ロパートキナの白鳥<ちょっと珍しい映像>
皆様こんにちは お久しぶりです・・・年明けから無闇やたらと忙しく、気がつけばなんと二月も二週目!なんてこった・・・今年はまだ一度も劇場にも行ってないし(オペラのチケット一枚無駄にした・・・)記事のネタもないのでブログも放置してましたが、忙しい中にも全豪テニス(Roger〜〜!)とYTはチェックしてました。(まあ息抜きですわ・・・)

で、先週YTで嬉しい映像を見つけたのでご紹介。3年前にBBCで放映されたチャイコフスキーのドキュドラマが全編投稿されていました。プレゼンターの英国人音楽家・チャールズ・ヘーズルウッドがワガノワ・バレエ学校を訪ねるシーンでロパートキナが登場します(インタビューと、彼女とイリヤ・クズネツォフが白鳥のアダージョを踊るシーン・6分ぐらいからスタート):

http://www.youtube.com/watch?v=TRSI2PYdero

(続くPart5の前半にも再びロパートキナの白鳥がちらっとですが挿入されているので、どうぞお見逃し無く〜。)

この映像のロパートキナ、凄く好きなんですよ〜YTで見られて嬉しい。(3年前の放送直後に書いた記事はここにあります↓)

http://londonballet.blog60.fc2.com/blog-entry-134.html

全編に登場するロシアの若手音楽家達による演奏がまた素晴らしいんですよ〜再見して、感心至極。チャイコフスキーを愛する方には是非ご覧頂きたい、とてもよく出来たドキュドラマです。
2010-02-08 10:06 | マリインスキー・バレエ | Comment(2)
吉田都さんのトーク・イベント
ロイヤル・オペラ・ハウスの夏シーズンの案内に出ていた情報です。4月26日(月)、オペラハウス内のクロワ・ステュディオにて都さんのトーク・イベントが開催されます。夜7:30〜約一時間半、入場料10ポンド。

今回の会報誌には、「一時代の終わり・・・吉田都・ロイヤルを退団」と題した小さな記事が掲載されていますが、その中で、都さんが最も愛着を感じていたパートナーだったと語られているケヴィン・オヘア(現RB・Administrative Director)が当夜の聞き手となる模様。都さんのオペラハウスでの最後の舞台は4月23日のシンデレラ公演ですが、その三日後に開催されるこのイベント、ロンドンに(まだ)いらっしゃる方は、お見逃しなく〜。(私も勿論行きます!)
2010-01-24 09:56 | ロイヤル・バレエ | Comment(5)
クライバーの「こうもり」DVD・大特価発売中!
カルロス・クライバーの記事に暖かい反応を頂いたのに♪すっかり気をよくして(調子に乗って)、この話題続けま〜す。

ちょっと前に見つけた美味しい情報を。デアゴスティーニ・ジャパンという出版会社から現在刊行中の「隔週DVDオペラ・コレクション」、その第10巻にクライバー&バイエルン国立管弦楽団の「こうもり」が登場!新盤ではなく既存のDVDですが、1,990円というお値打ち価格で、<まだ映像を見てない私が言うのもなんですが>これは絶対、買いでしょう〜。このシリーズは定期購読が基本のようですが、分冊でも購入可能で、同社のサイトから、もしくは最新号なら書店で買えるそうです。(「こうもり」は一昨日・1/4に発売されたばかり)タイトルの詳細はこちら:

http://deagostini.jp/doc/backnumber.php?id=8849&issue=10

このシリーズ、昨年9月にスタートしたのですが、な〜んと創刊号もクライバーだったんですよ!!(担当者さん、イケてますね〜〜♪)ウィーン・フィル&ドミンゴ&オブラスツォーワ出演、名盤の誉れ高い「カルメン」が、創刊特別価格で、なななんと、990円(OMG!!)。サイトをみると、まだバックナンバーは買えるようですので、ご興味ある方は急ぎチェックしてみてください。

シリーズは65巻(!)まで続くらしいので、必ずや「薔薇の騎士」も入るでしょうね。そうしたら、多分、恐らく、いや・ほぼ絶対、またクライバーがくるでしょう〜〜というか、きてほしい!!(彼の号は全部揃えるぞ〜〜)
2010-01-08 09:10 | オペラ | Comment(15)
テリョーシキナのラ・バヤデール
本日は仕事始め。長期休暇の後の職場復帰はキツいですねえ(トシのせいか・・・)。骨の髄までオフ・モードですっかり仕事の仕方なんて忘れてるっていうのに、怒涛の忙しさで・・・疲れたああ。明日はまたぐっと冷え込んで雪が降るって言ってるし、年明け早々厳しいワーキング・ライフの始まりです・・・(はあ)。

さて、お年玉映像のご紹介。大晦日にマリインスキー劇場で行われたジルベスター公演の模様を、ARTE TVのサイトから見られます。前半がテリョーシキナ&サラファーノフ主演の「影の王国」後半がソーモワ&コルスンツェフ主演の「パキータ・グラン・パ」

http://liveweb.arte.tv/fr/cat/Theatre___Danse/

(影の王国の画像--タイトル:Reveillon a Saint Petersbourg--をクリックするとスタートします)

私はまだ前半しか見てないのですが、後半とのつなぎに挿入された、ミニ・バレエ講義風の映像に結構ウケてしまいました(紙芝居風の作りの「マリウス・プティパの生涯」?)。この情報はBalletTalkで見たのですが、キャストの詳細は同フォーラムのポストをご参照〜。

http://ballettalk.invisionzone.com/index.php?showtopic=30980
2010-01-05 10:23 | マリインスキー・バレエ | Comment(3)
ハマった!カルロス・クライバー
**謹賀新年**
あけましておめでとうございます〜。ロンドンは終日冷え冷えと、でも空が薄青色に綺麗に晴れ渡った、お正月らしい一日でした。

さて、本題の前に、新年早々ビッグ・ニュースがパリから飛び込んできましたねえ・・・昨夜・大晦日のくるみ公演で主役をつとめたカール・パケット、エトワールに任命!

