There's a big hole....in SW19
今年のウィンブルドンも残すところニ試合のみ、今女子ファイナルが始まったところですが・・・

・・・あ〜つまんない・・・・。こんなにつまらんウィンブルドン、一体何年ぶりだろう。盛り上がれない最大の理由は、勿論、"あの人"がいないから・・・。いなくなってしみじみわかる、ラファ・ナダールの偉大さ。

今年はセンター・コートに屋根がついて(結局使う機会なかったみたいだけど)ナイター設備?も整ったので、夜遅くまで試合できるようになった。でも、仕事が終わって帰宅してTVをつけると、見せられるのはマレーの試合ばっかり。(三回戦ぐらいまで?「地元」出身のマレーには常に一番いいスロット--センター・コートの最終試合--が割り当てられてたので。)私は彼のプレースタイルにもパーソナリティにも殆ど興味を惹かれないので、も〜いい迷惑。(ラファが出ていればこんなにマレーばっかり見なくてすんだのに・・・)夜10時半近くまでかかったスイス人・ヴァヴリンカとの試合も長い割には内容的には凡庸で、それなのにこういう試合を"epic"とか形容するMurray maniaにもうんざり。一応最後まで観戦してたけど、終わった瞬間、"I MISS RAFA〜〜!!!"と心中叫んでしまった・・・。

(ところで、アンディ・マレーに対する地元メディアのヒステリアは多分ヘンマンの時以上にすざまじく、ウィンブルドンの観客の熱狂ぶりからもイギリス中が彼を応援している、と外の人には見えるかもしれないけど、さにあらず。Scottishの彼に対するEnglishの冷ややかな視線は確かに存在するんですよね・・・私の知り合いのEnglishのスポーツ・ファンは、「彼のことは応援しない」と言い切ってたし。まぁこれには、以前マレー本人がイングランドのサッカー・ファンを揶揄するような煽り発言してるせいもあるんだけど・・・。)

今年は最終日に"Roger & Rafa show"を見られないことがわかってたので、もうそれだけで虚無感漂いまくり・・・そもそもラファが欠場と発表された時点でロジャーの優勝は決まったようなものだったし(まだ確定はしてませんが・・・)。実際蓋を開けてみればセミまでは全く危なげない試合運びだったようで(ハイライトしか見てないので断言できない)、相手のプレイヤーとの格が違いすぎて、あああ・・・つまんない。

明日のファイナルの相手はロディック。04年・05年の決勝カードの再来(二度ともロジャーが勝利)。対戦成績からいっても今のロジャーの調子のよさからいっても、まさかのまさかという事態は起きないだろうけど、昨夜地元ファンの夢を打ち砕いたFighter・ロディックに意地をみせてほしいもの。(ラファ、全米には間に合うのかな・・・絶対に戻ってきてね
we all miss you, so bad.....)

http://graphics8.nytimes.com/images/2009/06/16/magazine/21nadal.4.jpg
2009-07-02 09:22 | 英国生活 | Comment(0)
マイケル・ジャクソン、ブルース・スプリングスティーン
去る木曜に急逝したKing of Pop・マイケル・ジャクソン。こちらのメディアは怒涛のカヴァレッジで、新聞はもちろんBBCの24時間ニュース・チャンネルでも絶え間なく続報を伝えてます。近年はすっかりキワモノ扱いでタブロイド紙の好餌食になっていた印象があるけど、やはり彼の影響力は絶大だったのね・・・。

日頃iTunes経由でよく聴いているソウル系ラジオ局も当日はずっとマイケルの曲を流しっぱなしだったのだけど、今更ながら、いい曲が多いなあ・・・と感心してしまった。(私は"Off the Wall"が一番好き!ほんとにいいアルバムですね〜これは。)昨夜はBBCで追悼番組をやっていたのだけど、Top of the Popsの特番で彼のメジャー・ヒット曲のビデオ・メドレーを流してくれて、久々に"踊るマイケル"をまとめて見て、も〜〜感動。あの、ほとんど非人間的な・メカニックな動きの完成度の高さとキメのポーズのカッコよさ、そして決して軸のぶれないピルエット!天性のダンサーだなぁ・・・と、ひたすら感嘆のタメ息。
(RIP, Michael....)

で、マイケルの特番に続いて放送されたのが「グラストンベリー・フェスティヴァル」・二日目のハイライト映像。のっけからヘッドライナーのブルース・スプリングスティーンのコンサートを見せてくれました!

ブルースを見るのは久しぶりで、当り前だけど、歳取ったなぁ・・・としみじみ(彼は60歳目前のはず)。ブルースは相変わらずエネルギッシュなパフォーマンスを見せてくれたけど、彼と同年代のバンドのメンバー達は省エネ?殆ど動かないし(クラレンス・クレモンズなんてずーっと大儀そうに仁王立ちしたまま・・・)、月日の流れを感じずにはいられず・・・。

ギグは実際は二時間半ぐらいあったみたいだけど、TV放映されたのは約一時間半。ハイライト版のせいか耳慣れた"昔の"ヒット曲で占められていて、オープニングの二曲が大好きな"Badlands"と"Prove It All Night"だったんだけど、エンジン始動したばかり?のせいか完全に声が出てなくて(掠れ気味)、ところどころ聞き取りにくかったのが残念。(彼の曲は歌詞が命ですからね・・・)一番盛り上がっていたのは”Promised Land"〜"The River"のメドレーかな。さすがに前列に陣取っていた観客はブルースのコアなファンなのか、若い子たちもみ〜んな彼と一緒に全ての曲を歌っていて、ちょっと感動してしまった。アンコールは"Thunder Road"、"Glory Days"、"Dancing in the Dark"。コンサートとしてはまぁまぁかなぁと特別感動はしなかったけど、ブルースの顔つきが相変わらずスッキリ・全然汚れてない感じで嬉しかった。

で、昨夜TV放送されたギグを見て、「ふ〜んスプリングスティーンってこんなもんかー たいしたことないじゃん」と判定下した(若人の)貴方。是非是非このライヴ・ビデオ↓をご覧あれ ひっくり返りますよ。ちょっと前にYTで見つけて、YTの威力を思い知らされた(というかこのサイトの存在に心底感謝したくなった)ビデオです。78年、地元New Jerseyでのギグから、"Prove It All Night"。私にとってのブルース・スプリングスティーンがここにいる・・・「明日なんてない」・決死のロック・パフォーマンス!(警告:エレキ・ギターの爆音が苦手な方は、決して再生しないでください!)

http://www.youtube.com/watch?v=C3vUKBOJ5sU
2009-06-28 22:41 | 音楽 | Comment(0)
ロイヤル・バレエ 「ジュエルズ」 (6/16)
ロイヤルのジュエルズ、今回の再演は事前ブックしてなくて、行こうかどうしようか迷ってたのだけど、The Guardianに出たアリーナとルパートのインタビュー↓を読んだら俄然この二人のダイヤモンド・pddが見たくなって。二人の最終登板日の公演チケット、幸い当日ストールズサークル・スタンディングが取れたので行ってきました。(アリーナの「ウェディング・ダンス」を見て来ました!)

