例えば、サッカーが日本ではごくマイナーなスポーツだった時代に地道にサッカー番組を放送し続けていたこととか(いまや伝説の?、「三菱ダイヤモンド・サッカー」)。他局とは一味も二味も違う、こだわりの番組作りを可能にしたのが、名物部長・白石剛達さん率いる運動部の熱き男たち。ローカル局でリソースに恵まれない分をアイデアと人脈となにより情熱とガッツで克服、新境地を切り開いていく。彼等の奮闘ぶりが「昭和」「高度経済成長期」という時代とシンクロして、(スポ根)ドラマを見ているような興奮と臨場感を味わいました。昭和の(一)裏スポーツ史としても読めるかも。

・・・え~ちょっと種明かししてしまうと、実は登場人物の一人が私の親戚なのです。そのためちょっと思い入れが入ってるかとは思いますが、スポーツ好きなら誰でも楽しめること請け合い!ですので、書店で目にしたら是非手に取ってみてください。


東京12チャンネル

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2012-11-05 08:32 | | Comment(0)
小林秀雄の閃き
昨夜お月見の話を書きましたが、この話題で必ず思い出すのが、小林秀雄の、ある散文。(ほんとうは昨日はこの事を書きたかったんだけど、話がどんどん逸れていってしまった・・・)

かの梅田望夫氏が著作の中で、『生きるための水を飲むような読書』をしてきた・・・と書かれていて印象的だったのだけど、そこまで深く・意識的でないにしても、自分にとってその種の読書体験があるとしたら、おそらく小林秀雄の本がそれにあたる。(そういえば、梅田氏も小林の熱烈な信奉者であられるのだった・・・。)

批評対象に自己を没入しきって、自らの直感を信じ厳しく思考に思考を重ね、その思索の果てに・あるいは途上で吐き出される、「本質」を見極めんとする言葉の弾丸。彼の思考についていけず、難解でほとんど理解不能の文章も中にはあるけれど、その点エッセイは比較的読みやすく、何度読み返しても都度新鮮で、愛読している。(大袈裟なようだけど、彼の文章からは読むたびに生きる勇気をもらっているのだ・・・いや、ほんとに。)

手元にある、「考えるヒント」と題されたぼろぼろの文庫本、この薄っぺらい小さな本の中には小林の洞察と思索の軌跡がつまっている。中に何度も読み返した一文があって、お月見がらみの話にインスパイアされて小林が思索の翼を羽ばたかせたものなのだが、是非ともこれをご紹介したいのだ。(直接の引用はほんとはまずいのでしょうが・・・とっても・マジでまずいことになったら外します、ということで。)二十世紀の知の巨人からの、言葉の贈り物です・・・

- 小林秀雄がある知人から聞いた、ちょっと面白い話。その知人はある十五夜の夕に京都・嵯峨で月見の宴をした。たまたま宴会の日が十五夜と重なったものだったのだが、実際その場にいた若い会社員たちも平素は月見など特に興味もなく、賑やかな酒盛りがつづいた。が、ふとした話の合間に誰かが山の方に目を向けると、誰の目も同じ方を見て、月の出を待ちわびる想いが一同の間で自然に通じあっている。ようやく山の端に月がのぼると、座は一変にお月見の気分に支配された。皆の目は月に吸い寄せられ、もはや月のことしか眼中にない。

- ここまではごく当たり前の話だが、"ミソ"は、この宴会の席にスイス人が数人同席していたこと。一変した座の雰囲気が理解できず、ただ茫然と月を眺めている日本人に、今夜の月にはなにか異変があるのか?としごく怪訝な表情で尋ねた、その顔つきが(知人には)いかにも面白かった、と。

- この話を聞いた小林は、スイスの人だって無論自然の美しさは知っていようし、日本人が月に寄せる独特の想いを説明すればできないことはないだろう、しかしそんなことはみな大雑把な話だ 一旦心の深みに入っていけば、両者の間に自然の感じ方への歴然たる違いが露呈するだけ、とし、平素は意識しない日本人らしい自然の感じ方を外国人の存在で自覚させられた、という話だが、この自覚とて一種の"感じ"であってはっきりとした言葉にはならない・・・と続ける。そして、この日本人ならではの、自然の受容の仕方・細かな感受性の質・・・という特徴を、近代化・合理化された現代文化を語る際に持ち出すとなにか滑稽なことになってしまうのはどうしたことか、現代文化とは本当にこれらの要素とは無縁の存在なのだろうか・・・と疑問を呈し、こう書いている。