遂に、という感じですね・・・大晦日公演にエトワールのドロテと組んで登板、という時点で、もしや??とソワソワしていたファンも多いのではないかと思われますが。私自身はほんの二週間前にガラ公演で見た彼のヘタレぶりがまだ記憶に新しいところなので、若干複雑な気分ではあるのですが、ここ数年バレエ団への貢献度という点では文句なくNo.1ダンサーだったわけで・・・件のガラ公演を見たときも、カールって今何歳だっけ こうやって便利に使われて結局エトワールになれずに終わったら酷すぎるなあ・・・などと案じていたので、良かったのではないかな。(怪我で欠場相次ぐエトワールの穴を埋めるオールマイティな活躍ぶりに、最近は仏語フォーラム上では「救世主」扱いされてましたからねえ・・・。)パリオペの公式サイト上はまだプルミエのままですが、彼のバイオはこちら:

http://www.operadeparis.fr/cns11/live/onp/L_Opera/le_Ballet/le_Ballet_de_lOpera/Premiers_danseurs/Karl_Paquette.php?&lang=en

で、カールつながり・・・というわけではありませんが(すごい偶然!)、本題いきます。

昨年運命的に(?)出会ってしまった・今は亡き伝説の指揮者、カルロス・クライバーについて書きたいのです。(蛇足ながら・・・カルロスはカールのスペイン語圏版)

事の発端は、マニュエル・ルグリのウィーン国立バレエ団・次期芸監就任。このニュースが流れた当時、バレエ団についてミニ・リサーチしようとネット検索してみたのだけど、ウィーンのこととてバレエの話題なんてほとんど掠りもせず。当然ながら、掘っても掘っても出てくるのはオケとオペラのトピックばかりだったのだけど、ウィーン・フィルと関係の深かった音楽家の一人としてやたらヒットしたのがこの人だったのです。

日本語のクライバー・ファン・サイト、もしくは日本語で彼について書かれている記事も少なからずあって、そのどれもが熱い思いに溢れたものばかり。で、そこから立ち昇ってくる人物像は・・・完璧主義者でエキセントリックな天才型の指揮者、数々の(面白すぎる)逸話を残し、今も尚カルト的人気を誇る・・・。カルロス・クライバー、名前はうっすら聞き覚えがあるけれど、そんなに凄い人だったのか・・・と俄然興味を惹かれて、YouTubeに向かったのでした。

幸いかなりの数映像がポストされていて、最初に見たのは、ヨハン・シュトラウスの「雷鳴と電光」、演奏はバイエルン国立管。これが、ちょっと常識外れなほど勢いがあって、スリリングな音で、へえーっと感心。指揮者は・・・確かこの人昔ニューイヤーコンサートで見たことあったような・・・ひょっとして、あのヘラ〜っとした薄ら笑い浮かべながらヒラヒラと身体を揺らしつつ指揮していた、不思議なオジサンかしら・・・。で、続けて今度は大好きな「こうもり」のビデオをクリックしたんですよ。

・・・こ、これが・・・! 良い子は決して踏んではいけない、"地雷ビデオ"だったのでした。

自分に何が起きたのか定かでないのだけど、スピーカーから音が流れてる間、えーっえーっえーっ・・・・と愕き、うろたえ・・・気がつくと、滂沱の涙が。身体に電流が走る、とはこういうことか。自分の耳を確かめるかのごとく何度も何度も繰り返し再生しては、えーっえーっえーっ!・・・・ただただ信じられない思い。

ライブでなく、映像のパフォーマンスにこれほどの衝撃を受けるとは・・・。好きでよく聴いていたと思っていたこうもりの序曲を、生まれて初めて本当に聴いた!と感じて、嬉しくて嬉しくてすっかりハイに・・・・。あとは興奮にまかせて手当たり次第にビデオをクリック・・・しかけたのだけど、グッと堪えてブレーキをかけて、ちょこっとずつ見ていこう・・・と自分に課して今に至っているのでした。(いっぺんに全部見ちゃったら楽しみがなくなっちゃうし、この種の、周りのもの全てを色褪せさせてしまうパフォーマーって危険ではないですか・・・こういう芸術家に超絶弱いからなあ自分・・・ホント、気をつけないと。←時、既に遅し・・・"クライバー効果"はその後の私のオペラ・クラシック鑑賞に着実に翳を落としているのであった・・・・)

ところで上述のシュトラウス映像は共に投稿原語は英語/独語だったのだけど、クリックしてみたら、なんと舞台は日本・昭和女子大学人見記念講堂!時は1986年、NHKの映像だったところにもたまげました。(渋い〜!尚、二つともアンコール曲で、コンサートの『本編』はベートーヴェンの交響曲・4番&7番。)雷鳴〜もこうもり序曲もYTにはクライバーがウィーンフィルを振ってる映像もありますが、この日本公演のバイエルン管とのパフォーマンスの方が、断然グレートです。これ、DVDで出してくれないかなぁ・・・NHK様、どうかどうか、お願いします!!