http://www.guardian.co.uk/stage/2009/jun/11/pas-de-deux-alina-cojocaru-rupert-pennefather-jewels

「エメラルド」は大好きなパートだけど、キャストが・・・・。第一カップルはマルケス&フリストフ、第二カップルがベンジャミン&ガートサイド。マルケス、どうも彼女の踊りには芯が欠けてるというか、ぴんとこない・・・それに表現が完全にロマンティック・バレエの世界観を投影しているかに見えて、ちょっとそれは違うんじゃないか・・・という気が。フリストフは騎士的なマナーで悪くはなかったけど、面白みに欠ける。二人してお行儀良く・こじんまりまとまっていて、なんかつまんないの。

で、不可避的に思い出してしまったのが、パリオペのエメラルド。DVDにもなっている、マチューとレティシアのエメラルドpdd、凄く好きなのよね・・・。中盤、第一カップルが舞台左右に分かれて登場して、見つめ合いながら奥から一歩ずつ前にすすんでくるシーンがあるでしょう ただ歩いてるだけなのに、見てるとドキドキしてくる、あの感じが欲しいのよね・・・。(で、家に帰ってDVD見てしまった。やっぱりいいなぁパリオペのエメラルド・・・この二人のこのバレエでの共演、みょーに好きなのよね・・・)

ベンジャミンは今回も素晴らしかった。彼女が動き始めた途端、マルケスとの格の違い歴然。ここ数年のベンジャミンはほんとカッコイイなぁ・・・道を極めた人の強さ、というか自己への絶対的信頼からくる余裕、で舞台上で遊べてしまう。でもその動きはあくまで厳しく律せられていて、洗練されていて・・・圧倒された。

トロワに登場したスティーヴン・マックレー、最近プリンシパルに昇進したという噂を聞きましたが(ballet.co発)、満面の笑顔で踊っていたところを見ると、ほんとなのかな?

「ルビー」。引退を表明しているアンサネッリがRBプリンシパルとして舞台に立った最後の夜。古典作品のレパートリーを多く有しているバレエ団への移籍を希望してNYCBからRBに移ってきた彼女だけど、オペラハウスで初めて踊ったのがチャイコフスキーpdd、最後はルビーと、奇しくもバランシンに始まり・バランシンに終わる、短いRBでのキャリアだった・・・。

前回・初演時はセルヴェーラと組んでセカンド・キャストだった彼女、今回はラム降板により繰り上がってファースト・キャスト、アコスタと踊ったのだけど、私的には前回上演時の方がはるかに印象は強烈だった。登場シーンのアンサネッリ、優等生的なアコスタに合わせたのか(?)優雅な微笑みを浮かべて穏便な表現。見せ場のpddでは踊りが徐々に大胆さをましてチャレンジャーと化していったけど、前回見たときのようなリスキーなパフォーマンスではなかった。(勿論それでも<いい意味で>一人だけ浮いていましたが・・・あのスピード感、ショーガール風のグラマーはやはりNYのダンサーならでは??)

後半に向けてどんどん舞台の熱が上がっていって最後は華やかに盛り上がり、客席は大騒ぎ。(最後までいただけなかった人もいましたが・・・前回見た時同様今回も目を覆いたくなったのが、「トール・ガール」役のマカロック。ヤノウスキー降板で今回のrunでは毎回彼女が踊ったという恐ろしい話を聞いたけど・・・ソロイストというランクからいって踊りこなせてないのは百歩譲るとして、まずは最低3インチ・ウエストを落としてから舞台に上がってください!)カーテンコールでは上階から花を投げ入れる人もいて、アコスタが一歩退いてアンサネッリに拍手を始めると、バックのダンサーたち、そして客席からも更に盛大な拍手が。大きな花束もいくつか贈られて、アンサネッリはもう少しで泣きそうになるところを必死にこらえているように見えました。まだ20代という若さ、ダンサーとしてこれからが絶頂期、というときにやめてしまうなんて・・・この夜のパフォーマンスを見る限りでは本当に信じられない決断ですが、一バレエ・ダンサーとしてNYCBとRBの両バレエ団でプリンシパルに上り詰めたという実績は、真に尊敬に値するもの。第二の人生でのご成功・ご活躍を祈ります・・・

お目当ての「ダイヤモンド」。アリーナとルパートのpddは、やっぱり良いわ〜。初演時に見て衝撃的だったアリーナ独自の楽曲解釈も、今回は慣れてるだけに(というか、"あのダンス"をこそ見たくて来てるわけで)すんなり・ごく自然に受け止められて。そして前回見たときと同様、二人の舞台には優しさと清々しさが溢れていて、とても心地良い気分にさせてもらえた。

音楽だけ聴いてるとですね、いつもなんだけど、このロシアの哀歌には胸を掻きむしられるような思いがするわけです。しかし、舞台上で舞うアリーナ&ルパートには感傷性の欠片もない・・・それでも全くヘン、とか、嫌い、とか感じないんですよ これって凄いことでは??

怪我から復帰後のアリーナを初めて見たわけですが、少しふっくらしたかな?でも以前が痩せすぎだったので、これぐらいの方が艶やかさが出ていいんじゃないかしら。前述のガーディアンのインタビューでアリーナはこんなことを語っているんですが・・・

『(ダイヤモンドは)ストーリーのないストーリー・バレエで一見抽象的に見えるけれど、私はいつも結婚式のリハーサルをイメージしてるの。もちろん厳粛な部分もあるけれど、一方でリラックスした・楽しいムードもある・・・将来を夢見るカップルって感じかな。荘厳でパワフルでもあり、甘くロマンティックでもあり・・・』

アリーナは常にパートナーから目を離さず、時に柔らかな・時に熱っぽい目線で彼を見つめる。それを受けたルパートが、若干体温低めなところがよい。こちらは感情を抑え気味ながらも、アリーナの問いかけに騎士的なマナーで応じ(でも決して冷たい感じではない)彼女を優しく包み込んでいた。(そのルパートは、『アリーナはpddを踊るときただ振付をこなすだけなじゃくて何か一味加えようとするんだ。僕はそんな彼女への尊敬の気持ちを踊りに込めているつもり・・・注意深く、大事に扱うように・・・とかね。』と語っていますが、まさに、その心遣いが舞台にあらわれていました。)

この夜のダイヤモンドは脇を固めたダンサーに日本人が多かったのだけど、中でも優雅な踊りで目をひいたのはユフィさん。あと高田茜さんが最初のタブローでコール・ドの一人として登場していましたが、目立つ位置にいたのでじっくり見られたのだけど、踊りはしっかりしているし表情もなかなかチャーミングでした。
2009-06-23 08:12 | ロイヤル・バレエ | Comment(2)
ディアギレフ・ガラ@ROH (6/7) 後半
続きです。

"Apollo" Maria Kowroski, Igor Zelensky

天地創造のポーズ(by ミケランジェロ)で始まる、アポロとテレプシコールのpdd。NYCBのプリンシパル・コウロスキーとゼレがこの作品で共演するのは、数年前のゼレ・ガラで見た。コウロスキーの印象はあまり変わらないんだけど(というか、実はとりたてて強い印象残ってなかったりするのだが・・・)、一方のゼレは・・・あの時のゼレは、堂々たる体躯、精悍で、まさに太陽神そのものだったなあ・・・。時の流れをずっしり感じて、少々黄昏てしまった。