『意識的なものの考え方が変わっても、意識出来ぬものの感じ方は容易には変わらない。いってしまえば簡単な事のようだが、年齢を重ねてみて、私には、やっとその事が合点出来たように思う。』
『新しい考え方を学べば、古い考え方は侮蔑出来る、古い感じ方を侮蔑すれば、新しい感じ方が得られる、それは無理な事だ、感傷的な考えだ、とやっとはっきり合点できた。何の事はない、私たちに、自分たちの感受性の質を変える自由のないのは、皮膚の色を変える自由がないのとよく似たところがあると合点するのに、随分手間がかかった事になる。妙な事だ。』
『お月見の晩に、伝統的な月の感じ方が、何処からともなく、ひょいと顔を出す。取るに足らぬ事ではない、私たちが確実に身体でつかんでいる文化とはそういうものだ。古いものから脱却することはむずかしいなどと口走ってみたところで何がいえた事にもならない。文化という生き物が、行き育って行く深い理由のうちには、計画的な飛躍や変異には、決して堪えられない何かが在るに違いない。私は、自然とそんな事を考え込むようになった。』

(小林秀雄 「考えるヒント」より「お月見」 文春文庫)
2008-09-14 09:19 | | Comment(4)
ドラマ 「ジェーン・エア」
え~今日は時間がないのでエミリーの詩の話はまた後日に。BBCサイトに行ってみたら、昨日ちらりと触れた「ジェーン・エア」のページがまだ残っていたのでご紹介します。全4回のエピソードの、さわりだけですがビデオで見られます:

http://www.bbc.co.uk/drama/janeeyre/episodeguide.shtml

一体これが何度目のドラマ化?この国のTV局制作のコスチューム・ドラマって本当にブロンテ&オーステンもので回してるのね~ と見る前はあまり期待していなかったんだけど、始まったらそこそこ楽しめて毎回しっかり見ていました。プロデューサーは人気の連ドラも手がけている人で、かなりイマ風の作りになっていたような印象が。総じて重苦しさのない、"ライト"で時にユーモラスにすらみえる演出でしたね。(最終回のラスト・シーンはちょっと悪ノリしすぎに見えたけど・・・)

大体ジェーンを演じた女優さん(新人のルス・ウィルソン)からして、全然ジェーンっぽくない(笑)。意思の強そうなきりっと太い眉に、さくらんぼみたいな肉感的な唇をしていて、若干リヴ・タイラーとオレリー・デュポンを彷彿とさせる容貌なんですよ(・・・ということは、かなりの美女でしょ~)。すらりと背も高めで、「小柄で青白い顔でさえない容姿」のジェーン・エアのイメージとはかなりギャップがありましたねえ。

ロチェスター役のトビー・トビアスは、複数の新聞のTVレビューでやたらと好評だったのを読んだけど(「きゃ~カッコいい!」って調子で女性ライター達が浮かれて書いていた)、私には何故か、そこはかとない微笑を誘ってくれるタイプで・・・。はっきり言っちゃうと、ミョ~にスカしたタイプなのよね そこが可笑しくて。あと、声がハスキーなのはいいがやや甲高いというのが点低し(ロチェスターはバリトンでしょー やっぱり~~←偏見)。

まぁでもTV局が何度リヴァイヴァルしても飽きずに見る視聴者がいるというのはわかりますね・・・ジェーン・エアって面白いものね。私自身は高校時代に「嵐が丘」と同じ頃に初めて読んで、そのときはちっともひかれなかったのだけど、後年改めて読んだら、これはひょっとしたら思っていた以上に奥深い作品なのではないか?と、その魅力に開眼。初めて読んだ時には、所詮白馬の王子様を待つ女性が主人公で、結婚が人生のゴールって類の話かと皮相な読み方をしていて、若さ特有の傲慢さで、「嵐が丘」と比べたら「ジェーン・エア」なんてくだらない・・・とすら思ってたんですよね(ああ恐ろしいことだ・・・シャーロットごめんなさい)。この作品が今もイギリスで(特に女性から)絶大な支持を集めている理由は、非常によくわかる気がします・・・。
2007-04-17 08:14 | | Comment(2)
エミリー・ブロンテの詩(1)
今日(4/15)は私の○○回目の誕生日!なのですが、今年は周囲にやや異変が・・・。