☆「地雷ビデオ」はこれです↓(クリックしたお陰で人生狂わされちゃっても責任取れませんからね〜あしからず〜♪♪)

http://www.youtube.com/watch?v=OqJK_s7I9EY&feature=related
2010-01-02 11:40 | 音楽 | Comment(11)
エディタ・グルベローヴァ@シャンゼリゼ劇場(12/17)
大晦日の夜・・・ロンドンもあと数時間で新年をむかえます。2009年最後のブログ・エントリー、除夜の鐘ならぬBig Benの鐘が鳴る前に、これだけはアップしておきたく・・・去る
12月17日にパリ・シャンゼリゼ劇場で行われたグルベローヴァ・コンサートの覚書き。

☆ Edita Gruberova @ Theatre des Champs-Elysees
Jeudi 17 decembre 2009


Orchestre Philharmonique d'Oviedo
Friedrich Haider, direction

Trois jeunes chanteurs pour "Roberto Devereux":
Julie Gautrot, Xavier Mauconduit, Benjamin Alluni

Wolfgang Amadeus Mozart
- Le Directeur de theatre, ouverture
- "Martem aller Arten", air de Konstanze (Entfuhrung aus dem Serail)

Ermanno Wolf-Ferrari
- Il Quattro Rusteghi, Vorspiel et Intermezzo
- Il segreto di Susanna, ouverture

Gaetano Donizetti
- "Il dolce suono", "Spargi d'amaro pianto" airs de Lucia
(Lucia di Lammermoor)

ENTRACTE

Ruperto Chapi
- Preludio de la Revoltosa

Vincenzo Bellini
- Roberto Devereux, ouverture
- "E sara, in quesi orribili", "Vivi, ingrato", "Quel Sangue" airs
d'Elisabetta (Roberto Devereux)

アンコール:
1. 「こうもり」(アデーレのアリア)
2. 「シャモニーのリンダ」
3. 「こうもり」(アデーレのアリア)

あの夜の興奮と陶酔感をいかに形容すべきか・・・なんともはや、凄まじいパフォーマンスだった。あまりの衝撃に、私ごときが感想など認めるのが憚られるような、ヘタなこと書いちゃいけないなと萎縮してしまうような、そんな経験だったと言えば少しご想像頂けるかな・・・。

取敢えず、私には声楽・のみならず音楽の専門的なことはわからない&既に記憶が怪しくなりつつあり、いつもの如く茫漠とした私的印象しか書けないので・・・この夜、グル様のパフォーマンスと同じぐらい、いや・もしかしするとそれ以上に強烈に印象に残ってるのがクレイジーきわまりない観客の反応だったので、そこを中心に書いてみるかな・・・

- 以前どこかで触れたかもしれないけど、グル様がフランスで舞台に立つのは10年ぶり、しかも最後の公演地はニース。パリでは一体何年ぶりになるのか?その事実をもってしても、フランスではさほど人気はないのかな・・・と想像していた。グル様は独語圏および日本では神格化されているけど、(イギリスも含め)それ以外の地域ではメジャーな存在ではなさそうな印象だし・・・しかし、その予想は見事に裏切られたのでした。少なくともこの日シャンゼリゼ劇場に駆けつけた観客は、大半が長年彼女の舞台を待ちに待っていたようだった。登場シーンで熱烈な拍手だけでなく、盛んにブラヴォーがかかっているのに驚く。(そうそう、お客さんは圧倒的に男性が多かった。私は2eme バルコンの正面ブロック・最前列に座っていたのだけど、周囲は男ばっかり・・・幕間にフォワイエに降りていったけど、そこでも男性が優勢だったし。)

- この夜演目数は決して多くなかったけれど、量より質とはまさにこのこと。グルベローヴァの歌唱の、殆ど非人間的なまでに研ぎ澄まされ、磨き上げられた技術(と、私には聴こえた)、その凄み・・・。そして観客に耐え難いほどの緊張を強いるあのカリスマ・・・劇場空間が一種神聖な儀式の場にかえられたかのように変容していくのが肌で感じられて、ゾクゾクする。全幕オペラでなくコンサートなのに、彼女が歌っている間は、まるで(最上の)オペラが演じられているかのように劇的で濃密な時間が流れている・・・一曲聴き終わるたびぐったりしてしまうほど。開始直後からやや常軌を逸していた感のある観客の熱狂は夜がすすむにつれクレイジーさをまして、一曲歌い終わるたびに拍手とブラヴォーがやまない。(そういえばウィーンの観客もこんな風だったな・・・と思い出していた。グル様ご自身はこんなことには慣れている?とばかり、あまり表情も変えずクールで、堂々たる佇まい。)

- グル様のルチア!これが聴けるとは・・・(感涙)。フルートとの掛け合いの場面は、あまりに非現実的な妙技(?)を自由自在に駆使する姿に、まるで白昼夢の中にいるような気分に。こんなことが人間の声には可能なのか、とただただ口を開けて、呆けて舞台を見つめていたような・・・。グル様のあの輝かしく・毅然たる高音が天にむけて立ち昇っていく瞬間、陶酔しながらも何か空恐ろしいものを感じる瞬間があって、それがたまらない。普通の意味で言う、ただ美しい声・歌唱というのとはちょっと違って・・・高潔であり、邪悪でもあり・・・(天使か、悪魔か?)