"Les Sylphides" Tamara Rojo, David Makhateli

只今RB本公演で上演中のレ・シルフィード。第一キャストのタマラ・ロホとデヴィッド・マッカテリが抜粋を踊ったのだが・・・・むむむ。私自身の好みとはあまりにかけ離れすぎのため、ノーコメント。

"Le Tricorne" Dmitri Gudanov

ボリショイがちょっと前に復刻上演した(と記憶している)マシーン振付作品、「三角帽子」。これはおそらく、噂に名高い「粉屋のソロ」ってやつですね(プログラム買ってないので確認できず)。スパニッシュないでたちのグダーノフがソロでフラメンコ風のダンスを披露。見得の切り方が堂に入っていてカッコよかった!(ジョゼがこのソロを踊る姿も滅茶苦茶見てみたいぞ〜〜。)日頃舞台上での存在感がイマイチ薄いと感じたりすることもあるグダーノフだけど、なんの、力強いパフォーマンスでぐっと観客を惹きつけて場内大盛り上がり。何気に、この夜登場した男性ダンサーの中で最も充実していたのはグダーノフだったかも。(できればマーシャ@粉屋の女房も連れてきてほしかったけど・・・ボリショイは今USツアー中なのよね はぁーなんとも残念。)

"The Firebird" Irma Nioradze, Ilya Kuznetsov

(またしても)ニオラゼのあまりにcampな表現に、怯む。どうも私にはこのダンサーのよさがわからない・・・というか、実はいつも違和感を感じていたのだけど、そのことを再認識。前半このペアが踊ったTamarといい、正直言ってイリヤ・クズネツォフのムダ使い!という印象拭えず。(もっとクズネツォフが光る作品で見たかった・・・)

"Les Biches" Mara Galeazzi, Bennet Gartside

ニジンスカの「牝鹿」からブルー・ガールと"筋肉マン"のpdd。デカダンでエロティックで、白昼夢を見ているような不思議な気分にさせられる作品で、私は大好き・・・この間まで上演していたRBのディアギレフ・プロでもこれ上演すればよかったのに。マリー・ローランサンの描いた、見ようによってはかなりなまめかしい図柄のキャンバス(大)も久々に見られて嬉しかった。ガレアッツィもまぁ悪くはなかったけど、前回全編通してみたときにこの役を演じていたベンジャミンの、アンドロイド風のクールな役づくりの方が好き。

"Black Swan pdd" Marianela Nunez, Thiago Soares

この夜客席が最も盛り上がり・大喜びしていた、そして私が最も不機嫌になったpdd。

まぁ好みの問題ってことになるんですけどね つまるところ。しかし、それでも一言吼えずにはいられない・・・

あの〜皆様方、ほんとに・こんなに"安い"パフォーマンスでいいんですか?黒鳥のpddが・・・。ガラだから、徹底して大衆ウケ路線でいってみました、ってこと?(前回この手のロシア系ガラ公演があったときはオーシポワとサラファーノフのドンQpddにこれと近いものがあったけど・・・まぁでもあの二人の場合は二人揃ってテクニックが笑っちゃうぐらい凄かったから、ほんとただ笑うしかない、って状況でしたが・・・こちらはヌニェスはともかくソアレスはテクニックないし。←サラファーノフ比)

前回の同種のガラ公演ではこの二人は海賊のpddを踊っていて、私も楽しんで見た記憶があるけど、あれはミンクスだから・・・チャイコフスキーはねぇ・・・。取敢えず、ヌニェスは神秘的な存在にも鳥にも見えなかったし、ソアレスはへっぴり腰だし・・・(口の悪い友人は、「アマチュア・プリンス」って評してたが)。なにより、せっかくのあの官能的でseductiveな音楽が喚起するところとこの二人の生息する世界には、接点がほとんど見出せない・・・とすら感じてしまったからなあ・・・。

"Le Carnaval" Yevgenia Obraztsova, Andrei Batalov

これも初めて見る作品。ボリュームあるティアード・スカート(五段ぐらいあった?)を着用したお人形さんみたいなオブラスツォーワが、お人形みたいな細やかな動きで舞う。彼女に合わせてバターロフもやや戯画的に、お人形っぽい動き。作品自体は取り立ててどうということもない、ラヴリーでやや古風な作風をもった小品・・・というところだけど、オブラスツォーワの踊りと所作の一つ一つに(パリオペ組同様)、正しくホーム・カンパニーの伝統を継ぐダンサーだなあ・・・と思わせてくれるものがあって、嬉しくなる。

"The Dying Swan" Ulyana Lopatkina

ロパートキナの瀕死としては特別心に響いてくるパフォーマンスではなかったけれど、勿論白鳥の姿の彼女を見ているだけでうるうる・・・。どっちかというと、全員登場のカーテンコールのときの彼女の嬉しそうな笑顔が印象的だった。(純真無垢な子供のような表情のロパートキナを見て、なぜか胸が痛くなった・・・)

<完>

おまけ: ガーディアン紙の報道によると、当夜のオペラハウス、なんと「ロシア当局のお尋ね者」が見に来ていたそうです・・・ボディガード三人連れて。今時珍しくもないUK在住のロシアのオリガルヒの一人みたいですが、よりにもよってクレムリンに指名手配されている人物がねぇ・・・大胆不敵というべきか何と形容すべきか。しかし、こういう物騒なお客には今夏のマリインスキー公演・とくにロパートキナ登板の白鳥の日はハウスに近寄ってほしくないなぁ 万が一銃撃戦なんてことになったら・・・(な〜んて。ガーディアンから孫引きのイズベスチヤ報道の表現によると、ロンドンはいまやモスクワ、サンクトに次いで"ロシア第三の都市"なんだそうで・・・。)

http://www.guardian.co.uk/world/2009/jun/09/russia-chichvarkin-london-ballet
2009-06-16 09:26 | その他のバレエ・ダンス公演 | Comment(2)
ディアギレフ・ガラ@ROH (6/7) 前半
ちょうど一週間前。全仏決勝、ロジャー・フェデラーがスタイリッシュに二時間弱で試合を決めてくれたお陰で、この夜ROHで行われたディアギレフ・ガラを無事見ることができました。(ファイナルの相手がラファだったら、試合時間が長引いて、きっと見られなかっただろうな・・・)

で、せっかくなので薄れつつある記憶を手繰り寄せつつ、一言メモだけでも残しておこうと・・・

"Tribute to Diaghilev"
Royal Opera House, 7th June 2009


オープニング: バレエ・リュスの映像が数分間流れる。広々とした屋外のオープン・スペースでアンサンブルがアルカイックな動きを繰り返すシーン(ハルサイ?)、男性ダンサーの勇壮な踊り(Polovtsian Dance?)等々。ごく短いこの映像を見ただけでも、尋常でない・溢れんばかりのエネルギーがひしひし伝わってくる。バレエ・リュスの衝撃、間近に接した人にはどれほど凄かったことか・・・