いや、そんなに大それたことじゃないんですが、お天気です。4月に入ってずっと好天続きで、ぽかぽかと春めいた陽気に恵まれ、この国の基準からすると夏といっていいくらいの気候。自分の誕生日の頃はいつも大体天気が不安定でまだ肌寒かった印象があって、こんなに穏やかで日本の春みたいなのは初めてかも・・・。イギリスには、'March winds and April showers bring forth May flowers.' という諺があるんですが、その通り、4月は普段ならわりと雨が多い月なんですよね・・・これも温暖化現象の影響なのでしょうけど、私的にはありがたいことです。

で、せっかくの誕生日だから今熱中していること(?)について書きましょう。エミリー・ブロンテの詩です。私は高1で「嵐が丘」に出会って以来、つかず離れずのブロンテ・ファン。で、数年に一回プチ・リヴァイヴァルが訪れるんですが、今回は昨秋BBCで放送されたコスチューム・ドラマの「ジェーン・エア」を見たのをきっかけに、またまたブロンテものにプチはまり状態が続いています。これまではブロンテ姉妹の作品を読み込むよりも 、わりと伝記とか批評とか”周辺的”読み物を漁ることにかまけていたんですが(なにしろネットだけでも読めるものが山ほどある!)、この機会にやや敬遠していた「詩」に再挑戦してみよう!と、遅まきながら三姉妹の詩作を手にとってみることに。

で、やはり難しいんですよね 詩は・・・学生時代に理解不能で途中で放り出した時に比べれば少しは忍耐力がついたけれど、まあー 難しい。英詩の読み方なんてきちんと勉強したことのない私に、一番すんなり読めるのはアンの作品。ご本人の素直で温和な気質を反映した、描写的なものが多いのだけど、あまり面白いとは思えない・・・。シャーロットのはやや因習的かつ冗長な感じで、こちらも(今のところ)あまりピンとこない。圧倒的に魅かれるのは、やはり、エミリーの詩。

ほかの二人とは、作風も作品の核部分もおよそ似ても似つかず、エミリーならではの独自の世界としか言いようがないのですが・・・。ときに難解で意味不能のものもあるんだけれど、作風はシンプルで荒削りで型破り(形式にとらわれていない)。何よりシャーロットとアンとの最大の違いは、エミリーの詩には「閃き」があること。核心だけを衝く言葉がストレートに投げ出されて、その言葉の響きが鳴り響くかのようで・・・共鳴できたときは、心の一番奥深いところをグイッと摑まれるような、衝撃がある。(要は、<当然ながら>「嵐が丘」から受ける感じと近い。「嵐が丘」を初めて読んだとき、雷に打たれたような、衝撃を受けたものです・・・)

さて、ここで若干一般的な話を・・・

エミリーの詩才を最初に発見したのはシャーロットで、「かつて女性がこの種の詩作をものしたことは一度もない・世に問われるべき才能だ」という確信のもと、抵抗するエミリーを説き伏せて姉妹の自選詩作集の出版にこぎつけたのもシャーロット。この詩集は全く売れなかったものの、発表当初エミリーの作品は一部批評家から高い評価を受け、シャーロットの直感が正しかったことが証明された。(エミリーは、いわゆる真の「詩魂」の持ち主と評価された。)決して多作ではなかったにもかかわらず、彼女の詩は後に続く詩人たちをインスピレーションし続け、英詩の世界で特異な地位を築いている。(ある批評家の形容によると、”she rightly holds one of the first places in the pantheon of English poets.”)

女性という枠を超え、独自の世界観に基づいたエミリーの詩は、あたかもself-made philosopherの手が解き放った、何者にもとらわれない自由な精神の発露・・・。30歳という若さで彼女が世を去ったときに残されたのは、小説一作と詩作、断片的なノートだけ(エミリーが自分自身について語った言葉は日記・手紙のごくごく一部をのぞいては殆ど残されていない)。この事実と作品の特異性が相まって、ブロンテ三姉妹の中でも最もミステリアスな存在のエミリー。

私自身もそのエミリーの謎に魅せられ続けている一人なわけですが、彼女の詩についてもっと知りたいと思っていた矢先、ちょうど探していたタイプの本が最近刊行されたことを知り、買いに走りました。今年2月にOxford University Pressから 出版されたばかりの、"Last Things: Emily Brontë's Poems"。著者はアメリカの英文学者、Janet Gezari。今読んでいるところですが、面白いのですよ これが。

<続く>
2007-04-16 07:52 | | Comment(0)
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