- 劇的、という点では最後のロベルト・デヴェリューがやはり凄かった。この作品だけサポート歌手陣が登場して華を添え(?)「劇」の緊迫感がさらに高まる。こちらは、固唾をのんで・目の前の鉄棒にしっかり摑まって、もはや生きた心地もせずグル様ワールドに身を委ねるのみ。エリザベッタのアリアがクライマックスに達した瞬間、極度の緊張が弾けてどっと汗が・・・。拍手しようにも、手が汗でべたべたになってしまってできない・・・(こんなことは初めて!)。

- ロベルト〜が終わるや、オーディトリアムは興奮の坩堝。いまや観客の熱狂は殆どヒステリックなほど過熱して、そのノリはほとんど宗教の集会か何かか?と錯覚しかねない、そんな様相を呈していた。今回初めて訪れたシャンゼリゼ劇場、アール・ヌーボーのエレガントな建築様式の劇場に足を踏み入れたときの第一印象は、"まぁ〜素敵な劇場ねー ここの観客に『春祭』がスキャンダラスな反応を惹き起こしたなんて、ちょっと想像できない・・・"というものだったのだけど、グル様に熱狂する群集(自分もその一人だが)の渦中に身を置いていると、遠き日にバレエ・リュスの生んだ狂熱がうっすらと感じられるような、そんな気分にすらなってくる。

- アンコール一曲目。グル様の口から”Chauve souris..."と漏れるのを聞いて、狂喜乱舞したくなる。グル様のアデーレを聴けるとは思わなかった・・・!で、これがまた・・・たった今、エリザベッタの怨念が乗り移ったかのような鬼気迫る歌唱を披露した、同じ歌手とはとても思えない変わり身の早さに、唖然。軽やかに舞台を行き来して、指揮者に時折襲い掛かって遊んでみたり、超絶技巧はお手の物で観客をじらすじらす・・・場内にすっかりクリスマスのお祭り気分が充満。華やかで、楽しくて・・・目の前の情景に思わず嬉し涙が。

- アンコール二曲目。客席から、「ツェルビネッタ!」「ルクレチア!」と次々リクエストがかかる。その声に対して、「ドニゼッティの、この曲でもいいかしら・・・」と歌い始めたのが、シャモニーのリンダのアリア。ここまできても全く衰える(翳る)ことのない完璧なコントロール力。コロラトゥーラの炸裂に、場内ほぼ総立ち状態。花束がいくつか贈られる中、粋なプレゼントを進呈するファンが。パリの街中に通りの名前を記したダークブルーのプレートがあるでしょう、あれを模した、「エディタ・グルベローヴァ通り」と記された標識(”Avenue・・・だったかBoulevardだったか忘れたが・・・Edita Gruberova"と書いてある)が贈られていた。グル様は嬉しそうに客席に向けてプレートを掲げて見せていた。

- カーテン・コールは全部で何回あっただろう 30回ぐらい??(感覚として、それぐらいあったような記憶が、ということです。)観客は、"今夜は一晩中帰さないぞ〜"と決意を固めているかのごとく、延々・拍手とブラヴォーを送り続ける。(アンコール部分だけで40分位あったような・・・)舞台に呼び戻されたグル様は、再びアデーレのアリアを披露。最後は、忠実な信者達にもう下がってよいぞと言うかの如く、手をヒラヒラと振って袖に消えていった。

「コロラトゥーラの女王」、「最後の大歌手」等々、世にグル様をデコレートする形容詞は数あれど、私自身はこの夜のコンサートに接して、"戦慄の女王"という敬称をあらたに捧げたくなったのでした・・・
2010-01-01 08:42 | オペラ | Comment(0)
スティングのウィンター・ソング
今夜BBC1で見た音楽番組がとてもよかったので、少々メモ書き。

イングランド北東部・ニューカスル出身のミュージシャン・スティングが、地元にほど近いダラム大聖堂で行ったコンサートのメイキング・ドキュメンタリー。事の起こりは(レコード会社から?)「クリスマス・レコードを創ってくれ」という要請があったのを、スティングが多少幅を広げて「ウィンター・レコード」のコンセプトで創作開始。ロック、フォーク、クラシックなどジャンルの異なるミュージシャン達を集めて、イギリスに古くから伝わるフォーク、キャロル、バラードをアレンジしたり(これらが大半)、スティングが自分の好きな詩にインスパイアされて創ったオリジナル曲があったり。このプロジェクトで初めて集結したミュージシャンたちが一から音楽を創り上げていく様子をカメラが追いかけているのを見て、(以前記事にした)"Bring on the Night"をちょっと思い出したりして。総勢35人のミュージシャンの中にはツィター奏者がいたりモロッコのパーカッショニストがいたり、本当に多種多様。さらに本番のコンサートでは、大聖堂付きのクワイヤが登場するは、リバーダンスを披露する少女がいるは、なんとも楽しい。

スティング自身が、「(ロックならロック、ジャズならジャズというように)純粋に"これ"、という形式にこだわるよりミックスするのが好きなんだよね」と語っていたけれど、この種のクロスオーバーの試みが彼はほんとに上手いですね・・・今回は彼一人でなくプロデューサーの存在にも助けられていましたが。私的に一番興奮したのは、数時間のリハーサルの後に宿舎?に戻ってきた一団が繰り広げたジャム・セッション。皆殆ど陶酔状態でジャムに没頭している姿を見て、音楽家っていいなぁ〜!と心底羨ましくなった。

久しぶりに地元に戻ってきたスティングが(ダラム大聖堂を訪れたのは実に40年ぶりだとか!)ニュー・カスルの街を案内してくれたり、昔の音楽仲間と再会するシーンが挿入されたていたり、これも興味深かった。北の男・スティングは冬が大好きなのだそうです。彼がこの季節について語っていた言葉でとても印象的だった部分を最後にご紹介・・・(注:訳は適当です。なんとなくこんな感じだった、ということで):

-インタビュアー:貴方は少々メランコリックな気質入ってますよね balladierであり、ストーリー・テラーでもあり・・・実際、冬という季節が性に合っているのでは?