"Scheherazade" Ulyana Lopatkina, Igor Zelensky

耳慣れた音楽が流れてきて、幕があがると、薄暗い舞台に細長のダンサーのシルエットがぼんやり見えている。お〜あれは、見紛うことなきロパートキナ!なんとトップ・バッターですか〜。となると、奴隷は誰かなぁ ルジ、ゼレ、はたまたイワンチェンコ??と固唾を呑んで見守っていると・・・・左袖から飛び出してきたのは・・・ わっ・ゼレだ〜〜。

この二人のシェヘラザードって見たことあったっけ?と記憶を慌てて辿りながらも、目は舞台に釘付け。ふぅ〜まあ〜、なんて格調高いシェヘラザードでしょうか。二人とも動く彫刻のよう・・・品格がありすぎ・古典美にまさるせいか、エロティシズムはほとんど感じられず。ロパートキナはゼレがパートナーだからすっかり安心しきっているのか、心なしか表情が可愛らしいぐらいに見えて、なんとも微笑ましいこと。ゼレは昨秋見たときよりも更に身体を絞っていたような・・・かなり細く見えた。こういう役を踊っていても、しなやかさやセクシーさよりは古典ダンサーの風格と気品が立ち上ってくるところが、彼ならでは。

かれこれ10年以上前に初めてロパートキナのゾベイダを見た時に驚愕したのが、彼女の手の使い方、というか"指"の表現力。ロパートキナは背が高いだけでなく手・足など身体の各パーツが大きいでしょう これって古典バレリーナには必ずしも有利とはいえない資質だと思うのだけど、ゾベイダを踊る彼女が、長〜〜い腕だけでなく、これまた長〜い指を蛇のようにくねらせて"語らせて"いたのに感嘆してしまったのだ。もうこの役も長年踊りこんで、すっかり彼女ならではのゾベイダを創り上げていますね・・・高貴で品格ある・彼女らしいゾベイダも勿論いいけれど、時には自分を完全に解放して・炎のごとく燃え上がるような、そんなパフォーマンスも見せて頂きたいなあ。(コズロフが相手じゃないとダメかなあ・・・)

この二人をトップに持ってきたのは大正解。いきなりロシア・バレエ界の至宝二人のクラス・アクトを見せつけられ、いやがおうにも雰囲気が盛り上がる。

"Daphnis and Chloë" Natsha Oughtred, Federico Bonelli

・・・と、大いに盛り上がったお祭り気分が、早くもトーンダウン(私的に)。もともとこのアシュトン振付作品、私にはぴんとこなくて・・・抜粋で見ると尚更。ナターシャ・オウトレッドはRBからBRBに移籍したダンサーで、多分当夜の出演は誰かの代役(アリーナ?)。ラブリーなダンサーだけど、これといってアピールせず・・・ボネッリはといえば、怪我から復帰したばかりの彼にこんなにリフトの多い作品を踊らせなくても・・・などと雑念に襲われる。

"Petrushka" Dmitri Gruzdyev

お仕置き部屋に閉じ込められたペトルーシュカが苦悩するシーンより。バレエ・リュス作品にビジュアル(美術・衣装)は欠かせない重要な要素だと思うのだけど、ペトルーシュカなんて特に、セット不在は痛いなあ・・・と。そんな不利な条件下でもかなり健闘していたんじゃないでしょうか・・・踊っていたのはドミトリー・グルジエフというENBのダンサー。(最初登場してきたとき、おっマチアスか??と思ってしまった。ピエロ・メークをしていたのだけど、顔立ち、特に目がマチアスに似て見えて・・・)

"La Chatte metamorphosée en femme" Alexandra Ansanelli

今シーズン限りでRBを退団・バレエ界からも引退するらしいアンサネッリが、有終の美を飾るべく、十八番の"猫女"を披露。前回のオペラハウスでのガラ公演で彼女が演じて大受けだった、ナンセンスでデカダンで・超お馬鹿だけど憎めないアシュトンの小品。バレエ・リュスとどういう関係があるのか・無いのかわからないけど、また見せてもらえてよかった。彼女が去ってしまったら、暫く上演されないだろうから・・・(今回は"おもちゃの鼠"の独り・カーテンコールがなかったのが残念!)

"Giselle pdd from Act II" Mathilde Froustey, Mathias Heymann

パリオペから唯一出場のマチルド&マチアス。不思議な人選だなぁ きっと若い二人に似つかわしく・薔薇の精あたりを踊るんだろうなぁ、なんて思い込んでいたところが、蓋をあけてみると・・・なんとジゼル二幕のpdd!

幕が上がってこの二人の姿を認めたとき、ひえっ大丈夫かいな・・・と、瞬時に保護者モードにスイッチ(笑)。ジゼルはパリオペでは特別重要なレパートリーであるので、階級の低いダンサーは普通本公演では(全幕は)踊らせてもらえないはず。(マチアスはエトワールになったばかりだし、マチルドはまだスジェ。)多分それは地方・国外の公演でも同じはず・・・ということは、この二人にとっては日頃このpddすら滅多に(公の場で)踊る機会はないだろう。相当緊張していたはず。

マチルド、普段は見たことのない・神妙な顔つきで踊っていて(当り前か・・・)、新鮮。時折動きがスムースでなかったり、ポール・ド・ブラが変な形になってしまったり、と荒さも目立ったけれど、彼女の表現には確かに「パリオペのジゼル」を感じさせるものがあって、ちょっとぐっときた。このジゼルからもっとも強く受けた印象は、そのフェミニンな表現だったんですよね。(あの勝気でお転婆なマチルドも、紛れもなくパリのダンサーであった!)一方のマチアス、顔立ちはばりばりのキャラクテールだけど、踊りはほんとにノーブルですねえ・・・両足を空中で打ちつけて降りた後アラベスクするシーンの美しさが、目に焼きついてます。二人ともまだまだ荒削りながらもしっかりとパリ・オペラ座のlineage、伝統を受け継いだダンサー達なんだなぁ、と感じさせてくれて、嬉しくなった。(それと、久々に見て感動したのがあのパリオペ仕様のふわふわのロマンティック・チュチュ。デザインはごくごくシンプル、でも良質のオーガンジーを惜しみなく使ってるんだろうなぁ・・・と、ついタメ息。)

"Tamar" Irma Nioradze, Ilya Kuznetsov

この夜最も"unfortunate"な選択というか、ビミョーだった作品。初見だったため、out of contextだからつまらないのか、そもそもあまり大した作品じゃないのか、不明。主にニオラゼの着用していたあまり趣味のよろしくない衣装と、彼女特有のcampな表現のせいで、自分的にはイロモノ系に分類してしまいました・・・。

"Le Spectre de la Rose" Yevgenia Obraztsova, Dmitri Gudanov

夢見る少女そのもののオブラスツォーワ。中性的な雰囲気があって、繊細な表現のグダーノフの薔薇の精。前の作品がちょっと、アレだっただけに、一服の清涼剤のような。大変満足しました。

以上で前半終了〜。<続く>

☆ ウエブ版コメルサント紙で若干舞台写真を見られます(なぜかパリオペ組のばかりですが・・・):

http://www.kommersant.ru/dark-gallery.aspx?PicsID=338323&stpid=21
2009-06-15 08:26 | その他のバレエ・ダンス公演 | Comment(7)
Nobody does it better....
たいへん遅ればせながら・・・・

全仏初制覇!キャリア・グランドスラム達成!!おめでとう、Roger〜〜〜!!!!