-スティング:そうね、冬はメランコリックな季節だし、僕自身確かにその傾向があるけど、それが悪いことだとは思わないよ。メランコリック、というのは、要すれば・・・深く物を考える力がある、ってことだから。冬は沈思黙考の季節なんだよね。

それと、想像力に翼が生える季節でもあるよね・・・幽霊や精霊がそこいら中に。魔法とか不思議な出来事とか・・・で、勿論これらは聖歌の中にもある要素なわけで。聖母受胎を信じるか否かに関わらず・・・僕自身は不可知論者だけど、それでも美しい物語だと思ってるよ。復活と季節性・・・この二つのアイデアは、イエスの復活と冬という季節を通じて感知されるわけだけど、特にイエスの復活が象徴するもの--「生と死」、これは僕個人にとっても重い意味を持っている(共感できる)。僕は聖なるものと俗なるもの("sacred and secular")、この二つを結び付けたいんだよね。結局のところ両者は同じもの・違いはない、ってことを示したいんだよ。

☆ この番組、UK在住の方はiplayerで再生可能です(7日間有効)。ご興味ある方はお試しを:

http://www.bbc.co.uk/iplayer/episode/b00pl1cf/Stings_Winter_Songbook/
2009-12-30 11:34 | 音楽 | Comment(0)
ウィーンフィル・ニューイヤー・コンサート2010&ジロのビデオ
いよいよ年の瀬・・・一週間後に迫ったニューイヤー・コンサート、注目のバレエ部門のゲスト・ダンサー、今回は誰かなぁと思っていたら、エレオノーラ・アッバニャートとニコラ・ル・リッシュなんですね〜。

ダンソマニに紹介されていたこのリンク↓から見たのですが、衣装をかのヴァレンティノが手がけているそうで、鮮やかな赤のドレスを纏ってニコラにエスコートされるエレオノーラが、素敵〜。(髪をダークに染めているので一瞬誰かわからなかったのだけど、なかなか似合ってますね〜)

http://www.artforart.at/Content.Node/content/news/news.en.php

あとちょっとググってみたところ、こんな情報が↓。バレエ・シーンの撮影は、今回初めて美術史美術館で行われたとか。レナート・ツァネラ振付で、ポルカ"Ein Herz, ein Sinn"とワルツ"Morgenblätterwalzer"の二曲で踊られる模様。

http://www.austriantimes.at/news/Business/2009-10-21/17421/New_Year's_Concert_ballets_at_Museum_of_Art_History

肝心の当日のフル・メニューはこちらのサイトから見られます。指揮は二度目の登場(?確か)、ジュルジュ・プレートルさん。英国でのTV放映は、1月1日(金)11:15〜、BBC2にて。

http://www.wienerphilharmoniker.at/index.php?set_language=en&cccpage=newyearsconcert

それからこれ、ちょっと面白かったので貼っておきます。マリ=アニエス・ジロがフレンチ・ポップス・シンガー(でいいのかな?)バンジャマン・ビオレーのビデオ・クリップに出演・踊っています:

http://www.youtube.com/watch?v=xtmVTfGJUzA

NBSサイトのジロ・インタビューで言及されてたのに興味をひかれて映像探してみたのですが、振付はジロさん自身がされたとのことですが・・・。彼女は綺麗だけど、ビデオ自体は・・・ちょっと笑ってしまいました スミマセン・・・(アナクロすぎでは〜〜?)フランスではこういう音楽が流行ってるのね〜と面白い発見ではありました。
2009-12-26 08:45 | 情報系(ニュース、公演) | Comment(7)
ボリショイ・バレエ ロンドン公演2010!
一年のうち一日だけ、街が<ほんとに>静まり返るクリスマス・デー。ロンドンは、寒いけど快晴で穏やかな一日でした。明日から一気に冬のセールが始まってまた騒々しくなるので、この静けさもほんの束の間・・・

さて、ロンドンor英国在住の皆様にクリスマス・プレゼント(?)、ボリショイの来夏のROH公演・詳細が発表になっています:

http://www.roh.org.uk/bolshoi/index.aspx

以下、ballet.coからのコピペです:

Spartacus
19 / 20 / 21 / 31 July at 7.30pm / 31 July at 2.00pm

Coppelia
19 / 20 / 21 / 31 July at 7.30pm / 31 July at 2.00pm

Serenade / Giselle
22 / 23 / 24 July at 7.30pm / 24 July at 2.00pm

Russian Seasons / Petrushka / Paquita
29 / 30 July at 7.30pm

Le Corsaire
2 / 3 / 4 / 5 August at 7.30pm

Don Quixote
6 / 7 August at 7.30pm / 7 August at 2.00pm / 8 August at 3.00pm


※チケット発売はフレンズ・2010年3月2日、一般・4月6日開始。チケット価格は10〜97ポンド。

スパルタクスとコッペリアの日程が同じになっていて、明らかにどちらかが間違い。オペラハウスのサイトには、"シーズンの幕開け演目はスパルタクス”とあるので、コッペリアは翌週ということかな?

ロンドン初演作品がそのコッペリアを含め三つもあって嬉しいのだけど(あとの二つはロシアン・シーズンとパキータ。あ、ひょっとしてペトルーシュカも?)、昨夜本拠地でプレミエ上演されたばかりの「エスメラルダ」も持って来てほしかったなぁ・・・。ballet.coにマーシャとスクワルツォフによる舞台レポ映像へのリンクがポストされていて、これを見てしまったので・・・あああ全編見たいよう。

http://www.1tv.ru/news/culture/158183

あと、ロンドンでの上演は久々の「ジゼル」ですが、「セレナーデ」とのカップリングという美味しいプログラム構成になっています。昔々、ロシアで、だったかな?ジゼルを上演するときは他の小品との二本立てで見せるのが普通だったという話をきいたことがあるけど(ジゼルだけでは短いと思われていて)、最近はこういう趣向は珍しいですよね。少なくともロンドンでこういう形で上演されるのを私が見たのは、97年のキーロフ(当時)のコロシアム公演が最後だったような・・・(シンフォニー・イン・Cとジゼルの二本立てだった。)

尚、バレエ団の公演の後にはオペラの上演も予定されています。演目は「オネーギン」、公演期間は8月11日〜14日。
2009-12-26 00:43 | ボリショイ・バレエ | Comment(3)
パリオペラ座バレエ 「バレエ・リュス・ガラ」(12/16) Part 2
続きの前に・・・この日は通常のバレエ・リュスのプログラムに特別な写真集がついて、20ユーロで販売されておりました。写真集は表紙が例のバクストによる牧神画、なかなか洒落たデザインのつくり。中味は出演ダンサーの写真集なのだけど、印刷が間に合わなかったのか、マチューがINのまま、玉突きキャスト変更で急遽登板となったヤン・ブリは写真がなくて可哀想・・・。

それから、キャスト・シートに記述があって初めて知ったのですが、このガラ公演は来年・来々年に予定されているパリオペのロシア公演(2010年ノボシビルスク、2011年モスクワ)をサポートする目的で開催されたんですね。(普通他国にツアーで行くときはこういうことしませんよね?ロシアではパリオペ公演は商業ベースにのらないということか・・・?)あとは大晦日公演の時みたく幕間に無料のシャンパンとおつまみ各種が振舞われたのですが、どれもとっても美味しかったです。(パルミジャーノ・レッジャーノが銀のお皿に山盛りにして供されていたのが、何ともデカダンでよかった〜。)

☆ ジゼル二幕のpdd (コラリ、ペロー〜プティパ〜バール、ポリヤコフ/アダン)
パリ・オペラ座初演: 1841年
オレリー・デュポン、ルスラン・スクワルツォフ


見終わって数日たって、しみじみといい舞台だったなぁ・・・と思い出すのがこれ。実に素晴らしいジゼルpddだった・・・

この場面、ガラでよく上演されますが、見るたびにジゼル役のダンサーは大変だなぁと感心するんですよね。登場直後に精霊になりきらなきゃいけないのだから。オレリーは、見事に入り込んでました・・・表情も動きも、この世のものではない存在。自己を消して何ら意思をもたず、ただ白い儚げな物体がふわふわと宙を舞っているだけ、に見える冒頭部分。踊りすすむにつれて、顔の表情が微妙な変化をみせて、あの美貌がなんともいえず切ない表情を見せる瞬間があり、どきっ・・・勿論その動きはすみずみまで完璧にコントロールされていて。精霊の神秘性と生身の女性としての魅力が絶妙のバランスで同居している、かくも魅惑的な存在に、ただただ息をのむばかり。2009年も終わりを迎えようとしている今、今・見ることのできる、これは理想的なジゼルではあるまいか・・・と、ほとんど呆然と舞台を見つめていました。

パートナーのスクワルツォフがまた、よかった。彼は決してキラキラ・スターオーラのあるダンサーではないので、登場直後はオレリーの影に隠れて地味目なのだけど、バレリーナをたてるサポート技術の確かさと、ソロでみせた的確かつ丁寧な踊りにほっとさせられる(神は細部に宿る・・・のですよねえ・・・)。それに顔つきが以前に比べて逞しく・キリリとして見えたのも嬉しかった。いや、大変いいものを見せていただきました。

☆三角帽子から抜粋(マシーン、アレンジ:スザンナ・デッラ・ピエトラ/マニュエル・ドゥ・ファリヤ)
パリ・オペラ座初演: 1992年3月11日
ラ・タルド〜粉屋の女房のソロ〜ファンダンゴ〜粉屋のソロ〜ファルッカ〜ラス・ウヴァス
ジョゼ・マルティネス、マリヤ・アレクサンドロワ


幕があがると、パネル画が・・・このバレエの登場人物らしき人々がイラスト風に描かれている(byピカソ。ちなみに当夜は黒鳥のpdd以外は何かしらセットがしつらえてありました。)ジョゼ@粉屋は伊達男でかっこよかったけど、想像していたほど色気ムンムンではなくて、ややがっかり(笑)。振付のせいかもしれないけど、動きがやや硬く・終始直線的に見えて、ちょっとしなやかさに欠けるというか。とてもストイックな舞台姿に、どうあっても消せないダンスール・ノーブルの本質が露になっていたような(それが素敵、ともいえるけれど)。ジョゼ大熱演で、後半のソロでは"うぉっ"という掛け声が聞こえて、その気迫におされるように、ソロが終わりきらないうちに観客も大喝采。一方のマーシャ@女房、こちらも男前〜だけど色っぽくて、彼女は(これまた振付のせいかもしれないが)柔軟な身のこなしと、メリハリのある動きが素晴らしかった。やや哀切なムードを漂わせた音楽に合わせて(?)ゴージャスさを振り撒くというのではなく、顔の表情がダークな情熱を秘めたもので、これがまた良かった。(マーシャこういうキャラクテールな役も凄く上手いよね・・・10年以上前に見た、ドンQの街の踊り子の姿などがついつい頭をよぎってしまった。)