いや〜いやいや、も〜〜参りました。いまだに雲の上を歩いてるみたいにフワフワ〜〜ってeuphoria状態が続いてます。ちょっと気を抜くと、あの<優勝決定の>瞬間を思い出してはニマニマ〜〜。すっかり怪しい人になってます・・・

(日曜の試合のあとRogerへのトリビュート記事を書きたかったんだけど、ここんところ調子の悪かったネットへのコネクションがいよいよ危なくなってしまい・・・(涙)。ハズのiphoneを借りて一言コメントを書こうと頑張ったのだけど、なぜか改行が上手くいかず、あげく文字化けする始末で、泣く泣くギヴアップ。一昨日ルーターを取り替えたらやっと安定作動・・・というわけで、遅まきながら。)

はあ〜〜しかしまぁ、なんとも完璧なゲームでしたねえ ロジャー・・・(うっとり)。あの尋常ならざる雰囲気の中で、おそらくかつてないほどのプレッシャーの下で・・・あれほど完璧にゲームを組み立てて、多彩なショットで敵を翻弄して、肝心のサービスもよかったし。あれじゃ誰も相手になりません(Rafa以外は)。情けない話だけど、試合開始直前に膝がガクガク震えちゃって・・・この試合の重みをひしひし感じるにつけ、ロジャーの心中を想像するにつけ、ああ自分は最後まで見届けられるだろうか・見るのが怖い・・・と、TVの前で(勝手に)超・緊張状態。試合後のインタビューで、最終セットは"エモーショナル・ローラーコースター""頭ぐるぐる"状態だったと語っていたけど、それであのプレイって、貴方は一体・・・スズキ・イチローさんですか?(←おいおい)Daily Telegraphの記者が上手いこと書いてましたが・・・『フェデラーは最後までクールを崩さず(涼しい顔で水面下では激しく足を動かしている)白鳥のようだった』、とか何とか。全仏を制し生涯グランドスラムを達成したことでどれだけ肩の荷がおりたか("これで残りのキャリアはのびのびプレイできる")、ということも率直に語っていて、ああ ほんとによかった・・・と、ファンとしては、ただただ嬉しい。

ところで、笑えた、というかほとんど呆れたのがローラン・ギャロスの観客のリアクション。フランス人のロジャー贔屓はつとに有名だけど、特にラファの敗退後、Qtrファイナルあたりからちょっと異常じゃなかったですか?(もっとも、決勝以外はネットでハイライトしか見てないけど。)まぁ決勝は、(BBCのアナウンサーがコメントしてたように)99.9%の観客がロジャーの優勝を望んでいたでしょうけどねえ それにしても。も少し大人になれ〜フランス人!って、ついついソデルリング応援したくなっちゃう瞬間があったものねぇ・・・。

さ〜そんな"完璧!"なロジャーに贈る言葉はこれ、カーリー・サイモンさんに歌っていただきましょう〜〜。

"Nobody does it better
Makes me feel sad for the rest
Nobody does it half as good as you
Baby, you're the best

.......And nobody does it better
Though sometimes I wish someone could
Nobody does it quite the way you do
Why'd you have to be so good?

........Darling, you're the best
Baby, you're the best

BABY, YOU'RE THE BEST!!"

(Carly Simon/The Spy Who Loved Me)

2009-06-12 09:30 | 未分類 | Comment(2)
オレリー・デュポン インタビュー
豪州ツアーを三週間後に控えたオペラ座バレエ団。今日ballet.coのリンクから地元紙掲載のインタビュー記事を読みました。語っているのは、オレリー・デュポン。

http://www.news.com.au/couriermail/story/0,23739,25556554-5003423,00.html

インタビュワー/記者の方はあまりパリオペに詳しくないのかなぁ・・・のっけから、オレリーを紹介する形容が、「彼女はマリ=アニエス・ジロと並んで現在のフランス・バレエ界を代表するgrand dame」となっているんですが。○○と並んで・・・と言いたいなら、ここに該当すべきはアニエス・ルテステュでしょう ジロはちょっと違うと思うな・・・少なくとも現在形では。(アニエスが今回のツアー不参加というならともかく、彼女もキャストされてますよね??) ・・・・という突っ込みはともかく。

インタビュー前半は、オレリーのキャリアを脅かした10年前の怪我からの復帰について語っています。エトワール任命直後に見舞われた深刻な膝の故障で、どの医者にも再起不能と見離された中、唯一彼女に救いの手を差し伸べたのが、ラガーマン(兼?セラピスト)。彼の組んだリハビリ・プログラムは非常に過酷で、オレリーは毎日6時間、泣きながらこの苦行に耐えたとか。(セラピストに向かって、「あなたなんてただボールを追いかけ回してればいいだけでしょ 私はバレエ・ダンサーなのよ!」と盾ついた、っていうところがいかにも彼女らしいけど、ダンサーってほんとうに大変な職業ですよね・・・このラガーマンには私も感謝状を進呈したいぐらい。偉大な功績!!)

さて、パリオペは今回「バヤデール」を持っていくわけですが、ニキヤはオレリーの好きな役の一つだとか。理由は、フェミニンで、かつ(ヌレエフの)振付の難易度がやや低いため、舞台を楽しむことができるから・・・と。彼女はスネーク・ダンスのコスチュームと振付が特にお気に入りのようですが、この場面では振りを変えることが許されているとか。毎晩違うことをやってもよいそうです(知らなかった〜)。

ヌレエフ振付の古典作品については、他にも興味深いことを語っています。例えば、バヤデールでは上述のスネーク・ダンス以外の振付はオリジナルに厳格に・型通りに踊ることが要求されているわけだが、彼女はしばし振付家と議論したくなる衝動にかられる・・・いわく、「幽霊と戦っているようなもの。」さらに、我々は新世代のダンサーだから・・・幽霊なんて怖くないわよ("we are very strong against the ghost")、と強気の発言。

そして、昨年母親となったことについて若干触れていますが(長年の夢だったそう)、子供の父親は同僚のジェレミー・ベランガール、とはっきり書いてありますね。(活字になってるの初めて見た気がする。)

は〜それにしても、オレリーももう36歳ですか・・・!ロパートキナよりちょっと若いと記憶していたけど、同い年だったのね。パリオペの定年まであと6年しかないなんて、愕然・・・先月パリで見たオレリーは、誇り高く・気品に満ちた美貌と真のバレリーナ・オーラを身に纏って、まばゆいばかりに輝いていました。今彼女を見られるチャンスがあるなら逃す手はありませんよ〜Oz在住のバレエ・ファンは、迷わず、Go!!
2009-06-01 08:58 | パリ・オペラ座バレエ | Comment(0)
ロイヤル・バレエ 「トリプル・ビル」(5/19)
先週鑑賞したロイヤルのトリプル・ビル、記憶が忘却の彼方に消え去る前に、ちょこっとだけメモを。

- 「バレエ・リュス生誕100周年記念」がテーマのミックス・ビル。フォーキン振付作品二つの間にアラスター・マリオットの新作が挟まれてるという微妙な構成。

- 「レ・シルフィード」をロイヤルが踊るのを観るのは初めて。ballet.coに誰かがポストしていた情報によれば、最後に上演されたのは91年か92年だったらしい(観てないはずだ・・・)。

- 当初のキャストはアリーナだったのだけど彼女の降板で、リードを踊ったのはチェ・ユフィさん。彼女は、実に、実に、素晴らしかった!!

- ユフィさん一人だけ別世界の住人。動きはあくまで軽くスムーズで、表情はたおやか・かつこの人特有の甘やかさに満ちていて、な〜んてチャーミングなんでしょう。一人だけ、まさに空気と戯れるようにフワフワと舞っていた。

- ユフィさん一人に目がいってしまったのは、正直言って周囲があまりにもあまり・・・だったせいもあるんだけど。コール・ドはまぁともかく、二人のシルフが・・・はっきり言っちゃうと、全然・まるで・妖精に見えない。ワルツを踊ったラウラ・モレーラは、ちょっと身体が重くなったのか?ジャンプの着地でかなり大きな音立ててたのに興醒めたし、あのいつものキメの表情(大きな瞳でしっかと客席を見据えて艶然と微笑む)には、ちょっと〜それは〜どうあってもシルフじゃないでしょうよ〜と心中ツッコミ入れてしまった。もう一人、マズルカを踊ったヘレン・クロフォード(カスバートソンの代役)も、一体この人の持ってるシルフのイメージって・・・??と訝しくなる、無意味な元気さ全開というか・たんにラフというか。(そもそもユフィさんは体型から顔立ちから、つくりがすべて繊細にできていて、これはほんとに有利な点ですねえ この役を踊るには。)

- 詩人はヨハン・コボー。う〜ん老けましたねえ・・・動き重かったし、なんか冴えなかった。

- 一つ気になった点。シルフィードが宙にふわりと浮かぶようにみせるリフトのシーン。詩人が彼女を肩より高く(確か)リフトして、シルフが身体を寝かせた状態で脚をふわりと浮かせるところ。ここで片脚を90度近く真上に上げてたんですけど・・・・ぎょっとした。このシーン、故・Dameアリシアがご覧になっていたらダメ出しだされてたんではなかろうか・・・。詳しくは、バレエ・リュス・バレリーナの故アリシア・マルコワがパリオペ若手ダンサー達を指導する模様を収録したDVD・”Markova: La legende"をご参照頂きたくも、この映像の中で、シルフィードを指導するDameが、まさにこのシーンでノルウェン・ダニエルとエルヴェ・モローに注意を与えてたのよね。初めやや勢いよく脚を振り上げたダニエルに、もっと抑えて・この作品世界をよく考えて・・・というようなご指導をされていた記憶が。(今回の再演にはメイスン芸監自ら指導にあたられたようですが・・・頼むよ、ほんとに・・・!余談ながら、このDVDで「プレリュード」の模範演技を踊ってみせるエリザベット・プラテル、--これまでも何度か書いてるかもしれませんが--背筋がゾクゾクするような、極めつけの舞を披露しています<エレガンスの極地!。わずか二、三分のこのシーンを見られるだけで十分価値のある・強力推薦のDVDですよん。)

- 話がすっかり逸れてしまったが・・・私的にはユフィさんのシルフィードを見られただけで十分満足。この作品好きだなぁ・・・と、あらためて再確認できたし。

- 真ん中はRBのプリンシパル・キャラクター・アーティスト兼振付家のアラスター・マリオットの新作"Sensorium"

・・・・これについては何も語れません。意識があったのは最初の5分位までで、そのあとは・・・・。選曲は結構センス良かったのではないか、と思うのですが。音楽がとても心地良くて、そのせいもあってか快眠に誘われてしまったので(!)。

- 最後は、「火の鳥」。これは、序曲からバッチリ目が醒めて、最後までしっかり目を見開いて(?)食い入るように舞台をみつめてしまった。

- 45分間のファンタジー・トリップ。主役は音楽といってもいいかも。ストラヴィンスキーのスコア、刺激的で効果的な色使いに(毎度のことながら)舌を巻く。底なしに深い・暗い闇の色と、ひりひりするような鮮やかな色の対比が見事。(ロシア人ってやっぱり独特の色彩感覚をもってるのだなあ・・・)RBの火の鳥はごくごくオーセンティックな(?)演出で、舞台上にはフォークロア一色の世界がひろがっていて、ディテールの凝った絵本を眺めているような気分にもなる。

- 強力にヴィジュアル・イメージを喚起する音楽に対して、前半のセットはややさみしすぎ・照明も暗すぎでは?と感じる瞬間もあるのだけど、その分最後のタブローで一気に色が爆発して劇的な効果を引き出しているので、これはこれでいいのか。タイトル・ロールを踊ったのはロベルタ・マルケス。真っ赤なアイシャドウが似合って顔の表情は悪くなかったけれど、いかんせん踊りのメリハリの付け方が・・・シャープさに欠けた(ベンジャミンで見たかった・・・)。イワンはヴァレリー・フリストフ、彼のルックスはこの役に合ってますね。Beautiful Tsavrena役の長身のクリスティーナ・アレスティス(美人〜)と並ぶと若干背が足りないかな〜という気はしたけど。

- 魔法使いの囚われの身となっている王女たち。全員が波打つ亜麻色の髪をもち、シンプルな白のドレスを身につけている。この乙女達が哀切なメロディーにのって踊るシーン、このバレエの中で最も好きな場面の一つなのだけど、この日はとくに音楽に反応してしまったのか、見ていて涙が出た(綺麗だった・・・)。

- フィナーレ。舞台上が一気に色の洪水(音楽・美術・衣装すべてが)で氾濫するタブローは、いつ見ても感動的。RBがどのような経緯でこのバレエ・リュス作品をレパートリーにもつことになったのか、私は知らないのだけど、理由は何にせよ慶賀すべきこと。バレエ団の最も貴重な財産の一つではないでしょうか 大事に継承していっていただきたい・・・。(ちなみに当夜が198回目の上演だった。)

☆☆☆

The Royal Ballet
Les Sylphides / Sensorium / The Firebird

Choreography: Mikhail Fokine, Alastair Marriott

Music: Frédéric Chopin, Claude Debussy,
Igor Stravinsky

Les Sylphides: Yuhui Choe, Johan Kobborg,
Helen Crawford, Laura Morera

Sensorium: Alexandra Ansanelli, Leanne Benjamin,
Rupert Pennefather, Thomas Whitehead

The Firebird: Roberta Marquez, Valeri Hristov

Conductor: Barry Wordsworth
The Orchestra of the Royal Opera House
2009-05-28 10:28 | ロイヤル・バレエ | Comment(1)
「アグリッピーナ」の評判
先週聴いてすっかりハマったヘンデルのアグリッピーナbyチューリッヒ・オペラ。クリティックのウケがどうだったか、すっごく知りたい・けど知るのがちょっとコワい・・・と"恐る恐る"レビューを探して読んでみたところ・・・