せっかくのジョゼとマーシャの共演、もっともっと見たかった。できればこれも幕上演してほしかったです・・・

☆ 白鳥の湖より黒鳥のpdt(プティパ・ヌレエフ改訂/チャイコフスキー)
パリ・オペラ座初演(ヌレエフ版): 1984年12月20日
スヴェトラーナ・ザハロワ、カール・パケット、ステファン・ビュヨン


・・・これはですねえ、え〜っと・・・

思い出すと辛くなる、というかハラワタ煮えくり返る・・・ってな状況になるので、小声で・一言だけ。

どうせならザハロワ、一人で踊ればよかったのにねえ・・・(ボソボソ)。でもpddならぬこの版はpdtだから、あともう二人、どうしても頭数が必要だったのよね。とりあえず、ザハロワは元気に踊っていたので(high kicking連発、グランフェッテは全てシングル・正確で綺麗だった)、ファンの方は満足されたのでは。その証拠に?客席から盛んなブラヴォーがとんでました。(あ、キャストされた人に罪はありませんから。キャストした人が悪い!)

☆ ペトルーシュカ(フォーキン/ストラヴィンスキー)
パリ・オペラ座初演: 1948年4月7日
ペトルーシュカ: バンジャマン・ペッシュ、バレリーナ: ナタリヤ・オーシポワ、
ムーア人: ヤン・ブリダール、シャルラタン: ミカエル・ドナール
 

ペトルーシュカ、なんたって音楽が最高〜大好き。それだけにオケの出来次第で天国か・地獄か、明暗分かれるわけですが、冒頭のフルートの音がはっとする美しさで、歓喜。(シャルラタン登場シーンのフルート独奏がまたよかったのです〜思わずオケピを覗きこんでしまったのですが、中年の女性奏者が吹いておりました good job!)。あ〜、も〜、なんてカラフルな音楽!謝肉祭の熱狂と、魔術師の演出する幻想性・不気味さがないまぜになって・・・ぶるる。終始一貫、音に幻惑させられっぱなし。

さて、ダンス部門ですが。素晴らしかったのがバレリーナ役のオーシポワ。彼女一人に限らないけど、ボリショイのダンサーは踊りの輪郭が実にくっきりしていて・動きにメリハリがあるので、見応えあるんですよね。生き生きとした人形振りが舞台に活気を与えていて、たいしたもんだなぁ・・・と舌を巻いたけど、もっと沢山踊ってほしかったなあ・・・。タイトル・ロールを踊ったペッシュは、なんというか、正攻法?完全な道化師タイプ、という役作りに見えたのだけど、正直言って(その分面白味に欠けたか?)あまり強く印象に残ってなくて。ここはやはりベテラン・ダンサーの演じるペトルーシュカ(ルグリ・・・)を見たかったなぁと思ってしまったのだけど、仕方ありませんね。

さて、カーテン・コールの立ち位置ですが・・・

ど真ん中の"女王様"のポジションはザハロワとツィスカリーゼが占め(両者、互いに譲らず?笑)、彼等の両脇、ザハロワの隣はニコラ、ツィスカリーゼの隣はオレリー。指揮者を迎えにいったのは、アニエスでした。観客席の盛り上がりはまぁまぁといったところ?最後の幕が下りたあとは、向こう側で大歓声があがっていました。
2009-12-24 10:27 | パリ・オペラ座バレエ | Comment(4)
パリオペ「椿姫」映像・ウェブ公開!
ガラの感想が未完ですが、米フォーラムで美味しい情報を見かけたので・・・

DVD化されている、アニエス・ルテステュ&ステファン・ビュイヨン主演の「椿姫」がFrance3のサイトで全編見られます:

http://programmes.france3.fr/musique-classique/index-fr.php?page=la-dame-aux-camelias

いつまで見られるか定かでないので、ご興味ある方はお早めにどうぞ〜。
2009-12-23 06:00 | パリ・オペラ座バレエ | Comment(4)
パリ・オペラ座バレエ 「バレエ・リュス・ガラ」(12/16) Part 1
ふう〜寒。先週水曜、ちょうどパリに向かったあたりから欧州は寒気団にすっぽり覆われて、パリ二日目は雪に見舞われたのでした。今回も駆け足旅行で、もうちょっと長居しようかな・・・と出発前に一瞬迷ったのだけど、メイン・イベント(グルベローヴァのコンサート)が終わるやパリを後にして正解だったみたい・・・雪と事故のせいで、ユーロスターは私がロンドンに戻った数時間後から今に至るまでほぼ全面運休状態。一日旅程がずれていたら・・・と考えるとぞっとする。この週末にユーロスターで大陸をめざすはずだった旅行者の皆さん、お気の毒です・・・

ということで、先週水曜の夜にガルニエで行われたガラ公演の感想をば〜。実は、翌日のグル様コンサートの衝撃が強すぎて、もはやガラについては印象薄れ始めているのですが、頑張って書いてみます。

Soiree de Gala "Hommage aux Ballets Russes"
Mercredi 16 Decembre 2009, Palais Garnier


Avec les Etoiles de l'Opera National de Paris et les Solistes du Theatre
Bolshoi de Moscou
Les Premiers Danseurs et le Corps de Ballet de l'Opera National de Paris

Orchestre de l'Opera National de Paris
Direction musicale - Vello Pahn

☆ 薔薇の精(フォーキン/ウェーバー)
パリ・オペラ座初演: 1931年12月31日
ニーナ・カプツォーワ、マティアス・エイマン


この夜の構成は、前半に小品&古典pddの抜粋を一気に見せて、休憩を挟んでペトルーシュカ全編を上演。トップ・バッターはマティアスとボリショイからのゲスト・カプツォーワ。マティアスの薔薇の精は二年前に日本で見たとき特に強い印象が残らなかったのだけど、今回も・・・。期待が大きかっただけに、踊りが雑というか、荒さが目についてしまってがっかり。この役は個性派のダンサーが踊ればその個性だけで見せてしまえる・・・のかもしれないけど、マティアスには(まだ)そこまでの個性というかパフォーマーとしての強さはないし、ともかくしっかり踊ってもらわないとねえ・・・。カプツォーワはキュートな夢見がちの少女を想像していたのだけど、思いがけず妖艶な表情に、どきり。

(ところで、当夜はパリオペ管の演奏がなかなか良くて、これはもうけもの〜♪と心中喜んでおりました。この演目の冒頭のチェロ、かなーり引っ張り気味に歌っていて、よかったです。)

☆ 牧神の午後(ニジンスキー/ドビュッシー)
パリ・オペラ座初演: 1976年4月7日
ニコラ・ル・リッシュ、エミリー・コゼット(&ニンフ達)


ニコラの牧神は初見。彼もだんだんと私の中では「観られるだけで有難い」ダンサー分類に入りつつあるので、見られてやっぱり嬉しかった(笑)。エキゾチックなメークが風貌をやや東洋人的に見せていたのだけど、それがなんとも色っぽくて似合っていた。結構身体を絞っていたのか細く見えたせいもあり、あまりオスっぽさは発していなくて(ジュドのような獣性はほとんど無し)クールで軽やかな風情すらある。一種爽やかな色気というのかな、なかなか素敵だった。(・・・で、このニコラの牧神に対してガッカリだったのがコゼットのニンフ。本当に、他に誰もいなかったんでしょうか ケミストリーまるでなかった・・・)

☆ 瀕死の白鳥(フォーキン、アレンジ:テスマー/サン=サーンス)
パリ・オペラ座初演: 1960年1月27日
マリ=アニエス・ジロ


瀕死は十人十色、踊るダンサーの個性で劇的に印象が変わるものだけど、そういう意味でこれはしっかりジロ(ならでは)の瀕死だったんじゃないかな。振付はテスマーのアレンジ(原語は"regler")が入っているとのことだけど、ロシアのダンサーが踊るヴァージョンに比べると羽ばたきの振りが控えめ、というかあまり目立たなくて、ああやっぱりパリの流儀は別ものなんだなあ〜と面白かった。年々上半身が逞しくなっているジロ、知的な美貌といい明らかに現代的なダンサーで、その個性が自然に滲み出ていて潔いというか。ナチュラルな、人間的な表現だったように見えた。観客の反応はとてもよくて、周囲のボックスから盛んにブラヴォーがかかっていた。

☆ シェヘラザードpdd(フォーキン/リムスキー=コルサコフ)
パリ・オペラ座初演: 1951年4月25日
アニエス・ルテステュ、ニコライ・ツィスカリーゼ


導入部分のオケの演奏、あらこの音楽なに?と一瞬ぴんとこなかったのだけど、シェヘラザードの序曲(確か)をスピーディーに・コンパクトにアレンジしていることに気づく。なかなかスリリングで面白い演奏だった。

幕が開くと、見慣れたオリエンタル柄の布が天井から吊り下げられていて・・・ライモンダの、アブデラマンの催す宴の場で使われている天蓋が(こんな所で役に立つとは・笑)。舞台真ん中でポーズしているアニエス。ビキニにハーレム・パンツ姿のほっそーいシルエット、クールな表情。ややあって、舞台に飛び込んできた金の奴隷に、<文字通り>度肝を抜かれる。

ふあ〜・・・金も金だわ こりゃ・・・頭のてっぺんからつま先まで、ほんっとにピッカピカ(ギラギラ?)に光ってる。頭には女性ダンサーがつけるような髪飾りしてるし、腰に巻いたサッシュの先をリボンみたいに流してるし(&鼻ピアス!)。お化粧もいつも通りでとりたててエキゾチックなつくりにはしていなくて、衣装も地味目のアニエスとのコントラストが・・・劇的。(この二人、明らかに衣装の打ち合わせしていなかった模様・・・。)登場直後からツィスカリーゼは全身から"Let me entertain you!"光線出まくり。ともかくね、万事やることがハンパでないです。アニエスの前に身を投げ出すシーンでは、毎度"どさっ"と凄い音立てて舞台に身を沈めてるし、超・幅広の金のハーレムパンツをしゅぱっしゅぱっと捌きながらマネージュするシーンも凄いものがあったし。表情がまた、ほとんどオソロシ気と形容したくなるような、不敵な・凄まじい笑みを浮かべていて・・・全身から発するバリバリの舞台人オーラのせいもあり、スリムな体型かつ(私の目には)表情が硬くて色気が感じられず・少女っぽくすら見えるアニエス@ゾベイデに、官能教育を授ける目的で異国から遣わされた教育係(調教師!?)、に見えてしまう瞬間も・・・。(一体アナタ、どこが奴隷なんだよ〜!)

間違いなく、当夜最もインパクトのあったパフォーマー=ツィスカリーゼ。これは一夜限りのガラ、お祭り・ハレの場なんだよ〜とばかり、徹底したサービス精神に貫かれたツィスカリーゼのパフォーマンスと、終始クールな表情を崩さないアニエスとのコントラストが滅法面白かった、変り種・シェヘラザードでした。

<続く>
2009-12-22 01:40 | パリ・オペラ座バレエ | Comment(2)
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