むむむ やはり・・・

カサロヴァはあんまり評判良くないですね・・・っていうか、酷評してるレビューワーも数人。まぁ気持ちはわからないでもないですよ ファンの私ですら、"ちょっと、どーよ"って瞬間が結構あったし。でも、後半のアリアは良かったのに〜〜(勿論このアリアに言及して賞賛してる人もいましたが)。

一番キツイのがGuardianで、『カサロヴァはもはやかつてのgreat artistではなくなってしまったのではないか、と懸念を抱かせるパフォーマンス・・・彼女の深くくぐもった(foghorn)低音はしばしばヘンデルのラインを壊し、演技はくどすぎ・やりすぎで、まるで"Absolutely Fabulous"のジェニファー・サンダース』・・・・。

"controversial"なカサロヴァをのぞくと他の歌手陣の評判は概ね良好で、中でもネローネ役のアンナ・ボニタティブスの評価が高いような。確かにこの方はクリーンな歌唱で好感度大でしたけど。不思議な雰囲気をもったオットーネ役のマリヤーナ・ミヤノヴィッチというメッツォ(滅法背が高く痩身で中性的)は、結構名の知れた人だったんだ〜彼女はちょっと評が割れてますね。(RFHは彼女には大きすぎたようだ云々。確かにこの方の声は細かった・・・Rear Stallsに座っていた友人はよく聴こえなかったと言ってた。)

レビューで読んで初めて知ったのだけど、このプロダクション、現在本拠地・チューリッヒで上演中。その合間を縫って一日だけサウス・バンクにコンサート上演しに来てくれたという、珍しい?アレンジだったのですね。そのチューリッヒ・オペラのサイトで公演フォトが見られるのだけど、モダンでやや過剰感がありそうで(←カサロヴァにぴったり!)、興味津々。劇場版観たかったな〜。

http://www.opernhaus.ch/e/spielplan/spielplan_detail_impressionen.php?vorstellID=10325981

Orchestra La Scintillaと指揮者のミンコウスキーは大変評判がよろしいです。この公演の最強のファクターなんて書いてる人もいたり(ごくごく妥当かと・・・)。で、無知な私は初めて聴くオケでしたが、ちょっとググってみたら、知る人ぞ知る・欧州でも有数の精鋭部隊のようで(なにせ常日頃積極的にクラシック聴くことなんて殆どないので、世の中にどういうオケがあって・どこがいいかなんて、まるで判っていない・・・)。また近いうちに聴く機会があるといいなぁ。(チューリッヒ、急速に惹かれつつあります!)
2009-05-25 10:26 | オペラ | Comment(4)
マリインスキー・バレエ キャスト変更・第一弾
恒例の・・・マリインスキー・バレエ・ロンドン公演のキャスト、早速変更がありました。

当初Kevinがballet.coフォーラムに書いていた通り、オレーシャ・ノーヴィコワの脱落が確定して、主にそれに伴う変更なんですが、他にもちょろちょろ変っていて、あああ なんと・・・

ロパートキナはリラの精を踊らないようです・・・(涙)

当初発表では眠り最終日・8/15にダブル・ヘッダーでキャストされていて、いかにも怪しいなあ・・・と疑ってはいたのですが、いまや2回とも名前が消えてます。現状のキャストは、マチネがDaria Vasnetsovaというダンサー(若手?)、ソワレはコンダウーロワ。

今回がキャスト変更第一弾でまだまだこれから第二、第三・・・(and more??)と続きそうだけど、ロパートキナが返り咲くってちょっと考えにくいし、心底ガッカリ。彼女のリラ凄く楽しみにしてたのに・・・

http://www.roh.org.uk/whatson/mariinsky/index.aspx

これでロパートキナの登板予定は白鳥一回&InC一回のみに。ほんとに、この二回だけのために来倫するのだろうか・・・??という疑惑も頭をもたげてきてしまうなあ・・・(嘆息)。

その彼女、今夜イタリアのヴィチェンツァで行われたガラ公演に出演が予定されていましたが、ほんとに踊ったのかしら(ballet.co情報)。これブノワ賞関連のガラ公演ということで、出演者が豪華なんですよ〜ざっとこんな感じ:

パリオペ・・・ジロ、ルテステュ、(オレリア)・ベレ、ルグリ、モロー、カルボネ
ボリショイ・・・グラチョーワ、スクワルツォフ
マリインスキー・・・ロパートキナ、イワンチェンコ
ロイヤル・・・ロホ
&キューバ国立、オランダ国立のダンサー達

ロパートキナは予定ではダイヤモンドのpddと瀕死の白鳥を踊ることになってます。パリオペからのゲストが多いけど、何気に面白いというか珍しいメンバーだなー(アレッシオのアレポ、見たい!!)。グラチョーワのシルフィードなんて、いいなあ・・・

http://www.arteven.it/benois/programma.pdf

しかし、最近めっきりイヴァン・コズロフの姿(名前)を見かけないですねえ 故障中なのでしょうか。二週間後に迫ったROHでのディアギレフ・トリビュート公演にも来ないみたいだし。こちら今の所名前があがっている・ロパートキナとペアを組めそうなダンサーは、クズネツォフかゼレンスキーなんだけど・・・コズロフ君を見る機会がなかなか巡ってきません。

http://www.roh.org.uk/whatson/production.aspx?pid=9639

(もっとも、この公演こそキャスト情報は眉ツバものだけど・・・蓋を開けてみたら、誰が踊っていることか??)
2009-05-24 09:39 | マリインスキー・バレエ | Comment(6)
チューリッヒ・オペラ 「アグリッピーナ」(5/17)
ロイヤル・フェスティヴァル・ホールにて本日・日曜のマチネ公演を鑑賞(コンサート形式)。

いや〜いい公演でした 面白かった。ヘンデル/バロック・オペラでこ〜んなにコーフンするとは・・・!

何が良かったって、まずはオケ。もうもう圧倒的に素晴らしかったです・・・
This orchestra ROCKS!!

私は初めて聴きましたが、Orchstra La Scintillaという、チューリッヒ・オペラ管のサブ組織でピリオド・オペラを専門とするスペシャリスト集団のよう。40人に満たない編成で、テオルボという古楽器の奏者は日本人でした!(Toshinori Ozakiさんという方)

この公演、ブックしたとき私の唯一の目当てはタイトル・ロールを歌うヴェッセリーナ・カサロヴァだったのですが。思わぬ拾い物をした気分〜。

一部前半(注:本公演では全三幕のオペラを二部構成にしていた)は、なかなか綺麗な音出すなーぐらいの印象だったのだけど、後半〜二部にかけては、もはやオケが主役か??ってぐらい彼等のパワーが前面に押し出されてました。硬質でクリアだけど硬すぎず、清澄でありながらコテコテ官能的なヘンデル・オペラの魅力を堪能させてもらえました。特に(私を含む)観客がついついそそられて反応してしまったのが、ヘンデル(バロック・オペラ?)特有の、弦がジャンジャンジャン〜!って掻き鳴らすときの演奏のドライヴ感!爽快でcoolで、すっかりハイになってしまいました。指揮者はマルク・ミンコウスキー、エネルギッシュかつ音楽を創ることをおおいに楽しんでいる指揮ぶりで、よかった。

で、歌手陣ですが。お目当てのカサロヴァ、アグリッピーナという悪女の役なので、これはハマるのでは・・・と想像していたんだけど、(これまた想定通り)ちょっとやりすぎ・・・っていうか、やはりカサロヴァはカサロヴァであった・・・というか。れいによって一人舞台上でのテンションが異常に、それはもう異常に、高い。登場直後、夫・クローディオが海戦で死亡したことを告げる使者の手紙を受け取る時の表情からして、既に完璧に入りこんじゃってる。で、冒頭からカサロヴァ節炸裂なのはいいんだけど、一部はこのまますすんでいって、表現がややワンパターン(ひたすら攻撃的)。歌唱については強弱のコントラストの付け方がこれまたややワンパターンでアップダウンが激しく、ところどころunevenで、結局どれも同じに聴こえるというか。もう少しヴァリエーションがあった方がいいんじゃないでしょーか?と感じてしまった。

あと、このオペラって一応seriaらしいのだけど、リブレットは他愛ないものだし、お遊び的な台詞も散りばめられてるし、軽さとユーモアが求められる場面が結構あったと思うのだけど、カサロヴァは常にシリアス。照明を半分落としただけのコンサート形式だけに(だから軽くていいというわけではないけど)、ちょっとそれが他の出演者から浮いてたなぁ・・・と。一部はそんな感じで、ファンの私でさえ素直に彼女の歌唱・演技を楽しめなかったので、"あ〜あこれじゃあ批評家になんて書かれるか、わかったもんじゃないなぁ・・・"と心配になってしまった。

が、さすがカサロヴァ、二部でしっかり挽回してくれました。始まってすぐのアグリッピーナのアリア、雄雄しい音楽が彼女にぴったり。カリスマティックなパフォーマンスで、そうよこうでなくっちゃ!と心中ガッツポーズ。もっと良かったのが、後半、アグリッピーナの最後の(確か)アリア。これは静けさに満ちた音楽で、デリケートだけど弱々しくない・芯の通った歌唱に、一瞬心がどこかに飛んでしまう。・・・うーん、これだよね これにやられちゃうのだ。技術的に優れた歌手はあまたいても、時をとめてしまえるパフォーマーは、希少。

・・・というわけで、二部のカサロヴァには満足しました(ハート飛びまくりにはならなかったけど・・・)。他の歌手陣もまずまずよかった(クローディオ役のバリトンはあまり好きでなかったが)、で、大好きだったのが、サーヴァントの一人・ナルシソ役のカウンターテナー、ホセ・レモス。脇役でアリアは二曲しか披露してくれなかったのが残念至極。この方が一幕最初に歌った、耳元をくすぐられるような甘やかなアリアに、"おお〜これぞヘンデル・オペラを聴く歓び〜"と思わず頬がゆるんでしまった。

いや私はヘンデルのオペラ全然詳しくないんですけど、私的に彼のオペラの最たる美点は、なんといってもあの官能性。唐突ですが、このアグリッピーナにはpleasureって単語が何度もでてくるんですが(pleasure of loveとかね)、このpleasureってすべからくphysical pleasure・肉体的な快楽のことでしょう・・・と解釈してしまう。彼の書く愛のアリアって実際身体に気持ちいい〜効果をもたらすんですよね。で、音楽自体がHそのものみたいな(下世話な表現でスミマセン)「セメーレ」なんて大好き〜。こういうリスナーにとって歌の部門・本日の一番は、カウンター・テナーのあのアリア(ほんと気持ちよかったもの・・・)。彼の出番が少なかったのが返す返すも残念。

カーテンコールがまた楽しくて、客席からの熱烈な拍手が手拍子にかわると、舞台前面で手をつないで一列に並んでいた出演者たちがオケの演奏に合わせて踊りはじめて。ごく自然に・・・という感じだったけど、確かに心浮き立つあのヘンデル節にはついつい身体が動いちゃうよね。楽しかった〜。(ちなみに最も盛んな拍手とブラヴォーを集めていたのは、当然のごとく、オケと指揮者でした。)

☆☆☆

Zurich Opera "Agrippina"

Royal Festival Hall, 17th May 2009

Music: George Friedric Handel
Libretto: Cardinal Vincenzo Grimani
Premiere: 26 December 1709, Teatro di S. Giovanni Grisostomo,
Venice

Conductor: Marc Minkowski
Orchstra La Scintilla

Agrippina: Vesselina Kasarova
Claudio: Laszlo Polgar
Nerone: Anna Bonitatibus
Poppea: Eva Liebau
Ottone: Marijana Mijanovic
Pallante: Ruben Drole
Narciso: Jose Lemos
Lesbo: Gabriel Bermudez
Giunone: Wiebke Lehmkuhl

2009-05-18 10:14 | オペラ | Comment(0)
マニュエル・ルグリのアデュー公演
昨夜私はオペラハウスで「愛の妙薬」を鑑賞していたのですが(面白かった〜)、パリ・ガルニエ宮では歴史的イベントが・・・。長年フランス・バレエを象徴する存在だったマニュエル・ルグリのアデュー公演は、とても感動的なものだったようです。仏語フォーラム、ballettalkによれば、ポントワ、ルディエールなど歴代の彼のパートナー、同世代で既に引退したイレール、ロモリ、ベラルビ等にくわえ、ベッシー先生やギエム(!)も駆けつけて、ルグリにふさわしい華やかなアデューとなったと。

カーテンコールの様子がYTにアップされていないかなぁ・・・と見てみたら、しっかりありました(ありがたや〜):

http://www.youtube.com/watch?v=-_Wn0IMydYw

それから、これはオマケですが・・・「ダンシズ・アット・ア・ギャザリング」のソロを踊るルグリ:

http://www.youtube.com/watch?v=QCcjhdT8FCg

これ見つけた時は嬉しくてね〜。この作品、私はロイヤルが最近復活上演した時に見ただけで、NYCBもパリオペのも知らないのだけど、この衣装を身につけたルグリの写真はよく目にしていて、見たいなぁと思ってたんですよ。で、この役をアコスタが踊るのを見ながら、ルグリの姿(妄想の)がどうしても目の前をちらついてしまって・・・短い抜粋だし映像のクオリティは良くないけど、本物を見られて感涙状態。

彼の前に引退していったエトワールたちと違って、ルグリは踊ること自体はまだまだ辞める気はないと公言しているので、昨夜がダンサー・ルグリへのお別れというわけではないけれど、それでも公式引退という事実は重いですよね・・・。ヌレエフ世代最後のダンサーが去り、オペラ座も新たな時代の幕開けですね。《ルグリさん、長い間お疲れ様でした&ありがとう(・・・・でも、まだまだあと数年は頑張ってね!)》
2009-05-17 11:01 | パリ・オペラ座バレエ | Comment(4)
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